北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和五年度五月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2023.05.13-2023.05.14)

2023-05-12 20:10:30 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 地震がやけに続く中不安を持たれている方も多いでしょうが本日は金曜日ですのd自衛隊関連行事の紹介です。

 宇都宮駐屯地祭、今週末は土曜日に開催されます。やや行事が少ない印象でこの他は静岡ホビーショー2023へ自衛隊車両が展示される等いくつか催事があるようですが自衛隊関連行事となりますと、宇都宮駐屯地祭のみのようです。もう少し何か開催されそうなものなのですがお気づきの点がありましたならばコメント欄にてお教えいただければ幸いです。

 宇都宮駐屯地は中央即応連隊と第12特科隊等が駐屯している駐屯地でかつては第6地対艦ミサイル連隊も置かれていましたが、防衛環境の変化を背景に廃止されています。しかし南西情勢の悪化を背景に来年度には第7地対艦ミサイル連隊が新編される計画がありまして、それなら88式地対艦誘導弾を廃棄せず保管しておけばよかったのに、とおもうのだ。

 中央即応連隊は廃止された中央即応集団隷下の緊急展開部隊として新編された普通科連隊で、中央即応集団そのものは司令部機能をそのまま陸上総隊の幕僚機構へ置き換える形で廃止された部隊です。そして中央即応連隊は、いまではかなり少なくなりましたが装甲化された普通科連隊として、邦人救出任務の際などで即座に投入できる部隊とのことでした。

 自衛隊最強部隊を自称して許される部隊の一つが宇都宮駐屯地の中央即応連隊です、宇都宮駐屯地祭の訓練展示は別名“機関銃駐屯地祭”とわれまして、中央即応連隊は機関砲や火砲を有していないのですが、近接戦闘を重視するために小銃戦闘と機関銃の効果的な運用に長けた精鋭部隊ですので、訓練展示では状況開始から延々撃ち続けている印象がある。

 中央即応連隊、精鋭部隊なのですが自衛隊の冷戦後における運用の悩みというものを具現化した様な印象の部隊の一つです。これは新編当時、自衛隊の機動運用部隊は機甲師団である第7師団や第1空挺団と第1ヘリコプター団など限られた部隊を除いては、基本的に座布団配置という、自分の管区内からは隣接方面隊協力を除きあまり動かない部隊でした。

 北転準備など、例えば北海道有事などに限定して展開する訓練は行われていましたが、世界規模の邦人救出などの運用までは踏み込んでおらず、各師団に持ち回りで待機させる誘導隊の編成などを泥縄式に行っていた時代に中央即応集団は編成されました。ただ、創設当時はかなり装甲車を重視した編成であり、現在の改編を考えれば手本的な部隊となる。

 2022年国家防衛戦略を見れば、地域配備師団と機動師団という区分を廃止して全ての部隊を機動運用させるという大転換を発表しましたので、言い換えれば旧地域配備師団には中央即応連隊程度の装甲車を、いまは即応機動連隊にかなり装甲車を引抜かれていますが、その前の段階程度の装甲車を配備させる必要を感じ、その予算確保が政治の責任とおもう。

 空挺団ではなく中央即応連隊を創設したのに対して、いっそのこと空挺団を増強して3個大隊基幹の現在の空挺部隊に併せて第2空挺連隊のようなかたちで、輸送機の輸送能力が向上した事も受けて輸送機による装甲化された普通科部隊を空挺運用する、落下傘で降下させるのではなく空路で空港に展開させる運用というものを検討しては、とは思いました。

 地対艦ミサイル連隊のはなしもそうですが、自衛隊関連行事とともに駐屯地資料館などで部隊の歴史を見てゆき、その上で国が公刊する防衛関連資料などを見ますと、官僚は間違いを犯さず、という原則で空費されている装備予算等が見えてくるように思いまして、なんだかなあ、とも思うのですが、こうしたものを行事を通じ見る事も大切なのかもしれませんね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・5月13日:宇都宮駐屯地創設71周年記念行事

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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G7広島サミットに忍び寄る北朝鮮軍事偵察衛星打ち上げ-発射いつ?軍事偵察衛星一号機計画内打ち上げを発表

2023-05-12 07:00:39 | 国際・政治
■臨時情報-G7サミット
 バイデンアメリカ大統領が国内債務上限問題の調整から来週のG7広島サミット来日中止を示唆しました。しかしこれは表向きの理由で、日本の防衛力不足と危機管理の問題を危惧しているのかもしれない。

 北朝鮮の人工衛星打ち上げ、自衛隊は人工衛星軌道下に飛来物が落下する懸念があるとして沖縄救援隊を先島諸島などに派遣していますが、この打ち上げが来週に予定されているG7広島サミットへ重大な影響を及ぼす可能性があります。そもそも事の発端は4月18日に北朝鮮の金正恩総書記が国家宇宙開発局を視察した際の報道が危機の発端となりました。

 軍事偵察衛星一号機が完成し計画している期間内に打ち上げる、この発言が発射予告であると認識し我が国では軍事衛星の軌道投入経路を逆算し過去の例から沖縄県が危険区域になると判断、この為にペトリオットミサイルが配備されている沖縄本島に加え、ペトリオットミサイル部隊が配置されていない先島諸島に九州のミサイル部隊を展開させたのです。

 G7広島サミットは5月19日から21日に掛けて、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、先進七カ国の首脳を招き広島で開催されます。人工衛星とはいえ、過去の人工衛星発射では北朝鮮が実質長距離弾道ミサイル実験を行う口実としていた事例があります、最初に行われた1998年の実験、東北地方上空の飛翔したものがこれにあたる。

 サミット開催中に事実上のミサイル発射と同じ長距離弾道弾技術を応用した人工衛星が発射された場合、僅かでも核弾頭による奇襲攻撃という懸念があるために、そもそもこうした脅威が放置されたままではG7サミットそのものが中断される、若しくは緊張の高まりと共に急遽その日程に影響が及ぶか、来日するG7各国首脳の日程に影響さえ考えられます。

 発射は。北朝鮮のロケット計画では発射準備が衛星写真などで確認されて後実際の発射まで時間がかかるのです。また日本政府が繰り返し落下物を警戒している為、発射計画を発射の二週間程度前に発表する事例が、2009年3月、2012年3月、2012年12月、過去三回ありました。一方で2016年12月の発射では予告を突如前倒しし前日予告後打ち上げた。

 現段階で具体的な打ち上げ日程を北朝鮮は発表していません。しかし、4月中旬に発射計画そのものは公表している為、広島サミットへ軍事的示威行動を含めて打ち上げを行い、日本全土にJアラートが発令されるという可能性は否定できません。一昨日、バイデン大統領は国内調整の関係から出席しない可能性を示唆しましたが、こうした危機も日本には在るのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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