知らないことにふと気がついた。あわてて大学の一般物理の英語の本をちょっと調べたがわからない。それで原島鮮先生の『力学』I(裳華房)の質点という索引をみたら。particleとあった。material pointという語もあった。
日本語で質点というときには英語ではこのどちらかの用語を使うのであろう。質点という用語に対する英語を知らないということに気づいたときには、実際慌てた。先日、剛体をrigid bodyというと知った顔でこのブログで書いていたからである。
ちなみに質点というのは理想化された概念の用語であるのはいうまでもない。大きさがなく、質量だけがある点というのはもちろんそんなものはこの実在の世界にはない。もちろん、素粒子だって普通には場の量子論で大きさのない粒子として取り扱っているとしても、これはある種の理想化であって、大きさがないのに、質量だとか電荷とかがあり、かつフェルミ粒子だと固有の角運動量(スピン)まであるなんてことはない。すべて粒子も大きさをもっているはずである。
それは素粒子にも大きさがあるのだろうが、ある観測にかかる物理量として極めて小さい量であることを意味しているのであろう。それで原子核とかその他の粒子の電荷の広がりだとかを物理では問題にするということであったと思う。