北大路機関

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【日曜特集】小牧基地オープンベース2019【1】航空祭再開前に前回の航空祭総覧(2019-11-09)

2023-02-19 20:00:58 | 航空自衛隊 装備名鑑
■小牧基地航空祭2019
 来たる来月五日に小牧基地航空祭が開催されるとの事で皆様こころの準備は如何でしょうか。今回から前回の航空祭の様子を紹介しましょう。

 小牧基地航空祭の朝ほど気持ちのよい航空祭はありません、いや厳密にはあるのかもしれませんが格別なのです、なぜならば小牧基地の正門は太陽を背に位置していますから、もう晴れていればこれもかというほど順光なのですね、航空祭いよいよ始まる機運みなぎる。

 いよいよ来月、小牧基地航空祭が執り行われます、延期に延期を重ね2022年度内、しかしCOVID-19新型コロナウィルス感染症もようやく落ち着きました。そこで前回行われました小牧基地航空祭の模様を今回から数回に分けて日曜特集としてお伝えしたいと思います。

 ファントム、当時の貴重なカラー写真、こう大袈裟に表現するつもりはないのですが、2019年航空祭の次に2020年航空祭が行われて2021年のそして次の、というように航空祭が毎年行われるというのは当たり前以前の日常風景の様に考えていました。これまでそうでしたから、ね。

 前回の小牧基地航空祭、こう紹介しますのはCOVID-19新型コロナウィルス感染症により航空祭が全く行えない期間が続いていまして、2020年代は驚くべきことにまだ一度も航空祭は行われていません、来たるべき航空祭再開に向けて、前回の航空祭をみてみましょう。

 C-130輸送機とKC-767空中給油輸送機、そして救難教育隊の基地である小牧基地、飛行展示は多種多様でなかなかに迫力ある展示と、なにより米軍のぞけばC-130が配備されている基地は、ここ、だ、けと、まあ厳密には海上自衛隊も厚木基地に配備はしているのだが。

 C-130H輸送機に対して厚木基地は騒音問題の関係もありますから航空祭での派手な飛行展示が望めない、という事情もありまして、なかなかの迫力がある航空祭とおもう、けれども来場者がそれほど多くないというのも不思議でして、ちょっとおもしろいのですよね。

 名古屋から地下鉄で一本、いや二本か、小牧基地は交通の利便性が高いのです。名古屋と云えば大都市、新幹線のぞみ号も停車しますし駅前から繁華街の栄に大須を筆頭にホテルなども多く、名古屋城の城下町ということもあり散策していますとなかなかにたのしい。

 地下鉄で一本というのは、これは上飯田連絡線という名鉄線と地下鉄線を連絡する路線が整備されたためなのですけれども、環状線となっている地下鉄名城線に名鉄小牧線がリンクしている、つまり乗り換え一本ということです。ただ名古屋駅から若干時間はかかる。

 名古屋で働く友人は小牧線沿線に家を建てたという方がいまして、また、岐阜と名古屋と勤務地が定期的に変わる友人も沿線にマンションを購入したという。名古屋駅まででなくとも仕事場が各務原線沿線ですと逆にこちらのほうが便利、ということなのかもしれない。

 牛山駅は最寄り駅です、間違えて牛浜駅のほうにいかぬように、Cー130輸送機が配備されている基地へ行きたいのですが牛浜駅はどちらでしょうか、と聞きますと確実に第374飛行隊の展開する在日米軍横田基地の最寄り駅である牛浜駅の乗り換えを案内されてしまう。

 祇園精舎というのはどこでしょう、京都観光の話題で定番の笑い話ですが、ええと京都駅でですね特急はるか号に乗っていただき関西空港へ、そこからエアインディアの直行便かバンコック経由便でまずデリーまで行っていただけると、となりますので注意が必要です。

 牛浜駅ですか、そおですねえ先ず名古屋駅で東海道新幹線のぞみ号に乗っていただいて東京に行ってですねえ、そこから中央線の青梅路快速に乗り換えていただくか八王子まで中央特快に乗っていただいてそこからそこから、となってしまう。牛山、間違えられぬよう。

 基地正門は開門待ちの行列ですが、小牧基地航空祭、撮影位置は、まず航空祭なのだから最前列を押さえる、というのもよいにはよいのですが、さてどうするか慎重に考えたい。こう考えている最中にオープニングフライトが頭上を飛行してゆく、航空祭の始まり。

