物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

そろそろ原稿が

2018-09-06 11:18:17 | 日記
できあがる。とはいってもこれは私の原稿ではない。90歳を超える方の原稿のlatex入力のお手伝いをしているのである。何回も原稿のやり取りをしている。編集者がここまでしなくてもいいのだとは思うが、まあ、相手が90歳を超えるかたなのでしかたがない。それも一人ではなく、二人もである。

9月になったのだが、「数学・物理通信」8巻6号、7号の発行ができるようになるのを、いまかいまかと待っている。私にはなかなか心理的ないらいらが募る。

さらに今月中に8号をも発行しようとしている。そのうちの一つがやっとできあがりそうになった。これが冒頭に書いた論文である。それにもう一つもなんとかしたい。そのほかに数学者の N さんの4ページの論文ができるかどうか、3ページまで書き上げているのはつい先日も見たが、後のあと1ページが入力ができないとか言っていたが、私が見たときには入力に特に問題はなさそうだった。それに彼が担当の編集後記である。数行の編集後記だが、自分の原稿ができてから書くつもりだったとか言っていた。それが自分の原稿ができないので、書けないという。

私だって9月末が締め切りの原稿がある。それだのに一生懸命やっているのだ。決して暇なわけではない。 もっとも健康であるのはありがたい。

自分の書いた数学エッセイ

2018-09-05 09:58:15 | 数学
自分の書いた数学エッセイがどれくらいの数になったか。いつか自分でリストをつくってみたら、書き直しも含めて160を超えていた。書き直ししたものもふくめてであり、それも2度ならず、3度または4度も書き直したり、補充したりしたりものまである。でもその重複を除いても50編は超えたのではなかろうか。

やさしいものから、難しいものまでいろいろである。この中にはもちろん、『四元数の発見』としてまとめられたものも含まれている。それ以外には『数学散歩』とか『物理数学散歩』としてまとめられたものもあるが、それらの書を出版してからも、その後かなりの数のエッセイを書いた。

私は教育に関心があるので、論文ではない。あくまで数学エッセイである。

最近、鹿児島の方で私の昔の本に関心を持ってくれたかたがでてきて、ほとんど売れなかった『物理数学散歩』を購入していただいた。

この本は定価が1200円であり、高くはないのだが、それでだかどうかは知らないが、売れなかった。それで私の在庫が私の家には200冊ほど残っている。詳しくは調べたことがないが、それくらいはあるだろう。

ところが、一方で、だれが値を付けるのか知らないが、その本がアマゾンコムで10,00を超えた値段がついていたりする。これは売りたくないと言っているのも同然である。世の中はくるっている。

(2024.6.12付記)
自分の書いた数学エッセイの数だが、改訂版や三訂版も多いのだが、自分用につくっているリストによれば、2004年3月末ではその数は238である。

なんでも物事は話半分としても、優にその数は100を越えているだろう。数学教育協議会の下部団体である、愛数協の機関誌「研究と実践」にでも80を越えて掲載されているのだが、これは読者が小学校の先生が中心だから、あまりその読者として広がりを期待できなかった。その上にだれでもその機関誌に簡単にアクセスできる環境にはない。

そういうこともあって2009年12月以降は友人の数学者・新関章三(高知大学名誉教授)さんと二人で「数学・物理通信」を発行して、そこに 数学エッセイを主として発表してきた。

その大部分はインターネットで読むこと現在できるようになっている。「数学・物理通信」で検索すれば、2023年までは名古屋大学の谷村教授のサイトで読めるはずである。

いままでの論文とかエッセイの索引があったら、もっといいのだろうが、残念ながら、それはまだつくられていない。私自身が他人の本として発行されたものに索引がないために利用価値が少ないのは残念だと言っているのだから、索引をつくっておくべきかもしれない。


『四元数の発見』の感想

2018-09-05 09:36:48 | 数学
一昨日だったか、ネットサーフィンをしていたら、偶然に私の本を読んだという高校生とかがいた。すくなくともはじめは高校1年の時に読んだという。世の中には賢い高校生がいるものだと驚いたり、感心したりした。その人がいま高校生かどうかはわからない。

