北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】アパッチ改良へAH-64Eversion6.5戦闘ヘリコプターとFARA将来偵察戦闘航空機計画

2024-01-23 20:01:03 | 先端軍事テクノロジー
■防衛フォーラム
 わが国では戦闘ヘリコプターそのものが陳腐化していると主張して全廃方針ですが井の中の蛙ではないかと。

 アメリカ陸軍向けアパッチガーディアン最新のAH-64Eversion6.5が初飛行したことをボーイング社が10月11日、アメリカ陸軍協会年次総会において発表しました。進化するアパッチシリーズ、AH-64Eversion6.5は2021年12月にアメリカ陸軍と生産契約を結んだもので、ソフトウェアアップデートとパイロットインターフェースが改良されました。

 AH-64Eversion6.5、V6.5とも称される改良型はリンク16データリンクシステムとの接続性を強化するとともに、戦闘システムソフトウェアを改良することで各種センサーが得た情報を最適化し共有する、その上で既存のAH-64Eシリーズとの連接能力を強化し、また従来機よりもソフトウェアアップデートを容易に行える点に重点を置いた改良型です。

 T-901エンジンの採用、ジェネラルエレクトリックエアロスペース社が開発した新型エンジンへの換装も今回のV6.5改修の主眼で、UH-60多用途ヘリコプター改良型とのエンジン相互互換性維持を期しましたが大きく遅延し、量産決定から時間を要しましたが実はCOVID-19感染拡大の影響を受け、V6.5生産に二年近くを要する要因となったものです。
■T-901エンジン
 AH-64EといいますかAH-64Aを含めてアパッチシリーズの強みは1990年代に調達した機体を2030年代まで老朽箇所を置き換えセンサーとシステムを更新し使い続けられる事だ。

 アメリカ国防総省は陸軍協会年次総会においてAH-64Eエンジン換装についてその意義を強調しました。T-901エンジン、AH-64Eアパッチガーディアン改良型へ搭載される新型エンジンはITEP改良型タービンエンジンプログラムの一環として開発されたもので、主契約企業はジェネラルエレクトリックエアロスペース社となっています。

 T-901エンジン、この換装は従来の新型エンジン搭載という範疇を超える大きな能力向上となるもので、航続距離は20%延伸しており戦闘行動半径は270マイル、434㎞まで拡張されるとともに耐用年数は倍増しており、整備負担なども大幅に軽減されています。また強化されたエンジン出力はより強力な兵装を搭載し運用が可能となっています。

 アパッチシリーズはスタブウイングに左右各二か所の兵装架を有していましたが、エンジンを換装したAH-64Eversion6.5は兵装架が左右各三か所となっており、単純計算で兵装搭載能力は五割増大した事となっています。そして何より重要な点はAH-64Eversion6.5への改修が既存のアパッチシリーズからそのまま可能だ、ということでしょう。
■FARA将来偵察機
 いったん廃止された観測ヘリコプターを偵察ヘリコップたーとしてアメリカは復活させようとしている。

 アメリカのシコルスキー社はレイダーXをAUSAアメリカ陸軍協会年次大会に出展しました。FARA、これはFuture Attack Reconnaissance Aircraftの略称なのですが、アメリカ陸軍ではAH-64アパッチ戦闘ヘリコプターとOH-58カイオワ観測ヘリコプターの後継機を開発しています。ただ、このOH-58後継機は何度も候補機開発が頓挫した機種という。

 OH-58D観測ヘリコプター後継機は画期的なステルスヘリコプターであるRAH-66偵察ヘリコプターが充てられる計画でしたが、2000年代初頭の開発段階で1機1億ドルに達するとされ2004年に開発が中止、既存ヘリコプターに先端機材を搭載するARH-70計画が進められるも、こちらも高コストであるとして2008年に計画が中止され実現していない。

 FARA将来偵察戦闘航空機計画はこうした中で推進されていましたが、OH-58Dの老朽化が進むとともに、連携するAH-64の索敵能力が向上し、性能的にOH-58の陳腐化が進む中、ギリシャへ70機やクロアチアへ16機など余剰装備品として供与され、遂にアメリカ陸軍はOH-58Cを2020年に退役、こうした中でレイダーX展示となりました。
■レイダーX
 コンセプトモデルとコスト管理を見極めなければならないので話が進むのは此処からなのですがLR-1並の速度をだす航空機を目指す。

 AUSAアメリカ陸軍協会年次大会に出展されたレイダーXについて。機体は二重反転式ローター方式のアドヴァンストブレードコンセプトローターと推進用テイルローターであるプッシャープロペラ方式を併用した速度重視の複合ヘリコプター方式を用い、最高速度460km/hというCOIN機など固定翼航空機並みの速度を発揮するヘリコプターです。

 Future Attack Reconnaissance Aircraft、この計画に今回レイダーXが出展されましたが、計画では候補機が一本に絞られていない選定段階で、現在はシコルスキー社のレイダーXに加えてベルヘリコプターテキストロン社がベル360インヴィクタスを候補に挙げ試作機を製造中となっています。ただ、レイダーXは機体構成要素が98%の管制状態という。

 レイダーXは並列複座方式を採用したのに対しインヴィクタスはAH-64やAH-1などと同じタンデム複座方式を採用した高速の戦闘ヘリコプターというべき機体で、兵装や機関砲を格納式として有翼ヘリコプター構造を用いる複合ヘリコプター方式を採用しました。遅れているインヴィクタスですが、陸軍は有人機に相応の期待しているのは確かです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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ウクライナ情勢-ロシア海軍の海軍歩兵部隊偏重への改編と夏期攻勢がキエフ狙う可能性

