10月17日(水) 快晴 昼から 雨 激しく降る 夜に再び降る
日毎に秋の深まりを感じるが、特に玄関脇にある石蕗が派手な黄色い花を見せ始めると物思いに耽る季節になる。秋だからもの悲しいということもないが、朝陽よりも夕陽、入道雲より鱗雲とイメージが先行するのも致し方ないことだろう。
石蕗の思いでは越前三国町へ行ったときに眼につくところにツワブキの黄色があった。海岸沿いの松林の境、旅館の玄関脇、秋を思う花というとこの花を思う。この花が咲くと決まって来るのがイチモンジセセイリ蝶、それとベニシジミ蝶が上げられる。イチモンジセセイリは近くで見るとキュートだが、蛾と間違われて嫌われることがあるそうだが、彼らの敏捷さからその次にピシャリとツブされることはない。一文字の名の所以、外翅に貝殻の象眼のように陽の光を反射するほどの印がある。反対側の根には〇を象った点線状に見える紋様が見える。
秋を思わせるのは夏から咲き出していたコシオガマにも感じる。これは明るい緑の葉を広げていたが、この所の寒さで色が濃い赤紫に変わっている。花は変わらずピンクの色を見せているが、あと僅かで花も姿を消すだろう。夕方に止んだ雨もまた、降り出しているがこの雨で花は見納めになりそうだ。
秋になると紅葉するのは木の葉も草も同じだが、常緑樹があるように草も色を変えずに一年中緑色をしているのがある。秋には可憐なピンクの蕾から花を開くと白く透き通ったストライプがある花、吉祥草だ。武蔵野吉祥寺から信州へ移り住むということで、友人がくれた花、キチジョウソウはじめは3株か4株だったが、既に11年も経ちすっかりとこの地に根を下ろした。不思議なのはこの花は陽当たりの良いところに移植したものは育たない。年ごとに株数が減って今では見る影もないが、一日中、イヤ一年中陽が当たらなず、しかも、石と石に挟まれたせまいところでつぎつぎに新しい芽を出し秋には花を見せてくれる。
陽が当たることを好ます
狭く痩せた土壌で仲間を増やす
この草の根には強心薬、傷薬として効果があるという
小心で傷みやすい俺の常備薬としたい