 KC-767にC-130H輸送機、オープニングフライトが開門待機列の上空を鮮やかにここは名古屋空港に隣接している日本屈指の、航空祭のほかの日でも撮影しやすい基地なのですから、航空機発着は日常のそういう際に撮影する選択肢もあります。そして今日は航空祭だ。

 オープニングフライトが頭上を飛行しまして、やはり航空祭プログラムを見た時点で、合い門と同時に飛行展示が行われる時間帯でしたから、このオープニングフライトが間に合うように基地に入るのはどだい無理だったのだなあ、と考えさせられるとことでした。

 撮影位置はしかし開門と共に列が動き始めましたのでどうするか、丹念に計画しても何が起こるかはその日までわからないのが航空祭ですのでちょっとは考えるのです。やはり滑走路間近の撮影位置となると最前列かあ、それでもはずしたくはない選択肢ともいえる。

 最前列にはやはり航空祭の様子がよくみれる、具体的には、日常に発着をみれるとはいっても、これは県営名古屋空港の展望デッキや航空館BOONといった、基地からは滑走路の向こう側で撮影するのですから、午前中は逆光ともなる、すると発着を最前列でとりたい。

 誘導路、C-130H輸送機の基地である小牧基地なのですから、主役はC-130H輸送機です、もちろんKC-767を運用している要員のかたに、そんなこというなら航空祭で飛ばないぞ、と怒られてしまうかもしれませんが、まあ、長年親しんでいるのはC-130Hのほうです。

 C-130H輸送機は編隊飛行しますので、誘導路を一本になって、つまり単縦陣という、こう重なるように進む様子は、おお航空祭の飛行展示で撮影したのだよなあ、という気概をみなぎらせてくれる情景として撮影できるのかもしれません、迫力がある構図となろう。

 エレファントウォークのような迫力の構図、飛行展示を終えて会場に戻る様子を撮影するには誘導路の位置を考えて最前列をとるという選択肢が考えられます。C-130H輸送機の編隊飛行は迫力があります、四発機ですので四機編隊ではエンジンは16基もあるのだから。

 編隊飛行、するとたとえば地上展示の、たとえばそろそろ先が見えているC-1輸送機の前とか、いややはり地元でC-130Hの飛行展示はC-130Hとともに、とC-130H輸送機の前で撮影してみるのもなかなかよいかもしれません。ここからは技量よりも工夫の世界です。

 広角レンズで手前の輸送機が入るように地上展示航空機と編隊飛行を、できるだけカメラを低い位置として撮影するのも、かっこういい写真を構図として仕上げられるのですね。しかし、これはほかの基地もそうなのですけれども、1歩引いた方がいい写真に出会える。

 格納庫の入り口あたりが少し標高がたかい。格納庫付近で撮影しますと、これは手前に最前列を確保している愛好家や家族連れを構図に入れるのですけれども、航空機と大勢の入場者という、ここは航空祭当日に撮影したのだ、という構図で仕上げることもできるのだ。

 格納庫周辺というのは、あと後ろの方が一般論として混雑していない。航空祭らしい風景を撮影するのですからたくさんの見学者と航空愛好家が集まってざわざわがやがやしていた方が、説得力といいますか、行事らしさ、というものが醸し出せるのかもしれません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【映画講評】ガメラ2-レギオン襲来(1996)平成特撮が挑んだ"リアリズムへの挑戦"と安全保障を考える映画

2023-02-19 18:22:44 | 映画
■BS-12日曜アニメ劇場
 ガメラ2が放映されると聞きますと少し心躍る。津波で原発が吹き飛び世界中が新柄ウィルス蔓延に曝されロシアが隣国に侵攻し核戦争の危機が続き元総理大臣が選挙演説中に暗殺される昨今ですが。

 ガメラ2-レギオン襲来、その4Kデジタル修復版が今夜1900時からBS-12の日曜アニメ劇場にて放映されます。BS-12というのは無料BS放送で衛星放送受信が可能なテレビでしたら誰でも視聴することができるデジタル多チャンネル時代の恩恵というところでしょうか、なにしろ衛星放送、地方に関係なく日本全国一律に見ることができ感想を共有できるのです。