2024-01-23 07:00:14 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ウクライナ情勢について。

 ロシア海軍の海軍歩兵部隊偏重への改編が更に進む模様だと、ISWアメリカ戦争研究所の分析が発表されています。これは1月10日に発表された戦況報告に示されたもので、現在ロシア海軍には主要な4艦隊と1小艦隊があり、太平洋艦隊、バルチック艦隊、黒海艦隊、北海艦隊、カスピ小艦隊、その隷下に5個海軍歩兵旅団と海軍歩兵連隊が置かれる。

 ISWアメリカ戦争研究所はロシア海軍総司令官エフメノフ提督の発言を引用し、現在置かれている海軍歩兵旅団5個を海軍歩兵師団へ拡大改編し、海軍歩兵連隊は海軍歩兵旅団へ拡大改編するという方針です。ロシア海軍は現在主力を構成するソ連時代の大型水上戦闘艦を維持する事が難しくなり小型艦へ置き換え、結果的に、地上戦部隊偏重となります。
■アウディイフカ周辺の気温
 日本が供与した車両などはウクライナに到着し始めているようですがアメリカの軍事援助停滞が響いているウクライナを守ったのは気温上昇でした。

 アウディイフカ周辺の気温上昇がロシア攻撃を阻害した、ISWアメリカ戦争研究所1月19日付ウクライナ戦況報告によれば、アウディイフカ軍政局バラバシュ局長の発言を引用し、アウディイフカでは今月に入り地面が凍結した事でロシア軍の機械化部隊運用が可能となっていましたが、18日以降気温が上昇し泥濘化したことでこれが困難になったとした。

 冬季攻勢は、2022年の開戦とともにロシア軍が重視した作戦運用ですが、もともと冬季は兵員を凍傷などから防護するなどの負担の大きさから兵站線の維持が難しく、その可否に関わらず莫大な損耗を強いるものです。ロシア軍はアウディイフカ周辺に2023年10月以来攻撃を加え続け、実際に両翼包囲を固めつつありますが、代償は死傷者2万名でした。
■夏攻勢-キエフ狙う可能性
 欧州の軍事援助が低調でアメリカの軍事援助が停止する今、せめて日本が用途廃止している90式戦車やFH-70榴弾砲などは予備保管せず廃棄するくらいならば供与してみる選択肢はないのか。

 ロシア軍は今年夏に再度攻勢をかけ首都キエフを狙う可能性がある、イギリスフィナンシャルタイムスの電子版は1月19日に報じました。ロシア軍の冬季攻勢は実質的に、アイディイフカの包囲を両翼包囲に進め、マリンカ周辺でも前進するなど着実な戦果を挙げていますが、アウディイフカ周辺で前進は3カ月間で2km、マリンカでは500mという。

 ただ、ロシア軍は軍需産業を拡大し戦時体制での生産を続けており、莫大な損耗を受けているものの装備の補充を進め、不足する装備品は主として北朝鮮より調達し続けている為、夏ごろにはある程度戦力を回復する見通しが立っているのがその根拠で、攻撃は東部四州完全制圧を目指すものの、キエフ攻略の可能性も完全に除外していない、と報じました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【防衛情報】オーストリアKC-390輸送機選定とイタリアGCAP戦闘機開発参加,アメリカ在日米宇宙軍新編

2024-01-22 20:23:32 | インポート
■防衛フォーラム
 今回はKC-390輸送機や日本とイギリスが進めるGCAP戦闘機計画など世界各国の空軍に関する最新情報を纏めてみました。

 オーストリア空軍はC-130輸送機後継としてブラジル製KC-390輸送機を選定しました。オーストラリアではなくオーストリア、カンガルーの国ではなくモーツアルトの国です。これはオーストリア国防省のハラルドヴォドセク少将が9月20日に公式発表したもので、C-130K輸送機の老朽化を受け、オーストリア空軍は次期輸送機を選定していました。

 KC-390輸送機は4機導入されるとのことで、取得費用や納入納期など詳しい情報は未だ開示されていません。このほかの候補機としてはアメリカ製C-130J輸送機とイタリア製C-27J輸送機、フランス製エアバスC-295輸送機が候補に挙げられていました。なお現在保有するC-130Kは3機であり、4機の新輸送機導入により空輸能力は強化されます。■

 アメリカ空軍はT-7Aレッドホーク高等練習機の受領を開始しました。9月14日、大幅に遅れていたT-7Aレッドホーク量産機初号機がアメリカ空軍へ納入、暫定第一次納入分として5機が生産されているうちの1機で、空軍での評価試験は秋までにボーイングセントルイス工場で、続いて年内にエドワーズ空軍基地において開始される予定だ。

 サーブT-7レッドホーク、アメリカ空軍は元々の名称であったボーイングT-7Aレッドホークという名称ではなく、開発計画初期段階のボーイングサーブT-X時代以来のサーブ社という名称をこの納入の発表段階では用いており、ボーイング社が様々な防衛装備品開発で遅延と問題を続出させているボーイング社への当てつけ的な印象を受けます。

 レッドホーク統合チームとして、アメリカ空軍は老朽化が行き過ぎているT-38練習機の後継機としてシステム体系へ統合化する準備は完了していますが、飛行制御プログラムや射出座席システムでのトラブルという、飛べないし脱出できないという問題を抱えたT-7は問題さえ解決するならば速やかに受け取る準備ができていると強調されています。■

