■週報:世界の防衛,最新11論点
F-35戦闘機からJF-17戦闘機まで今週は空軍関連の最新情報を11論点まとめてみました。
アメリカ空軍は欧州初のF-35部隊として第48戦闘航空団を再編します。欧州NATO諸国ではイギリス、オランダ、イタリアにF-35は配備されているものの在欧米軍には配備されていません、ロシア脅威による欧州正面情勢の緊迫化を受け、1991年に廃止された第48戦闘航空団を再編成、新たにF-35Aを配備する事で防衛力強化を行う事としています。
第48戦闘航空団はイギリスのレイクンヒース空軍基地に展開する事となり、レイクンヒースには既に在欧米軍のF-15E戦闘爆撃機などが配備されています。第48航空団隷下には第495戦闘飛行隊、通称ヴァルキリーが配置されることとなります。航空団にはF-35A戦闘機27機が配備されるとされ、2021年内にもレイクンヒースへ展開する計画との事でした。
■アメリカの極超音速兵器
アメリカは中国とロシアに後れを取るこの種の装備開発を急いでいます。
アメリカの国防高等研究局DARPAは極超音速滑空兵器コンセプトHAWCの実証実験に成功したと発表しました。これは9月下旬に実施されたもので、HAWCはステルス性を有する極超音速兵器として開発が進められているもの、評価試験ではノースロプグラマン社製スクラムジェットエンジンに水素混合燃料を用い、マッハ5の巡航飛行を実現しました。
HAWC極超音速滑空兵器コンセプトは1980年代からアメリカの打撃力主力となっているアメリカ海軍のトマホーク巡航ミサイルが2020年代には亜音速の低空飛行を重視した設計では近代的防空網を突破するには限界を過ぎており、X-51やX-43といった過去の極超音速航空技術開発に依拠し開始、将来における航空打撃力を構想し開発されているものです。
■F-35にB-61戦術核
F-35戦闘機からの核兵器運用能力が整備されますと一挙に大量のステルス機が戦略抑止力を持つ事になる。
アメリカ空軍は10月4日、F-35A戦闘機からのB-61-12戦術核爆弾運用試験を前進させました。これはアメリカ空軍第53装備開発実験群隷下の第422評価試験飛行隊が実施したもので、これによりF-35A戦闘機からの戦術核攻撃能力が確認された形です。アメリカ空軍では爆撃機とF-22,F-15CやF-15E,F-16などの各種航空機にこの能力が付与されている。
第422評価試験飛行隊は8月25日にトノパー試験場にて、高度3400mを超音速飛行するF-35Aより、擬製B-61-12核爆弾を投下する試験を実施し、42秒後に目標に命中したとのこと。B-61はアメリカ空軍の標準的な核爆弾で0.3ktから340ktまでの可変方式を採用、またNATOにも有事の際に供与される前提で、在欧米軍基地に多数が備蓄されています。
■MQ-25無人機へ新工場
防衛産業には来ようという側面もあるのですが、日本ではこの部分の事業評価が薄いように思う。
アメリカ海軍が進めるMQ-25スティングレイ無人機計画へボーイング社は新工場を建設します。MQ-25スティングレイ無人機は空母艦載機として自律発着が可能であり、計画当初は無人戦闘機として計画されていましたが、戦闘機任務を補う水準に機体は達していなかった為、当面は無人空中給油機として、F/A-18戦闘機の給油機任務を代替するとのこと。
MQ-25スティングレイ無人機の新工場は主力工場のあるイリノイ州のセントルイス工場に隣接し建設され300工程の無人機設計を担うとのこと。新工場は加えてF-15戦闘機、F/A-18E/F戦闘機やCH-47輸送ヘリコプターの部品生産も担う。30万平方フィートの敷地に150名の新規雇用を生むとしており、これには整備要員や技師と支援要員を含むという。
■イタリアが無人機開発中止
有人機を無人機に改造する事は簡単ですが装備システムとして適合化するのは難しいもよう。
