どうしたらよいか。これには簡単な名案はない。
私の長兄は彼は長い間中学校の教師であった。中年以後は彼は風紀の担当の中学校の教師として、また教頭としてまた最後には校長として、いわゆる荒れた中学校に赴任することが多かった。
そして彼が赴任するとしばらくするとその荒れた中学校が不思議なことに治まって来るというふうな実績があったらしい。
この兄は何年も前に亡くなったのだが、彼から聞いたところでは、彼は荒れたもとになっている当該の生徒の話をとことん聞いてやったのだという。それはもちろん教室ではない。
悪童どもがたむろしている、体育館の裏のさみしいところであったり、校庭の片隅であったりしたという。とことん、この悪ガキと言われている子どもの話を聞いてやると自然に荒れた学校がおさまって来るのだと言っていた。
つまり、どんな悪ガキと思われる子どもでも自分を尊重して自分のいい分なり、話を十分に聞いて気にかけてくれる人がいることを知った子どもはすぐには心を入れ替えたりはできないにしても、やはり自分を尊重してくれる、先生が一人でもいることを知るようになる。そうするとその子どもは以前のようには荒れなくなるのだという。先生と生徒との間との信頼関係が醸成されたということだろうか。
自分を愛してもらいたい、尊重してもらいたいという気は誰にでもある。だが、たとえば、その子の家庭では貧困のために、その子をかまってやれる余裕がないのかもしれない。そうだすると学校がうっぷん晴らしの場となるかもしれない。
このブログは見られる方はあまり小学校や中学校の先生はおられないだろうから、ここに書いたことがあまり役立つとは思われないが、それでもどこにも書かないよりは書いておいた方がいいだろう。願わくば私たちが少しでも賢明になるように願っている。