2月の物理学会誌にダークマターの解説が出ていたがまだ読んではいない。しかし、久しぶりにきちんと読んでみたいと思っている。
それと今朝の朝日新聞に量子コンピュータの解説が出ていた。それで、その重要性をはじめて知った。
この二つが当面の私の関心の的である。これらのホットなトピックとは別に私の当面の仕事の関心はつぎのことである。
高校数学から、大学初年級の程度のe-Learningの私のつくったコンテンツで三角関数の章が欠けているので、これを補充して書きたいと思っている。これとの関連で、三角関数のことを書いた『ピタゴラスからオイラーまで』(海鳴社)を読んでいるが、これと関係して思い出したのは振動と波動との関係である。
三角関数の重要性は、いうまでもなく波動とか振動とかを記述するからである。三角比の測量との関係での重要性もあるが、最近ではこれはあまり重要視はされていない。
振動から波動に移って行けば、この説明のためにはグラフの平行移動の問題を説明しておく必要がある。
これについてはその関連についてはあからさまに言及してはいないが、そのことを念頭において「グラフの平行移動」というエッセイを「数学・物理通信」に書いてある。
普通にはグラフの平行移動は2次関数のグラフの平行移動が例に出ているが、私個人の意見では振動から波動に移っていくのは、三角関数のグラフの平行移動が役立つという考えである。
そして、その応用として、三角関数の還元公式の導出にもそのグラフの平行移動は使うことができる。そういうことに数学を教えている人がどのくらい気がついているのだろうか。もっともこの考えは大学の元の同僚であった K さんが強調されていたことであった。
あまり物理とは関係ない人のために一言つけ加えれば、波動とはある場所での振動がそばの媒質に伝わっていく現象である。それをどう数学的に表すかが波動の一番基本的な内容だと思っている。
波動の数学的表現についてはいつか「数学・物理通信」に書きたいと思っている。これは私が大学の振動と波動の講義で教えていた、いわば、お好みのテーマでもあった。
さらにさかのぼると、私が波動の数学的表現について高校生のころ物理の授業を聞いてあまり理解できなかった箇所だったからである。
波動の数学的表現について「フィジックス」という雑誌が以前に出ていたが、それのどれかの号で説明があって、それを読んで、ようやく理解できたことでもあった。