北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G3X撮影速報】小松基地航空祭2023【6】日伊合同演習記念塗装イーグル機動飛行が飾る(2023-10-07)

2024-03-02 20:23:16 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■航空祭大団円
 明日小牧航空祭という今回漸く小松基地速報が大団円を迎える。

 F-15戦闘機の機動飛行、この小松基地航空祭では青空に恵まれると共に特別塗装のイーグルが日伊合同演習と日豪合同演習仕様の二機が参加していましたので、この青空に映える順光の環境で撮影出来た事がほんとうに幸いでした。イーグルには青空が似合う。

 イーグルを見ていますと今の防衛政策の反撃能力という岸田ドクトリンの外洋について、いや地対地ミサイルよりは柔軟性のある航空戦力にJASSMのようなミサイルを搭載した方が、角が立たないではないか、戦闘機を増やしてはどうか、と思うのですね。

 航空戦力、長距離打撃力を考えますとその重要性は地対地ミサイルよりも空対地ミサイルのほうが重要である、こう考えるのです。もちろんJSMミサイルを搭載して特攻しろ、というような変な考え方ではなく、射程は同じ2000km台ででも、ということで。

 戦闘機以外にも輸送機からミサイルを運用する方式などが模索されていまして、これはアメリカで、米中衝突となれば輸送機が第一線に展開して兵站線を支えることなどできないぞ、という危機感から、それならば輸送機の戦時における仕事を探そう、と。

 日本もこの方式は学ぶべきだ、とアメリカがC-17輸送機を爆撃機に仕立てる発想を知って、日本でも特撮や映画の世界では輸送機を爆撃機としている事例が、例えば1964年のモスラ対ゴジラではC-46輸送機を爆撃機にしてゴジラをナパーム攻撃した描写はあったのだから。

 地対地ミサイルよりも航空機を、と説くのは、ミサイルの場合は射程が2000kmであれば、駐屯地から2000km先しか攻撃できないということ。1000kmならばいくつかの国が当てはまりますが、2000kmとなると西日本や九州配備のものは当たる国は一つ。

 戦闘機や輸送機から投射するものであれば、いや、これは有事の際に派遣先で長距離打撃任務を想定してのもので、隣国である貴国をねらうものではありません、我が国を攻撃でもする場合は別ですがそんな計画はないのでしょうし、とうそぶけるのだ。

 隣国で射程2000kmのミサイルを持っている場合でも、これは日本をねらう専用のものではない、隣国の2000km以内には核兵器国と核保有国があるため抑止力だ、と言い分は成り立つのですから。こうした"敵意を見せない"防衛戦略が、必要だとおもう。

 MLRS廃止、最盛期に96両も配備されていたMLRSは半数以下で2030年には全廃する方針が示されていますがPrSM陸軍プレジションミサイルを搭載すると射程は499kmありまして、今開発が進む2400kmのミサイルよりは大分短いですが、本土防衛には充分だ。

 防衛費を増額するにしてもMLRSというかなり重要な装備品を一方で捨てているのですから、これを廃止して予算が足りないでは通らないだろうに、防衛力を監視する団体が、過度にリベラルでリアリズムを無視している為に政策と協調できない現状がひびいている。

 飛行展示を終えて続々とF-15が着陸しています、そう、ちょっと最前列では無かった故に肩越しのやや厳しい構図で撮影する事になっていますが、自衛隊の写真撮影とともに、防衛政策、というマクロな視点で行事を見ていますと、こう、深く考えすぎてしまうのだ。

 小松基地航空祭はこんな感じで終了、そして物凄い行列の小松駅行シャトルバスを利用するのは避け、路線バスを利用して小松駅へ向かう事としました。路線バスは基地を出て少し歩きますと穴場のように運行されていて、サンダーバードに乗り帰路につきました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-愛知県小牧市,刺身と天麩羅の御膳上空に自衛隊のC-130輸送機

2024-03-02 14:41:01 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 遠出するならば目的がどうであれ美味しいものを食べて思い出を鮮やかなものにしたいでしょう。

 日曜日は九州か本州で自衛隊行事が執り行われるのですが今回は小牧基地航空祭へ歩みのばされるかたへちょっと美味しいご飯の話題です。小牧基地の直ぐ近く、滑走路北端付近で撮影される方には、小牧市小針というところに、咲椀さんという大きめのお店がある。

 小牧基地航空祭、小牧基地は県営名古屋空港に隣接していますので日常的に公園や空港展望デッキなどから撮影する事が出来ます、そして輸送機と救難部隊の基地ですが三菱重工小牧南工場に隣接していますから戦闘機はじめ様々な航空機を撮影できるという。

 名古屋空港の北側に航空公園が有りますが、ここは、まあ航空祭の時には基地内の方が様々な情景と出会う事が出来るのですが、そうでないときには公園から撮影しますと、オイルご飯は近場で手早く撮影しないと次が来てしまいます。そんな際には近くにいいお店が。

