物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

favism

2012-09-29 13:45:52 | 学問

綴りがあっているかどうか。これはいつもドイツ語のクラスで一緒になる I 医師の書かれたエッセイの題である。

そらまめとこのfavismとは関係している。そらまめのよく育ち、よく食べられる地中海沿岸とか中東、北アフリカではマラリアが多いが、それとこのソラマメとか関係しており、そらまめを食べると体の赤血球が崩壊するという、病気favismにかかることがあるが、たまたまマラリアは健全な赤血球の中でしか育たないので、そらまめを食べている人はマラリアに対して耐性がある人が多いという。

どちら原因で、どちらが結果であるかの因果関係はわからないが、そういう関係があるいうことであり、とてもおもしろかった。いつもこの I 医師の書くものはおもしろいのだが、この話は初耳であった。

そらまめを英語ではbroad beanというらしいが、ドイツ語ではSaubohne(n)という。Sauはメス豚という意味だが、不潔な奴というような意味もあるらしい。

上に挙げたような理由から、そらまめが嫌われているということもあるようである。もっとも日本には幸いなことにあまりマラリアはないのと、このfavismという病気はあまりないそうである。

I 医師は国際結婚が普通になって来ているので、このfavismの劣性遺伝子をもった、人との結婚とかが起こり、favismの影響が日本人にも起こってくる可能性があるとか。

昔、ピタゴラスが豆を食べさせなかったという話があるが、それはこのfavismが原因であったらしい。それに関して私はおもしろいジョークを知っている。

ピタゴラスはこういう風に生きていた時代にはそら豆を食べることを弟子たちに禁じたが、死後にわとりに生まれ変わって庭に落ちている豆を食べていたという話である。(豆を食べなければ、にわとりは食べるものがなく生きていけない)。

なんとも皮肉なジョークである。この話を I 医師はご存じなかったようである。


右脳と左脳(TEDカンファランス)

2012-09-29 13:18:16 | テレビ番組

これは以前にも紹介したと思うのだが、そのときはなかなか理解できなかった。

ある神経医学生理学者が脳卒中にかかった。その体験を語ったものである。左脳と右脳はその働きが違い、合理的な思考とか言語とかは左脳によっている。

ところが脳卒中でその左脳が障害を受けたということらしい。右脳は感情とかなんだか知らないが、情緒的なところを受け持っているとか。そしてその方の経験ではとても普段では経験できないような幸せな感覚を体験したらしい。

その話を聞いていると私はチベット仏教の修行者が経験したという、神秘体験とかに似た話だと気がついた。この修業者として実際に私が文章として読んだことがあるのは、中沢新一の「チベットのモーツアルト」だかに載っていた修業中の幽体離脱のシーンしか知らないが、どうもそれに似ている話も出てきた。これはオウム真理教信者の体験談とも似ている。

そういう秘めた能力というか潜在能力を人間が持っているということをこの神経生理学者は語りたかったらしい。そして右脳が支配する世界では争いも何もなく、人間は幸せ感に浸ることができる。

脳はいろいろな能力をもっており、場合によっては幻を見たり、幻聴を起こしたりもする。そういうものとして右脳があるということは脳卒中にあった人の体験であるだけに妙に納得させられるものであった。

この脳神経生理学者は8年の年月を要したが、リハビリを経て、もとのように復帰することができたので、TEDカンファランスで自分の体験を語ることができた。