北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和四年度二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2023.02.25-2023.02.26)

2023-02-24 20:04:22 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 今週は銀閣寺に行きたいなあというほどの吹雪が舞いましたが雪の日も多いと艦要る寒さの中で皆様いかがお過ごしでしょうか。

 今週末も自衛隊関連行事はありませんが、昨日まで大阪南港に強襲揚陸艦アメリカが入港するという、ちょっとすごい話がありました。撮影へ行くかどうか、かなり迷ったのですけれども入港場所がかなり撮影が難しい場所であり、アメリカの姿を一目見ることは簡単そうなのですが入港している埠頭から撮影した場合、立ち入りがかなり制限されていた。

 強襲揚陸艦アメリカ、アメリカ海軍がワスプ級強襲揚陸艦に続く揚陸艦として整備したもので、航空機運用に特化した全通飛行甲板型の揚陸艦です、もっともウェルドックを有していない点はやはり水陸両用部隊である海兵隊には使いにくいようで、フライト2という後期建造艦からはウェルドックを備えた構造に改められているというのは設計の特色だ。

 F-35B戦闘機、今回大阪南港に入港した揚陸艦アメリカは訓練航海の途中という事で、艦載機であるF-35B戦闘機、岩国航空基地に展開する第1海兵航空団の機体なのですが、これらを満載していて、いわば、2021年に横須賀を親善訪問したイギリス海軍航空母艦クイーンエリザベスのような、F-35Bが満載されている、という点でも注目の寄港でした。

 ボノムリシャール、艦番号がボノムリシャールとアメリカは同じ“6”となっています、ワスプ級とはLHAとLHE、区分が異なるために起きた偶然ですが、ボノムリシャールは残念なことに火災事故により全損となり廃艦となった、しかし佐世保に前方展開していました時代が長く、ちょっとだけなじみのある強襲揚陸艦の廃艦を寂しく思ったものです。

 佐世保、強襲揚陸艦アメリカは佐世保に前方展開しています。ですから大阪南港で撮影するというのは、F-35Bを満載している佐世保では見ることのできない実戦的な艦容を撮影できるのでは、と意気込んだものですが、これは出入港じゃないとなあ、ということから、改めて今度は佐世保まで行って、そこで撮影しようと気持ちを切り替えた、考えた末に。

 大阪南港、対岸に緑地公園はあるのですが残念ながら入港して接岸している際の艦首が、どうしても斜め後ろから撮影する構図となりますので、これは出入港の際に水道や海峡を航行中の様子を撮影するか、チャーター船で警備に問題の生じない1マイル以上離隔した場所からしれっと釣り船の振りでもして撮影するしかないのだなあ、というとことです。

 基地付近の散策でなくとも、例えばこうした場所を日常から散策しておく、というのは意味があるのかもしれません。無論、港湾はこの20年間、改正ソーラス条約という、2001年同時多発テロを背景に整備された重要港湾防護法整備により、安易に撮影できるからと立ち入る場合は検挙対象となるように厳しい措置があり、大阪南港は特定重要港湾の一つ。

 2020年代は、便利な時代です。いやそれは2010年代から、と反論されるかもしれませんが出入港の際に、これが報道ヘリコプターなどから撮影された画像とともに、衛星写真などで詳しい接岸位置を特定し、その周りに立ち入ることができるのかをタブレット端末一つで調べられるという、こんな便利なものはWeblog北大路機関創設の2005年には無い。

 海辺の散歩、こう書くとなにかこう浪漫あふれる表現となりますし、艦艇が入港していない時でも次の、例えば練習艦隊近海練習航海とか、機会には撮影場所を予習しておけるでしょうし、おいしいお店も探せば意外なほどにある。自衛隊関連行事のない週末には、こんな基地とは無縁のように見える海辺のお散歩してみるというのも、いいかもしれません。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・行事予定:特になし 


■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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世界大戦の危機-一年前の今日,ロシア軍が隣国ウクライナへ全面侵攻しました-ロシアウクライナ戦争開戦一年

2023-02-24 07:00:08 | 国際・政治
■世界危機は二年目に
 ほんの一年前ですが、一年前の今日始まった戦争は第三次世界大戦への導火線上において激しい火力の応酬を続けています。

 本日はロシア軍ウクライナ侵攻開始から一年目となる日です。しかし、戦闘は拡大しており、ウクライナ東部において攻勢に出ている状況で、戦闘の長期化は年単位となり、懸念する今後の展開としては、今回ロシア軍は一定程度の弾薬や装甲車両の補填を待って東部での再攻勢に出た構図ですが、この小康状態と攻勢が数年単位で繰り返される可能性です。

 クリミア侵攻の時点でG8先進八カ国の一員であったロシアはG8から除名されていますが、かりにロシア軍がウクライナにおいて停戦に応じたとして、直ぐに世界からの経済制裁が解除され、防衛交流が再開するとは思えず、要するにロシア海軍艦艇が日本に親善訪問し相互の交流を行う時代というものは、そう簡単に戻る事は無い過去の時代となりました。

