北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都-四条高倉,マルゲリータピザとアイスティーと遅い紅葉

2024-11-23 14:11:23 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 寒さは急にやってきたものですが果たして秋が来るのかと数週間前までは訝しんでいたものなのですよね。

 今年は紅葉の季節がおそかった、というよりは夏が長すぎて、これ秋という季節はどうなったのだろうかと訝しむほどでしたが、漸く秋の、というよりも紅葉の季節を迎えまして、さあ冬はどんな気象となるのだろうかと若干危惧しつつ。

 ダニエルズソーレ、京都河原町駅前の、というには少しだけ歩いた先のイタリアンなお店なのですが、このお店のうれしいところはCOVID-19がもの凄い時代に、店内にテラス席が用意されていまして、気軽に外で食べれた、もっとも冷房無いけれども。

 パテとキッシュとボロニアハムのサラダと。ランチタイム、このお店はこんな感じの前菜とともにメインメニューが愉しめるところでして、さてそろそろCOVID-19も下火に、厚労省の数字を見ると驚くが、なんとか店内で飲食を愉しめる頃合いではある。

 じゃがいものスープとともに、ここのお冷やはしゅわっとくる炭酸水で供せられていまして、一口含むと泡の由来の二酸化炭素の独特の味があるような無いような風味が爽快感のかけらのようなものを醸して、その合間に滋味あふれるスープを啜り、さて。

 マルゲリータピザがやってきました。お肉のプレートという、もうこれ肉食時代到来、というようなランチメニューが、なぜかこの日は見当たらなかったのでピザをいただいたのですが、シンプルなトマトベースのソースとともに分厚く焼き上げられていて。

 ピザっていうのはシンプルなだけに個性が出てくるのだよなあ、と思いつつさてワインでも頼むべきだったか、思いつつもまず熱々を頂いて、難しいことはその後で考えよう、となる。なにしろ分厚いピザ、ナポリ風だったか、冷めると猛烈に固くなるゆえ。

 ミラノ風が薄くて、ナポリ風が分厚いのだったか、ガンスリンガーガールというイタリアの文化紹介漫画で昔知りました、1980年代なのに駆逐艦がカルロベルガミーニ級だったり1990年代なのに戦闘機がユーロファイターという不思議な世界観の。

 アイスティーを食後に。いやなんかね、こゆいエスプレッソを苦みとか感じないほど大量のお砂糖を入れて飲むことも考えたのだけれども、そのあとに注ぐグラッパを考えた結果、これは無難に紅茶を頂こう、となったわけですよ、ここは京都なのだし。

 パンナコッタがデザートのドルチェとしてついてきまして、乳成分の濃厚な甘みにジャムのブルーベリーの酸味が不思議な調和を醸す、こういうところまで計算に入れれば珈琲の苦みがあっても良かったのかな、とこの日の選択肢の妥当性を振り返ったりする。

 ダニエルズソーレさん、初めて探訪した際はちょうど小松左京の"見知らぬ明日"を書架から見つけて読んでいて重要な場面に原潜ダニエルブーンが登場、その関係で入ってみたお店なのだけれども、気軽なイタリアンを愉しめる、隠れ家的なお薦めのお店だ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【京都幕間旅情】京阪8000系特急電車,昭和最後の年に完成した京阪特急の顔は平たい

2024-11-23 07:00:03 | コラム
■京阪8000系
 1989年と云えば昭和64年で平成元年だ。

 京阪8000系電車、エレガントサルーンという京阪電鉄の看板特急です、京阪神地区は地下区間がありますので、京阪電鉄はもちろん阪急電鉄も、そして近鉄電車も地下鉄乗り入れの車両は貫通扉を非常用に非常口として使用できるよう、標準化されている。

 貫通扉、というものを採用するからにはどうしても先頭車は、こう、ひらぺったい、顔が平たい、というテルマエロマエのルシウスさんのような表現では無いのだけれども、先頭車というのはこう、貫通扉を繋ぎやすい形状しかないものだ、とおもっていて。

 しかし、東急2020系電車や特に東急6000系、あとは京成のスカイライナーAE系なんかも、あんなに凄い流線型なのに貫通扉を配置できていたり、ロマンスカーにも貫通扉を車両デザインを配置したものが出ているようになると、なんとかなるものなのかなあ。

 流線型というのは、鉄道車両の車体規模であればほとんど空気抵抗というものは影響しないといいます、もちろんトンネルに入るときなどの衝撃波などの影響はあるものだけれども。すると結局優先されるのは、車両デザイン、ということになるのかもしれない。

 京阪8000系電車が導入されたのは1989年となります、そして京阪は特急車両、というものを8000系以降設計していません、3000系電車はもともと中之島線の快速急行用でしたからね、それもライトなどの設計は別として、車体はやはり、平らだったのですが。

