する季節となった。季節が変わる兆しである。春一番という強い風が吹いたりもする。梅がそろそろ散って、他の花が咲き始める。
梅一輪一輪ほどの暖かさ
という俳句があるのを小学生のころに知った。その当時の小学校の教頭先生が階段の踊り場のところにあった黒板に梅に小鳥が止まっている絵を描いて、そこにこの俳句をつけ加えていた。
その私の出た小学校は町中の小学校ではあったが、ついに先年市内の校区内に子どもの数が少なくなり、他の校区の小学校と合同合併されてしまった。
そういうことが起こるとは私が小学生だったときには予想もしなかった。世の中は貧しくて、太平洋戦争後の廃墟から立ち上がるという時期だったし、人口はどんどん増えていく時代だった。
それが現在では子どもの数が増えないという時期である。私の子どものときの少年雑誌の記事に人口が増えて人間の住むところがなくなるのではないかという心配をするというふうなマンガまであった。