物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

笑わない数学・カオス

2022-09-01 21:48:11 | 数学
笑わない数学・虚数を聴視した後で、私の理解できる数学はもうないと思っていたが、昨夜の笑わない数学・カオスももう一つのかろうじて理解できる数学であった。

このカオスに関しては、それについて私でも研究ができるかと思ったことがあったのだが、残念ながら、研究のテーマとはならなかった。

それはカオス現象があるのならば、決定論的な乱数の発生を再現できるかもしれないと考えたことであった。

学部の4年生で私のところに卒業研究に来た学生にテーマを出してみたが、残念ながら、乱数が発生できるかと思った、逐次近似の写像では少なくともコンピュータでの計算では乱数とはならなかった。写像を繰り返すとある数値に収束してしまうという現象が起こった。

数年して、それと同じテーマに取り組んだ研究が Phys. Rev.だったかに出ていたが、こういう研究を仕上げるには私には予備知識も忍耐力も研究心もなかったことを知らされた。

京都大学の数学教授だった山口昌哉先生の集中講義でカオスについての情報は意外と早く聞いたのだが、なかなか理解ができなかった。

先日のNHKの放送ではさすがにわかりやすくアレンジがされていた。ディレクターさんたちの努力は大変なものだろう。

数学がよくできるディレクターさんがNHKに就職してくれたことがこの放送ができる理由であろうか。 


安倍晋三氏の国葬への疑問

2022-09-01 11:28:48 | 本と雑誌
今日の新聞によれば、安倍晋三氏の国葬を行う費用は30億円にも及ぶという。

これは国内警備のために地方の警察官を東京に駐在させるための費用が26億円ほどもかかることが見込まれているためという。それはしかし、まだマスコミでも明らかにされてはいないが。

それに加えて、葬儀自身にかかる費用2.5億円とかその他の費用はいくらかかるかわからない。たぶん全体ではやはり30億円はかかるだろう。これは海外からの要人の警護とかその他にも費用はかかるからである。

国民のほぼ半数の人がこの国葬に反対をしていると思われるが、一度国葬をすると閣議で決めた岸田内閣はもうやめることはできないかもしれない。それくらい唐突にあまり熟慮しないで決めたことを岸田首相自身が悔やんでいるのかもしれない。

支持率が大幅に下がるのはもう仕方がなかろう。これも自分で招いた結果であろう。

安倍氏自身への国民の疑惑もたくさんある。モリカケ桜と言われた不祥事はいずれも官僚の協力を得て、闇に葬られたが、それに加えて現在の旧統一教会との関連が問題になっている。これは本人が逝去されたということで知らぬ存ぜぬとしたいだろう。

それに安保法制の問題もある。こういう人の国葬をするとはなんたることか。ああこれでは日本が滅ぶのも仕方がないのか。



思想家としての小田実

2022-09-01 11:16:38 | 本と雑誌
思想家としての小田実なんてことを言う人は少ないかもしれない。

私は作家・小田実を知らない。というのは彼の小説を一つも読んだことがないからだ。

しかし、彼が書いた旅行記だとか岩波新書に書いたいくつかの評論とかは読んでいる。そして彼はマルキストではないが、自由な思想の持ち主であり、新しい考えの持ち主であることを知った。

学生だった頃、彼の講演を一度だけ聞いたことがある。まだ彼が思想家としてはそれほど有名ではなかった頃のことである。

その後、彼は思想家としてもまた実践家としても有名になった。特に、アメリカ留学をした経験をある人としては珍しく、アメリカのヴェトナム戦争に反対し、ヴェトナムに従軍したアメリカ兵の脱走運動に深くかかわった。

彼はそれについてはあまり書かなかったが、それは同じ運動にかかわり彼よりも長く生きた鶴見俊輔によって、そのいくつかの部分については記録が残っている。

鶴見も若いときにアメリカ留学をした経験をもつが、ある種の反米活動を行った哲学者である。

彼らに共通するのは自分の経験した、いい時代のアメリカの理想に反するアメリカの行為を糾弾したのであった。