北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和五年度三月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2024.03.09-2024.03.10)

2024-03-08 20:11:26 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 西本願寺の飛雲閣が日曜日まで特別公開されていて思い切って合間時間に行ってみますと案外すいていて驚いたのですが皆様いかがおすごしでしょうか。

 今週末の自衛隊関連行事は行われません。そして年度末となっている三月、全国では様々な動きがり、部隊改編により廃止される部隊や統合される部隊、長らく自衛隊で運用され廃止される装備とこれを置き換える装備の配備、後継無く廃止されてしまう装備も在れば全く新しい装備等も配備されるわけですが、この中でも今年いっぱいの装備など考えたい。

 C-1輸送機は、なんとか今年いっぱい運用が続くのですが31機が量産されたC-1輸送機も現在飛行できるものは2機のみとなっていて、航空自衛隊の兵站輸送を支えたC-1輸送機は現在、大型のC-2輸送機にその任務の大半を譲っています。航空祭への参加はラストイヤーという事で増える事になりそうですが、最後の最後に慌てぬようしっかり撮影したい。

 退役装備、気づけば退役してしまった、というような装備は多いのではないでしょうか。具体的には観測ヘリコプター等はもう少し残るのではないかと考えているうちにあれだけ居た装備なのに全廃されてしまっています。そう、身近な装備でしたから、しかし大量に調達された装備程年次耐用年数を迎えるのは一年に多数が迎える事になり退役も早い。

 OH-6観測ヘリコプターは全廃されていますが、この次のOH-1観測ヘリコプターもあとは僅かな間のこる装備です、無人航空機が後継に配備されるというけれども、グラウンドの片隅から操作する近距離用のものしか増えず、影が薄いなあと云われる中でしっかりと減っているヘリコプターを気付かない、という事もあるのですね。撮れる時に撮ろう、と。

 74式戦車など、これこそ自衛隊の看板装備、と思われていた装備はあと数日ののちに全廃に向けて進んでいまして、もう、あのちゅうとんち祭の訓練展示で初めて戦車を視た際の戦車砲空包射撃で耳の真横をぱあんとやられ戦車って凄い、と興奮する事も難しくなるわけですから、もちろん機動戦闘車は配備されるのですが、世代差というものを生む訳です。

 74式戦車は873両と結構な数が配備されて、日本全国の戦車部隊に配備されている訳ですから、ほとんど自衛隊の戦車と云ったらこれ、というような認識で迎えられていました戦車、COVID-19新型コロナウィルス感染症とともに行事停滞の時期を越えたら戦車部隊が消えている、思い切ってとでした先にもなかなかいない、九州や北海道にべつの戦車が。

 掃海艇も、すがしま型掃海艇についてはもうしっかり撮影しておきませんと、木造掃海艇はあっという間に消えてしまいます、いや、掃海艇というのですがいわゆる伝統的な掃海艇はもうとっくの昔に廃止されていて、世界では機雷掃討艇に区分されているものが掃海艇と位置づけられているという構図です。そこに今度は木造掃海艇の終焉が来るという。

 掃海艇そのものはどんどん護衛艦に掃海任務を兼務させるオーガニック方式の護衛艦もがみ型にきりかわってゆくのですから、これは、一般公開が掃海艇と云われますと護衛艦じゃあないのか、と嘆息された方もいるのかもしれませんけれども、それさえ掃海艇そのものが今後は限られた装備になってゆく、ということですので、機会をさがしみておこう。

 今週末はそういう意味で、自衛隊行事は無いのですけれど、だからこそ、次はどこで何を見るべきなのか、今年の行事、来年度の行事というものをしっかり吟味する、という事も必要でしょうね。世の中変化していないようで変化している、あぶくま型護衛艦、あさぎり型護衛艦、82式指揮通信車、73式装甲車、75式装甲ドーザなど、変化の先が有るのだ。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・特になし


■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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ウクライナ情勢-ロシア軍が最新鋭戦車T-14アルマータ戦車をウクライナ第一線へ投入しない理由

2024-03-08 07:00:16 | 先端軍事テクノロジー
■防衛情報-ウクライナ戦争
 戦車は一定数揃ってこそ意味があるという戦訓のようなものがウクライナから。自衛隊も戦車を多種多様な代替装備で置換えるのではなく従来通りの戦車をしっかりと量産してはどうかとも思うのです。

 ロシアの最強戦車T-14アルマータはウクライナへ投入されていない、3月5日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告がロシア軍戦車運用に関する分析結果を発表しました。これは情報解析ではなく3月4日にロシアの国営軍需企業ロステック社のセルゲイチェメゾフ会長の発言にT-14はウクライナへ派遣されない、というものがあったと紹介したものです。

 T-14アルマータ戦車はロシア軍が次世代戦車として発表したもので、巨大な無人砲塔を搭載し車内の装甲カプセルから操縦し戦闘するというもの。シリア内戦などでの戦訓から乗員が装甲カプセルにより防護されるという状況が戦闘能力を引き出すと共に、乗員は装甲カプセル内から全てを操縦できる事は、将来の遠隔操作戦車の可能性を示したものでした。

 2015年のモスクワ対独戦勝記念軍事パレードに華々しく登場したT-14ですが、しかしその後配備が進んだとの情報が出されていません、イギリス国防省によれば2021年に第1親衛戦車軍へ配備が開始される計画でしたが、第一線部隊へ引き渡された兆候はなかったといい、2022年に演習映像は出されましたがウクライナへ派遣された兆候もありませんでした。
■T-14アルマータ
 T-14アルマータの状況を見ますと遣ろうと思えば数を揃える事は現実的となっている日本の10式戦車をもう少し評価してはどうか。

 T-14アルマータがウクライナへ派遣されない背景について。イギリス国防省は幾つかの問題を指摘しています。第一に製造コストが高すぎるという点で、大量生産を可能とさせるリソースがロシア国内にはないという問題です。ロシア軍は現在、新造戦車ではなく予備保管されていた旧式戦車の現役復帰や老朽戦車の近代化改修の納車に依存しています。

 T-14戦車がウクライナへ投入されないもう一つの理由として、T-14アルマータ戦車が撃破される事がロシア軍の威信低下に繋がる事ではないかとしています。この点は確かに、1991年湾岸戦争においてイラク軍が当時世界最強と思われていたT-72戦車など1000両を短期間で喪失したことで、旧ソ連製戦車の世界武器市場での価値が暴落した厳しい記憶がある。

 しかし、イギリス国防省はここまで踏み込んだ分析はしていませんがウクライナへ投入されない理由にもう一つ、投入して戦車中隊単位で運用できる程の数がT-14アルマータの生産状況からは考えられず、短期間で全てのアルマータが破壊される懸念があるからではないか。他方、これは日本を含め戦車を削減している各国にも重要な戦訓と云えましょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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