小川修 三『量子力学講義ノート』第2部の編集を10月の半ばから行っている。
ところがいたるところで分からないことに遭遇している。いまも散乱問題の章にとりかかっているのだが、結合問題のときとは様子がちがう。それは境界条件がちがうのだから、はじめからわかっているのだが、私の計算とはちがうのである。
どうもSchiffの"Quantum Mechanics"の記述にしたがっているようなのだが、記号がちがっている。それだけではない。取扱い方がちがうのだ。それがちゃんとした首尾一貫したものになっているのかを調べていかねばならない。
ちょっと前のところでもおかしなことが書いてあると思って、しばらくその解釈に困ったが、そこはなんとか意味を推量して注釈をつけておいた。「ひょっとしてナンセンスなことを書いているのでは?」、なんて失礼ながら思ってしまった。
それでも「小川さんがナンセンスなことを書くはずがないよな」と再考してそこの話の筋をつけた。これが実際に彼の講義を聞いたことがある人なら、すぐに思いつくことだろうが、実際には私は彼の量子力学の講義を聞いたことがあるわけではない。
それで、ひょっとして彼がまちがえたのではないかとなどど思うことが絶えないのである。小川さん、すみません。
(2024.6.10付記)
この講義録の第3部はだいぶん前にとりかかったが、作業が頓挫している。どなたかが手伝ってくださる方がいれば、大歓迎なのだが、そんな奇特な方はいないだろうな。