イタリア空軍は開発を進めていたハンマーヘッド無人機の導入を断念しました。これはイタリアのピアジオエアロスペース社製P-180アバンテEVOを無人機へ改造したもので、偵察及び軽攻撃任務に充てる構想でした。アバンテはビジネス機ですがカナード翼を有しプロペラを後部に向ける推進式配置という独特の設計で操縦士と6名の乗客を運びます。
ハンマーヘッド無人機はアメリカより導入したRQ-1プレデター無人機に続いて導入するものですが、当初イタリア空軍はMQ-9リーパー無人機の導入を希望したもののアメリカに難色を示され国産としたものです。しかしその後アメリカがMQ-9の輸出を許可し、ハンマーヘッドは輸出用や沿岸警備隊用等に開発を継続しましたが採用はありませんでした。
既存航空機の無人機転用は、MQ-8A/B無人ヘリコプターとシュワイザー333、MQ-8C無人ヘリコプターとベルジェットレンジャーなど、成功例は幾つかはありますが、基本的に固定翼機の無人機転用は地対空ミサイル標的機というものが多く、今回もP-180アバンテEVOの転用は手堅いように見えて標的機以外は、難しい選択肢だったのかもしれません。
■トルコはF-35に代えF-16V希望
ロシア製装備というもの範囲に手を出すべきではないという一例と云える。
トルコ空軍はF-35問題を棚上げしF-16V戦闘機40機の増強を希望しています。これはトルコ陸軍がロシアよりS-400地対空ミサイル導入を発表した際、同じくトルコが導入を決定していたF-35戦闘機について、ミサイルシステムのデータリンクによりS-400通信システムを通じて戦闘システムなどの流出の可能性を、アメリカ政府が憂慮していました。
ロシア製S-400地対空ミサイルを断念しフランス製地対空ミサイルやアメリカ製地対空ミサイルへの切替をNATOとアメリカ政府は要請していましたが、トルコはそのままS-400を導入、これを受け当時のアメリカトランプ政権はF-35戦闘機引渡中止を発表、バイデン政権により引渡が期待されましたが、バイデン大統領はトルコをF-35計画から除名します。
トルコはJSF計画の時点から開発に参加しており、最終的に引き渡されるとの楽観論にもとづいてのS-400導入でしたが、裏目に出た構図です。しかし空軍はF-16戦闘機の老朽化が進んでおり、当面の代替案としてアメリカにF-16V導入を要請した構図です。F-16Vは取得への機密保持水準がF-35ほど高くは無く、トルコ政府は輸出許可を期待しています。
■トルコのF-16V導入希望
F-16とトルコの関係についてはもう大きな動きが一つありました。
トルコのF-16V導入はアメリカからの水面下の打診があったと、トルコのエルドアン大統領がトルコ国内メディアの取材に際し発言しました。これはJSF統合打撃戦闘機計画の開発計画へ参加していたトルコは、その開発費として14億ドルを投資しています、そしてトルコは100機以上導入を予定しましたがロシア製S-400導入により水泡に帰しました。
エルドアン大統領の発言によれば、F-35戦闘機引渡や14億ドルの返還に代えてF-16V戦闘機の引き渡しを提案されているとし、またトルコ空軍が運用するF-16戦闘機100機も近代化改修を予定しているとしています。一方、トルコ空軍のF-16は老朽化が進んでおり2035年までに用途廃止が予定されていましたが、これが延命される事となるのでしょう。
F-35の代案という形でのF-16Vですが、一方でトルコはイギリスBAE社の協力を受けての第六世代戦闘機独自開発を進めており、長期的にF-35導入は必要とされるものの必須化と問われた際には、今後のトルコの第六世代戦闘機独自開発がどのように進捗するかに左右されるともいえます。なお、F-16V導入の可否や具体的時期への言及は未だありません。
■イラクはJF-17戦闘機を検討