 日本の安全保障において、もっとも難しい不確定要素は、ロシアという国家を日本の隣国としてどのように考えるか、という事です。日本はウクライナへの武器供与を行っていませんが、それならばロシアから見た場合で日本は中立国という位置づけや頼れる講和仲介国になるのかと問われれば、経済制裁に参加している時点で日本は敵対勢力扱いでしょう。

 日ロ関係をどのように見るかで、日本の安全保障政策は根本から異なります。これは冷戦時代のような北海道への重戦力による着上陸の蓋然性が、切迫する程の状況で推移するようなことは当面ないのかもしれませんが、日本の安全保障は南西シフト、として冷戦時代の防衛力を南西方面へ向ける事で対応していた、その前提が崩れる事を意味している。

 北海道、日本から見た場合にロシアウクライナ戦争が及ぼす問題は、この戦争によりロシア軍が停戦後どのくらいの期間で再度北海道へ脅威を及ぼす程度に戦力を再興するか、という問題ではなく、今回の戦争に置いて使われていない戦力を地域紛争において表に出す、状況です。使われていない戦力とは、核戦力による恫喝、というものはもっともおおきい。

 新しい時代に突入し、進んだ時計の針を戻す事は出来ない、我が国で認識しなければならないのはこの事実であり、欧州ではNATOを中心にウクライナ支援を進めると並行してロシア軍の侵攻に警戒している状況ですが、それは遠い欧州の話というものではなく、ロシアは日本の隣国であり、脅威が及ぶ可能性という現実も、直視するべきなのでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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ロシア軍ウクライナ侵攻開戦一年【4】波紋及ぶ日本の空想する平和運動と迷走する国家安全保障政策

2023-02-23 20:13:24 | 国際・政治
■明日でロシア侵攻開始一年
 明日で開戦から一年、日本の平和運動は空想の世界にあるのではないかという危機感を少なくとも京都市内でアジテーションしている方々を見れば思うのです。

 ウクライナ戦争、ロシア軍ウクライナ侵攻により世界は不確かな時代に入りました、そして問題として安全保障というものを直視しなければ、破綻するのは簡単なことであると警鐘を鳴らしたことも挙げられるのですが、軍事と軍備に賛成か反対か、という単純な原則論で議論を終えてしまいますと反対意見は、現実世界に参画せず、乖離することとなる。

 わたしは、この動き始めた世界に対して、戦争に反対であり軍備にも反対なので内容については一切参画しない、この姿勢は、おそらく日本を戦争に引き吊り込む原動力になるのではないか、と危惧します。これは反対しているという姿勢を見せているだけで理解も関与もしない姿勢です。もちろん現住所が月面や火星ならば問題ないが、日本ならば重大だ。

 安全保障についての議論が進んだ、これは2022年安保三文書に明確な方針が盛り込まれていますが、問題は内容でした。これは“反撃能力”として明示された射程2000kmのミサイル導入です。極超音速兵器か弾道ミサイル、もしくは巡航ミサイルということになるのでしょう。1993年に北朝鮮が発射したノドンの射程が900kmですから、射程は倍以上に。

 GDP2%に防衛費を増額する。この方針は国民世論はもちろん国会でも大きな論議となりましたが、これは別にどうでもよい、こういうのも日本は小泉政権時代からミサイル防衛に着手し、ミサイル防衛に技術的な目処を付けていますが、そのためにつぎ込んだリソースが膨大でした、観測ヘリコプター全廃、戦車火砲四分の一近くに削減されてしまいました。

 観測ヘリコプターを全廃するも、政治はその責任を認めたくないのでしょうか、無人航空機で代替すると、今更に安保三文書に明示しましたが率直に言って無理があります、順番が逆、本来、無人航空機の性能を見極めて初めて、観測ヘリコプターの代替になるという目処が立ち、その上で無人航空機に任務を引き継ぐ、これが本来のあり方ではないか、と。

 偵察機も全廃されまして、その後三年間の空白期を経て無人偵察機による偵察航空隊が再編されました、今言えるのは、この三年間に大規模な災害、戦術偵察機がなければ情報を把握できない規模の災害は発生しなかった、という危うい綱渡り、いわば無保険状態で国を回していたことでの僥倖ですが、これもミサイル防衛につぎ込んだリソースのひとつ。

 防衛力は多くの状況で破綻していました、機動打撃力である戦車は削られ、初動の防衛を担う戦闘ヘリコプターさえ10年間も調達されておらず、年々老朽化により廃止される既存機を置き換えることさえできていない、すると、五年程度、中期防一期分は防衛費をGDP1%から大きく増額させ、ミサイル防衛により破綻した既存の防衛力建て直しは必要でしたが。

