物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

体系的な書物を著した人たち8

2018-09-20 12:17:26 | 数学
つづけて、松坂和夫さんをとりあげよう。

数学者で、かつ分かりやすい数学書の著者ということであろう。『数学読本』全6冊と『解析入門』全6冊(岩波書店)を書いておられる。

いつだったか、グラフの平行移動に関心があって、『数学読本』のシリーズのうちの1冊を参照したことがあった。残念ながら私の納得が十分に得られたということではなかったが、それでもある種の著者の工夫が感じられて好感をもったことを覚えている。

『数学読本』のほうは高校レベルであるが、『解析入門』は大学レベルである。松坂先生といえば、『集合・位相入門』とか『代数系入門』の著者であり、『集合・位相入門』は名著とかアマゾンコムの書評で読んだことがあるが、まだ私はまだもっていない。

松坂先生はラングの『解析入門』と『続解析入門』(岩波書店)の訳者である。これらはもっている。この『解析入門』には三角関数の半角の公式の導出法がいいことを見つけてうれしかった覚えがある。同じ導出法を私は藤森良夫先生の本から学んだものであったが、ほかの本ではあからさまに同じような導出法を述べたものを見たことがない。

それで私が以前にE大学在職中に「電気電子工学科ミニマム」を編集したときに、採用した半角公式の導出法である。

また、『線型代数入門』(岩波書店)ももっているが、これは残念ながら、あまり詳しく読んだことがない。


(2018.10.1付記) 岩波書店のPR誌「図書」10月号によれば、11月に「松坂和夫『数学入門シリーズ』」が発行されるという。

それによれば、
1.  集合・位相入門
2.  線型代数入門
3.  代数系入門
4-6.解析入門 (上)(中)(下)
だという。すべて大学程度の数学をとりあつかっている。高校程度の数学である、「数学読本」は入っていない。

体系的な書物を著した人たち7

2018-09-20 11:22:35 | 数学
数学者で数学教育に関心を持つ人として、志賀浩二さんがいる。

『中高一貫数学コース』という10冊か11冊のシリーズのテクストを岩波書店から出版している。これは中学校と高校のテクストであるが、読み物風の書籍としては『数学が生まれる物語』と『数学が育っていく物語』も出版している。これらも同じ岩波書店からの出版である。

『数学が生まれる物語』は「数の 誕生」「数の世界」「式と方程式」「座標とグラフ」「関数とグラフ」「図形」の6冊であり、これらは中学校くらいの程度である。

また、『数学が育っていく物語』は「極限の深み」「解析性」「積分の世界」「線形性」「方程式」「曲面」の6冊であり、高校から大学1~2年くらいであろうか。

これらの本はすべてもってはいるが、まだ詳しく読んだことはない。ただ、こういう本の持っているときに応じて中を検索したり、参照したりすることができる。

無限級数の和に関心ができたときに参照したら、Cauchy-Hadamardだったかの極限値をとる形の発見法的な説明があり、ちょっと腑に落ちた感じがした。

これに関したことは近いうちに数学者の N さんが独自の説明を展開してくれるのではないかと期待しているのだが。