JF-17は最低限必要な装備の実を保持し他はオプションという日本の装備開発に欠けたものを備えたもの。
イラク空軍は次期戦闘機としてJF-17戦闘機12機をパキスタンから取得する可能性がある、イラク国内報道がありました。JF-17は中国とパキスタン共同開発した第4世代相当の戦闘機で、極めて安価であるものの、第4.5世代戦闘機に対抗する空対空戦闘能力と、空対地攻撃能力や対艦攻撃能力も相応の水準で有している、割切った性能で知られています。
JF-17戦闘機12機の取得は6億ドルを見込んでいるとされ、期待単価ではなくフライアブルコストとしては非常に安価と云えます。9月中にイラク国防省代表団がパキスタンを訪問したとの分析もあります。イラクでは武装勢力ISILとの戦闘が一段落しましたが、隣国イランとの緊張状態もあり、安価ではあるが高性能なJF-17戦闘機に注目したのでしょう。
■インドがC-295増強発表
日本も敢えて枯れた技術と云いますかC-1輸送機の改良型を輸出市場に提示してはと思う事がある。
インド空軍はエアバスC-295輸送機56機の導入を発表しました、インド空軍はアメリカ製C-17輸送機やロシア製Il-76輸送機、そして専従つ輸送機としてC-130輸送機も保有していますが、陸軍の規模や空軍輸送需要に対して絶対数が限られており、今回、C-295輸送機の導入に当り完成機輸入とともに国内でのライセンス生産を行い、稼働率向上がねらい。
C-295輸送機は短距離離着陸能力を持つ旅客機として民間航空会社でも運用され、人員輸送ならば71名、空挺部隊ならば50名を輸送可能であると共に後部にカーゴハッチを有し、タラップなどを必要としないと共に車両等を空輸可能、またインド北部の山間部などに多い短距離滑走路でも運用可能という。最初の16機は直輸入、残る40機がインド組立です。
■防衛省の宇宙巡回船構想
宇宙快速船という映画が在ったのを思い出しました。
防衛省は宇宙空間での警戒監視任務に当る“宇宙巡回船”を検討中です。これは10月9日に関係者が明らかとしたもので、宇宙空間は無人で運用、宇宙空間でのスペースデブリ監視や各国が実用化するキラー衛星を早期に探知する警戒監視用の宇宙船で、必要に応じ老朽人工衛星の宇宙空間での延命補修や電源供給など多用途運用を想定しているとのこと。
宇宙作戦隊として航空自衛隊は2020年5月に自衛隊初の宇宙部隊を新編しましたが、専用の人工衛星は内閣衛星情報センターの情報収集衛星頼る状態で、最初の警戒監視衛星打ち上げが2026年になるなど、専用装備のハード面整備は大きく後れを取っています。ただ、宇宙巡回船がどの程度大きさを見込むか、実用時期等については明らかではありません。
■IFPC間接射撃防護システム
ミサイル防衛についてシステムそのものを狙う脅威への対処には新しい前進があるようです。
アメリカ陸軍はダイネティクス社との間でミサイル防衛システム防護用のIFPC間接射撃防護システム製造契約を締結しました。IFPC間接射撃防護システムとして運用されるのはエンドゥアリングシールド可搬式防空ミサイルと、陸軍のミサイル防衛システムと一体運用するもので、発射装置16基とミサイル60発を試作、最終的に400基を取得するもの。
エンドゥアリングシールド可搬式防空ミサイルはレイセオンミサイルズディフェンス社製コンテナ密封型のAIM-9Xサイドワインダーミサイルを採用し、アラバマ州ハンツビルのダイネティクス社工場においてシステム統合が行われるとのこと。システムは施策が順調に進めば、2022年に4セット、2023年に12セットをアメリカ陸軍へ納入する計画です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
F-35戦闘機からJF-17戦闘機まで今週は空軍関連の最新情報を11論点まとめてみました。