 特急車両が次世代として導入される頃には京阪電鉄も流線型設計を取り入れるときがくるのだろうか、例えば阪急2300系とか1300系は特急以外に普通電車として運行されることもあるのだけれども、京阪の場合は塗装が特急だからなあ、と思ったりするのだ。

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令和六年度十一月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2024.11.23-2024.11.24)

2024-11-22 20:23:15 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 紅葉の撮影もいそが無ければなあというきゅうな気候の変化の最中ですが皆様いかがお過ごしでしょうか、今週真の継自衛隊行事紹介です。

 築城基地航空祭2024、11月24日、F-2戦闘機の迫力を思い知るには築城を置いてほかに無い、といわれる我が国最大の対艦攻撃部隊が第8航空団、隷下に第6飛行隊と第8飛行隊が置かれ全力で対艦ミサイルを射撃すると同時に160発が敵艦隊に殺到するという。F-2の飛行は低く密集していて、撮影技術が試される本気の航空祭といえる。

 第15旅団創設14周年那覇駐屯地祭、11月24日、第1混成団を拡大改編し第15旅団が創設されてから14年となりました、第15ヘリコプター隊や第15高射特科連隊などが新編され、普通科連隊に加え宮古と八重山の警備隊も隷下に有しています。撮影が少々難しいのが難点ですが、なんとか撮影できる立地を探すのも行事の醍醐味、なのかもしれません。

 板妻駐屯地創設62周年記念行事、11月24日、静岡県御殿場市に所在する第34普通科連隊及び第3陸曹教育隊の駐屯地です。駐屯地は手狭ですが東富士演習場に隣接していることから訓練環境が素晴らしく、特に山岳戦においては日本有数の普通科連隊としてしられるのが第34普通科連隊、中距離多目的誘導弾が全国に先駆け展示されたことでも有名だ。

 11月24日、別府駐屯地創設67周年記念行事、第4師団隷下の第41普通科連隊が駐屯しています。陸上自衛隊では早くから近接戦闘訓練の重要性に各眼脂訓練を重ねた部隊の一つ。記念式典と観閲行進に加え訓練展示も行われる、第4偵察戦闘大隊の16式機動戦闘車も参加予定とのこと。ところで築城航空祭でも近接航空支援展示として模擬戦があるとか。

 豊川駐屯地創設74周年記念行事、11月23日、11月24日、二日間行われますが土曜日は訓練場と隣接している駐屯地が一般公開、日曜には訓練場のみが公開される、土曜日は総合予行を兼ねているのでしょうか。第6施設群、第49普通科連隊、中部方面特科連隊第2大隊、第10高射特科大隊、第10偵察戦闘大隊、と多種多様な部隊が駐屯しています。

 姫路駐屯地創設73周年記念行事、11月24日、中部方面特科連隊の駐屯地です。今年三月に第3特科隊、第10特科連隊、第13特科隊が廃止改編され、先んじて第14特科隊を廃止し松山に創設された中部方面特科隊が、上記部隊を編合し中部方面特科連隊として再編されました。4個特科大隊12個射撃中隊のFH-70榴弾砲60門を装備する特科連隊だ。

 八尾駐屯地創設70周年エアフェスタYAO2024、11月24日、大阪府八尾市に所在しています八尾駐屯地は中部方面航空隊本部と中部方面ヘリコプター隊、そして第3師団隷下の第3飛行隊が駐屯しています。観閲飛行では大編隊が組まれるとともに、訓練展示ではヘリコプター部隊の駐屯地ながら本格的な野戦が繰り広げられることも、おおい。

 九州補給処創設72周年目達原駐屯地祭、11月24日、西部方面ヘリコプター隊と第1戦闘ヘリコプター隊が駐屯する駐屯地で、第1戦闘ヘリコプター隊は第3対戦車ヘリコプター隊を改編した2021年創設の新しい部隊で全国の対戦車ヘリコプター隊は航空機不足から1個飛行隊のみの実質対戦車飛行隊ですが、ここには2個戦闘ヘリコプター飛行隊が。

 松戸駐屯地創設72周年記念行事、11月23日、寒くなってきました関係でしょうか、今週末最も北で行われるのは千葉県の松戸です。需品学校と第2高射特科群が駐屯していまして、式典とともに訓練展示が行われ、高射特科群隷下の部隊で松戸に駐屯している第336高射中隊による03式中距離地対空誘導弾システムの訓練展示が行われます。