 専守防衛の明白な転換、政府は“敵基地攻撃能力”を“反撃能力”と言い換えることで、防衛力の根本的な組み換え、限定戦争には全面戦争で応じる、専守防衛の拡大先制的自衛権行使への転換を安保三文書に織り込んでいます、侵略されれば反撃するのは当然のこと、という知ったかのような同調論がありますが、限定戦争に全面戦争で応じるのは異常です。

 核武装まで織り込むならばともかく、そこまでは世論の批判が怖いのか決断していない、平和爆弾や平和宇宙戦艦と言い換えないのはまだまともな証拠なのかもしれませんが、反撃能力とは本来、国内に上陸した敵を反撃して追い返す用途で用いられた表現であったはずが、離島を攻撃されれば敵本土をミサイルで叩く、しかも核保有国に対し行う、という。

 敵本土の飛行場や艦艇基地と指揮中枢を叩けば、南西有事ならば那覇基地と鹿屋基地に佐世保基地と沖縄基地、熊本の西部方面総監部がミサイル攻撃で反撃されます、それは日本が行った基地への攻撃と指揮中枢攻撃への、同等の手段をもって行う、反撃です。コンフリクトをウォーに拡大させたのは日本なので、こちらもミサイル攻撃を続けることとなる。

 反撃能力、こうしたものが果たして国民が求めていることなのでしょうか。少なくとも限定紛争に全面戦争で応じるのは、盧溝橋事件の際のように一発の銃弾を受け全面反撃した、という過去の事例がありますので、やはりそうなるのか、と相手は慎重に受け止め、相応の反撃を行うでしょう。これほどに安保三文書の防衛力整備の方針は時代錯誤なのです。

 しかし、日本国内は、最大野党を含めてこの転換を問題視していない。ウクライナ戦争に浮足立った、もしくは安全保障に理解ある姿勢を示すことが支持につながるであろうとの打算的な考えなのかもしれませんが、専守防衛のリソースを削り長距離ミサイルにつぎ込むことへ違和感を受けない、この日本の軍事への無関心は、危険なことだとおもうのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【映画講評】インディジョーンズ-最後の聖戦(1989)支援と関心を!聖杯遺跡舞台はトルコ地震被災地ハタイ県

2023-02-23 14:11:44 | 映画
■映画を通じて世界を視る
 祭日という事でDVDの映画を観よう!写真は著作権なんかの関係上せいいっぱい適当に出先で撮ったものを代用しているのは温かい目で見守っていてくださいね。

 トルコのハタイ県、震災被害に見舞われているのですが、もう少し日本でも関心を持つべきように思うのです、それは同情や憐憫というような義侠心の押し売りではなく、実際のところ激甚被害を受けましたこのハタイ県という場所は日本でも、映画を通して既知の場所、というところかもしれません。災害の救済ではなく、歴史都市として知ることが重要です。

 インディジョーンズ-最後の聖戦、大学受験シーズンも私立大学入試が激戦となっている頃合いにトルコで発生した地震ですが、20世紀から21世紀にかけて劇場公開からテレビ放映、インディジョーンズ-最後の聖戦をご覧になっていない方はどのくらいいるでしょう。実はこの作品ロケ地はベニスにヴュレスハイムにペトラが挙がりますが、舞台はトルコだ。

 ジョージルーカス製作総指揮とスティーヴンスピルバーグ監督作品という、冒険映画の金字塔ですが、この作品はトルコの、しかし世界史を学ばれていてもここまで踏み込んだことは利かれないような近現代史の狭間を舞台として描いている、その舞台こそが今回地震被害に見舞われたトルコのハタイ県、オスマントルコとトルコ共和国の歴史の幕間が舞台だ。

 イエスキリストの聖杯を巡る考古学者と1930年代から1940年代の世界史を左右したナチス秘密機関との戦い、これを基にした作品で、実際のナチスが、神話を基に民族優位性を強調できないか、と考えたうえでアーネンエルベという機関を構築し、戦争に私情を持ち込むから負けるのだ、と思うのですが、こうした史実が創作の世界観にリアリティをあたえる。

 ペトラ遺跡、ヨルダンの世界遺産であるペトラが撮影ロケ地として有名ですが、映画を丹念に見ていますとハタイ国、という国名が示されます。お恥ずかしいといいますか、調べる手段が限られていた映画初見の頃、私の場合はブラウン管テレビで見た世代ではあるのですが、映画も舞台である1938年という時代を、あまり歴史として学ぶことが日本では少ない。

 ハタイ共和国、聖杯の遺跡が眠るのはトルコ南部、と字幕されたうえでハタイ国という地名が示されます。初見から、いや近代トルコ史について知己と資料を得るまではこの映画の創作の国ではないか、と誤解していたのですが、ハタイ国はオスマントルコの混乱とともにトルコから切り離されそうになるところを踏みとどまった、こうした歴史の狭間の実話です。

