ドイツの春はファスナハトとともにやってくる。北国のドイツの国の冬は厳しい。寒さもきついのだが、それだけではなく天候がわるい。
頭を冬の間中は雲の中に突っ込んでいるような感じである。それで春の到来を告げることにもなる、ファスナハトは待ち遠しい。
ところが、これが北ドイツにはないというから不思議である。いわゆるカトリック教が信仰されている地方ではファスナハトの行列が盛んである。これは南ドイツが中心であるが、特に有名なのはマインツ、ケルン,デュッセルドルフ(いずれもライン河沿岸)の3つの町のファスナハトの行列は盛大であり、ローゼンモンターク(バラの月曜日)の行列を見に、世界の方々から観光客が訪れる。そして、その行列のだしの上に乗って移動している地元っ子はそのだしの上から惜しみなくボンボンの雨を降らせてくれる。
またこれら行列に参加している、地元っ子は外国人観光客に向けて写真のポーズを取ってくれるなどサービス精神も旺盛である。
私自身はその行列を見たのはもう40年以上も前のことである。もっともファスナハトはケルンではカーニバルと呼ばれているかもしれない。ただ、南ドイツではファスナハトの名称で親しまれている。
ファスナハトは断食の季節がはじまる前のどんちゃん騒ぎでもあるが、冬の陰鬱な気候へのうっ憤をはらすいい機会ともなっている。