 春日基地開庁65周年記念行事、11月23日、九州全域を防衛警備管区とする航空自衛隊の西部航空方面隊司令部の置かれる基地です。司令部地区と飛行場地区があり飛行場地区には春日ヘリコプター空輸隊などが置かれているのですが、今回公開されるのは司令部地区のみ、装備品展示や高尾山レッドクラブ機動展示、また職場体験も行われるという。

 対馬駐屯地創設44周年記念行事、11月24日、長崎県の離島である対馬を警備する対馬警備隊の創設記念行事です。駐屯地での記念式典や訓練展示とともに対馬市交流センターを起点として市中パレードも行われるとのこと。長崎県ですが、ただ、博多からフェリーを利用した方が長崎県の佐世保からのフェリーよりもはやい。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・11月23日:松戸駐屯地創設72周年記念行事
・11月24日:板妻駐屯地創設62周年記念行事
・11月23日:11月24日、豊川駐屯地創設74周年記念行事
・11月24日:八尾駐屯地創設70周年エアフェスタYAO2024
・11月24日:姫路駐屯地創設73周年記念行事
・11月24日:築城基地航空祭2024
・11月23日:春日基地開庁65周年記念行事
・11月24日:九州補給処創設72周年目達原駐屯地祭
・11月24日:対馬駐屯地創設44周年記念行事
・11月24日:別府駐屯地創設67周年記念行事
・11月24日:第15旅団創設14周年那覇駐屯地祭

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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【臨時情報】ロシア軍ウクライナ攻撃にICBM大陸間弾道弾攻撃の可能性-プーチン大統領は否定

2024-11-22 07:00:38 | 国際・政治
■米ロ全面核戦争の懸念
 ロシアウクライナ戦争が第三次世界大戦の導火線上にあるという懸念は前からありますが今回その現実性について懸念するべき事態がありました。戦争が拡大するならば日本も当事者とならざるをえません。

 ロシア本土カスピ海北部のアストラハン州からウクライナのドニプロへ弾道ミサイルが発射、ウクライナ政府はこれがICBM大陸間弾道ミサイルであったと発表しました。現地からと思われる映像には複数のミサイルが同時弾着するものが映っており、真偽は今後検証する事となるのでしょうが、ICBMの多弾頭型の着弾と共通する景況が確認されました。

 ICBM大陸間弾道弾が使用された場合、この戦争の本質が根本から変わる可能性があります。通常弾頭のICBMを単純な視点で見た場合は、ペトリオットミサイルなど既存のウクライナ軍防空システムでは迎撃できない打撃力、と理解する事が出来るのかもしれませんが、その理解は恰も核兵器を通常よりも威力の大きな爆弾と理解しろという様なもの。

 ロシア国内はアメリカのDSP早期警戒衛星により、一定以上の高度に飛翔する飛翔体と一定以上の大きな熱量を探知する警戒システムにより監視されています、いや監視対象は地球全体に広がるのですが、膨大な核戦力を有するロシア本土は特に核兵器によるアメリカ本土紀州を警戒し監視されており、その最中にICBMを投射するという危険性です。

 ロシア国内から発射された一定以上の高度を飛翔する物体はNORADを通じ、まず電磁反射特性からミサイルの形式とともに傾斜角度を計算します、これによりかなりの部分で北米に向かっているかなど軌道が判明する為です、この時点でNORADはワシントンDCへ緊急警報を発し、国家指揮権限者、通常は大統領、へ対抗措置の命令準備を上申します。

 全面核戦争の準備、というものは上記の通りで、これは最初の一発目を高高度核爆発により発生させるEMP核電磁パルスにより広範囲に電波通信を遮断し防護措置のない電子機器を破壊するため先に手を打つ必要があるのです。一定以上の高度に飛翔した物体は、オーストラリアや南アフリカなどにアメリカが配置したレーダーでも追尾が行われる。

 飛翔体から側板が分離するか否か、レーダーが監視するのはこの点です。何故ならば飛翔したものが人工衛星であった場合は不要な重量物である側板を分離します、が、核弾頭なり何なり、地上に再突入する為にはその突入体を保護するために側板を保持する必要が有り。これが確認されない場合、そして軌道が事前通知されていない場合は、反撃が必要だ。

 ミニットマン大陸間弾道弾などアメリカには反撃の装備が充分保持されていますが、いずれも核弾頭です、そして敵の核弾頭により発射前に破壊される前にこちらが発射しなければ、相手に残る核戦力により次は大都市など経済中枢や指揮中枢が狙われる事となります、この時点で、地球の人口が半減する程度の、次の次元の戦争に発展してしまうのです。

 ICBMか、中距離弾道弾か、ICBMであった場合はこれが日常的に使用される事と成れば、毎日核戦争まで数分の世界を活きる必要があります、すると超えてはならない一歩、核戦争を防ぐためにアメリカはウクライナへ軍事介入するか、ロシアの核戦力に対する次の段階の準備を強いられます。少なくともICBMの現状を看過する事はできなくなるのですね。