 オスマン帝国が第一次世界大戦終戦に際して連合国との間で締結したムドロス休戦協定が結ば れますと、オスマントルコは分割され、小アジア半島までもが各国占領により国家として消滅するかという危機に際し、ケマルアタチュルクを中心に進歩派軍人や知識人が立ち上がり、トルコ独立戦争が勃発、ローザンヌ条約締結により国家を維持したことはまなぶ。

 テキサス、アメリカにおけるテキサスのような位置づけなのかもしれない。テキサスもテキサス合衆国の成立経緯をみると興味深い。こう解釈しますと歴史に詳しい方には少々反感を持たれるかもしれませんが、ムドロス休戦協定により連合国に占領された小アジア半島諸国にあって、この地域はアレクサンドレッタ県であり、フランス軍に占領されています。

 ローザンヌ条約を締結した際にフランスはこの地域を分割する意思を見せますが、この地域はフランス占領下でも特別自治区となっていたが初代大統領となったケマルアタチュルクは、国際連盟に提訴し激しく抗議、するとフランスは占領地の一部がシリアとして独立する際に、この地域も独立を認めることとし、1937年にハタイ国として独立を承認します。

 アレキサンドレッタ、イスケンデルン、インディジョーンズ-最後の聖戦、劇中に話を戻しますと、イエスキリストの聖杯が眠る遺跡への経路の起点はイスケンデルン、地中海沿岸都市で人口は宇治市くらいの、海運か水運の違いはあれども、しかし避暑地であり観光都市という点が共通する街並みの名が出てきます。ここが震災の話に戻しますと被災地という。

 フランス占領下に話を戻しますと、ハタイ国として独立を認めた際に、初の民主選挙を独立国であるにもかかわらずフランス軍政下で行おうとしまして、反発したトルコ政府はトルコ軍派遣に踏み切ります。ただこれは見方を変えれば日清戦争のような印象を受け手によっては持ちえますので、1930年代という歴史の複雑さを理解する必要もあるのですが。

 共和制にこの選挙を以てハタイ国は移行するのですが、現代トルコ独立の父というべきケマルアタチュルクは、このハタイ本土復帰問題を最後まで心にとどめたのちに1938年、この世を去ります。しかし歴史は興味深いもので、ケマルアタチュルクの遺志を継ぐ様にハタイ共和国議会は1939年にトルコとの統合を決意、独立から2年で本土に復帰しました。

 映画のシナリオには登場するのですが、しかし映画が制作された1980年代後半、映画公開は1989年、イスケンデルンは近代化されていましたしロケ地としての交渉が難しかったのでしょうか、ロケ地はトルコ山間部のドイツ軍との戦いをスペインのタベルナス地方、バルジ大作戦のようにスペインではこうした映画が良く撮影される、そしてヨルダンなどで。

 ブルンヴァルト城のロケはドイツ西部の、当時は西ドイツか、ビュレスハイム城で行われましたし、コロラド州のロケは先住民の聖地であるとして反対を受けユタ州アーチーズ国立公園でロケが行われています。まあ、映画で神戸のシーンなのに横浜マリンタワーが映っているようなものですね。ともあれ、ハタイ県をこうして映画の背景として見ている訳です。

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プーチン大統領,ロシアの戦略核兵器削減条約事実上離脱宣言-核攻撃前提へ日本の安全保障政策再転換必至

2023-02-23 07:00:25 | 国際・政治
■半世紀の核軍備管理に幕
 ウクライナ侵攻を戦争と認めなかった大統領が事実上の条約離脱を脱退と認めないのはある意味当然のように反故にする懸念が。

 ロシアのプーチン大統領は21日、アメリカとの戦略核兵器削減条約について一方的に履行停止を宣言しました。脱退はしないとしていますが条約条文には履行停止の条文は無く、事実上の離脱、批准要件の逸脱を脱退していないと強弁する、あたかもウクライナ侵攻を特別軍事作戦と言い換えた様な方式で、戦略核兵器削減条約をもてあそんでいる構図です。

 1972年に東西冷戦下、米ソが全面核戦争による人類滅亡を回避するという一点での合意に基づく半世紀以上の核兵器削減の枠組みは、実質的に崩壊した構図です。そして、これは非常に厳しい視点ですが、我が国の安全保障政策は反撃能力整備という、通常戦力主体に在って打撃力に軸点を置いた、専守防衛からの転換が開始されますが、妥当なのか、と。

 日本有事において戦術核兵器が使用される懸念は冷戦時代に幾度もありました、それは自衛隊がどれだけ予算面で苦しい状況にあっても放射性降下物から部隊を守る携帯防護装備だけは確実に普及させてきましたし、核汚染地域を飛び越えるヘリコプターの重視、虎の子地対艦ミサイル連隊を地下に隠すための坑道掘削装置の装備などがこれにあたります。