 アメリカ宇宙軍は日本のアストロスケール社との間で燃料補給衛星契約を結びました。東京都墨田区に本社を置くアストロスケール社は宇宙関連のスタートアップ企業であり、現在宇宙ステーションへの無人補給機などは幾つか開発事例がありますが、今回アストロスケール社が受けたのは人工衛星へ燃料を補給する燃料補給衛星となっています。

 アストロスケール社の無人補給衛星はアメリカ宇宙軍から2550万ドル、受注を受けた2023年9月22日の為替レートでは邦貨換算で38億円となり、2026年までに衛星試作品を納入します。人工衛星の運用寿命は打ち上げ時の搭載燃料が主導力で太陽電池などは補助的な動力源であるため、人工衛星による宇宙給油実現は大きな運用期間延伸に繋がります。■

 アメリカ空軍はe-VTOLを運用するジョビーアビエーションと評価試験契約を結びました。9月25日、ジョビーアビエーション社はエドワーズ空軍基地での評価試験契約を結び、空飛ぶクルマとして構想される電動ヘリコプター、e-VTOLの空軍での実用試験を開始することとなります。なお、空軍では構想自体は既に2020年から進められていました。

 e-VTOL、ジョビーアビエーションの航空機は操縦士が1名、そして4名の人員か454㎏の貨物を搭載可能、最高速度は200km/hであり一回の充電で161㎞の航続距離を有するとの事です。空軍は近距離の連絡輸送や貨物輸送にe-VTOLを充てる構想で、当面はメーカーの操縦士が飛行試験と輸送試験を行い、次の段階で空軍操縦士が操縦する計画です。

 ジョビーアビエーションのe-VTOL、用途は幾つかが考えられますが、広大な基地での整備員や整備部品の速やかな輸送、そしてロシアウクライナ戦争での戦訓は戦闘機をシェルターに格納するよりも広く分散させることで、e-VTOLがあれば飛行中隊が広い地域に分散した場合でも備品や弾薬と要員を秘匿したデポから即座に移動できる事でしょう。■

 アメリカ軍は在日米軍隷下に新たに在日米宇宙軍を新編します。これはアメリカ軍の軍准機関紙星条旗紙が紙面において発表したもので、2022年にはハワイへインド太平洋軍隷下のインド太平洋宇宙軍を新編し、続いて在韓米軍隷下にも宇宙軍を置いています。星条旗紙は日本への宇宙軍設置を発表しましたが、具体的な場所は決定していないという。

 アメリカ宇宙軍は空軍宇宙軍団を改編するかたちで2019年に空軍から独立しています。宇宙軍の人員規模は8900名の軍人と777名の軍属で、その規模はアメリカ海兵隊よりも小規模ではありますが、第21宇宙航空団、第30宇宙航空団、第45宇宙航空団、第50宇宙航空団、第460宇宙航空団、第614航空航空団などをその隷下に置いています。■

 フランス空軍はエアバスA-330-200MRTT多目的給油機12号機を受領し導入計画を完了しました。フランス空軍は旧式化と老朽化が進むアメリカ製KC-135空中給油機と、そして人員輸送専用のエアバスA-340輸送機及びエアバスA-310輸送機の後継として一機種で担うエアバスA-330-200MRTT多目的給油機を選定、順次受領を続けてきました。

 エアバスA-330-200MRTT多目的給油機12機が2014年11月に12機を複数年納入契約により30億ユーロ、当時の為替レートでは33億ドルにて調達契約をむすんでいます。この機体は胴体下部を燃料輸送用に用いるほか、上部は人員輸送やパレット輸送と担架による医療搬送にも対応しており、短歌収容の場合は130床を収容可能としています。

 エアバスミリタリーエアクラフト社が開発したエアバスA-330-200MRTT多目的給油機は、アメリカ製空中給油機よりも大型であり、海外販路開拓にも成功、16か国に68機が輸出されています。他方、2020年からのCOVID-19感染拡大とその収束後の世界規模のインフレ拡大は今回のような固定価格契約には少なくない影響を及ぼす課題ものこしました。■

 クロアチア空軍は中古ラファール戦闘機の受領を開始しました。2023年10月2日、フランス本土のモンドマルサン空軍基地においてフランス航空宇宙軍からクロアチア空軍へのラファール戦闘機譲渡式が実施され、クロアチアのマリオバノジッチ国防大臣、フランスからは戦闘航空総監のリュックドランクル将軍が臨席し式典が挙行されました。

 ラファール戦闘機の中古取得計画は2020年、クロアチア空軍が老朽化と旧式化が進んでいたMiG-21戦闘機後継戦闘機選定を進めていた最中、フランスより新造ラファール戦闘機の後日調達を条件に格安の条件でラファールF3R戦闘機の中古機12機譲渡を提示され、結果12機の中古機を購入、8機の能力向上型と4機の無償譲渡が契約されました。■

 シンガポール空軍はF-16戦闘機へのAESAレーダー搭載改修を完了しました。東南アジア地域において最初にF-16戦闘機を採用したシンガポール空軍は今後計画される少数のF-35戦闘機導入と共に保有するF-16戦闘機を2030年代以降にも現役で運用するべく近代化改修計画を進めていました。その一環としてレーダー換装が行われています。

 F-16戦闘機へは既存のC型などをV型相当に能力向上させる取り組みがあり、このためにノースロップグラマン社はAESA方式のAN/APG-83を開発しています。シンガポール空軍はこの改修に併せてイスラエルのエルビットシステムズ社製ヘルメットマウントディスプレイ、射程20㎞のパイソン5短距離空対空ミサイル搭載能力を整備しました。■

