妻が昨晩coincidenceという英語の単語を覚えたら、この語が入った英語が聞こえるようになったといった後で、「知らない言葉はやはり聞き取れないよね」と言っていたので、「そうだね」と返事をした。
もっとも妻はこのcoincidenceを「偶然」という意味に捉えていたようである。それはあまり正しくない。いま英和辞典を引いてみると「偶然同時に発生した出来事」とあるので、偶然というのが全く間違っているわけでもないが。
宇宙線の実験で鉛板か何かを置いた上と下に計数管をおいてそのどちらも粒子がきたことを感知すれば、宇宙線が地球の外から下に向かって突入してきたということがわかるといったときに、よく宇宙線の実験家はcoincidenceをとるとかいう。
だから、私は何かが同時に起こるという風に捉えていた。語源として正しいかどうかはわからないが、co-は「一緒に」とか「共に」という意味であり、incidenceは出来事であるから、同時に出来事が起こることを意味しているといっていいだろう。
co-で思い出したが、数学の座標という語を英語ではcoordinateという。ちなみに座標系の横軸はabscissaといい、縦軸のことをordinateという。ここでco-は共に調整するといった感じがする。
もっとも最近では着るものを合わせるといった意味で、coordinateという語を日本語として使っているようだ。もっとも私が知ったのは座標という意味でのcoordinateの方が先であった。
(2020.5.5付記) ちなみにcoedという英語があるが、ご存じだろうか。共学の大学の女子学生のことだと思う。これはcoeducation(男女共学)の派生語ではないかと思うが、それについて調べたことはない。