自分の感情についてどのくらいわかっているか?「生き甲斐の心理学」を習い始めてから15年以上過ぎるが、まだまだだなと思う。理屈はとにかく、日々あるはずの感情が見えないかったりする。防衛機制の処理の問題なのだろう。宮本武蔵のような達人からするとまだまだだと言われそうだ。
さて、私も新年度の4月になり、新しいことを始めたり、環境が変わったりした。そして、今は6月の初めとなり約2カ月経過している。そして、当初は気づきにくかった感情もだんだん見えてくるようになる。ロジャースの開発したプロセススケールは心の状態を客観化する理論であるが、まさしくその理論どおりで、新しいことや環境に慣れることで、例えばだんだん自分の感情に気づきはじめ、その解釈ができるようになってくる。
その中で、今日とり挙げたいのは「劣等感」かなと思う。新しいことや環境の中では、当然ながら、「役割」を担うだけの経験や能力が足りないものである。したがって理屈で考えても、劣等感はお友達のようだ。劣等感を感じたとき、それを感じ考える余裕があればよいが、無い状況であると、いたずらに反発したり(反動形成)、人のせいにしたり(感情転移)、逃げたり(逃避)、過去の自分の成功例と置き換えたり、まあいろいろである。それもある意味、こころの安定を得るので仕方ない面もあるが。
ところで、エリクソンは劣等感を感じるときに「技能」と「勤勉性」を意識しなさいと教えている。それが劣等感を克服する正道と言っているようだ。小説を書くなら、それなりに技術を習得するなり先生から習いなさい(笑)、新しい仕事なら、まずは仕事を覚えなさいなのだろう。
とはいえ、本人は緊張(防衛機制がいっぱい)の中で仕事をしているので、横から「まずは、こう覚えなさい」と言っても聞く耳を持たないことも多い(自戒をこめて)。まあ、本人が気づかなければ始まらないのである。
役割を考える 4/10