 チェコ政府はエンブラエルC-390輸送機調達に向けエンブラエル社との交渉を開始しました、導入計画数などについては現在交渉中とのことで交渉期間も現段階で未定です。チェコ空軍には現在、不整地運用能力を持つ輸送機が配備されておらず短距離輸送型のL-410輸送機6機とスペイン製CASA-C-295輸送機が6機配備されているにすぎません。

 エンブラエルC-390輸送機について、チェコではエアロヴォドコディ社がエンブラエル社へC-390輸送機部品を納入する協力企業であり、今回の次期輸送機選定に際してはこの点がほかの候補機に対して優位とされていました。中欧地域ではオーストリア空軍が次期輸送機としてC-390輸送機を選定し、エンブラエル社は売り込みを強化しています。■

 スペイン空軍はハルコンⅡ計画としてユーロファイタータイフーン戦闘機25機を追加調達します。これは欧州周辺情勢の緊張状態を受け国境地域の防空能力を強化するべく2023年から2035年まで空軍増強予算45億ユーロが計上されたことを受け、ユーロファイターを増強することとしたもの。スペインはこのほか、F/A-18C戦闘機を運用します。

 ハルコンⅡ計画に先立ち、スペイン空軍は2023年から2027年の期間で既存戦闘機の能力向上を行うハルコンⅠ計画が進められており、一方でスペイン空軍はドイツフランスとの間で次世代戦闘機開発計画に参加、この実用化は2050年代が見込まれています。F-35戦闘機を採用しないスペイン空軍はこのギャップをタイフーンの増強で対応するもよう。■

 イタリア国防省はGCAPグローバルコンバットエアプログラム日英伊戦闘機共同開発計画推進への来年度予算を明示しました。10月17日に発表された来年度予算文書によれば、2億7100万ユーロを計上し、戦闘機の製造費やライフサイクルコストを含めた2037年までの長期支出展望としては77億7000万ユーロを見込んでいるとしています。

 GCAP戦闘機計画、イタリアはF-35B戦闘機とC-130J輸送機から成る緊急展開部隊を編成中で、イタリアは欧州の中でも地中海情勢、具体的に言えば北アフリカや中東地域の緊張による影響を受けやすい地政学的条件があります。このため、F-35の戦闘行動半径は不十分で、航続距離の大きな戦闘機を必要とし、この開発計画に参画しました。

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ウクライナ情勢-ウクライナ防空ミサイル消耗とジェットエンジン搭載シャヘド無人機,クピャンスク攻撃再興兆候

2024-01-22 07:00:37 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 こうした状況を見ますと我が国も近距離地対空誘導弾や短距離地対空誘導弾は万単位で備蓄が必要なのだなあと予算の重みに嘆息します。

 ウクライナ軍は直近三度のロシア軍攻撃によりミサイル備蓄をかなり消耗した、ISWアメリカ戦争研究所ウクライナ戦況報告1月9日付発表において概況が示されていました。ミサイル備蓄状況についての発言はウクライナ空軍報道官ユーリーイナト大佐の発言によるもので、ペトリオットからホークまで全力で迎撃した結果の射耗が背景にあります。

 ロシア軍はジェットエンジン搭載型のシャヘド238を運用開始しており、ウクライナ軍も実際に撃墜したとのことですが、ジェットエンジン搭載により最高速度は500km/hとかなり速度が増大し、従来のシャヘド無人機のように重機関銃の目視照準での撃墜が困難になっているとのこと。ただ、その分コストが高く航続距離は低下していると分析されている。
■ロシア空軍二度の誤爆
 長期戦を行うには搭乗員をどのように確保するかという分り切っている問題ですが毎度世界各国で突き付けられる課題で、本邦は搭乗員確保は大丈夫なのか。

 ロシア軍は1月初旬の一週間で二度に渡る誤爆を行ったとのこと、イギリス国防省ウクライナ戦況報告1月10日版の分析によれば、先ず1月2日、ロシアのヴォロネジ州ペトロパブロフカの住宅街にロシア軍機が誤って爆弾を投下し住宅9棟が損傷した。続いて1月8日、占領中のルガンスク州ルビネージュ村に対しFAB-250無誘導爆弾が落下しています。

 ロシア軍による誤爆について、イギリス国防省の分析では2023年4月20日に発生したSu-34戦闘爆撃機によるベルゴロド市での誤爆事故を例に挙げ、訓練不足と乗員疲労が重なったものと分析しています。ウクライナ軍はアメリカ軍事援助停滞により劣勢が伝えられますが、開戦当初と比較し防空能力は格段に強化、ロシア軍に圧力をかけ続けています。
■クピャンスクの現状
 ロシア軍が各所で押し返し始めている。自衛隊が学ぶべき点は古くて退役する装備であっても機動運用ではなく拠点防衛には有用な場合が多く専守防衛を形骸化してでも残すのであればこれら装備も保管して残すべきという。

 ウクライナ全戦線で陣地戦が続く中でロシア軍はバフムトとドネツクとドニエプル川東岸で前進した、ISWアメリカ戦争研究所1月10日付ウクライナ戦況報告において概況が分析されました。現在の焦点となっているのはクピャンスク地区で、この地域では寒波により無人機の運用頻度が低下しているものの、ロシア軍の大規模攻撃の徴候があるという。

 ロシア軍大規模攻撃の徴候は、この地域の旅団司令官が敵情分析により、ロシア軍の兵力集結を確認した事が根拠という。ウクライナのメリトポリ市イヴァンフェドフ市長によればロシア軍は2023年末にかけザポリージャ州とドネツク州で新たに数十km規模で塹壕を掘削しておりこの地域の防衛を強化中とのこと。ただ寒波が歩兵行動を阻んでいるもよう。