アメリカ空軍は欧州初のF-35部隊として第48戦闘航空団を再編します。欧州NATO諸国ではイギリス、オランダ、イタリアにF-35は配備されているものの在欧米軍には配備されていません、ロシア脅威による欧州正面情勢の緊迫化を受け、1991年に廃止された第48戦闘航空団を再編成、新たにF-35Aを配備する事で防衛力強化を行う事としています。
第48戦闘航空団はイギリスのレイクンヒース空軍基地に展開する事となり、レイクンヒースには既に在欧米軍のF-15E戦闘爆撃機などが配備されています。第48航空団隷下には第495戦闘飛行隊、通称ヴァルキリーが配置されることとなります。航空団にはF-35A戦闘機27機が配備されるとされ、2021年内にもレイクンヒースへ展開する計画との事でした。
■アメリカの極超音速兵器
アメリカは中国とロシアに後れを取るこの種の装備開発を急いでいます。
アメリカの国防高等研究局DARPAは極超音速滑空兵器コンセプトHAWCの実証実験に成功したと発表しました。これは9月下旬に実施されたもので、HAWCはステルス性を有する極超音速兵器として開発が進められているもの、評価試験ではノースロプグラマン社製スクラムジェットエンジンに水素混合燃料を用い、マッハ5の巡航飛行を実現しました。
HAWC極超音速滑空兵器コンセプトは1980年代からアメリカの打撃力主力となっているアメリカ海軍のトマホーク巡航ミサイルが2020年代には亜音速の低空飛行を重視した設計では近代的防空網を突破するには限界を過ぎており、X-51やX-43といった過去の極超音速航空技術開発に依拠し開始、将来における航空打撃力を構想し開発されているものです。
■F-35にB-61戦術核
F-35戦闘機からの核兵器運用能力が整備されますと一挙に大量のステルス機が戦略抑止力を持つ事になる。
アメリカ空軍は10月4日、F-35A戦闘機からのB-61-12戦術核爆弾運用試験を前進させました。これはアメリカ空軍第53装備開発実験群隷下の第422評価試験飛行隊が実施したもので、これによりF-35A戦闘機からの戦術核攻撃能力が確認された形です。アメリカ空軍では爆撃機とF-22,F-15CやF-15E,F-16などの各種航空機にこの能力が付与されている。
第422評価試験飛行隊は8月25日にトノパー試験場にて、高度3400mを超音速飛行するF-35Aより、擬製B-61-12核爆弾を投下する試験を実施し、42秒後に目標に命中したとのこと。B-61はアメリカ空軍の標準的な核爆弾で0.3ktから340ktまでの可変方式を採用、またNATOにも有事の際に供与される前提で、在欧米軍基地に多数が備蓄されています。
■MQ-25無人機へ新工場
防衛産業には来ようという側面もあるのですが、日本ではこの部分の事業評価が薄いように思う。
アメリカ海軍が進めるMQ-25スティングレイ無人機計画へボーイング社は新工場を建設します。MQ-25スティングレイ無人機は空母艦載機として自律発着が可能であり、計画当初は無人戦闘機として計画されていましたが、戦闘機任務を補う水準に機体は達していなかった為、当面は無人空中給油機として、F/A-18戦闘機の給油機任務を代替するとのこと。
MQ-25スティングレイ無人機の新工場は主力工場のあるイリノイ州のセントルイス工場に隣接し建設され300工程の無人機設計を担うとのこと。新工場は加えてF-15戦闘機、F/A-18E/F戦闘機やCH-47輸送ヘリコプターの部品生産も担う。30万平方フィートの敷地に150名の新規雇用を生むとしており、これには整備要員や技師と支援要員を含むという。
■イタリアが無人機開発中止
有人機を無人機に改造する事は簡単ですが装備システムとして適合化するのは難しいもよう。
