■防衛フォーラム
装甲戦闘車の各国での採用状況を見ますと戦車部隊を持たない機械化旅団へも歩兵の能力の一端として標準装備されていますので、自衛隊も650両程度は生産再開すべきとおもう、これは重戦力のコンパクト化とは無関係に必要な装備だ。
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オーストリア軍は主力戦車と装甲戦闘車の延命改良に関する5億6000万ドル規模の改修計画を発表しました。オーストリア軍は現在では旧式となっているレオパルド2A4主力戦車とオーストリアスペイン共同開発ASCODウラン装甲戦闘車を陸軍機械化部隊の主力に位置付けており、レオパルド2はM-60A3の後継、オランダから導入した中古車両です。
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ウラン装甲戦闘車はスペインと共同開発した装甲戦闘車でスペインではピサロ装甲戦闘車として正式化、特筆すべきはASCOD装甲戦闘車はエンジンやトランスミッションなどの冗長性が高く、採用国は自国兵站体系に合わせ独自の動力系統や通信システムなどを搭載でき、近年では改良型がエイジャックス装甲偵察車としてイギリスに採用されています。
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オーストリアにおけるウラン装甲戦闘車は2002年から採用開始され、102両が第13装甲擲弾兵大隊と第35装甲擲弾兵大隊に装備されています、今回の近代化改修では老朽化部品の換装とともに砲塔システムや光学照準器と電動駆動システムなどが一新される計画で、改修はGDELS傘下となったオーストリアのシュタイア社にて2030年に完了します。
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ハンガリーではドイツのラインメタル社によるリンクス装甲戦闘車の低能率量産が開始されました。リンクス装甲戦闘車はラインメタル社がプライベートベンチャー開発した新型装甲戦闘車で、装甲戦闘車としては異例の50tという重量級の車両に機関砲などを搭載、重装甲である点を除けば新技術をあえて避け手堅い設計を採用した装甲戦闘車です。
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リンクス装甲戦闘車はラインメタル社によるプライベートベンチャー設計ですが、ドイツ軍へ納入されるプーマ装甲戦闘車よりも防御力が高く取得費用を抑えているとして、ハンガリー軍が新しい装甲戦闘車として選定、2020年9月に20億ユーロ規模の生産契約を結びました。ハンガリー軍は最終的に200両以上のプーマ装甲戦闘車を導入する計画だ。
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ラインメタル社はハンガリー国内に合弁企業を創立するとともにザラゾーン工業団地のザラエゲルセグに現地工場を建設、2023年からリンクス装甲戦闘車46両とベルゲパンツァー装甲回収車9両を製造します、一方でドイツ国内で製造されたリンクス装甲戦闘車のハンガリー軍への引き渡しは2022年10月に一号車が納入、既に訓練が開始されている。
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スロバキア国防省はCV-90装甲戦闘車152両の調達に関する契約を締結しました、この契約はBAEシステムズ社とのあいだで交わされた正式なものであり、契約金額は13億ユーロ、米ドル換算では13億7000万ドル規模に達するとのこと、スロバキア陸軍では新しく導入されるCV-90装甲戦闘車をもってあたらしい重機械化旅団を新編する構想です。
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CV-9035,今回導入されるのはCV-90Ⅳという新世代型であり、セラミック増加装甲を追加したⅢよりも更に性能が強化され、火器管制装置は行進間射撃に対応するとのこと。CV-9035の名の通り主砲はスウェーデン軍に採用されている40mm機関砲ではなく、エリコン35mm機関砲が搭載される計画であり、スパイク対戦車ミサイルの搭載も計画される。
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スロバキア政府はBAEシステムズ社との間でスロバキア国内の運用基盤構築を強く要望しており、このためスロバキアの防衛大手ZTSスペリアル社が運用支援に当たるとともに、一部の構成部品をライセンス生産させる方針です。なお、今回採用される車体にはイスラエルのエルビット社製アイアンフィストアクティブ防護装置が搭載される見通しです。
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ロシアのロステック社は2023年1月23日に改良型のBMP-3装甲戦闘車をロシア軍へ納入しました、これはロステック社が装甲車両のロシア軍納入を発表するのは2022年8月以来半年ぶりというもので、ロステック社は昨年8月に納入の際、ウクライナ侵攻に伴う欧米経済制裁の影響がない点を誇示しましたが、その後の納入発表はありませんでした。
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改良型のBMP-3装甲戦闘車はその改良点として防御力強化とSODEMA主砲照準装置の搭載、またロシア製RWS遠隔操作銃塔の搭載を発表しています、増加装甲は中空式の追加装甲の更に外側に鳥かご状のスラッド装甲を追加したもので、ウクライナ侵攻の戦訓を反映したという事から、いかに対戦車火器による損耗があったかをしめしているもの。
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増加装甲は車体正面部分と側面部分にスラッド装甲とともにつっかされていますは、車体上面部分の装着はなくトップアタック式対戦車ミサイルへの不安は残ります、他方RWS遠隔操作銃塔は極めて小型のカメラを搭載していることから、いわゆるRWSではなく1970年代に各国が装備したリモコン式遠隔操作機銃の性能に留まる可能性があります。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