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【G3X撮影速報】横須賀軍港めぐり【1】イージス艦きりしま・原子力空母ロナルドレーガン(2024-01-06)

2024-01-21 20:23:37 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■2024最初の横須賀を巡る
 横須賀へ今年最初に行きましたのは未だ松の内の週末でしたが能登地震の影響も横須賀には及ばずのどかな情景が広がっていました。

 横須賀、JR横須賀線は横須賀駅の改札を出ていますとその目の前に護衛艦が並ぶ逸見桟橋が見えます。艦番号174、イージス艦きりしま。逸見桟橋の完成で駅前に海上自衛隊の象徴を目の前で見られるようになった、防諜と広報、しかしこの情景が観られるようなった。

 アーレイバーク級ハワード、ベンフォード、その向こうにもう一隻イージス考えるのが見えるのですが、大切なのはその向こうです、艦番号70、といってもこれは艦橋に大書されたのは、合衆国海軍70隻目の正規空母である原子力空母ロナルドレーガンそのひとだ。

 きりしま艦橋を眺めつつ、少しは考える、この日は土曜日で明日は第一空挺団降下訓練始め、なのだから朝は早いのだし、駅前のヴェルニー公園から護衛艦を見ただけで満足して千葉へ向かい早めに休むべきではないのか、と。しかし、空母がいるとなれば話は別やね。

 ロナルドレーガンが横須賀へ戻っている、原子力空母ロナルドレーガンを筆頭にニミッツ級原子力空母は満載排水量で10万トンをこえる巨艦、アメリカ海軍力の象徴ですが、一旦出航すると数カ月は戻ってこないために、横須賀に戻ると大きいので目立ち、直ぐわかる。

 2024、謹賀新年のライトアップ準備を行っている潜水艦を目の前に、心に決めました、横須賀軍港めぐり遊覧船に乗ろう。遊覧船、45分間で横須賀基地を一周する遊覧船なのだけれど、空母も、1.5kmくらいか、近寄ってみることができるので、こういう時にいい。

 遊覧船は1200時の便には間に合わないので1300時の便にしよう、すると東京でちょっとお買い物をして、という散弾はこの際棚上げにして、ヴェルニー公園の先に軍港めぐり遊覧船の受付へと向かう事にしました。昔のダイエーの、ショッピングモールのなかにある。

 ヴェルニー公園は、年々整備されていて最近は洋風住宅を模したレストランも開業されたけれども、カレーなどが頂けたカフェは閉店したままとなっています。カラスと噴水とその向こうに護衛艦、という横須賀らしい情景を撮影しまして、しかし受付へと急ごうか。

 遊覧船、事前予約でチケットを確保する事も出来るのですが当日券が一定数残してありますので、これ土曜日という事もあり多少混雑しているのかなあと思いつつも、流石に満員という事はないだろう、とある程度算段を建てて向かうんだけれど、カラスは撮影する。

 ハトとイージス艦、そんなに悠長にしていてどうなのか、と思われるかもしれませんが、平和の象徴ハトさんとイージス艦を並べて撮影できるというのがヴェルニー公園ですので、急がなければならないのだけけれども、ハトさん、良い場所にとまってよ、ともねがう。

 いかづち。さて、買ったのか、と問われますと残念満員でチケットが無かったので寂しく護衛艦だけを撮影した、というわけえはなく、無事チケットが買えました。お値段2000円と物価高騰の影響を受けたのか、ちょっと高くなったような印象が有りますが、乗れる。

 きりしま停泊の様子を乗船口でみています、というのも、軍港めぐり遊覧船は全席自由席、良い場所もそうでない場所も早いもの勝ちという実情がありますので。全席自由席、このちょっと前まで新幹線のぞみ号は全席指定席でした、やはり自由というのは、いいもの。

 軍港めぐり遊覧船は、その隣にやってまいりました。さてさて、じつはここ、行列は既に目の前に30人ほど並んでいるものでして、ちょっとチケット、ハトとカラスで出遅れたなあと思いつつも、これから横須賀基地を一周、撮影旅行の船旅がもうすぐ始まるのです。

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【G3X撮影速報】富士学校祭-富士駐屯地創設69周年記念行事(6)過渡期にある特科と戦車の訓練展示(2023-09-30)

2024-01-21 20:00:42 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■さよなら74式戦車
 富士学校祭の速報も行事から時間が経ってしまいましたが今回の第六回で大団円となります。

 12式地対艦誘導弾システムが射撃準備を展示します、とはいってもこれの実物を発射しますと鹿島灘とか伊勢湾沖まで射程に入ってしまうようなミサイルです。現在この改良型を開発しているというアナウンスが流れ、その射程は900㎞から2000㎞、長い。

 19式装輪自走榴弾砲の射撃展示を終えて陣地変換をおこなう、似たような八輪式の車両ですが野砲とミサイルで全然違います、空包射撃もこちらは出来るのですが、今後自衛隊が反撃能力を整備してゆきますと、前者の角度をつけておしまいの展示が増える。

 99式自走榴弾砲、自衛隊は野戦特科を長らく重視してきましたから装輪自走榴弾砲はスウェーデンのアーチャー自走砲のようにこの99式の砲塔を装輪車の後部に装着するものとおもっていましたが、大きさなどで断念したという。コスト面も大きいのだろうか。

 74式戦車、この2023年が今度こそ最後の展示となります、日本が誇る第二世代戦車で、第二世代戦車は攻撃と防御と機動力の戦車三要素のうち、技術的にどれかを妥協しなければならないという制約があり、近代化改修には限界があるものを頑張って使った。