 ただ、ロシアのプーチン大統領は21日の演説で、中距離弾道ミサイルであったと発言、一方、ミサイルの種類について演説で当日に言及した事は過去になく、一部報道でも中距離弾道弾であったというものはありますが情報は錯そうしている。ロシアは前進を続けていますがその速度は遅く毎日1500名の死傷者が出ており、核兵器による威嚇を続けています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【G3X撮影速報】百里基地ラファール日仏共同訓練【5】F-2戦闘機とラファール戦闘機の並び(2024-07-19)

2024-11-21 20:14:19 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■F-2とラファール
 原子力空母シャルルドゴールのインド太平洋方面長期航海が間もなく始まるといいますのでまたラファールの優美な姿を観れるのだろうか。

 F-2戦闘機の二機編隊だ、先ほどはF-2か、という問いにラファール!ラファール!ラファール!!、とサンドも応える興奮ぶりといいますか、フランスの戦闘機に場慣れしていない恥ずかしい様子でしたが今回ばかりは、F-2編隊帰ってきた、と冷静に。

 イーグルとか懐かしいファントムを思い出しますとバイパーゼロ、この言い方はあまり普及していないかガーリーエアフォースの愛読者くらいなのかもしれない、けれども日本の見慣れた戦闘機と比べるとF-2戦闘機というのは若干小ぶりな印象があります。

 ラファール戦闘機の着陸、倉庫の時点でわかることでしょうが、わたしにとって百里基地の撮影というのは航空祭ですっと素通りしたのみ、後はインド空軍のSu-30フランカーを撮影するとか航空祭の予行を撮影する程度という、日常的な基地ではない。

 G3Xでまあ、予備準備も最小限と謂いますか門外漢で撮影するとこの位か、と。空幕広報にいくつかのつてを、という選択肢も無かったわけではないのですが、そうして撮影してしまうと、こうした場所では無く然るべき場所でしか写真を発表できないのだ。

 茨城空港の展望デッキから、透明アクリルの隙間からカメラだけつきだして撮影する、という選択肢をもう少し真面目に検討すべきであったか、インド空軍のフランカーはみなみからアプローチしましたが、今回か北側からアプローチしていて撮影が難しく。

 ラファール、この角度だと例外的に障害物の先にラファール戦闘機を撮影できている、という感じでしょうか。おもえば、まあまあ撮影位置で場数を踏んでいるのは岐阜基地と小牧基地くらいなのですよね。もっとも私的な撮影はそれくらいが限界なのだが。

 F-35を比較すると、それでもまあF-35のほうが大きいといえるのかな、こうおもっていたのですが、このアプローチをみていますと、ラファールって、もしかしてF-2くらいの大きさなのかな、と双発のラファールの大きさへのイメージがちょっとかわって。

 F-2戦闘機、若干ピントが甘いと思う、けれどもまあこれEOS-7DMark2と荷台並べて片手間で撮影したのがこのG3Xの写真ですので、これが限界だ、と思うのだけれどもそれでも証拠写真的にはまあまあの構図なのかな、と思う、二台のカメラを同時に動かし。

 百里基地上空で着陸に向け旋回を始める、これ、百里基地の鹿島灘側の、つまり滑走路東側ならば旋回するF-2戦闘機の背中が撮れたのかなあ、と思ったりします。撮影位置というのは正直、基地の周りを何度も徒歩で踏破してはじめて、わかるものと思う。

 G3Xには無理だけれども、もしこれからカメラにAI人工知能が入るようになりますと、こういう状況を過去に撮影者が撮影した写真から、こういう写真が良いのだ、という構図を理解してピントやシャッター速度やズームまでも認識してくれるのか、なあ。

 ラファール戦闘機は着陸してから滑走路をエンドまで減速した後で、なんとわざわざこちらまで戻ってきてくれた、これ、驚きましたね、驚いたのはここに自衛隊関係者がいない、報道関係者も基地広報を通した方々はいない場所だ、ということなのですよ。

 ギャラリーのために目の前にラファールを持ってきてくれたのか、フランス空軍はわかっているなあ、と。日本とフランスは同盟国では無いのだけれども同志国であり国際公序のステイクホルダーといわれます、そういう有効国民への姿勢、さすが、と思った。

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【榛名備防録】トランプ政権とアメリカ分断の危機,人材不足の閣僚候補と懸念される"三選目"リスク

2024-11-21 07:00:29 | 国際・政治
■トランプ政権二期目
 経済が停滞していると有権者が考えるならば現職後継者が選ばれないのは必然であり選挙制度により後退する政権交代には不安はない。

