介護や介助の資格を取るときに傾聴の勉強もあった。傾聴は実習でしょうと、ロールプレイのようなこともやった。しかし、役にたったという実感はなかった。周りの学友もそういう印象のようだった。
心理学についても、私は学生時代に理科系で実験心理学を学んだのだが、フロイトやフランクルの本を読みふけった時期があった。しかし、それで何か心理療法が身に付き他者支援が上手になったかというと、まったく役にたたなかった。
最近は、ぼんやりネットを観ていると、6年間の心理学の勉強をわずかXXでなどという信じられないような広告を目にしたりする。傾聴や心理学は、年表を暗記するような種類の勉強なのだろうか、あるいは、水泳を覚えるような技術取得なのか、そんな疑問をもってしまう。
私はU先生に出会えて、心理学や傾聴を学ぶことができて本当によかったと思っている。そして、今の自分を考えると、その影響は絶大であり、心理学や傾聴は役にたっていると実感している。その理由は何か?
当たり前だが、傾聴や心理学を学ぶとき、成功のカギは自分自身の研究と理解をおろそかにしないことだ。例えば、他者の感情や思考は推定はできても当たっている確率は結構少ない、それに対し自分についての理解は他者と比べるとはるかにやさしい。その中で、いろいろ観えてくる。自分の生育史における傾聴された経験、いやされた経験、反対にさまざまな混乱した経験・・・をきちっとした理論(理論は結構難しい、簡単にわかるように説明してくれといわれても難しい、その理由は同じようなことだから)で理解することが本当は重要なのだと思う。
こころを聴く 10/10