 第二世代戦車は、ウクライナでの線上ではロシア軍とウクライナ軍が、ロシア軍は台地世代戦車まで投入して使っていますが、乗って線上に赴く方の事を考えると、早めに第三世代戦車に置き換える必要がある。自衛隊の場合は置き換えず単に廃止するだけ。

 90式戦車の機動展示、74式戦車に対して90式戦車が第三世代戦車である所以は、その120mm砲弾を正面装甲や車体正面に受けても貫徹せず、側面に命中した場合でも人員区画が防護でき、このほか4000m先の目標に高い確率で命中させられる点など。

 10式戦車は、この90式戦車を置き換えてゆくこととなる戦車です。ただ、思うのは防衛産業を維持し重厚な防衛力を維持し、且つ戦車定数を増やさないのであれば、量産数を増加させて、そして15年程度で退役し、補修したうえで海外に輸出するという提案だ。

 第三世代戦車か第四世代戦車か、という視点で語られた重くなりすぎた第三世代戦車の配置を合理化することで防御力を高めつつしかし逆に軽量化するという選択肢は、結局世界が第三世代戦車の改良だけで済ますことが主流となり追随されるには至らない。

 16式機動戦闘車の展示、ほぼすべてはうしろに向けて射撃姿勢をとっているのは、ちょうどこの撮影に当たったG3Xカメラには見えにくい角度で射撃展示が続いたので、ほぼ撮影できなかったというのが正しい、もっとも、一眼レフでは撮れたのだけれどもね。

 戦車駆逐車というか、装甲防御をあきらめて機動力に特化するという発想は第二世代戦車の発想の延長線上にあるのだけれども、これはモノになってゆくのだろうか。この分野で先進的なイタリアは現在チェンタウロ2という120mm戦車砲搭載型を量産中だ。

 AH-1S対戦車ヘリコプターの支援、このAH-1Sも古くなったもので、しかし後継機種を調達することなく対戦車ヘリコプターと本来の後継であるべき戦闘ヘリコプターは区分ごと用途廃止される計画、即座の致死性を突き付けられる必須の装備と思うのだが。

 陸上防衛は転換期にある、というのは理解できるのだけれども、本来戦争には限定戦争と全面戦争があって、限定戦争に仕えるものは全面戦争にも対応する、けれども全面戦争を念頭に置いたものを限定戦争に用いると、戦争が全面戦争に拡大してしまうのですね。こんな感じにて富士学校祭訓練展示は状況終了となりました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-東京上野,アメ横でお買い物の前にアメ横の旨い海鮮丼

2024-01-21 18:29:26 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 総監部グルメ日誌と銘打っていますが今回紹介するのは総監部の一つ上である防衛省本省庁舎もほどちかい上野なのです。

 東京、というと2019年までは仕事でもそれ以外でも旅行でもいろいろと行っていた街並みなのですが、2020年は、空挺降下訓練始めを除いていく事は無く、2021年はいったとしても仕事や所用をおわらせるとそのまま直帰する状況でした。その理由はCOVID-19です。

 開運号、そう年末年始は京成電車の開運号を通過する様子だけ眺めまして、というのがコロナ前の日常だった、空挺団降下訓練始めを撮影するために千葉に行くという日常と云いますか恒例行事でした。そして、自動車で行くか電車で行くかなのですが、電車の場合は。

 京成電車で八千代台から終点上野まで行きますと、そう、上野ならば高架下のアメ横に立ち寄って、いろいろ買うものはあるのですが、先ずは此処、みなとや、みなとやにて海鮮丼を色々頂きまして、空腹で頭が回らず高額な買い物を無意識にしないように準備する。

 アメ横、色々露天が並んでいるのですが、上野駅ではなく昔は御徒町駅から中田商店はじめお店を巡っていたので、それでみなとや、初めて知ったのだったか、もう20年近く前の話なのですが。一見、航空部隊のパッチのように並ぶドンブリものの看板に惹かれた。

 ウニイクラネギトロ丼、これで数百円というのだから上野が凄い、錦市場だと寿司一貫数百円というところもあるのだから、観光地化する京都の錦と、薄利多売の真剣なアメ横の違いというものなのでしょうかね。そして陶器の重い丼を持ち上げ、端から箸で掻きこむ。

 マグロのネギトロは甘い、脂の甘みと赤身の酸味が。ウニはちょっと苦い、のだけれども滋味と甘みと。イクラはこのなかで唯一しょっぱいのだけれども、口の中で一粒一粒が爆ぜてゆくたびに急な旨み、ぜんぶいっしょくたに掻きこむか、いや、時計回りで頂くのか。

 マグロ丼が、今は値上がりして500円ほどなのです。近くに富士そばも吉野家もあるのですけれども、みなとや、ここの海鮮丼はそのくらいの手ごろさで、美味しい、ここが大事なのですが、おいしい海鮮丼をいろいろな種類を準備していてくれて、直ぐ食べられる。

 露天風の、けっして上等ではない机と椅子に、荷物などは高いカメラバッグが汚れないようにひと苦労する瞬間はあるのだけれども、なにかこういつもと違う場所で美味しいもの、旨いものを頂いているなあという満足感がそこにあります。久しぶりのアメ横、久しぶりのここ。

 上野は、万年筆の凝ったやつとか、ショカコーラはじめ世界のちょっと手に入り難いが時折食べたくなるチョコレートや、兎に角珍しい、日本全体に数が入っていないようなものを入手できる、それも比較的手ごろに。その際に買い物の前、海鮮丼が食べたくなるのだ。

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【京都発幕間旅情】681系しらさぎ:能登半島地震七尾線羽咋駅和倉温泉駅間本日運転再開と能登直通特急