 自衛隊が全面的に協力し、ああこの90式戦車が走っている場所は駐屯地祭でだれもが横断しているあの坂道ではないか、とすごく有名な場所がしれっと登場しますし、ああこの戦車部隊が集結しているのはあそこの駐屯地記念行事で、普通に式典車両が並んでいるところではないか、というどこかで見たような風景が登場するのも、ある意味見どころといえる。

 駐屯地祭、COVID-19によりなかなか行えないところなのですけれども、さりげなく真駒内駐屯地に第11戦車大隊が駐屯していた時代の様子が、モータープールに74式戦車の並ぶ様子ということで出ていたり、ああここでCH-47の体験飛行や地上滑走に乗ったよ、というような一角が出てきますので、行事によく行く方ほどたのしめるのかもしれません。

 平成ガメラシリーズの第二弾に当たるこの作品は、Weblog北大路機関をご覧になるような、安全保障に多角的な関心を持たれる方には是非一度、いや何度でも見ていただきたいという作品で、これは日本の平成特撮に新しい潮流を吹き込んだ野心的な作品、特に平成ガメラシリーズでは、ガメラをもう一度、という一点に集中し、題材を深めることが難しかった。

 平成特撮、その最大の特色は歴史的なヒット作となりました“シン・ゴジラ”、庵野秀明監督のゴジラを実際の危機管理という側面から説得力を持って映画として描き、連隊長を演じたのちに麻薬で引っ張られる役者さんがヘルメットバンドを装着していない以外は、あとは陸幕副長が陸将でなく陸将補である以外は徹底したリアリズムに徹した点があります。

 巨大生物災害、もしこうした危機管理の想定外における事態が発生した場合に、既存の政府機関や防衛当局はどのように動くのだろうか、この視点をかなり綿密に踏み込んだというのがこの本作“ガメラ2-レギオン襲来”の一つの特色となっています。そしてこの点で庵野秀明監督の“シン・ゴジラ”と重なるのは樋口真嗣特技監督の拘りが反映された仕上がりです。

 樋口真嗣特技監督、この特撮世界の巨人が挑んだリアリズムへの挑戦が、庵野秀明監督の“シン・ゴジラ”と重なりまるのは意外でもなんでもなく、庵野秀明監督と樋口真嗣特技監督は、1982年にダイコンフィルムが制作しました特撮映画“八岐大蛇の逆襲”にてともに製作現場に助け合ったという背景がありまして、方向性で重なり合うものがあるのですね。

 エヴァンゲリオン、庵野秀明監督といえば1990年代の日本アニメーション史に大きな影響を及ぼし、2020年代に劇場版のかったいでようやく完結を見ました新世紀エヴァンゲリオンの総監督として著名ですが、樋口真嗣氏は策が監督などでこの作品に大きく関与していますし、そもそも主人公碇シンジの名は樋口真嗣のシンジからとられたとさえいわれます。

 機動警察パトレイバー 2 the Movie、1990年代のアニメーション史に大きな影響を与えた作品として多数ある作品の中からもう一つ忘れてはならないのは押井守監督の“機動警察パトレイバー 2 the Movie”が挙げられます。この作品もリアリズムに挑戦したアニメーション作品の一つであり、地球温暖化による海面上昇を背景に建機の発達が作品の背景という。

 パトレイバーという架空の人員作業用機械は、もともと地球温暖化による海面上昇を背景に日本の沿岸部の主要都市部を海面上昇から護岸するべく東京湾埋め立て事業が開始、この作業効率向上のために開発された人型工機が犯罪に悪用されるために警視庁がこの建機を警備部に試験配備するという、これもリアリズムとロボットを融合させた作品でした。

 伊藤和典氏、ガメラ2-レギオン襲来の脚本を担当されている方ですが、この方は機動警察パトレイバー 2 the Movieの脚本も担当されていまして、いうなれば平成ガメラシリーズというのは特撮や場面構成などで機動警察パトレイバーと新世紀エヴァンゲリオンの二つを調和させ実写としたような作品といえるかもしれません。似たような場面も多々でます。