 もしトラ、やはトラ。アニメーション化もされましたが、もし野球チームのマネージャーがドラッガーを読んだら、という作品が”もしドラ”といわれていましたが、いま世界は”もしトラ”、トランプ再選に揺れています。何をやるかわからないという意味で。ただ、それほど懸念は選挙時点ではしていない、いや、人材の問題はあるけれど。

 国防長官候補がズブの素人であれだけの巨大な組織を動かせるのか、政権入りする実業家のイーロンマスク氏を国防長官にした方がマクナマラ時代のようにまともに行くのではないか、と、二期目の人材枯渇のほうが懸念なのですが、しかし一応、アメリカの選挙制度に依拠して当選した、という意味では、選挙民の選択を尊重すべきでしょう。

 選挙ではハリス政権があり得るかは、バイデン政権の経済政策が成功したと選挙民が感じていれば支持するだろうし、駄目だチェンジ、と思うならば当選しないだろうと思い、インフレに見合った賃上げが実際に感覚としてどう受け止められているかが左右するというところで、実際、アメリカはいま景気悪かった、ということになる訳だ。

 モシトラは問題ではない、いまは。実際問題、アメリカでは世論形成に、全米で新聞が届かない地域が広がるなど、ファクトチェックされていないSNS情報に判断を依存する層が増えていますので、社会の分断を考えると、結局落としどころはトランプ二期目、しかなかったよう思う。年齢的に今回が最後となるところでしたので幸いともいえて。

 三期目を宣言した場合が、不確定要素となる。合衆国憲法修正22条では三選目が禁止されている、けれども過去には第二次大戦中、フランクリンルーズベルト大統領が三選以上を在任した実例がある、もっとも、その結果憲法が修正されたわけだけれども。修正22条の制定は1951年、つまり戦後なのだから。ここを無視する可能性は、と。

 憲法改正は大統領権限では行えず、上下両院三分の二以上の賛成で発議され全米50州議会でも同様の手続きを取って憲法会議が招集される。これはあまりに難易度が高いために憲法修正が行われる、これは上下両院三分の二の賛成と、全米50州の議会の内四分の三が賛成することで修正が成立、憲法会議を招集せず済むだけ難易度は低い。

 三期目、もちろんトランプ氏が望んだうえで、こうした手続きが為されるならば三期目も問題はないのですが、大統領権限で憲法修正22条にはない、何らかの手法、戦時を宣言、こうして三期目を目指すことがあるならば、もしくは任期延長を目指すことがあるならば、アメリカの民主主義というものは根本から危機に曝されるという事がありうる。

 90歳を超えて首相をやった事例が世界にはあるので、三期目を望む可能性は、健康的にはある、マレーシアのマハティール首相だ、第七次マハティール政権は2020年まで続きましたが、マハティールビンモハマド氏は日本では大正時代に生まれた、95歳まで首相を務めていたというから凄い。ただ、新党結成後に選挙に勝利してという手続きを含む。

 三期目をトランプ氏が望むならば、アメリカの世論は制度と支持者との間で分断が起こり得る、全米50州議会の四分の三が賛成して憲法が修正されるならば別だけれども、このハードルは大統領選より高い、けれども本人の収監問題などが浮上するならば、もしくは支持者が求めるならば、分断は起こり得る。注視すべきなのかもしれませんね。

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【京都発幕間旅情】墨俣城(岐阜県大垣市),この写真のリアリティとデジタルは難しいAI時代の現実感

2024-11-20 20:24:00 | 旅行記
■長良川と城郭
 歩いて撮影名所を丹念に探していますとこんな景色が在ったのかと驚く事もあります。それは既知のものなのかもしれないけれども自分にとって発見であれば。

 一夜城と長良川に流れ込む墨俣川、この構図は散策の際に偶然見つけました構図となっていまして、いやこの城郭、何度も行っていますとともにあの忘れもしない2020年、新型コロナウィルスがCOVID-19と呼ばれる前、こっそり花見に遠出した場所だ。

 生成系AIでこのくらい簡単に描けるよ、とはお仕事の付き合いある方の発言で、しかしこれ凄く傷ついた、現実の光景というものを簡単に日常でAIという単語にて浸食しないでほしいなあ、とも。たぶんあの方は現実と空想の境界線があいまいなのだろうか。

 長良川に流れ込む様子を間近に撮影してみますと、いやここ、立ち入り禁止でもおかしくない場所なのだけれども注意書きは無く、そもそも前日が雨天でなければ流れもさほどではない場所なのだろうか、しかし迫力は物凄く、城郭を際立たせている。

