■防衛フォーラム
わが国では戦闘ヘリコプターそのものが陳腐化していると主張して全廃方針ですが井の中の蛙ではないかと。

アメリカ陸軍向けアパッチガーディアン最新のAH-64Eversion6.5が初飛行したことをボーイング社が10月11日、アメリカ陸軍協会年次総会において発表しました。進化するアパッチシリーズ、AH-64Eversion6.5は2021年12月にアメリカ陸軍と生産契約を結んだもので、ソフトウェアアップデートとパイロットインターフェースが改良されました。

AH-64Eversion6.5、V6.5とも称される改良型はリンク16データリンクシステムとの接続性を強化するとともに、戦闘システムソフトウェアを改良することで各種センサーが得た情報を最適化し共有する、その上で既存のAH-64Eシリーズとの連接能力を強化し、また従来機よりもソフトウェアアップデートを容易に行える点に重点を置いた改良型です。

T-901エンジンの採用、ジェネラルエレクトリックエアロスペース社が開発した新型エンジンへの換装も今回のV6.5改修の主眼で、UH-60多用途ヘリコプター改良型とのエンジン相互互換性維持を期しましたが大きく遅延し、量産決定から時間を要しましたが実はCOVID-19感染拡大の影響を受け、V6.5生産に二年近くを要する要因となったものです。
■T-901エンジン
AH-64EといいますかAH-64Aを含めてアパッチシリーズの強みは1990年代に調達した機体を2030年代まで老朽箇所を置き換えセンサーとシステムを更新し使い続けられる事だ。

アメリカ国防総省は陸軍協会年次総会においてAH-64Eエンジン換装についてその意義を強調しました。T-901エンジン、AH-64Eアパッチガーディアン改良型へ搭載される新型エンジンはITEP改良型タービンエンジンプログラムの一環として開発されたもので、主契約企業はジェネラルエレクトリックエアロスペース社となっています。

T-901エンジン、この換装は従来の新型エンジン搭載という範疇を超える大きな能力向上となるもので、航続距離は20%延伸しており戦闘行動半径は270マイル、434㎞まで拡張されるとともに耐用年数は倍増しており、整備負担なども大幅に軽減されています。また強化されたエンジン出力はより強力な兵装を搭載し運用が可能となっています。

アパッチシリーズはスタブウイングに左右各二か所の兵装架を有していましたが、エンジンを換装したAH-64Eversion6.5は兵装架が左右各三か所となっており、単純計算で兵装搭載能力は五割増大した事となっています。そして何より重要な点はAH-64Eversion6.5への改修が既存のアパッチシリーズからそのまま可能だ、ということでしょう。
■FARA将来偵察機
いったん廃止された観測ヘリコプターを偵察ヘリコップたーとしてアメリカは復活させようとしている。

アメリカのシコルスキー社はレイダーXをAUSAアメリカ陸軍協会年次大会に出展しました。FARA、これはFuture Attack Reconnaissance Aircraftの略称なのですが、アメリカ陸軍ではAH-64アパッチ戦闘ヘリコプターとOH-58カイオワ観測ヘリコプターの後継機を開発しています。ただ、このOH-58後継機は何度も候補機開発が頓挫した機種という。

OH-58D観測ヘリコプター後継機は画期的なステルスヘリコプターであるRAH-66偵察ヘリコプターが充てられる計画でしたが、2000年代初頭の開発段階で1機1億ドルに達するとされ2004年に開発が中止、既存ヘリコプターに先端機材を搭載するARH-70計画が進められるも、こちらも高コストであるとして2008年に計画が中止され実現していない。

FARA将来偵察戦闘航空機計画はこうした中で推進されていましたが、OH-58Dの老朽化が進むとともに、連携するAH-64の索敵能力が向上し、性能的にOH-58の陳腐化が進む中、ギリシャへ70機やクロアチアへ16機など余剰装備品として供与され、遂にアメリカ陸軍はOH-58Cを2020年に退役、こうした中でレイダーX展示となりました。
■レイダーX
コンセプトモデルとコスト管理を見極めなければならないので話が進むのは此処からなのですがLR-1並の速度をだす航空機を目指す。

AUSAアメリカ陸軍協会年次大会に出展されたレイダーXについて。機体は二重反転式ローター方式のアドヴァンストブレードコンセプトローターと推進用テイルローターであるプッシャープロペラ方式を併用した速度重視の複合ヘリコプター方式を用い、最高速度460km/hというCOIN機など固定翼航空機並みの速度を発揮するヘリコプターです。

Future Attack Reconnaissance Aircraft、この計画に今回レイダーXが出展されましたが、計画では候補機が一本に絞られていない選定段階で、現在はシコルスキー社のレイダーXに加えてベルヘリコプターテキストロン社がベル360インヴィクタスを候補に挙げ試作機を製造中となっています。ただ、レイダーXは機体構成要素が98%の管制状態という。

レイダーXは並列複座方式を採用したのに対しインヴィクタスはAH-64やAH-1などと同じタンデム複座方式を採用した高速の戦闘ヘリコプターというべき機体で、兵装や機関砲を格納式として有翼ヘリコプター構造を用いる複合ヘリコプター方式を採用しました。遅れているインヴィクタスですが、陸軍は有人機に相応の期待しているのは確かです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
わが国では戦闘ヘリコプターそのものが陳腐化していると主張して全廃方針ですが井の中の蛙ではないかと。

