という本を図書館から借りてきた。これは金重明という作家の方が書いた数学の解説書である。前に序文だけを読んでいたのだが、だいたいガロアの数学など私にわかるはずがないと思っていたし、そういう話にはほとんど関心がなかった。
『数学ガール』ーガロア理論ー(ソフトバンククリエイティブ)を読んでいるから、それの理解の助けになるかと思ったりしたのだ。まだほとんど読んでいないのだが、序章に数学者には耳の痛いことが書かれているので、ここに記しておこう。
すべての数学者に咎があるわけではないが、こういう考えの人が存在することは間違いがないので、少しは耳の痛いことは我慢してもらいたい。以下は引用である。
(引用はじめ)
本当は数学者も、普通の数学書にあるように、定理ーー証明ーー定理ーー証明の繰り返しによって数学を勉強しているわけではない、とわたしは思っている。中にはモーツアルトのように、スコアを書く前に頭の中で音楽が流れはじめる、というような天才もいるだろうが、大部分はそうではないはずだ。並みの数学者は、難問を前にして悩み、あれやこれや実験をしたり、具体的場合について調べたりという方法を使って、なんとか解決しているに違いない。
しかし、数学者というのは皆「いい格好しい」なのである。いったん問題を解決してしまうと、泥沼の中を這いずりまわった忌まわしい過去はきれいにぬぐい去り、論文には美しくエレガントな解法や証明だけを記す。
数学書を書く場合でも、このスタイルそのままなのだ。
ガロア理論の本を読みながら、わたしは心の中でこうつぶやいていた。「こいつら、理解してもらおうなどとは考えていないに違いない。むしろおまえらにはわからないかもしれないが、おれはこんなすばらしい理論を考え出したんだぞ、と自慢したいだけなんだ」
(引用おわり)
ガロア理論についてではないが、数学者ないしは数学教師に対して注文をひどくつけている書にホグベンの『百万人の数学』(ちくま書房)がある。いつかそれも引用してみたいと思うが、今日はこのくらいにしよう。
『数学ガール』ーガロア理論ー(ソフトバンククリエイティブ)を読んでいるから、それの理解の助けになるかと思ったりしたのだ。まだほとんど読んでいないのだが、序章に数学者には耳の痛いことが書かれているので、ここに記しておこう。
すべての数学者に咎があるわけではないが、こういう考えの人が存在することは間違いがないので、少しは耳の痛いことは我慢してもらいたい。以下は引用である。
(引用はじめ)
本当は数学者も、普通の数学書にあるように、定理ーー証明ーー定理ーー証明の繰り返しによって数学を勉強しているわけではない、とわたしは思っている。中にはモーツアルトのように、スコアを書く前に頭の中で音楽が流れはじめる、というような天才もいるだろうが、大部分はそうではないはずだ。並みの数学者は、難問を前にして悩み、あれやこれや実験をしたり、具体的場合について調べたりという方法を使って、なんとか解決しているに違いない。
しかし、数学者というのは皆「いい格好しい」なのである。いったん問題を解決してしまうと、泥沼の中を這いずりまわった忌まわしい過去はきれいにぬぐい去り、論文には美しくエレガントな解法や証明だけを記す。
数学書を書く場合でも、このスタイルそのままなのだ。
ガロア理論の本を読みながら、わたしは心の中でこうつぶやいていた。「こいつら、理解してもらおうなどとは考えていないに違いない。むしろおまえらにはわからないかもしれないが、おれはこんなすばらしい理論を考え出したんだぞ、と自慢したいだけなんだ」
(引用おわり)
ガロア理論についてではないが、数学者ないしは数学教師に対して注文をひどくつけている書にホグベンの『百万人の数学』(ちくま書房)がある。いつかそれも引用してみたいと思うが、今日はこのくらいにしよう。