 はなごろも。格好つけているのではなく、そういう名前のお昼の御膳でして、昼時には鴨せいろ蕎麦と天丼御膳とか鯛の土鍋飯御膳とか十割蕎麦天麩羅御膳とか、種類は少ないものの一つ一つの品数は、これぞ御膳、という品々を数多集めていまして、ちょっと迷った。

 御膳のお刺身、マグロにタイとハマチというような定番どころではあるのですけれども、新鮮な、しかし歯応えも薫りも風味さえ全部違う王道の三種類という三点盛りなのですから、さあ何処から頂こうか迷ってしまう程ですが、ここはマグロの脂の甘みから愉しもう。

 天麩羅、野菜天麩羅が多いのだけれども海老さんも加わりまして、そして天麩羅さんはもともと江戸時代に精進料理として大陸から伝来したという歴史がありますからそもそもが野菜天麩羅こそその本丸というべき、さてさてサツマイモの甘みを先ずは天麩羅で頂こう。

 小鉢は鹿尾菜に法蓮草、報連相と変換してしまいそうですがやはり青臭さの先に歯応えとそして鉄分を意外にも含んだ野菜とともに、しっとりと思いのほかに出汁の個性を湛えこんだ鹿尾菜、ひじきと平仮名の優しさが相応しいようなほろ甘さとともに時折箸ではこぶ。

 ご飯、足りるだろうか。こう不安に思われる面持ちの御膳なのですけれども、実は此処、昼食時はご飯お替り自由というちょっと嬉しいところ。これを麹と発酵させると清酒になるのだけれどもな、とおもいつつ満足感では美味しいおかずは昼時にご飯が盛り上がろう。

 咲椀、サクワンと読むこのお店は小牧基地の北隣、ファミリーマート小牧中宮店の直ぐ近くで、隣に鰻屋さんとかハンバーグなどが続くグルメな一角にありまして、たまに中庭越しにC-130の轟音が聞こえるところで、美味しいご飯を愉しめる時間が過ごせるのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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ウクライナ情勢-アウディイフカ西方の建設工兵不足影響と旧ソ連圏離反招くロシア弱体化

2024-03-02 07:00:28 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 現状を見ますと安易に民間企業に頼ることなく軍事機構自身がその能力を保持するという建設工兵の重要性が分ります。

 ウクライナ軍はアウディイフカ西方に新し防衛線を構築できぬままロシア軍は過去18か月間には確認されない程の速度で攻撃前進を続けています。この背景には防衛線を構成するウクライナ軍の建設工兵能力という問題があるようで、ウクライナ軍では塹壕や対戦車壕に胸壁や地雷原構築に民間建設会社に依存する部分が多かったとされています。しかし。

 ウクライナ軍自身の工兵能力不足とともに、予備役動員などにより民間建設会社が大幅な人手不足に陥り、また民間企業は群体のような自己完結能力が無く砲撃が加えられる前線後方地域での建機稼働維持や建設作業を行えない状況が防衛線を構築できない状況となっているもよう。また状況を機動防御に切替える為の訓練不足なども影響しているもよう。
■旧ソ連諸国への影響力低下
 第三世代戦車の大半を喪失している現状をロシアはいまだ無傷だというには無理があるところです。

 イギリス国防省ウクライナ戦況報告2月27日付報告によれば、ロシアウクライナ戦争はロシアと旧ソ連諸国の関係に大きな悪影響を及ぼしている一方、ロシアは旧ソ連諸国への影響力を維持する事はロシア自身の安全保障と経済的地位の補償に非常に重要な高い優先度の命題と考え続けていると指摘、一方でロシアの影響力は2022年以降低下が続いている。

 ロシアの旧ソ連諸国への影響力低下は、ウクライナへ投入した軍事的リソースの消耗と共に軍事的目標の達成失敗によりロシアの伝統的位置づけが疑問視されているとイギリス国防省は指摘しており、ロシアのウクライナ侵攻という行為そのものがロシアの安全保障を自ら危機的状況に曝しているとして分析しました。ただ、一つ側面が無視されていないか。
■世界政治の新しい懸念要素
 弱体化という側面のリスクについて。

 ロシアウクライナ戦争において、ロシアがキエフを攻略できるかは疑問符が付きますが、戦争が長期化する場合は旧ソ連諸国のロシア離反が戦争中に顕在化する懸念があり、戦争が中期的に停戦した場合でも旧ソ連諸国の離反を自陣営へ取り戻すために、ロシアが離反した旧ソ連諸国へ軍事的アプローチを試し、別方面の戦争が起こり得る、ということです。

 それではロシアからの旧ソ連諸国自身の離反を防ぐにはどうするかという事ですが、これは旧ソ連諸国の意志ではなく周辺国からの軍事圧力や経済的圧力に従来防波堤となったロシアが弱体化した事で起こったものであり、離反は原因ではなくロシアウクライナ戦争の弱体化という原因に対する結果ということで、世界政治の新しい懸念要素といえます。

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