回転を表現する方法として、行列、ベクトル、四元数、鏡映変換の4つがあること、空間回転を表す公式qvq^{-1}の導出法が3つあること、あまり四元数の本がないので、楽しかったとあった(注)。

まあ、簡にして要を得た説明であった。どこがおもしろかったとかの説明はなかった。


だいたい、普通の大人はそれがどうしたという反応である。よほど自分に自信のある人しか、人のものを褒めない。そういうものである。だから、私としては自信作でも世間一般の人が無視するのは仕方がないと思っている。

(注)日本語で読める四元数の本は現在では少なくとも6冊はある。それに金谷健一さんの『幾何学と代数系』(森北出版)がある。ちょっと四元数に触れたものなら、志村五郎先生の『数学をいかに使うか』(ちくま学芸文庫)もある。

黒木玄さんのサイト

2018-09-04 16:46:57 | 日記
昨日、村上陽一郎さんの『科学者とは何か』(新潮社)のことを書いた後で、いろいろサイトを探していたら、えらく明快にこの書を批判しているサイトを見つけた。そしてそれを読んでいくと最後になんと黒木玄と署名があった。

その批判は当たっていると思われる。ここで、あまり村上陽一郎さんの悪口をいうのもはばかられるから、関心を持たれた方は村上陽一郎で検索してみてください。

原爆の投下に反対した科学者としてハンガリー生まれの科学者シラードが村上さんの本ではスポットライトを浴びているが、フランク報告というレポートの責任者であった、フランクのほうが原爆の投下に真摯に向き合っているというような内容である。

たぶんそれはあたっているのではなかろうか。

『科学者とは何か』

2018-09-03 13:11:52 | 科学・技術
(新潮社)を読んでいる。日曜日に読み始めて最後の7章を残すのみとなった。これは村上陽一郎さんの著書である。

学会の裏側での私などもちょっと見聞したようなことも書いてあり、身につまされる書である。塚原東吾さんの言うように名著だとまでは思わないが、一読の価値はあるのではないか。

これは1994年の書籍である。村上陽一郎さんについてはだれかからちょっと噂を聞いたことがある。ノーベル賞を取った誰だったかはわすれたが、高校で同級であったとかで、その方と競争意識があり、うんぬんとかいうことであった。

詳しく話を覚えているわけではないが、彼がもう日本にはノーベル賞受賞者はいらないと書いてあるのを見てそんなことを思い出した。

私もつまらないことを、覚えているものだ。

『新SI単位と電磁気学』

2018-09-01 12:05:10 | 物理学
は岩波書店からこの6月に発行された本である。岩波の雑誌「図書」でその発行を知っていたので、そろそろ大学の生協に購入の注文をしようかと思った矢先に著者の一人である北野正雄先生がこの書を送ってくださった。先生には感謝に堪えない。

と同時に私たちが電磁気学を学ぶときにいつも困ってしまう、電磁気学の学習の悩みの一つがこれでなくなるのだと思うと著者の佐藤文隆さんと北野先生に感謝の念を強くする。

北野さんのあとがきによれば、『物理定数とSI単位』という佐藤文隆さんの著書の発展した書籍である。

この佐藤さんの前著の電磁気学の単位について、北野さんが間違いを調べてその正誤表を送ったら、それから発展して共著のこの新著となったのだとある。

佐藤さんは人も知る宇宙物理学の権威であるし、北野先生は量子エレクトロニクスや電磁波工学の権威である。北野さんと私は、たまたまネット上で知り合いになり、いろいろ教わった仲である。

そういうことで彼の『新版 マクスウエル方程式』(サイエンス社)や『量子力学の基礎』(共立出版)をいただいた。私のほうはあまり本を書くほうではないので、1冊ようやく『四元数の発見』(海鳴社)を差し上げたことがあるのみである。

北野さんは徹底した思考の持ち主であり、彼の努力によって面倒な電磁気学の単位が明快になることは疑いがないが、残念ながら、まだ私の不勉強で彼の主張を身につけてはいない。だが、信頼できる書籍が出版されたことを喜びたい。

それにしても、岩波書店は著者にもその著書をあまり多数部は無料では渡さないと聞いている。その貴重な数冊の一部を送っていただいたのだとしたら、遅くはなっても必ず読むきることにしたいと決意だけはしている。