2024-01-21 07:00:06 | コラム
■能登復興と観光業
 元日能登半島地震で大打撃を受けたJR七尾線が本日から羽咋駅と和倉温泉まで復旧し特急運行も再開されることとなりました。

 能登半島の災害復興を考えた場合、一日に一往復でも二往復でもいいので和倉温泉駅まで、しらさぎ、サンダーバード乗入れを継続できないか。現在はIRいしかわ鉄道が金沢駅から和倉温泉まで、681系や683系特急を用い、能登かがり火号を運行中となっています。

 能登かがり火号は、厳密には能登半島地震を受け七尾線の状況などから運休中となっていましたが、羽咋駅と七尾駅の復旧完了し運転可能となった事を受け本日22日から運行再開となります。サンダーバードでそのまま和倉温泉まで行けるというのは観光再開に資する。

 北陸新幹線敦賀開業により、しかし現在の体制は、特急サンダーバードで敦賀駅まで、敦賀駅から金沢まで新幹線はくたか、金沢駅で能登かがり火号乗換、と乗換を二度も挟む事となります。旅行してみると判るともいますが乗換というのは荷物を持ち、体力を使う。

 金沢から和倉温泉は71km、特急に乗車しましたらそのまま目的地まで座席でくつろげる、ということは意外と重要で、速達時間よりも直通運行というものは、目的地に金沢周辺の和倉温泉というのではなく和倉温泉という明確な選択肢を示す事になるのではないか、と。

 京都から神戸三宮までが73kmですので、能登半島では中央部で奥能登までまだ先という和倉温泉と金沢が案外遠いということが認識できるでしょう、すると直通運転を維持する事は意外と旅客需要を掘り起こす。故に新幹線敦賀延伸後も、運行維持できないか、とね。

 能登半島は未だ観光客を受け入れられない段階と云いますか、奥能登では事実上の孤立地域も残り広域避難を進めている段階です。けれども復興しなければならない、その復興に着手できる復旧は、三月の北陸新幹線敦賀延伸の時点では未だではないか、と思うのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【G3X撮影速報】小松基地航空祭2023【5】イーグル格納庫に謎の"サンダーバード"(2023-10-07)

2024-01-20 20:11:58 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■小松のサンダーバード
 小松基地とサンダーバードの関係というと北陸本線特急の印象しか浮かばないのですけれども。

 F-35戦闘機、F-15戦闘機、ウィスキーパパを油断なく望遠で撮影し続けつつ、その合間に地上展示の航空機を撮影、なにしろ時間が多いように見えて航空祭の時間は限られていますから、撮影しながら撮影する、地上と上空を同時に撮影しなければ間に合わないのだ。

 ブルーインパルスジュニアの飛行展示、いや走行展示が始まると書きたいおころですが、飛行展示なんですってアナウンスされましたのでこのちびっこと一部大きなお友達に人気の展示は飛行展示と紹介しましょう、展示が始まります。ここを一通り見ましてから。

 基地防空地対空誘導弾など装備品展示を巡ってみよう。陸上自衛隊の11式短距離地対空誘導弾と同じものなのですが発射車両が航空自衛隊の方が小型化されています、基地で目立つと航空攻撃で逆に狙われるということなのかもしれませんが、こっちのほうがいいよね。

 81式短距離地対空誘導弾、昨今はトルコやインドがこの種のミサイル国産化に専念しているようですが、このミサイルも東芝が1960年代から開発に着手して1981年に漸く制式化できたもの、この種の技術は積み重ねで特に技術は嘘をつかない為に長期的な視野が要る。

 サンダーバード。うむ、サンダーバード。そうもう小松駅に戻ってきまして帰りの特急電車の待機位置に立っています、なんて訳ではなくこれ格納庫の中の、基地のね。サンダーバード、今回の航空祭でいっちょんわからん表記はこれでした。誰かこれ教えて欲しい。

 空対空用小型標的、そういえばこの種の航空標的を1998年ごろの月刊軍事研究がASM-3空対艦ミサイル試作弾、とモノクロページで誤報を飛ばしていたのを思い出します。凄い誤報は25年前でも覚えている、だから北大路機関も誤報を飛ばさぬよう注意しなければ。

 ウィスキーパパのアクロバット飛行は、こうした中で始まった訳です。素晴らしい飛行展示だなあ、とは思いつつしかしもう一つ想うのは、単機だけの飛行展示はちょっと物足りないのですよね、これは例えばアメリカ太平洋空軍のF-16機動飛行展示にも当てはまる。

 単機の機動飛行と二機での機動飛行では率直に言って費用が二倍になるものですから、安易に見たいぞ、なんていうものではないのですが、例えばモーターグライダーなど飛行費用の低いものとアクロバット飛行するものと複数が飛んでくれると、見栄えが凄く、とね。

 F-15戦闘機の機動飛行が開始されます、地上と上空を同時に見上げる事となるのですけれども、さて、一眼レフは兎も角としてG3Xについては厳しくなってきました、何しろかなり長期間酷使しているのでガタがきていまして、ズームスイッチのスプリングがすでに。

 イーグルの機動飛行は物凄いのですが、G3X,そろそろ予備機としてもう一台保管しているG3Xに世代交代させるときなのかもしれませんが、もうその予備のG3Xを使い潰してしまったら、CANONが既に高倍率コンデジのハイクラス機種を出していない為、それまで。

 EOS-M5にEFM55-200mmを装着して、なんてかんがていたらCANONはEF-M規格の全廃を発表、仕方ないのでEOS-R50にRF55-200mmをと考えてカメラ店に行ってみると、なんとRF55-200mmはEFM55-200mmにアダプターを埋め込んだだけの手抜き版だ。