 リアリズムへの映画の挑戦、押井守監督の普段の発言などに端的に示されていますが、戦争というものの非日常性への警鐘というものを、こうした特撮から考えとることができるかもしれません。こういいますのも、安全保障という問題は非日常に思われるかもしれませんが、厳然たる有事は政治や法整備に想定されているもので、目を向けていないだけといえる。

 自衛隊がこの作品には全面協力していまして、87式自走高射機関砲の実弾射撃はおそらく映画では初めてではないでしょうか。その前任であるL-90高射機関砲は特撮番組“大鉄人17-ワンセブン”にてしっかり描かれているのですけれども。こうした協力も募集広報の一助という視点もあるのでしょうが、非日常の有事への広報という側面も皆無でないでしょう。

 第1師団に90式戦車はないよ、と反論が出てくるかもしれませんが防衛出動に際し富士教導団を戦闘加入させた、と理解すれば問題ないでしょう。第11師団なんてない、というかたは真駒内駐屯地の第11旅団はむかし第11師団だったんですと反論したい。前作で高射中隊長だった大野3佐が師団司令部幕僚というのはなあ、というのは多分頑張ったんです。

 金子修介監督、しかし本作の監督は樋口真嗣特技監督ではなく金子修介監督が総監督であるはず、こう反論があるのでしょうが、現場はいろいろ大変だったようです。こんな個性の強い二人を、よくまとめられたなあ、と思いながら、リアリズムというものに挑戦し始めた日本特撮、日曜日の夜という事でこれをじっくりと見ていただければ、と思うのですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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北朝鮮ICBM大陸間弾道弾実験実施,射程1万4000km級-ロフヘッド軌道描き北海道渡島大島EEZ排他的経済水域内に落下

2023-02-19 07:00:58 | 先端軍事テクノロジー
■臨時情報-ミサイル防衛
 北朝鮮がICBM実験を強行しました。

 防衛省によれば昨日18日夕刻、朝鮮半島より弾道ミサイルが発射され、ミサイルは高高度に高い軌道を描いて飛翔するロフテッド軌道を描き、その後の解析によれば60分以上の飛翔時間などから通常の弾道ミサイルではなく、アメリカ本土を射程に収めるICBM大陸間弾道弾の実験であるとされ、射程は1万4000kmに達する可能性があるとのことです。

 日本時間18日1721時頃、今回のミサイル実験は正確には1721時に北朝鮮の首都平壌近郊より発射され、ミサイルは発射された後に上昇を続け1827時に北海道沖の日本海へ落下しました。この飛翔時間は66分間で、飛翔距離は900kmとのことですが上昇高度は最高到達点が5700km程度まで上昇、通常軌道で飛行した場合は1万4000kmの飛翔にあたる。

 北海道渡島大島、弾道ミサイルが落下したのは北海道の渡島大島沖、この島は奥尻島の南に位置するのですが、我が国EEZ排他的経済水域内に落下したとみられ、また同時刻にNHK函館放送局屋上カメラには落下する火球のようなものが映りこんでおり、時間帯などからみて弾道ミサイル本体の落下時間と一致、函館市内から映しこんだこととなります。

 ICBM,その射程の大きさから日本本土を射程としたものではありません、もちろんロフテッド軌道を描く事で落下速度を稼ぎ従来のミサイル防衛システムでの迎撃が困難となる懸念はありますが、ミサイル防衛技術は年々進歩していますし、なによりもロフテッド軌道を描く事で飛翔時間が十倍近く延伸される為、迎撃準備の時間は増えることとなります。

 日本の安全保障に無関係か、こう問われますと一概に無関係とは言えません、アメリカ本土、ワシントンDCを含む東海岸を射程に収めている為、北朝鮮軍事行動やミサイル攻撃に対して、アメリカの関与を消極化させる、具体的に言えばアメリカ本土を核兵器で脅す機能を持つミサイルであり、間接的に日本の安全保障に影響が及ぶ可能性はあるのです。

 また、アメリカ本土に弾道ミサイルが到達する懸念は冷戦時代にはソ連の大陸間弾道弾と潜水艦発射弾道弾のみであり、両国は核による共倒れ、相互確証破壊を回避する為に核軍備管理の枠組みを構築しましたが、中国の大陸間弾道弾保有数の爆発的増大、そして今回の北朝鮮ICBM整備は、従来の核軍備管理枠組が破綻しつつある、核戦争に近づいた事を意味します。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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