北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

NATOはウクライナを如何に迎え入れるか【3】NATOオブザーバー国であったロシアと東欧諸国NATO加盟

2023-05-27 20:23:02 | 国際・政治
■ロシアとNATO東方拡大
 ルビコン川を最早わたってしまい後戻りできない時代であるのは関係修復の可能性は残っているのか。

 ウクライナのNATO加盟問題について、一つ大きな視座はNATOはロシアとの関係を修復する余地を考えていないのか、という問題です。発言から一ヶ月以上を経てもストルテンベルク事務総長からの修正発言が出されないことを考えれば、これは事務総長の視座ではなくNATO全体の意志であることを示しています。むろん時期は明確には示さないが。

 ロシアとの関係、少なくともプーチン政権の統一ロシアとの関係を考えれば、ロシア-ウクライナ戦争の開戦がウクライナからのロシアへの攻撃という一種の陰謀論、ウクライナがNATOに加盟しウクライナにアメリカの攻撃兵器が置かれるという陰謀論、これがキューバ危機などと異なるのはロシアが証拠を示さず開戦後実際無かったためですが。

 NATOへのウクライナ加盟を政治的な論点に持ち上げた背景を考えれば、次にロシアがウクライナへ侵攻した場合は第三次世界大戦の覚悟がある、という決意にほかならないとともに、ロシアとNATOとの関係はプーチン政権が存続する間は修正しない決意の表明にもほかならず、いわばNATO側から新しい冷戦構造の醸成を覚悟することにほかなりません。

 難しい視点は、G7がG8であった時代にはロシアは世界政治において安全保障上の問題には思い切った行動をとることで知られていました、いちばんの筆頭はシリア介入、ISILが跳梁跋扈しアメリカが介入するまでは、ISILは一種無敵に近い状態で数年後にはウィーンを包囲するのではという、歴史に影響されたような想像力のある警鐘もありました。

 ISILへのシリア介入は、アメリカがシリア内戦とアサド政権の関係、そしてイラク治安作戦を2003年以来継続し膨大な戦死者から厭戦機運の高まりとともにアメリカのオバマ政権が躊躇していたなか、先陣を切って爆撃機を派遣したのはロシアであり、いわばウクライナ支援におけるイギリスのような役割をG8加盟国では果たしていたのですね。

 ロシアとNATO,もちろん関係が開戦前にもどることはありません、次はスヴァルキギャップかポーランドか、特にポーランドは1939年にソ連に侵攻された経験、スヴァルキギャップに隣接するバルト三国もソ連に併合された歴史があり、そしてなによりもカリーニングラードとの関係を考えれば警戒を強化するのはむしろ当然ではあるのですが。

 NATO東方拡大、プーチン大統領が批判していますが、わたしはロシア自身がNATOオブザーバー国として准加盟国の位置へ進んだ、つまり2007年にNATOオブザーバー国を離脱するまでの期間でしたが、あの行動をもってロシアがNATO東方拡大を批判することができなくなったように思います、あのときはロシアはNATO加盟へ進んでいましたから。

 歴史、という分野になるのでしょうか、1990年代にはロシアのNATO加盟が現実的な流れとなっていて、これが実現するならばNATOの仮想敵国は日本なのか、と少々笑い話的に議論されていた、トムクランシー氏が小説"日米開戦"を発表したのはこのころでしたから。マイナーだが大石英司氏の”第二次太平洋戦争”もこのころの発表でしたか。

 まさか、ロシアがNATOへ接近したことをロシアがNATO東方拡大だ、と批判することはできないでしょう、何よりこの施策はロシア政府自身が進めたのですから。逆に東欧諸国はロシアとともにNATOへ向かう、それはソ連時代の厳しい教訓を反映するものでしょうし、逆にロシアがNATOに向かう以上、自国も向かわねば仮想敵国となりかねません。

 ロシアとの決別の覚悟があるのではないか、というNATOの姿勢ですが、同時に隔靴掻痒もあるのでしょうか。ウクライナ空軍の戦力不足などが背景にありますが、今回のロシアウクライナ戦争はNATOが重視するエアランドバトル、航空打撃力とヘリボーン戦力を最大限活用し第二梯団を叩く戦術を多用するならば、短期的に勝利を得られた、という。

 仮にNATOへのウクライナ加盟が実現し、その上で次の戦争となれば、今のように支援を長期にわたり行うことなく、通常戦力でも短期的にロシア軍に決定的な打撃を加えて領域外に追い出し、一方でロシアの切り札という核戦力はNATO自身の持つ強力な核戦力により抑止力を行使し、脅し以上に使わせない、という選択肢をとることができます。

 70歳、さて長期戦となればロシアは勝てるという指摘があるようですが、プーチン大統領は今70歳でまもなく71歳です、仮に十年単位の戦争となれば80歳、しかもおなじく高齢のバイデン大統領とは異なり彼は選挙ではなく政変で政権が変わる権威主義国家の大統領です、十年二十年、戦えるほど若くはない点を加味する必要があるでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都-河原町三条,美味しいは正義!そうだステーキを食べよう

2023-05-27 14:10:44 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 今日は5月27日で海軍記念日です。日本海海戦の戦われた火を海軍記念日としたわけですがまあ日常に色々と誰でも記念日はあると思う。