 掘割までは再現されていない一夜城だけれども、治水のための施設がそのまま、恰も城郭の一部のような迫力を醸しているもので、ちょうど暗渠のように長良川に調整治水として流れ込む一画を、もう一歩進めば危険かもしれない構図で撮影した。

 安全と危険の境界線、神戸市内を散策していて大きな猪さんとこんにちわした際とか、けっこうな高波の中で艦艇の写真を恐らく大丈夫だろうという区域から雄姿といえるすがたを、これはもう経験と自己責任の世界なのか、撮影した際のことなど。

 頭を使わなければ危険だ、豪雪の中で散歩した山道や大雨が凄いなあと言われた豪雨が後に西日本豪雨と言われることになる中で撮影したものなど、思えば貴重であるとともに、しかし撮影しておいてよかった、と安どするような情景なども数多いなかで。

 生成系AIの写真と、一応苦労した情景の物を安易に比較されるのもなあ、と考えるところ。ただ、ディープフェイクというかたちで、錯覚させる目的で使用できる領域まで細部まで作りこまれた合成写真というものは簡単に取れるようになりましたが、さて。

 合成されたものは本物の写真の代替となるのか、このあたりは考えなければならない段階なのかもしれない。いや、生成系AIで満足するならば、世の中の情報をすべてディープフェイクで構成させて満足する事は人によっては出来る時代が来るのかもしれない。

 オンライン修学旅行、というのが、あれは児童虐待の一種ではないかと危惧するのだけれども、COVID-19の最中に辻褄合わせで旅行できない代替として映像を見せるだけで修学旅行を味わえ、という、結構無理を押し通したものがあったが、10年後には。

 リモートワークを例に取れば、エッセンシャルワーカー以外は在宅で自己完結させることが不可能ではない時代となった、オンラインに特化した通信制大学などが今後増えてくるわけで、もちろんリモートワークは本邦では下火となりつつあるけれども。

 ワーケーションという、これまではリモートワーク、COVID-19の最中には閑散とした観光地でリモートワークを行い、合間時間に観光するという、いわば観光地というリアルと、リモートワークという一種デジタルを両立させる方法が模索されていたが。

 景気減速、というものを背景に考えるかもしれないが、ワーケーションではなくデジタル観光で満足する人が増えるならば、これはもう景気減速下でも交通費や宿泊費、体力さえ無用となり、そこで満足する人が増えるのかなあ、と寂しく、いや懸念する。

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【京都発幕間旅情】墨俣城(岐阜県大垣市),一夜城の別名は長良川河畔に歴史浪漫がささえる豊臣秀吉の出世城

2024-11-20 20:00:26 | 旅行記
■一夜城探訪
 岐阜基地航空祭にて話題となりました岐阜県は一夜城こと墨俣城に行った話題です。

 墨俣城、岐阜県大垣市墨俣町墨俣に所在する城郭です。模擬天守となっていますが、大垣市というのは大垣駅前に大垣城もありますので、城郭が多くて羨ましいなあ、と思ってしまうところ。岐阜県にはこのほか、岐阜城や郡上八幡城に天守閣が。

 豊臣秀吉の出世城、と呼ばれていまして、それは豊臣秀吉が未だ木下藤吉郎だったころ、織田信長の美濃攻略への重要な前進拠点として短期間で築城を果たしたという。当然天守閣を有するようなところではなく、実態は野戦築城に近い形だったという。

 永禄9年こと西暦1566年に築城したというところ、いまの地図を見ると、木曽川と長良川が離れていて、渡河が大変そうに見えるけれども、当時は木曽川堤防も長良川堤防もない時代なので、ほぼほぼ近くを流れていた時代があるという。

 大垣市墨俣歴史資料館、これが正式名称なのですが、美濃を侵攻するならば木曽川渡河が大変で長良川はその先、実際にやったのか、という疑問符はあるという。一応このあたりに城郭があったのは確かで、池田恒興の家臣伊木忠次が改修した記録はある。

 信長公記、織田信長スゲー集ともいわれる日本初の信長ファンブックは太田牛一が著したもので、ここに洲股要害という砦のような描写があるけれども木下藤吉郎が築いたかは触れていない。江戸時代の寛政年間に書かれた絵本太閤記にはでてくるけれども。

 遺構もないところに、平成初期、観光誘致のために複合式層塔型三重四階RC造模擬天主閣を造営したというものだけれども、一方で、2㎞程離れた岐阜県岐阜市柳津町の佐波八幡神社には一夜城築城の木材を供出した事で社領安堵となった記録とかもある。

 木曽川と長良川は定期的に氾濫を繰り返し、というよりも岐阜基地航空祭の際に見える金華山山頂の岐阜城とかは、金華山そのものが100万年単位で丘陵地が木曽川と長良川の氾濫に削られてあの標高になったというのだから。堤防は江戸時代のもの。

