NHKのEテレでMIT白熱教室の再放送の第1回が昨夜あった。
これは前の再放送だが、前のときにあまりよくは見ていなかったので昨夜は楽しんだ。
普段こういう番組に興味を示さない妻も趣味の習字を終えてちょうど居間に出てきたが、一緒にコタツに入って、しばらく興味深そうに見ていた。
Lewin先生は76歳とかで私よりも1~2歳年取っているということだが、この教室を撮影したのは数年前になるだろうから、4~5歳年上であろうか。
式をあまり黒板には書かないが、それでも実験とか測定で、面白い発見をしていく。
人の身長が立っているときよりも横になっているときが、数cmだけ人の身長が伸びているとか振り子の周期が重りの重さにはよらないで、ひもの長さの平方根に比例するとかいったことから、結構おもしろいことを実験とか測定で確かめていく。
式で書くと振り子の周期Tは
T=2\pi \sqrt{L/g}
である(式の表示はLatexの記法による)。
たったこれだけのことを黒板に書いてその周期を来ている学生たちに実際に振り子を10回降らせて計測で確かめさせる。もちろんストップウッチを押すのはLewin先生自身だが、そのときに周期の測定でもその数値の測定誤差のことにちゃんと言及されていた。
こういう風にして測定誤差のことを学べば、誰でも測定誤差のことを忘れないであろう。
また上の振り子の周期では振れる角度があまり大きくなるとこの公式で与えれる周期とは合わなくなるはずだが、振れの角度が5度のときには十分に公式の精度はいい。つぎに振れの角度が10度のときも調べるが測定誤差の範囲で当てはまっていることが示される。
つぎに、自分が重りの上に乗って重りを振らせて、重りの質量には周期がよらないことを実証する。
さらに最後の圧巻は13キロの重りを顔の前から振らせて力学的エネルギーの保存が成り立っていることを身をもって出席者全員に示すことで講義を終えた。
ただ、やはりこの最後の重りの振動の実験の前の晩は自分でもよく眠れないとか、重りが自分の眼前まで迫って来るので目を開けておれないと言われていた。
それはそうだろう。力学的エネルギー保存則をいくら信じてはいても大きな重りが自分のほんとに眼前まで迫ってくるのだから。それに眼をあけていれば、恐怖を感じない方がおかしい。
さて、来週はどういう講義だろうか。