先日、論文の校正が来て、はじめほとんど校正する箇所はないと思っていたが、元の原稿を印刷所の方でチェックを入れてくれており、それを見ると元の原稿に細かな助詞が抜けていたり、また余分の文字が消し忘れていたりしていたことに気がついた。
原稿は何度も読んだはずだが、それにしてもこういうことが起こる。私の原稿の読み方のあまさに驚かされる。もっとも原稿の青鉛筆のチェックのお蔭で校正刷ではあまりもうミスは残っていないだろう。
時間が経って、別刷を手にいれて読んでみたりすると表現のまずさが見えたりする。なかなか完璧にはいかないものだ。『四元数の発見』(海鳴社)を出版したときには編集者が原稿を読んでくれてそのお蔭でミスは少なくなったが、それでも時間が経つと結構のミスプリに気づかされる。
ずっと以前に『数学散歩』(国土社)という書を出したことがあるが、編集者から編集料としていくらかの額をとられたと思うが、一字もここは間違っているのではないかという指摘も受けなかった。まあ、このときは自費出版だからしかたがなかったかもしれない。それに数学の式の間違っているところの指摘もまったくなかった。もっとも数学には疎い編集者だったのだろうから、指摘がなかったのもしかたがない。
いずれにしても校正が必要なことは言をまたない。