つぎの問題を解いてくださいとの依頼を受けていますが、なかなか解けません。
それで世の中の頭のいい人にお知恵を借りたいのです。よろしくお願いします。
(問題)
T: ここにハートのトランプのカード1から13までが1枚ずつあります。これから先生が2枚カードを引いて、F君にその二つの数字の積を、S君にその2つの数字の和を教えます。
そして、先生はカードを2枚引いた後、F君とS君に積と和をそれぞれ教えました。教えられた積や和を見て、F君とS君が話しています。
F: 積の情報だけでは2枚の数字が何かわかりません。
S: 僕も和の情報だけでは2枚の数字が何かわかりません。でもF君も絶対わからないだろうなということはわかります。
F: S君の言葉
を聞いて、僕は先生が引いた2枚のカードが何かわかりました。
S: ということは僕も先生が引いた2枚のカードが何かわかりました。
先生が引いた2枚のカードは何か答えなさい (問題終わり)
(注)この問題は日本大学のある年の入試問題だったという未確認の情報もある。そうだとすれば、下に推測をいろいろ書いたが、ちゃんとした答えがあってしかるべきであろう。
(解法の方針)
二つの数をxとyとすると、積xyは2=1*2から156=12*13までとなるが、1から13までの積で数字は1回しか使わないから積の候補は
1+2+・・・+12=6*13=78
ある。このうちで積の2数分解したときの一意性から解の可能性は28通りにまで絞られる。
これと数の和x+yの2数分解の一意性から決まるものを除くことにすると、さらにいくつかに解の候補は絞られるはずである。最後まで十分に検討していないので断言できないが、それでも解は唯一に絞れないのではないかと推測している。
積の候補は
6、8,10,12,18,20,24,30,
36、40,48,60,72
である。この中から6,8、12,20,24,36,72は積の候補から外れると思う。それでも積の候補として
10,18,30,40,48,60
が残る。これらは少なくともまだ2数への分解で二つの候補を持っている。
和の2数への分解の一意性によってさらに制限されるかと思うが、まだ結論がしっかりとは得られていない。
後の解の候補の減らす方策としては
xy=q (q: 一定)
x+x=p (p: 一定)
二つのグラフの交点としての可能性を探るという方法もある。
また2次方程式の解と係数の関係を用いて状況が解が実数という条件から判別式が正という条件から解が制限されるのではないかと思ったが、これは意外と解が制限されないらしい。まだ、すべての場合を調べているわけではないが。
賢明な読者の方にヒントとか解答とかの応援を節にお願いしたい。
(推測)解の候補がもし唯一に絞れない場合にはS君の発言した「F君も絶対わからないだろうと思います」はS君の和の2数分解の可能性が複数あることを示唆しており(それも3つ以上かもしれない)、そのことにF君が気づいてわかったといったすれば、積の2数への分解の一番多い可能性を示唆していると判断して分かったといった可能性はある。
しかし、もしそうだとすれば、これは数学の問題としては少しおかしくはないだろうか。もっとも私の予想していないような明解な解答が存在する可能性もあるかもしれない。
問題の設定がちょっとおかしい感じもする。それは私たちがなかなか解に至らないのに二人の学生がすぐにわかったと返答したことである。少し考えて言ったとかならまだわからないでもないのだが。