シネマルナティックで、昨晩ドキュメンタリー映画「X年後」を見た。
これは土曜日の朝日新聞の人欄に伊東英朗さんの話が出ていたが、そこに15日から東京と松山でこの「X年後」が同時に封切られるとあった。
どこの映画館で上映されるのかわからなかったのだが、そのことを妻に言ったら、妻がシネマルナティックで映画を見たときにもって帰った、この映画館の上映予定の紙片をみつけてきて、上映館がわかった。
この紙片には11時から上映とあったが、実は私が土曜日の新聞を見たのは日曜日の午前11時前であって、この時間の上映には間にあわなかった。
それで仕方なく、夕方まで待って夜の上映を見た。
取り扱っているのはビキニ環礁でのアメリカの水爆実験で被曝したマグロ漁の船員の話であった。それらの船員はほとんど50代から60代のはじめにガンで亡くなっていたということが最近の調査でわかった。
もちろん、少数ではあるが、まだ生存者がいて、それらの方々はきちんとカッパを着たり、帽子をかぶっていた方々であるという。もっともそういうことは大部分のマグロ漁の船員にはできなかったであろう。このような過酷な漁では、カッパを着ての作業などとてもできなかったであろうからである。
約300艘のマグロ漁船があり、各船がそれぞれ20名の船員を載せていたとすると、ヒバクシャは少なく見積もっても6、000人はいたことになる。多分約10、000人のビキニ被曝者がいたであろう。だが、そのほとんどの方々はすでに亡くなってしまった。この事実に気がつくのがzu sp"at(あまりに遅すぎる)。
ビキニ被曝の追跡調査を行っている元高校教員の山下先生はこれらの船員にも被曝手帳を交付すべきだとの運動をされているとのことであるが、ヒロシマ、ナガサキの被曝とは関係がないということで被爆手帳はまだ交付されていない。
フクシマの原発事故もあったので、将来はビキニ水爆実験での被曝やまた、フクシマの被曝者も含めてヒバクシャ手帳をヒバクシャに交付するのがすじであろう。
だが、そういう時代はいつ来るのかを考えると気持ちは暗澹となる。
映画は9月21日(金)までが1回目11:00から2回目が18:30からである。ただし火曜日は休映とのことである。9月22日から9月28日までは1回目10:00からであって、2回目の上映はない。
この映画は南海放送60周年記念の企画となっている。
もともと南海放送のディレクターの伊東さんが独自に取材したビキニヒバクシャの番組が7本もあり、それを映画化したらしい。私も偶然その一本、メメント モリを見たことがあった。