 薩摩義士伝、という木曽川堤防を幕府の命令により築堤し、農民から尊敬された歴史が岐阜にはある。ただ、薩摩義士伝、といま検索するとむさくるしいオッサンが第一話ひえもんとり、とか、肝練りじゃさあ今宵は存分に楽しめ、と出てくるのだけれど。

 二層櫓はあった、改修により高櫓が構築された、ともいわれていますし、渡河点は戦略上の要衝であるので室町時代には斎藤氏自身が城郭というか防御施設を造営して斎藤利為を城主に置いた、という記録があったりするのだけれども、一夜城説は。

 大河ドラマなんかでは一夜城は重要な展開となるのだけれども、司馬遼太郎が新史太閤記にも記しているのだけれども、結局のところこの城郭の大半は浪漫で形成されているのだよなあ、という印象です。地元に城郭があるのとないとでは、違うのかもしれない。

 城下町には、寺町があって明台寺など複数の寺院があり、一応旅館と、鮨屋に中華と焼肉屋でははなくって焼き芋屋か、そして小学校中学校もある、昔は大垣氏に合併される前に墨俣町という地名であった。すると地元に城郭があると郷土愛に、繋がる、か。

 墨俣城というのは、過疎化が進む現代にあって、地元に城郭があるという事で、御城の城下町に帰省するというもしくは、ここに定着するという、いわば過疎化からこの地域を護っている歴史ロマンなのかもしれない、そんなことを散策の際、思いましたね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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ウクライナ情勢-ウクライナ軍とロシア軍の戦況全般,ウクライナ軍旅団新編の遅れとロシア軍はなつ大量の囮無人機

2024-11-20 07:00:54 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 開戦1000日を超えたウクライナ情勢について。

 ウクライナ軍とロシア軍の戦況全般について、ISWアメリカ戦争研究所11月15日付ウクライナ戦況報告によれば、双方で動きが確認されていて、ウクライナ軍はクルスク州コレネヴォの南東にあたるノヴォイヴァノフカ付近、クラホフ南西のポビエダ付近、そしてクラホフ南のダルネにおいて前進している事が確認されています。

 ロシア軍の概況について、クピャンスク東部とトレツク北東部と南部、ポクロフスク南のユリブカ北部地域及びセリドフ南西にあるノヴオレクシフカ西方、クラホフ北方のノヴォセリディフカ北部地域において前進、そしてヴフレダールの北東にあるアントニフカを占領したとのこと。ロシア軍は1名から2名の少人数での浸透を強化している。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ロシア軍の分散浸透戦術以前の小規模駐屯地祭模擬戦仮設敵なみの分散運用が高価を示しているもよう。

 ロシア軍の最近の前進の背景にはウクライナ軍旅団新編の遅れが背景にある、ISWアメリカ戦争研究所の11月16日付ウクライナ戦況報告では、この最近の厳しい情勢についてのウクライナゼレンスキー大統領の発言を紹介しました。ウクライナ軍は西側諸国などの同志国より装備供給を受けるとともに暫時新たに旅団を編成しつづけています。

 ウクライナ軍の課題は、人的リソースの限界により新しい旅団を新編することが難しく、結果、前線に展開している旅団が損耗を受けた場合でも交代する事が出来ず戦闘能力を低下させたままの状況で戦闘を継続している事にロシア軍の前進を許している実情がある一方、ロシア軍の損耗についても触れ、漸進継続は出来ないとも言及しました。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 防空リソース不足は昨今の北朝鮮による日本本土を射程内とする自爆用無人機量産体制をみても対岸の火事ではない。

 ロシア軍はウクライナ防空網を突破すべく大量の囮用無人機を使用している、これはISWアメリカ戦争研究所の11月16日付ウクライナ戦況報告にてウクライナ空軍報道室長代理イナト大佐の発言を紹介しました。イナト大佐によれば現在、ロシア軍がウクライナに対して使用している無人機の半数は囮であるとも発言しています。

 無人機攻撃は非武装のシャヘド無人機と弾頭を備えたシャヘド無人機を併用しており、同時にサーモバリック弾頭などを搭載した無人機も仕様、これによりウクライナ軍防空網に混乱と弾薬枯渇を強いようとしているもよう。ウクライナ軍はレーダーなどでは囮を判別できず、電子戦や実弾射撃により囮も含めて対応を強いられているとのこと。

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【防衛情報】韓国とポーランド,FA-50block10とFA-50block20はFA-50GFとFA-50PL

2024-11-19 20:11:54 | 先端軍事テクノロジー
■防衛フォーラム
 わが国はT-4練習機後継機開発へようやく動き始めましたが練習機関連という事で今回は韓国のTA-50ゴールデンイーグルとFA-50の話題を。