 CANONはなんでこうコロコロかえるんだよ会社がコロコロに倒れてしまうぞ、と思うのですが、友人知人は徐々にNikonとかSONYに乗り換えている方が増えていて、なるほど見切られているのはEFMではなくCANONの方なのか、と思いつつ撮影しているのです。

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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:千葉-八千代台,日航海保機事故とペット安全が居酒屋談義の視点論点

2024-01-20 14:41:07 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 第1空挺団降下訓練始めを撮影するには朝早く並ぶ必要がありますので千葉に一泊するのが良く中でも八千代台がお勧めなのです。

 八千代台、千葉県の京成沿線にある駅前を巡った際、昨年は東葉高速鉄道の八千代台周辺で素敵なイタリアンなんかを巡ったのですが、京成線沿線ですと古き良き昭和の時代という感じの千葉が広がり、要するにイタリアンなんてところは無いか閉店していました。

 居酒屋探訪と行くこととしましょう、こう切替えたのち、一喜さんというビルの一階ながら通りに面して間口を開けていまして、その奥に和気藹々たる酔客の議論が聞こえるという、これぞ日本の居酒屋的な一軒を見つけましてさて時計を見ればいい時間、暖簾を潜る。

 旬彩一喜、焼き鳥とお刺身に地のものと手製の肴に美味しい地酒、一言で説明しますと装いはこんなところで、カウンターの入り口付近はいい感じの酔客紳士三人組、ご近所さんらしい方々がボトルを囲んで談笑、わたしはカウンターの端に陣取り先ずは清酒を頂く。

 一ノ蔵だったか、千葉の清酒というわけではないのですがビールは瓶ビールのみと云われましたので生中一発、という機運がそもそも無かった故に先ず優しい清酒を冷やで頂きますと御通しはおでん、お麩と大根に竹輪その他がビールより清酒と合っていてこれ旨い。

 刺身三点盛り、と考えずに先ず適当な美味しいものをいただけるならばとお任せしてみましたが、その前に瓶ビール、ありきたりな麒麟が来るとかアサヒではなく、ベルギービールがあるではないか、心機一転清酒をのみ干しヒューガルデンを注文すると直ぐに来た。

 いなだ、まぐろ、あじ、だったか。三点盛りは一人晩酌にはちょうどいい大きさなのです。さて、清酒をのみ干して急遽ベルギービールとグラスを傾けていますと、入り口界隈の酔客は酒場談義となっていまして、その談義の話題はズバリ、羽田日航海保機衝突事故の。

 成田空港行京成電車が行き交う京成沿線、京成は羽田にも乗り入れていますから空の話題なのですが、議論の最大の点はペットの安全だ、というセンシティヴな話題です。乗客乗員全員脱出成功の日航機ですが、残念ながら貨物室のペットさんは脱出できず機と運命を。

 令和の現代なのだからペットの生命はもっと尊重されるべきだ、という意見の可否が議論という。確かに。国土交通省の通達では緊急脱出時にペットは同伴できない、というよりも手荷物は持ち出し不可で、しかもペットは貨物室に収納されていて、逃げられないのだ。

 千葉県で、この議論を聞いたのは、全国でもこういう議論があるのだろうけれども、考えさせられるところが有りまして、そう、千葉と云えばお隣茨城県の常総市、鬼怒川水害において浸水孤立家屋からUH-60が住民と共にペットを救出したことはまだ記憶される。

 東日本大震災では福島県沖でイージス艦が漂流者を救助した同じころ、海上保安庁巡視船が漂流家屋上のペットを救出した話題もあり、東日本大震災と鬼怒川水害においてペットを救出した事例は既にあり、これが2010年代の価値観だ、と世界には示していますが。

 旅客機の設計を見直す段階ではないのか、例えばペット区画を脱出用膨張式スロープの区画に隣接させて自動で切り離すとか、ダイマーカーをペットケージに一体化させ浮力材で包みペットケージそのものを救難装備の一つに応用するなど、設計再考の余地はないか。

 エアバスなどは、寝台の追加という長距離路線用に数時間単位で追加料金を支払い用いる寝台を貨物室部分に追加する設計を行っているところであるし、シェーズロングシートというエコノミークラス用二階建て座席などの開発が進められ旅客機は変革期を迎えている。

 シェーズロングシート、長椅子状にエコノミークラスでも足を延ばせる座席を試みていて、実用化はまだ先のようだけれども、機内の形状は今後変り得る。一方で日航機の全員脱出をアメリカの客室乗務員団体などは奇跡的とした上で、アメリカでは可能か、と危惧する。

 手荷物やパソコンを持ち出そうとすることで避難が遅れるのではないかという危惧と共に現在の手荷物を持たず脱出するという規則は70年前のものであり、そろそろ手荷物やペットの存在を考えた設計や規約とすべきではないかという指摘といい、なるほどともおもう。

 旅客機を、緊急時の脱出に新しい視座を加える様な設計のものを、旅客機のなかでのオプションとして提示し、安全性と共に万一の際の最後の安全性を高めた次世代旅客機の規格を、命が大事とされ定着している日本からエアバスやボーイングに提示する意義は無いか。

 旨いお酒と美味しい焼き鳥の串をかさねつつ、酔客の御仁紳士方の話題を流し聞きしただけでも、ふとそんな事を思いました。現行の機種では不可能だけれども、新規格の次世代機にオプションとして、と。酒場談義はお酒や料理の他、こういう雰囲気がいいのですね。

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