笑わない数学・虚数を聴視した後で、私の理解できる数学はもうないと思っていたが、昨夜の笑わない数学・カオスももう一つのかろうじて理解できる数学であった。
このカオスに関しては、それについて私でも研究ができるかと思ったことがあったのだが、残念ながら、研究のテーマとはならなかった。
それはカオス現象があるのならば、決定論的な乱数の発生を再現できるかもしれないと考えたことであった。
学部の4年生で私のところに卒業研究に来た学生にテーマを出してみたが、残念ながら、乱数が発生できるかと思った、逐次近似の写像では少なくともコンピュータでの計算では乱数とはならなかった。写像を繰り返すとある数値に収束してしまうという現象が起こった。
数年して、それと同じテーマに取り組んだ研究が Phys. Rev.だったかに出ていたが、こういう研究を仕上げるには私には予備知識も忍耐力も研究心もなかったことを知らされた。
京都大学の数学教授だった山口昌哉先生の集中講義でカオスについての情報は意外と早く聞いたのだが、なかなか理解ができなかった。
先日のNHKの放送ではさすがにわかりやすくアレンジがされていた。ディレクターさんたちの努力は大変なものだろう。
数学がよくできるディレクターさんがNHKに就職してくれたことがこの放送ができる理由であろうか。