 反撃能力整備へ、政府は自衛隊のヘリボーン戦力を大幅に縮小すると共に機械化部隊についても従来の縮小路線を元に戻す事は無く、結果的に平成初期と比較し火砲や戦車は四分の一まで削減されている状況をそのまま維持するようですが、NBC防護能力の高い機甲部隊とヘリボーン部隊を削減する措置は、現状の核戦争という懸念に真逆の指針となります。

 核保有には個人的に反対ですが、反撃能力として相手本土内陸部を叩ける戦力を従来の専守防衛に切替えて装備するという現状では、勿論ヘリボーン部隊や機甲部隊などの重戦力再整備を行い、全面戦争以外の限定戦争に対応する防衛力を整備すべきであるも、政治が拒否するならば、核を保有せずとも核兵器に準じる何かを整備しなければ成り立たない。

 半世紀に及ぶ核軍備管理枠組の破綻という状況に際して、次の日本有事では核兵器が使用される懸念をある程度認識せねばなりません、するとその為には2022年の安全保障関連政策転換を、今度は従来の延長線上の認識ではなく、冷戦型の核兵器使用を想定した上での通常戦力による防衛基盤再構築に、早々とですが転換する必要性を強く感じるのです。

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【京都幕間旅情】鞍馬寺,くらまの雪景色は叡山電鉄鞍馬線が誘う白銀の異世界は現代人に必要な心の休養を育む

2023-02-22 20:23:25 | 写真
■くらま-冬景色
 ヘリコプター搭載護衛艦くらま、そうここ鞍馬山こそがヘリコプター搭載護衛艦くらまの名となりました日本の聖地です。

 京都には古い寺社仏閣が数多いのですけれども、平安遷都にさかのぼる昔より同じ場所にあり続ける寺社仏閣は、平城京から宮城とともに遷都した寺社とは一風高い歴史と情緒をともに湛えているよう思えます。例えば鞍馬、創建は古く宝亀元年の西暦770年という。

 鴨川、京都市の中心部を滔々と流れる水の奏でとともに一月や二月にふと北の方、鴨川の上流を眺めますと不思議と霞んでいるものでして、貴船のあたりの居を構える、わたしとしては羨ましいとも思いつつ、不便ではあるという言葉は納得する友人曰くそういう日は。

 貴船も鞍馬も、鴨川の上空が冬の日に煙るときにはおおむね凄い雪ですよ、こういわれるのですけれども、今日は暖かいし流石に靄だろう、と思いまして後々に聞きますとこれもまた雪だったと。意外なほどに京都市も雪が降る、それは鞍馬が左京区だからに他ならぬ。

 鞍馬弘教の総本山、京都にはあまた寺社仏閣がならびまして、これでも明治維新のころからはだいぶん減ったといい、街角の祠一つ一つがかつて謂れがあったといいますと、少しでも観光、いや観光抜きに商用や就学などで散策しますと、すごいことだと気づかされる。

 仁王門から広がる鞍馬寺は、しかし数多ある京都の寺院の中でも様々な宗教と信仰と崇敬が折り合って調和と混とんを経た、そんな寺院でもある。そして鞍馬寺は外科医から切り離された聖地、という表現がこれほど合うのかというほど、この日は雪深かったのですね。

 叡山電車で、ちょっとだけ時間が、といいますか人間には休養が必要というものでして、睡眠だけは十分とっているはずなのですが、日常のお仕事が過多で肩ががたつくほどの状況、ちょっとだけ冷涼な空気と新鮮な気分を感じるためにと出町柳駅から乗車しました。

 ひえい。はるな型ヘリコプター搭載護衛艦2番艦と同じ名前の一つ目電車が本線を八瀬比叡山口へと向かうのですが、この期間はケーブルカーが運休していますのでこちらからは登れないと何度も車内で説明されている、しかしこの日向かうのは鞍馬だ。鞍馬へすすむ。

 左京区鞍馬本町、この左京区という響きだけで京都大学とかの左京区を南から北へ移動しただけではないかと思われるかもしれませんが、叡山電車で叡山本線を宝が池から鞍馬線に乗り入れますと、八幡駅前ですぐに雪景色、なんとことにはなりませんが山へと近づく。

 木野のあたりでも曇天ではあるので、そういえば出町柳も北大路も晴れていたのになあ、こう不思議には思うところなのですが、鴨川の上流が霞んでいたのはこの曇天かな、こう思うのです。二軒茶屋駅をでても雪景色どころか雪化粧もなく市原駅前も変化ありません。

 二ノ瀬駅前あたりで、稜線を超えているのか、どっと急に雪化粧したのかと思えば稜線の隘路のようなところを吹き溜まりにするように雪化粧どころか積雪していまして、こんなに降っているのかと考えているうちに貴船口でどっと乗客が電車から降りてゆく、撮影へ。

