物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

死生観には?

2013-05-20 12:54:19 | 日記・エッセイ・コラム

死生観にはどんなものがあるのか。

これはラジオの放送で聞いた話の受け売りである。

ある精神科の医師、名越やすふみさんの講演をラジオでたまたま聞いた。それによると宗教にはいろいろあるが、死後の死生観にはつぎの3つしかないという。

1. 死んだら、天国か地獄か極楽かわからないが、どこか別のところへいく。

2. 死後どこかで生まれ変わる

3. 死んだらおしまいでそれ以後の世界はない

世界に宗教がたくさんあっても死生観はこの3つしかないとは宗教人類学の知見であるという。そして、講師の名越やすふみさんは生きていくには前の1または2が120%でおすすめであるという。

3では心を応援する死生観にはならないという。3を否定するわけではないが、徳を積もうとしていても、人間として努力をして教養を積もうとしても友達に「お前その年でなにをいまさら」と言われると3の死生観をもつ人はひるんでしまうのがオチだという。

死生観としては私は3である。別に私は行い澄ませた高僧でもないし、普通の常識人である。また、「お前その年で何をいまさら」と言われることもほとんどないし、また言われてもひるむことはないだろうと思っている。

確かに、私は仏教徒ではありながら、仏教徒らしからぬところがあるかもしれない。

私も一般の人が1または2の死生観をもつことには反対ではない。だが、私自身は1または2の死生観をもつことはもうできない。

そしてそこが普通の人には理解ができないところかもしれないが、死んだらおしまいとは思っているが、それでも生きている間は自分の向上を目指すのはそれにもかかわらず人間としては普通のことだと思う。

晩年に湯川秀樹博士が輪廻転生の思想に触れて、「死後ブタになるのはかなわんと思っていたが、あれは楽観論なのだね」とどこかで書いていたのは、これはなかなかユーモアに富んだ発言であったと思う。


吉田秀和さん

2013-05-20 12:24:10 | 音楽

音楽評論家の吉田秀和さんが93歳で亡くなってもう一年になる。

それでだろうか、土曜日の深夜にNHKのEテレで吉田さんを回顧した放送の再放送があった。前のときには見た覚えがないので、今回初めてみた。

なかなか優れた音楽評論家であり、また音楽を普及したり、子どもの音楽教育にも熱心な方だったらしい。

世界の指揮者として知られている、小沢征爾氏もその薫陶を受けたということである。いま桐朋学園となっているところが、吉田さんたちがつくられた、その子どもの音楽教育機関の後身である。

フランス語にもドイツ語にも堪能な方だったらしいが、放送の中で出てきた音楽評論の中ではドイツ語としてはSeligkeit(これは浄福という語の訳)だけだった。

どうもそれほど外国語に強くもないのに、たびたびフランス語やドイツ語を引用する私などは恥ずかしい次第である。

彼の全集は24巻かそこいらの大部にわたるらしい。私自身はそれらをほとんど読んだことはないのだが、図書館等で読むことができるだろうか。


蛍光の発光メカニズム

2013-05-20 11:57:41 | 学問

「蛍光の発光メカニズムはまだわかっていない」と少年雑誌で読んだのはもう60年以上も前のことだが、昨日たまたまテレビでチャンネルを変えていた時に放送大学のテレビになったので、しばし見ていたら、蛍の発光メカニズムは化学的に解明されているという話がされた。

その放送は基礎化学の放送だったが、講師の先生の話では日本のノーベル賞受賞者の一人である福井謙一さんの化学反応論でこのメカニズムは根底から解明されているとのことであった。

光が出るときに一般に熱が出るのが普通であるが、蛍の光はほとんど熱が出ない。それが不思議だと昔の少年雑誌で読んだのだが、それも完全に解明されたという。

講師の先生は複雑な化学構造式を図に示して説明をされたが、それをここで再現することはできない。問題はそういうことがすでに解明されたと知っていることが重要なのである。

もし必要ならば、化学の反応論の書を見ればよい。

また、ホタルイカの発光メカニズムは先年のノーベル受賞者下村氏の研究で解明されたことはよく知られている。その医学への応用は広範にわたっているらしい。