アメリカ陸軍向けアパッチガーディアン最新のAH-64Eversion6.5が初飛行したことをボーイング社が10月11日、アメリカ陸軍協会年次総会において発表しました。進化するアパッチシリーズ、AH-64Eversion6.5は2021年12月にアメリカ陸軍と生産契約を結んだもので、ソフトウェアアップデートとパイロットインターフェースが改良されました。

AH-64Eversion6.5、V6.5とも称される改良型はリンク16データリンクシステムとの接続性を強化するとともに、戦闘システムソフトウェアを改良することで各種センサーが得た情報を最適化し共有する、その上で既存のAH-64Eシリーズとの連接能力を強化し、また従来機よりもソフトウェアアップデートを容易に行える点に重点を置いた改良型です。

T-901エンジンの採用、ジェネラルエレクトリックエアロスペース社が開発した新型エンジンへの換装も今回のV6.5改修の主眼で、UH-60多用途ヘリコプター改良型とのエンジン相互互換性維持を期しましたが大きく遅延し、量産決定から時間を要しましたが実はCOVID-19感染拡大の影響を受け、V6.5生産に二年近くを要する要因となったものです。
■T-901エンジン
AH-64EといいますかAH-64Aを含めてアパッチシリーズの強みは1990年代に調達した機体を2030年代まで老朽箇所を置き換えセンサーとシステムを更新し使い続けられる事だ。

アメリカ国防総省は陸軍協会年次総会においてAH-64Eエンジン換装についてその意義を強調しました。T-901エンジン、AH-64Eアパッチガーディアン改良型へ搭載される新型エンジンはITEP改良型タービンエンジンプログラムの一環として開発されたもので、主契約企業はジェネラルエレクトリックエアロスペース社となっています。

T-901エンジン、この換装は従来の新型エンジン搭載という範疇を超える大きな能力向上となるもので、航続距離は20%延伸しており戦闘行動半径は270マイル、434㎞まで拡張されるとともに耐用年数は倍増しており、整備負担なども大幅に軽減されています。また強化されたエンジン出力はより強力な兵装を搭載し運用が可能となっています。

アパッチシリーズはスタブウイングに左右各二か所の兵装架を有していましたが、エンジンを換装したAH-64Eversion6.5は兵装架が左右各三か所となっており、単純計算で兵装搭載能力は五割増大した事となっています。そして何より重要な点はAH-64Eversion6.5への改修が既存のアパッチシリーズからそのまま可能だ、ということでしょう。
■FARA将来偵察機
いったん廃止された観測ヘリコプターを偵察ヘリコップたーとしてアメリカは復活させようとしている。

アメリカのシコルスキー社はレイダーXをAUSAアメリカ陸軍協会年次大会に出展しました。FARA、これはFuture Attack Reconnaissance Aircraftの略称なのですが、アメリカ陸軍ではAH-64アパッチ戦闘ヘリコプターとOH-58カイオワ観測ヘリコプターの後継機を開発しています。ただ、このOH-58後継機は何度も候補機開発が頓挫した機種という。

OH-58D観測ヘリコプター後継機は画期的なステルスヘリコプターであるRAH-66偵察ヘリコプターが充てられる計画でしたが、2000年代初頭の開発段階で1機1億ドルに達するとされ2004年に開発が中止、既存ヘリコプターに先端機材を搭載するARH-70計画が進められるも、こちらも高コストであるとして2008年に計画が中止され実現していない。

FARA将来偵察戦闘航空機計画はこうした中で推進されていましたが、OH-58Dの老朽化が進むとともに、連携するAH-64の索敵能力が向上し、性能的にOH-58の陳腐化が進む中、ギリシャへ70機やクロアチアへ16機など余剰装備品として供与され、遂にアメリカ陸軍はOH-58Cを2020年に退役、こうした中でレイダーX展示となりました。
■レイダーX
コンセプトモデルとコスト管理を見極めなければならないので話が進むのは此処からなのですがLR-1並の速度をだす航空機を目指す。

AUSAアメリカ陸軍協会年次大会に出展されたレイダーXについて。機体は二重反転式ローター方式のアドヴァンストブレードコンセプトローターと推進用テイルローターであるプッシャープロペラ方式を併用した速度重視の複合ヘリコプター方式を用い、最高速度460km/hというCOIN機など固定翼航空機並みの速度を発揮するヘリコプターです。

Future Attack Reconnaissance Aircraft、この計画に今回レイダーXが出展されましたが、計画では候補機が一本に絞られていない選定段階で、現在はシコルスキー社のレイダーXに加えてベルヘリコプターテキストロン社がベル360インヴィクタスを候補に挙げ試作機を製造中となっています。ただ、レイダーXは機体構成要素が98%の管制状態という。

レイダーXは並列複座方式を採用したのに対しインヴィクタスはAH-64やAH-1などと同じタンデム複座方式を採用した高速の戦闘ヘリコプターというべき機体で、兵装や機関砲を格納式として有翼ヘリコプター構造を用いる複合ヘリコプター方式を採用しました。遅れているインヴィクタスですが、陸軍は有人機に相応の期待しているのは確かです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)