 貴船神社は雪の日に満員になる、とはよく言われるのですが、出町柳では異世界装束のような登山用防寒着の方々が、異世界に帰ってゆくよう。ともあれ、当方はまあ正装というほどではないけれども日常中の装いで、しかし電車は鞍馬駅へと近づき雪も積もってゆく。

 新西国三十三箇所第19番札所、鞍馬寺は叡山電鉄鞍馬駅から意外なほどに近い場所にあります。その道中はまさに一瞬、飲食店も土産物屋を兼ねた蕎麦屋と、カソリンスタンドのように価格を掲げた牡丹鍋の高級店佇むばかり、そこに朱色の山門が迎える世界なのです。

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【京都幕間旅情】平野神社,咲待ち木々雪化粧は異常気象-世界に報道された古都京都の豪雪と気候変動の問題

2023-02-22 20:00:20 | 写真
■深雪に輝く境内の桜並木
 京都は今年雪が多いという印象ではあるのですけれども紅葉の咲待ちの木々には雪化粧が似合うのです。

 平野神社、雪景色の中で参拝というところである程度の雪は想定して歩み進めたのですが、いやはやすごい雪だ、十年に一度の寒波だ、という気象予報は正解なのかもしれません、しかし市内交通は無事でしたので、まあ市内としては想定していた程度の雪なのか。

 廻廊の屋根などは、参拝を終えたのちに暖をとるというわけではありませんが雨宿りならぬ雪宿り、少し離れたところに自販機がありまして珈琲か紅茶か甘酒か汁粉かコーンポタージュか開き直ってコーラを流し込むか、雪宿りかを、ちょっと考えるところです。

 拝殿を構図に収められるように、カメラを構えている人は多数、こういう場合にはその人の前に立ちますと迷惑というか撮影するまで身動き取れませんので、逆に横並びで時機を待つようにカメラを準備するのですが、雪がレンズに付着しないように覆いが要る。

 CNNでは、雪に覆われた東本願寺の写真を、CNNですよBBCびわ湖放送ではないのですよ、あえて東本願寺の情景をWebサイトに示していたほどですので、やはりこれはグローバルな視点でもすごい寒波なのだなあ、と考えさせられます。ただ記事にはこうある。

 大雪のような異常気象は今後十年に一度の規模のものが毎年続くようになる、つまり毎年のように京都市内に大雪が降るという事か、次は雪の禅寺で庭園を眺めようか、いややはり銀閣寺あたりかな、貴船まで進むというのもありだな、異常気象もいいと錯覚するか。

 超大型台風や極端な雨量不足、もちろん異常気象の事例としてはこうした、高潮による大都市の広域浸水や食料供給に世界規模の影響を及ぼす雨量不足などが筆頭になるのでして、年に数回の大雪は歓迎するところなのですけれども、そのほかは困る、というものか。

 気候変動、わたしなどは地球温暖化という単語は廃止すべきで気候変動に統一すべき、とは2000年代初頭から言い続けているのですが、雪景色だけを見れば寒いので温暖化は嘘、という極論が支持されかねない危険を感じます、進んでいるのは気候変動というものだ。

 温暖化ではなく気候変動が厄介なのは、温暖化として地球が均一に温度上昇するならば永久凍土地域などを農地転用することで食料増段が叶い人類は生き残れます、しかし、一部地域の温暖化は海流の蛇行などを生み温暖な地域が慣例化し、極端気象生む背景になる。

 海流の蛇行は、温暖な地域が暖流に支えられているのであれば突如寒冷地域となる可能性もありますし、寒冷地が急に温暖化した場合は二酸化炭素をはるかに上回るメタンガスの土壌からの大量放出という引き金により想定以上の温室効果ガス排出に繋がる懸念も。

 二酸化炭素排出量を抑えることだけに注目する点にも反対であり、二酸化炭素よりもメタンガスの自然放出が農業や牧畜などで生じる事例、また代替フロンのようにオゾン層に配慮したものが逆に最悪の温室効果ガスを採用していた、という事例もあり現代は複雑だ。

 社会的な動物と分析される人類は、何しろ国境や制度というものに縛られますので、縄文時代のように気候変動による極端気象から逃れるために全地球規模の自由な移動はできません、文明と文化は人類の武器ではあるが諸刃の剣であるのは国家や民族のしがらみ。

 雪景色は美しいのですけれども、気候変動は困るものなのだよなあ、と考えつつ、すると異常気象は困るが非日常気象は別だ、と先ほどの言葉を修正するべきなのかもしれませんね、そんなことを思いつつ、さて仕事に戻らねばと重い足を持ち上げ歩み進めました。

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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-横須賀,海軍の街で頂くネイビーバーガーはどぶ板横丁の誇り

2023-02-22 07:01:01 | グルメ
■榛名さんの総監部グルメ日誌
 海軍カレーかネイビーバーガーがそれ以外なのか横須賀を散策する際には迷います。

 横須賀は海軍の街であり鎮守府の街であるとともにいまは総監部の街、誰が何と言おうと総監部の街です。そして横須賀にはどぶ板横丁という、京急汐入駅から京急横須賀中央駅を結ぶ、戦前からの繁華街があり、ここぞ海軍の街という雰囲気を満喫する事ができる。

