交通事故といっても、車の交通事故のことである。どうしたら車の交通事故を起こさないか。これは神のみぞ知るであるが、私の心がけていることは「なんでもあわてない」ということである。
会の開催に間にあわないとか思ってあせっていたら、事故を起こすことが多い。だから、空港に行くのも、会に出かけるのもできるだけ、十分な時間の余裕を見て出かける。また、会に遅くなっても交通事故を起こすよりましと思ってあわてないことにしている。
また、もう一つは車間距離を十分とるということである。自分ではすぐにブレーキを踏むつもりでも年のせいで反射神経が鈍っていて、ブレーキを踏むのが遅くなっていたりする。だが、車間距離を十分とっていれば、それにも対応できる。
これは自動車学校では必ず教えられることなどだが、妻のように40年以上車を乗り回していれば、前の車がちゃんと動くと予想して車間距離をつめてしまう。これはいけない。ブレーキも安全装置の一つだろうが、車間距離は重要な車の安全装置なのである。
ある警官にいつか教えられたのだが、ブレーキを踏んでもそれが作動するまでに0.3秒か0.8秒かかるのだそうである。だから車間距離はそのために必要となる。このことを教えてくれた警官は実は私が工学部で教えた学生だったらしい。あとで、妻にその警官がそっと言ったと聞いた。
交通事故とは違うが、原発があまり人の住まない辺鄙なところにつくられるのも実は原発が基本的に危険だからである。そういうことをはっきりと意識していた、武谷三男を原発の設置場所も大事な安全装置だと述べている。
瀬戸内海ような内海に原発をつくったり、河川の近くに原発をつくったりするのは、実はいけないことである。そうことでは愛媛の伊方原発は危険防止の大原則を破っているのである。
もちろん、外海に面していれば、原発をつくっていいかはやはり問題である。だが、本当にやむを得ず、原発をつくるのならば、せめて外海に面したところにつくるべきであった。
愛媛の場合にはそれぞれの地域の事情があって、内海に面したところに原発がつくられたのであるが、経済的貧困からの解放との名分が原発の設置と合わせ鏡となっている。これは福島県とか福井県の事情とも同様である。