余弦定理をつかって加法定理を証明するのが最近の高校数学のテクストの定番であろうか。
だから、加法定理を導く前には余弦定理を導かないといけない。そこで高校数学という枠をはずして、ベクトルの内積を定義して、それから余弦定理を導くのが自然である。
それで加法定理が導かれれば、たいていの三角関数の公式は導ける。こういう風にすれば、いわゆる三角関数の還元公式も加法定理の範疇に入れることができる(注)。
高校数学という枠をはずすと、いろいろテーマを扱える。de Moivreの定理とかEulerの公式とかも扱える。もっともそのためには三角関数のTaylor展開をつくる必要もある。そのためにはsinとかcos関数の導関数を導いておく必要もあろう。
(注)三角関数の還元公式とはいわゆる余角公式とか補角公式とか言われているものと、それに類似の公式のことである。
昔、私が高校で三角関数を学んだところでは加法定理にはこの還元公式が必要だった気がするが、今このことはさだかではない。