 コーラを片手にハンバーガー、もちろん横須賀には和食といいますか色々と美味しいものもありますし、フレンチなんかもお勧め、いやイタリアンもなにしろ江戸前で凄いというのですが、横須賀でないと食べられないものとなりますと、ネイビーバーガーとなるやも。

 佐世保バーガーというのはお祭りの出店、これも出会う気合が大分と減ったのがコロナ時代でしたが、そんな前の日常でわざわざ佐世保まで行かずとも食べる事が出来ましたが、横須賀ネイビーバーガーはそうは参りません、そして理由は食べてみれば分かるのです。

 横須賀ネイビーバーガーは認定制度があり、佐世保バーガーの様に一度も佐世保に行った事は無いけれども出せるし造れるというほど、甘くは無いのだ、とは横須賀の方のお話し。その定義は先ず250gものビーフ100%というパティを挟むところから始まるのですね。

 ビーフ250gのパティ、満足感というものはこういうものを齧りまして頬張り、広がる風味とともにレタスの新鮮な歯応えとオニオンのピリリと来る香りにピクルスの主張する酸味とを調和させることにより、生まれる、余韻はコーラで爽やかに流し、もう一口齧るのだ。

 どぶ板食堂、横須賀の名店の一つとおもう。この目の前のどぶ板通りは戦前の用水路があったところに板を渡して通路とし、繁華街を造成したのが始まりなのですが、探訪の際の記念に、一杯やる時の〆や始まりに。なおここ、海軍カレーはじめ色々愉しめるお店です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【防衛情報】アメリカ海兵隊ARV高度偵察車両とコットンマウス装甲偵察車,CH-53K重輸送ヘリコプター

2023-02-21 20:22:47 | 先端軍事テクノロジー
■特報:世界の防衛,最新論点
 自衛隊は浮航能力を持つパトリアAMV装甲車を採用しましたが、これを起点に本格的な水陸両用装甲車の充実を考えてはどうかと考えていたところにアメリカから興味深い話題です。

 アメリカ海兵隊では将来揚陸体系への無人哨戒艇の有用性について評価試験を実施しています。この一環として海軍は2023年の時点で7隻の大型ないし中型の無人軍艦を運用試験中です。この中でアメリカ海軍は沿岸に近づきすぎる事により将来の水陸両用作戦では厳重に防護された海域での多数の乗員の乗る揚陸艦を損害から守ろうとしているのです。

 ノーマッドとレンジャー、アメリカ海軍が試験しているのはコンテナモジュール数十基を搭載可能である無人艦艇です、これは有人での運用も可能ですが、地対艦ミサイルなどによる脅威が見込まれる海域では無人運用し、船体後部のコンテナスペースに複数の無人舟艇や無人航空機の搭載区画とし、沿岸偵察や沿岸からの艦砲射撃等を目指すという。

 無人哨戒艇については、RWS遠隔操作銃搭や射程10km前後のグリフィンミサイルを搭載し、海岸線付近の敵を攻撃すると共に、AAV-7などの水陸両用車に先立ち、敵の攻撃を引き受けるという用途も想定されています。これは従来、敵の所持する地域への水陸両用作戦で見込まれたような人的損耗が最早許されない時代での両用作戦の模索ともいえます。

 アメリカ海兵隊は2022年12月23日、新しくARV高度偵察車両を導入しました。これはジェネラルダイナミクスランドシステムズ社が開発している八輪式装輪装甲車で、フォースデザイン2030構想として進められる将来のアメリカ海兵隊偵察車両として具体化が進められていたもの、具体的には老朽化していたLAV-25軽装甲車を置き換えるものです。

 ARV高度偵察車両は競争試作の方式が採られており、ジェネラルダイナミクスランドシステムズ社のほかにテイストロンシステムズ社も試作車両を開発してます。今回提出された車両は同社が2017年にプライベートベンチャーにより開発していたもので、基本車体には各種センサーが搭載されていますが、30mm機関砲塔の搭載型も開発されている。

 海兵隊はARV高度偵察車両に対して水陸両用性能、特にありきたりな浮航性能ではなく外洋の波浪に耐える両用作戦能力を求めており、さらにネットワーク戦に対応し高度な防護力と輸送力を求めています。LAV-25は車幅2.5mと非常にコンパクトな設計となっていましたが、ARVは高い防護力と両用性能を有している分、車体は大型化しました。

 アメリカ海兵隊は2022年12月1日、テキストロンシステムスコーポレーション社からコットンマウス装甲偵察車試作車の納入を受けました。ARV高度偵察車両の候補の一つとして開発されているのがコットンマウスで、この年末の12月にはジェネラルダイナミクスランドシステムズ社もARV高度偵察車両の試作車を納入、評価試験が本格化します。