イタリア空軍は開発を進めていたハンマーヘッド無人機の導入を断念しました。これはイタリアのピアジオエアロスペース社製P-180アバンテEVOを無人機へ改造したもので、偵察及び軽攻撃任務に充てる構想でした。アバンテはビジネス機ですがカナード翼を有しプロペラを後部に向ける推進式配置という独特の設計で操縦士と6名の乗客を運びます。
ハンマーヘッド無人機はアメリカより導入したRQ-1プレデター無人機に続いて導入するものですが、当初イタリア空軍はMQ-9リーパー無人機の導入を希望したもののアメリカに難色を示され国産としたものです。しかしその後アメリカがMQ-9の輸出を許可し、ハンマーヘッドは輸出用や沿岸警備隊用等に開発を継続しましたが採用はありませんでした。
既存航空機の無人機転用は、MQ-8A/B無人ヘリコプターとシュワイザー333、MQ-8C無人ヘリコプターとベルジェットレンジャーなど、成功例は幾つかはありますが、基本的に固定翼機の無人機転用は地対空ミサイル標的機というものが多く、今回もP-180アバンテEVOの転用は手堅いように見えて標的機以外は、難しい選択肢だったのかもしれません。
■トルコはF-35に代えF-16V希望
ロシア製装備というもの範囲に手を出すべきではないという一例と云える。
トルコ空軍はF-35問題を棚上げしF-16V戦闘機40機の増強を希望しています。これはトルコ陸軍がロシアよりS-400地対空ミサイル導入を発表した際、同じくトルコが導入を決定していたF-35戦闘機について、ミサイルシステムのデータリンクによりS-400通信システムを通じて戦闘システムなどの流出の可能性を、アメリカ政府が憂慮していました。
ロシア製S-400地対空ミサイルを断念しフランス製地対空ミサイルやアメリカ製地対空ミサイルへの切替をNATOとアメリカ政府は要請していましたが、トルコはそのままS-400を導入、これを受け当時のアメリカトランプ政権はF-35戦闘機引渡中止を発表、バイデン政権により引渡が期待されましたが、バイデン大統領はトルコをF-35計画から除名します。
トルコはJSF計画の時点から開発に参加しており、最終的に引き渡されるとの楽観論にもとづいてのS-400導入でしたが、裏目に出た構図です。しかし空軍はF-16戦闘機の老朽化が進んでおり、当面の代替案としてアメリカにF-16V導入を要請した構図です。F-16Vは取得への機密保持水準がF-35ほど高くは無く、トルコ政府は輸出許可を期待しています。
■トルコのF-16V導入希望
F-16とトルコの関係についてはもう大きな動きが一つありました。
トルコのF-16V導入はアメリカからの水面下の打診があったと、トルコのエルドアン大統領がトルコ国内メディアの取材に際し発言しました。これはJSF統合打撃戦闘機計画の開発計画へ参加していたトルコは、その開発費として14億ドルを投資しています、そしてトルコは100機以上導入を予定しましたがロシア製S-400導入により水泡に帰しました。
エルドアン大統領の発言によれば、F-35戦闘機引渡や14億ドルの返還に代えてF-16V戦闘機の引き渡しを提案されているとし、またトルコ空軍が運用するF-16戦闘機100機も近代化改修を予定しているとしています。一方、トルコ空軍のF-16は老朽化が進んでおり2035年までに用途廃止が予定されていましたが、これが延命される事となるのでしょう。
F-35の代案という形でのF-16Vですが、一方でトルコはイギリスBAE社の協力を受けての第六世代戦闘機独自開発を進めており、長期的にF-35導入は必要とされるものの必須化と問われた際には、今後のトルコの第六世代戦闘機独自開発がどのように進捗するかに左右されるともいえます。なお、F-16V導入の可否や具体的時期への言及は未だありません。
■イラクはJF-17戦闘機を検討
JF-17は最低限必要な装備の実を保持し他はオプションという日本の装備開発に欠けたものを備えたもの。