 ポーランドが導入しているFA-50戦闘機について重大な錯誤があった模様です。それは稼働率の問題やミサイル運用能力に関するもので、KAI韓国航空宇宙産業との間で交わされた契約文書は正文としての英文に明記されていますが、ポーランド側の解釈幅の問題から韓国防衛事業庁が反論の声明を発表する異例の事態となっています。

 FA-50戦闘機の性能についてポーランド側は当初の想定されたものと異なることに反発しているようですが、ポーランドが2022年ロシアウクライナ戦争勃発時に急遽調達計画を立ち上げ、2022年内に取得が可能な戦闘機を求めたため、韓国空軍向けTA-50超音速練習機にFA-50戦闘機用火器管制プログラムを搭載した機種を緊急供与しています。

 TA-50練習機を再塗装し上記の火器管制システムを搭載の上輸出する事はポーランドとの間で2022年内納入に際しての留意事項として合意されていたはずですが、ポーランド空軍はこれがFA-50block10水準の機体であることを契約上見落としていたかたち。自衛戦闘能力を持つ攻撃機か、制空戦闘に対応できるかという性能の差があります。■

 ポーランド空軍が導入しているFA-50戦闘機のblock10問題、2022年に契約し2022年内に引き渡しを行うという、21世紀には中々考えられない緊急取得を行った構図ですが、先ずポーランドにはFA-50block10を配備し、つなぎとしての役割と共に続いて新造したFA-50block20を輸出するという契約はポーランド自身も発表していたものでした。

 FA-50block10とFA-50block20の相違点はAMRAAMのような中距離空対空ミサイルの運用能力の有無を示しています。Block10ではレーザー誘導爆弾の運用能力と共にAIM-9Mサイドワインダー空対空ミサイルの運用能力が付与されていますが、AIM-9Mミサイルの射程は18kmであり、Su-30やMiG-29などとの間では一方的に追い込まれます。

 ポーランド空軍にはAIM-9Xは配備、これはAIM-9の第四世代のもので射程は40㎞、中間指令誘導と画像素子誘導方式併用であり、FA-50block10にはINS誘導装置が無い、西側空軍では冷戦時代に第三世代までのAIM-9を大量備蓄しているため問題は生じませんが、旧共産圏のポーランドには備蓄がなく、搭載ミサイルが無い状態となっています。■

 ポーランド空軍向けFA-50戦闘機AMRAAM運用能力について。韓国防衛事業庁は異例の公式声明を発表しました。ポーランド側の主張としてFA-50戦闘機全てのAMRAAMミサイル運用能力が付与されるものと理解しているようですが、初期の輸出したblock10仕様のものはFA-50GFとして制式化され、この契約にAMRAAMの条項はない、と。

 FA-50GFそのものの性能は高く、AIM-9サイドワインダーミサイル運用能力は勿論、リンク16データリンクシステムに対応するとともにNATO規格のIFF識別装置を搭載し、GPSとINS慣性航法装置を統合したEGI航法装置を搭載、スナイパーポッド搭載能力がありペイヴウェイⅡレーザー誘導爆弾の運用能力があり、12機を調達する契約だ。

 FA-50PL、ポーランドが導入するblock20相当の機体はFA-50PLで、AIM-120C7-AMRAAMミサイルの運用能力を持つものですが、この運用能力についてアメリカ政府が了承したのは2022年9月23日であるため、もともと契約成立の時点で開発段階であることはポーランド側も理解できたはずで、また契約にも明記されているとのこと。■

 ポーランド国内ではFA-50GF戦闘機稼働状況に関する誤報道が為され、韓国防衛事業庁が公式に反論を出す状況となりました。それはポーランド軍が導入した11機が不稼働状態である、というものです。これについて韓国防衛事業庁は、韓国からポーランドへ輸出した予備部品がポーランド税関で通関手続きの停滞に見舞われた為としている。

 通関手続きの不備により予備部品が空軍へ納入できなかったために稼働不能の機体が出ているが、11機ではなく6機、それも一時的に予備部品到着まで不稼働となったものであり、10月までに11機が稼働状態に復帰しているとのこと。FA-50はNATOではポーランドのみが採用している機種であり、NATO部品プールには予備部品がありません。

 FA-50GFの原型であるFA-50block10はT-50超音速練習機の派生型として開発されたものですが、練習機故に航続距離は1800㎞と抑えられているものの、中小国空軍がもちいる航空機としては価格が安く、充分な性能を持ちます。ただ、AMRAAMを運用できるblock20と混同することで、過剰な期待が発生している、その椿事というべきでしょう。

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