 コットンマウスは六輪式の装輪装甲車で車体全体を競合するジェネラルダイナミクスランドシステムズ社の試作車よりもかなり小型のものとして完成させています。小型であることはARV高度偵察車両が求める水陸両用性能のなかで特に外洋での航行能力には適したものではありませんが、コットンマウスは充分な性能をもつと自信を示している。

 ARV高度偵察車両は30mm機関砲と対戦車ミサイルの搭載能力や充分な収容能力を求めていますが、コットンマウス試作車両は12.7mm重機関銃と対戦車ミサイルを搭載したRWS遠隔操作銃塔を備えており、必要に応じてより大型のRWSを搭載可能としています、これは2023年に評価試験が行われますが選定されれば78億ドル規模の契約が見込まれている。

 アメリカ海兵隊はシコルスキー社との間でCH-53K重輸送ヘリコプターのフルレート生産承認を発表しました。CH-53K重輸送ヘリコプターは通称キングスタリオン、海兵隊に長らく主力重輸送ヘリコプターとして運用されているCH-53Eスーパースタリオンの後継機として開発され、海兵隊のほかイスラエル空軍への輸出実績を積んでいる航空機です。

 CH-53K重輸送ヘリコプターは低量量産が開始されていて、アメリカ海兵隊では強襲揚陸艦での運用試験を含め、第461海兵重輸送ヘリコプター飛行隊などに先行配備し、実戦運用への試験とともに取得費用などを調査し、また生産体制の調査などが完了したことを受け、IOT&E実運用評価が完了、これをうけてのフルレート生産へ移行することとなります。

 計画では2029年にも初度作戦能力獲得が見込まれているとのこと。海兵隊では200機のCH-53Kを250億ドルで取得する計画です。基本的にCH-53Eの改良型ではありますが、つり上げ空輸能力の強化と機内容積の拡充による車両輸送能力の強化などが大きな改良点で、シコルスキー社では日本の海上自衛隊とドイツ空軍の採用も期待しているようです。

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バイデン大統領キエフ電撃訪問と実現せぬ岸田総理ウクライナ訪問,問題は情報漏えいと戦場要人警護の確立

2023-02-21 07:00:28 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 安倍元総理が杜撰な警備により選挙演説中に暗殺された事は令和時代最大の悲劇ではありますが日本のシステムは未だこの点を反省できていないように思う。

 アメリカのバイデン大統領がウクライナの首都キエフを電撃訪問し、ゼレンスキー大統領とウクライナ大統領府において首脳会談に臨みました。アメリカは副大統領のウクライナ訪問などは実現していますが、バイデン大統領のキエフ訪問は開戦後初となり、ロシア侵攻から一年を前にアメリカ政府によるウクライナ軍事支援継続の姿勢を明確としました。

 岸田総理は、しかしウクライナへ訪問できていません。目立つ政府専用機などではなく、C-2輸送機などでさっとウクライナ国内へ入国してしまえば、あとは輸送防護車などの防弾車両で移動すれば良いのですが、そもそも首相警護から警察の所管であり、警察の装備では万一の際に警護は、暴漢からは守れたとして軍事攻撃からは防護するすべがありません。

 ただ、このほどNHK報道により岸田総理は何度もウクライナ訪問を計画しているものの、繰返される情報漏えいにより実現せず、なんとか今年五月のG7広島サミットまでにキエフ訪問を模索し続けていることが明らかとなりました。前回の欧州歴訪でもウクライナ訪問が検討されるも、情報漏えいが事前に検討している事を報じてしまい、断念したという。

 首相官邸で検討した内容が関係者からの情報として報道に筒抜けとなている、岸田総理は不快感を何度も示しているとの事で、これは政府関係者と報道の関係が強く、しかしウクライナ訪問の日時が判明した場合には、その時間帯にミサイル攻撃などが行われた場合、総理大臣の殉職に繋がりかねない危険があるも、情報漏えいは繰り返されているとのこと。

 報道協定を結べばいいのではないか、こう思われるかもしれませんが、報道協定は情報漏えいを防ぐものではなく、情報漏えいしたものを一定期間まで報道しないよう協定するものであり、肝心な内容は報道されない事ではなく情報を漏えいさせない事ですので、例えば当該事案を秘密保護法に指定し、情報漏えい者を捜査で発見し逮捕する必要があります。

 要人警護についても、警察の所管ではあるのですがどの程度対応できるのか、想定する脅威は刃物を持つ暴漢ではなく特殊部隊の組織的襲撃やミサイル攻撃に際しての対比などを警察が行えるのかという疑問もあります、SAT特殊急襲部隊へ武力紛争地帯要人警護中隊を新たに創設するか、デルタフォースのように自衛隊特殊作戦群の警備も検討が必要です。

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