私に購読している朝日新聞に限るのかどうかはしらないが、一面広告の頁がこのところ増えている。これが何を意味するのかわからないが、少なくとも朝日新聞は好況を呈しているとはいえるのではないだろうか。
世の中には不況の影が強くさしているので広告が少なくなるのかと思っていたが、いまのところは逆のようである。これはある意味で不況だから広告を出して購買意欲をそそろうと会社がしているようにも思えるが、広告くらいでは購買意欲は上がらないのではないだろうか。
やはり生活の先行き不安が大きい。会社が派遣労働者を使っていたということは景気が悪くなればすぐに首を切るわけだが、そうすると国内の需要は絶対に延びるはずがない。結局大きな意味では自分で自分の首を絞めていたのだが、企業はこのことに気がつかなかった。
いや気がついてはいたのだろうが、当面の業績をあげるためにそのことまで手がまわらなかったのだろう。でも、使い捨ての労働者という構図は資本主義の根幹を却って揺るがしている。マルクスの生国ドイツで資本論がこの頃読まれているというニュースが新聞に出ていた。もっともこの本はやはり難解で読むのが難しいという。
長男が中学生の頃にこの本に挑戦していたが、彼が読み終えたとは思えない。というのは原語のドイツ語でも難しいのだが、それに加えて日本語の訳の問題が大きいからである。多分、まだ原語のドイツ語で読むほうがまだ楽だと思うのである。確かにいくつかの用語には始め苦労するだろうが、その後はあまり難しくはないのではないか。
もっとも私は資本論ははじめから読む気がない。それよりもパウリのDie Allgemeinen Prinzipien der Wellenmechanik(波動力学の原理)はぜひ読んで見たいと思っている。なにもすることができなくなったら、この本は日本語の訳も以前に出ているが、もちろん原語で読んで見たい。
この本とDiracの量子力学の本と朝永の量子力学の本は量子力学の3大名著と言われている。