 はるなさん。29日でなくともお肉は食べたくなるものでして、なんというか美味しいものを満足げに食べるというのは栄養摂取以外にストレスというか鬱憤を晴らす一つの健康法なのだと思う、やり遂げた日や気分転換やなにか区切りの日には焼肉かステーキがいい。

 ジントニックを注文しまして、未だ混雑する前のお店を見渡します。古い建物を今風に内装を改築する、大きな窓からは坪庭もみえるのですが、坪庭というのは短歌のように無駄をそぎ落とした、しかし優雅と優美を兼ね備えた装いが、あこがれるように好きなのです。

 ステーキ、とともに古民家といいますが古い京風建物を改造して落ち着いた店内としていますが、テーブルの間隔も広く、調度品も気取り過ぎていないが落ち着いていて、照明一つとって居心地が良い。三条河原町の繁華街に隣接しているのに、という印象なのです。

 美味しいお肉をお手頃に頂ける、穴場という訳ではないのだけれどもちょっとお気に入りのお店が、河原町三条を下った直ぐのところ、大黒町のところにあります。いや坪庭が有り、ちょっとお高そうな雰囲気を醸しているところ、ステーキが待っている、舞っている。

 MASAYOSHI-正義、サーロインステーキやハラミステーキにフィレステーキと牛タンステーキ、こんなにお手頃にと思う様な価格帯なのですが、実に美味しく、数を焼いて場数を踏んでいる故の絶妙な焼き具合と熟成さで美味しさを届けてくれるところなのですが。

 アンガス牛ステーキが、ちょっとお勧めで、チリワインや南アワインでカベルネやリブシャクなんかと取り合わせて赤身のお肉を頂くのも良いのかもしれません、ワインはグラスワインも、しかしお勧めはハーフボトルといいますので、白か赤か迷いつつ嗜もう。

 ステーキには、卵ダレがおすすめされて、成程滋養あるタレでスタミナをつけるのもよいのですが、A-1ソースやしょうゆベースのソースに塩ポン酢や山葵と黒こしょうに岩塩と濃い口しょうゆにガーリックバター、卓上に備えられていまして、自分で味をカスタムする。

 MASAYOSHI-正義、河原町通りからちょっと高瀬川の方へ入った場所なのですが、分りやすく言えばクロスホテル京都の向かい側にあるお店です。ワインとお肉、いやチョリソやエビフライというような、ちょっと肴を先に、という愉しみ方も出来るお店が迎えてくれます。

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ウクライナ情勢-レオパルド1A5戦車110両引き渡し開始間近とロシア軍戦術核兵器ベラルーシ配備情報

2023-05-27 07:00:48 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 バフムト攻防戦がウクライナ軍の市域外への後退の一方で攻撃の主力を担ったワグネルが攻撃衝力を使い果たし交代するという状況下、春季攻勢の行方で気になる発表がありました。

 ドイツ政府からレオパルド1主力戦車110両の供与が開始される、ウクライナの駐ドイツ大使であるマケイエウ大使が24日に発表しました。供与されるのは第二世代戦車のレオパルド1A5戦車で、日本の74式戦車と同世代のものです。ただ、ドイツでは1990年代までに暗視装置を熱線暗視装置とする等、第三世代戦車の技術により改良が為されています。

 レオパルド1A5戦車は第二世代戦車ですが、105mm戦車砲は改良型砲弾によりT-72戦車などを正面装甲貫徹可能とされ、第二世代戦車は攻・走・守の三要素の内で技術的限界から二つまでしか充分な能力を有していませんが、攻撃力と機動力に重点を置いた優秀な戦車です。なお、大使がこのように発言している点ですが具体的日程は発表されていません。
■ベラルーシ核配備
 ロシア政府が発表していたベラルーシへの戦術核兵器配備がいよいよ開始されたもよう。

 ベラルーシへロシアからの戦術核兵器配備が実際に開始されました。これはベラルーシのルカシェンコ大統領が発言したもので、ルカシェンコ大統領自身がモスクワを訪問した際に、移転が開始されたので保管場所を準備する、と発言しています。ロシア政府は7月に移転するとして保管場所整備を行うとしており、かなり前倒しされた事を意味するもの。

 移転が開始されたので保管場所を準備する、これは保管場所が無いのに持ち込まれたのか、実際の核弾頭が持ち込まれたのではなく移転準備が具体的に始まっただけと二種類の解釈が成立ちますが、ルカシェンコ大統領は、移転が始まった可能性があるだけで実際に移転されたかは帰国した後で確認する、としており、確証或る情報ではないのかもしれません。
■クレムリン無人機攻撃
 攻撃に使用されたものは小型機でありウクライナ本土から投射した場合は到達は難しいでしょうが、特殊部隊等が近距離まで持ち込んだ場合は別です。

 クレムリンへの無人機攻撃へウクライナが関与した可能性、アメリカのCNNやニューヨークタイムズなど複数のメディアが3日に発生したロシア大統領府のクレムリンに対して2機の無人機が攻撃した事件について、ウクライナ側が関与した可能性があるという複数のアメリカ政府当局者の分析を報道しました。これは単なる憶測という訳ではないようです。

 クレムリン周辺の通信傍受を行った通信内容の解析から、無人機攻撃を予測できておらず、自作自演ではなく第三者による攻撃、という分析を行ったもよう。他方、ウクライナのゼレンスキー大統領が計画を承認していたかは不明であるようで、ニューヨークタイムズでは、ゼレンスキー大統領はしらなかった可能性が高いとの当局の分析を報道しました。

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