装甲戦闘車の各国での採用状況を見ますと戦車部隊を持たない機械化旅団へも歩兵の能力の一端として標準装備されていますので、自衛隊も650両程度は生産再開すべきとおもう、これは重戦力のコンパクト化とは無関係に必要な装備だ。
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オーストリア軍は主力戦車と装甲戦闘車の延命改良に関する5億6000万ドル規模の改修計画を発表しました。オーストリア軍は現在では旧式となっているレオパルド2A4主力戦車とオーストリアスペイン共同開発ASCODウラン装甲戦闘車を陸軍機械化部隊の主力に位置付けており、レオパルド2はM-60A3の後継、オランダから導入した中古車両です。
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ウラン装甲戦闘車はスペインと共同開発した装甲戦闘車でスペインではピサロ装甲戦闘車として正式化、特筆すべきはASCOD装甲戦闘車はエンジンやトランスミッションなどの冗長性が高く、採用国は自国兵站体系に合わせ独自の動力系統や通信システムなどを搭載でき、近年では改良型がエイジャックス装甲偵察車としてイギリスに採用されています。
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オーストリアにおけるウラン装甲戦闘車は2002年から採用開始され、102両が第13装甲擲弾兵大隊と第35装甲擲弾兵大隊に装備されています、今回の近代化改修では老朽化部品の換装とともに砲塔システムや光学照準器と電動駆動システムなどが一新される計画で、改修はGDELS傘下となったオーストリアのシュタイア社にて2030年に完了します。
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ハンガリーではドイツのラインメタル社によるリンクス装甲戦闘車の低能率量産が開始されました。リンクス装甲戦闘車はラインメタル社がプライベートベンチャー開発した新型装甲戦闘車で、装甲戦闘車としては異例の50tという重量級の車両に機関砲などを搭載、重装甲である点を除けば新技術をあえて避け手堅い設計を採用した装甲戦闘車です。
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リンクス装甲戦闘車はラインメタル社によるプライベートベンチャー設計ですが、ドイツ軍へ納入されるプーマ装甲戦闘車よりも防御力が高く取得費用を抑えているとして、ハンガリー軍が新しい装甲戦闘車として選定、2020年9月に20億ユーロ規模の生産契約を結びました。ハンガリー軍は最終的に200両以上のプーマ装甲戦闘車を導入する計画だ。
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ラインメタル社はハンガリー国内に合弁企業を創立するとともにザラゾーン工業団地のザラエゲルセグに現地工場を建設、2023年からリンクス装甲戦闘車46両とベルゲパンツァー装甲回収車9両を製造します、一方でドイツ国内で製造されたリンクス装甲戦闘車のハンガリー軍への引き渡しは2022年10月に一号車が納入、既に訓練が開始されている。
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スロバキア国防省はCV-90装甲戦闘車152両の調達に関する契約を締結しました、この契約はBAEシステムズ社とのあいだで交わされた正式なものであり、契約金額は13億ユーロ、米ドル換算では13億7000万ドル規模に達するとのこと、スロバキア陸軍では新しく導入されるCV-90装甲戦闘車をもってあたらしい重機械化旅団を新編する構想です。
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CV-9035,今回導入されるのはCV-90Ⅳという新世代型であり、セラミック増加装甲を追加したⅢよりも更に性能が強化され、火器管制装置は行進間射撃に対応するとのこと。CV-9035の名の通り主砲はスウェーデン軍に採用されている40mm機関砲ではなく、エリコン35mm機関砲が搭載される計画であり、スパイク対戦車ミサイルの搭載も計画される。
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スロバキア政府はBAEシステムズ社との間でスロバキア国内の運用基盤構築を強く要望しており、このためスロバキアの防衛大手ZTSスペリアル社が運用支援に当たるとともに、一部の構成部品をライセンス生産させる方針です。なお、今回採用される車体にはイスラエルのエルビット社製アイアンフィストアクティブ防護装置が搭載される見通しです。
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ロシアのロステック社は2023年1月23日に改良型のBMP-3装甲戦闘車をロシア軍へ納入しました、これはロステック社が装甲車両のロシア軍納入を発表するのは2022年8月以来半年ぶりというもので、ロステック社は昨年8月に納入の際、ウクライナ侵攻に伴う欧米経済制裁の影響がない点を誇示しましたが、その後の納入発表はありませんでした。
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改良型のBMP-3装甲戦闘車はその改良点として防御力強化とSODEMA主砲照準装置の搭載、またロシア製RWS遠隔操作銃塔の搭載を発表しています、増加装甲は中空式の追加装甲の更に外側に鳥かご状のスラッド装甲を追加したもので、ウクライナ侵攻の戦訓を反映したという事から、いかに対戦車火器による損耗があったかをしめしているもの。
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増加装甲は車体正面部分と側面部分にスラッド装甲とともにつっかされていますは、車体上面部分の装着はなくトップアタック式対戦車ミサイルへの不安は残ります、他方RWS遠隔操作銃塔は極めて小型のカメラを搭載していることから、いわゆるRWSではなく1970年代に各国が装備したリモコン式遠隔操作機銃の性能に留まる可能性があります。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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