ちょっと変なことがある。これは誰もそういうことを言ったことがないのだが、「推測科学史」という概念を提唱したことがある。これは実証的な科学史ではない。普通の科学史は実証的でなければならないから、「推測科学史」という用語は実はナンセンスかもしれない。
だが、教育という観点からみたら、「推測科学史」という観点が必要なのではないかという荒唐無稽な考えである。実はそういうことを言ったら、著者の朝永さんに失礼なのだろうが、私は推測科学史の一番いい例としては朝永振一郎著『量子力学』I, II(みすず書房)ではないかと思っている。
ということで、私の「推測科学史」の考えをご理解いただけであろうか。