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【G3X撮影速報】岐阜基地日常俯瞰風景,F-2戦闘機とGCAP次期戦闘機への期待(2023-10-03)

2023-10-18 07:00:33 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■飛行開発実験団F-2
 岐阜基地と云えば飛行開発実験団が運用する様々な航空機たち。

 岐阜基地へ、ちょっと時間を無理やりこじ開けて少しだけ岐阜基地を一望する三井山へ登ってみました。F-2戦闘機と市街地、やはりこういう俯瞰風景を撮影できる場所というのは大事にしたいもので、飲食物は持ち込まないもののポリ袋は持っての小さな登山です。

 F-2戦闘機、航空自衛隊はこの後継機としてイギリスとイタリアとともにGCAPグローバル戦闘機計画を推進中です。この企図するところは参加国の三か国、語呂が良いな、その共通認識である一点、F-35では戦闘行動半径が狭すぎる、という共通認識ゆえ。

 GCAPはでかい。Gカップはデカイと表現すると2020年代にはいろいろなところから抗議が来てしまいそうですが、実際日本は広大な日本の領空を防空するのにF-35はF-15よりも戦闘行動半径が狭い、すると大型化しステルス性に響いてでも航続距離がほしい。

 イギリスがGCAPに求めるのは、GIUKギャップというイギリスとグリーンランドとアイスランドを結ぶ北大西洋上の防衛ライン、ロシアの爆撃機はここから北大西洋の船団を攻撃する、ここまで行動半径に収められる航続距離の大きな航空機が必要としている。

 イタリアは、イタリア空軍が長年重視する北アフリカ方面への展開能力強化を求めている。イタリア空軍は短い滑走路から運用可能なC-130JとAMX軽攻撃機による空軍緊急展開部隊を編制、AMXはF-35Bに置き換えられる計画ですが、GCAPならば直接行ける。

 NGAD、日本で新規開発せずともアメリカ製戦闘機を買えばいいじゃないか、という反論が飛んできそうですが、この計画に合致するのはNGAD次世代戦闘機だけ、しかもアメリカ空軍でさえ一機数億ドルに達すると概算、輸出の場合は10億ドルを超えかねない。

 グローバル戦闘機計画の略称であるGCAPは、F-35戦闘機よりもかなり大型化する、具体的に言えばロシアのSu-57戦闘機よりも大きく、現在世界最大のステルス戦闘機である中国のJ-20戦闘機と同程度になるとされ、一方アメリカほど世界最強に固執しません。

 次世代航空支配戦闘機の略称であるNGADに対してGCAPは可能な範囲で取得費用を抑えることを目指しており、イギリスとイタリアのユーロファイター戦闘機後継と航空自衛隊のF-2戦闘機後継の需要を考えた場合、なんとかF-22よりも量産数は多くなる。

 F-16戦闘機からF-2戦闘機が生まれたように、いっそのことF-35戦闘機を原型に主翼を50%ほど増大させ胴体兵装庫なども拡張したF-3戦闘機、というものもあり得るのかな、と考えたことはありますがロッキードマーティンはF-22とF-35の中間型を示した。

 F-22戦闘機の機体にF-35戦闘機のセンサーを搭載した次世代戦闘機を日米共同開発する、という提案でした。いや実際もしこれをアメリカがFB-22というようなかたちで採用するならば意義はあったのかもしれませんが、F-2のように日本需要だけになる見通し。

 F-2は当初計画の141機を生産する、そしてフランスのラファールのように改良型を作り続けていたならば、また別の展開があったのかもしれませんが、政治主導という視点で、現場では制空戦闘機重要論もありましたが、結果的に生産数が縮小されたのは記憶に新しい。

 F-2後継機がどのように展開するのか、GCAPはどちらかといえば、FS-X計画時代に構想された双発の大型戦闘機、という位置づけを目指すものですので、現在のF-2戦闘機にも思い入れはあるのですが、次の戦闘機への期待、実証機の飛行も中々待ち遠しいですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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