イラク空軍は次期戦闘機としてJF-17戦闘機12機をパキスタンから取得する可能性がある、イラク国内報道がありました。JF-17は中国とパキスタン共同開発した第4世代相当の戦闘機で、極めて安価であるものの、第4.5世代戦闘機に対抗する空対空戦闘能力と、空対地攻撃能力や対艦攻撃能力も相応の水準で有している、割切った性能で知られています。
JF-17戦闘機12機の取得は6億ドルを見込んでいるとされ、期待単価ではなくフライアブルコストとしては非常に安価と云えます。9月中にイラク国防省代表団がパキスタンを訪問したとの分析もあります。イラクでは武装勢力ISILとの戦闘が一段落しましたが、隣国イランとの緊張状態もあり、安価ではあるが高性能なJF-17戦闘機に注目したのでしょう。
■インドがC-295増強発表
日本も敢えて枯れた技術と云いますかC-1輸送機の改良型を輸出市場に提示してはと思う事がある。
インド空軍はエアバスC-295輸送機56機の導入を発表しました、インド空軍はアメリカ製C-17輸送機やロシア製Il-76輸送機、そして専従つ輸送機としてC-130輸送機も保有していますが、陸軍の規模や空軍輸送需要に対して絶対数が限られており、今回、C-295輸送機の導入に当り完成機輸入とともに国内でのライセンス生産を行い、稼働率向上がねらい。
C-295輸送機は短距離離着陸能力を持つ旅客機として民間航空会社でも運用され、人員輸送ならば71名、空挺部隊ならば50名を輸送可能であると共に後部にカーゴハッチを有し、タラップなどを必要としないと共に車両等を空輸可能、またインド北部の山間部などに多い短距離滑走路でも運用可能という。最初の16機は直輸入、残る40機がインド組立です。
■防衛省の宇宙巡回船構想
宇宙快速船という映画が在ったのを思い出しました。
防衛省は宇宙空間での警戒監視任務に当る“宇宙巡回船”を検討中です。これは10月9日に関係者が明らかとしたもので、宇宙空間は無人で運用、宇宙空間でのスペースデブリ監視や各国が実用化するキラー衛星を早期に探知する警戒監視用の宇宙船で、必要に応じ老朽人工衛星の宇宙空間での延命補修や電源供給など多用途運用を想定しているとのこと。
宇宙作戦隊として航空自衛隊は2020年5月に自衛隊初の宇宙部隊を新編しましたが、専用の人工衛星は内閣衛星情報センターの情報収集衛星頼る状態で、最初の警戒監視衛星打ち上げが2026年になるなど、専用装備のハード面整備は大きく後れを取っています。ただ、宇宙巡回船がどの程度大きさを見込むか、実用時期等については明らかではありません。
■IFPC間接射撃防護システム
ミサイル防衛についてシステムそのものを狙う脅威への対処には新しい前進があるようです。
アメリカ陸軍はダイネティクス社との間でミサイル防衛システム防護用のIFPC間接射撃防護システム製造契約を締結しました。IFPC間接射撃防護システムとして運用されるのはエンドゥアリングシールド可搬式防空ミサイルと、陸軍のミサイル防衛システムと一体運用するもので、発射装置16基とミサイル60発を試作、最終的に400基を取得するもの。
エンドゥアリングシールド可搬式防空ミサイルはレイセオンミサイルズディフェンス社製コンテナ密封型のAIM-9Xサイドワインダーミサイルを採用し、アラバマ州ハンツビルのダイネティクス社工場においてシステム統合が行われるとのこと。システムは施策が順調に進めば、2022年に4セット、2023年に12セットをアメリカ陸軍へ納入する計画です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
エンジン改装 空中給油能力を入れて!
エンブラエル C-390と競争になるね。(;^ω^)
もっと小型のイメージですかね?
そうなると適当なエンジンあるのかな?
無さそうな気もするが・・・
その前にC-2 売れないですかね~
UAEに売る話どうなりましたかね?