なんでも仕事を始めてしまえば、いいということに気がついた。ちょっとした発想の転換である。
これでこれから半年ほどの予定が立てやすくなった。本の英訳を考えているのだが、そのうちのある章の内容を改訂する必要があることはわかっているのだが、どのように書いたらいいか目途が全く立たない。
だが、翻訳の仕事は簡単に終わるわけではないし、それを進めながら、私の本で言えば、第6章「四元数と回転3」の内容を確定していけばいいのだ。他の章については細かな修正はあるにしても大筋で困る点はないと考えている。
「84歳にしていまさら英訳かよ」という向きもあるかもしれないが、世の中には私の目指すような本はまだない。だが、外国の出版社が出版に値すると評価してくれるかどうかはわからない。
ひょっとしたら、あまりに初等的で出版になじまないといわれるかもしれない。それでも一応英訳して見るつもりである。たった一人しかいない孫への遺産だと妻と笑い話をしている。
これは小著『四元数の発見』の英訳のことである。ある程度英語の文書ができると友人のドイツ人Rさんにも英文の修正をしてもらえるだろう。印税の10%の報酬ということで。ご本人にまったくこのことをお願いはまだしていないが。
ちくま学芸文庫に日本語で書かれた数学のいくつかの有名な書籍がすでに出版されている。それに採用される可能性もあるくらいの本だと自分では『四元数の発見』を思っている。もっとも現在の出版社が出版している限りちくま学芸文庫に出番はないのだが。それに定価も税込みで2,200円でこんなに安い四元数の本はほかにない。
本の定価が安いから内容がわるいのだろうと判断されるかもしれないが、それは読んでから判断してほしい。