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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

愛の孤独を越えるには!(つながること 7/10)

2016-02-10 | 第九章「愛」

 今年になって、映画をよく見ている。やらなければならないことが沢山あるのに、逃避なのか見てしまう。今年の初めは小津安二郎の晩春など、そして昨日は1972年制作の「旅の重み」。これが、また良かった。学生のころに素九鬼子の同名の小説を読んで感動したものの、その後話題となった、高橋洋子や秋吉久美子が出演する映画を見損ねていた。それを40年以上の月日がたってから観たのだった。

 40年もたっていると、小説の内容も99%忘れているが、不思議なことに最近気になっている四国巡礼の話だったことには驚いた。そして、主人公の16歳の女性は、複雑そうな母子家庭?を抜け出し、巡礼の旅に出る。愛媛県(彼女の母のいる場所)と高知県が沢山でてくるが、私のルーツが愛媛県だったことを最近知ったので、背景の美しい風景も祖先の息づいていた土地と、興味をつのらせて見てしまった。

 テーマはまさに愛の孤独。主人公は愛の孤独の中で、さまざまな人と出会い、最後には愛する人を見つける。愛の孤独を生き抜き、何かを乗り越えたのだ。一方、彼女が出会った同年代の女性は、同じように小説を愛する少女だったが、自殺をしてしまう。愛の孤独の恐ろしさ、そして、逆にありがたさを知る映画だった。

 傾聴や心理療法の6条件など、実は愛の孤独の問題と密接な関係があると今では思っている。家庭でも、学校や職場でも、この愛の孤独を癒していくための6条件などと、出会うことは少ないようだ。さらに、エリクソンの理論からすると、孤立感は親密性と愛が解決のポイントとなるというのだが、例えば、愛について十分思索し教えてくれる人は少ないようだ。

 「旅の重み」では、まだ若すぎる少女には分かりにくい、愛の大切な要素が暗示されていた。身体の愛も、やや前面に傾きがちだが馬鹿にできないだろう。映画では母子関係が一つの問題だが、そうした生育史を受容すること(母との和解)も、こころの愛として大事だろう。そして、四国巡礼が暗示する、魂の愛も決して忘れてはならない。

 また、こうも考えられる、愛は真善美と関係が深いと私は思う。そして、映画の四国の田園風景をはじめとする映像の美、優しい巡礼者への善意、年よりが主人公に手を合わせる場面では、日本人の魂を大切にする文化が息づいていたように感じる。仏性とか人の身体は神の神殿とか、伝統宗教のなかで言われるが。

 つながること 7/10

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