物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

久しぶりにお隣の中学生君と話した

2020-11-23 13:09:53 | 数学
土曜日の晩の8時ころに私が渡した数学エッセイを読んでわからないところがあるとお隣の中学生君が聞きに来てくれた。

複素数の極表示がわからないとのことであった。それでそのことを話してそのときに三角関数の導入をした。これは中学校では全く学んでないと思っていたが、実はcos とsin 関数とは、三角比のところですでに学んでいたのかもしれない。その知識と話がつながったのはよかった。

その後にちょっとショッキングな打ち明け話をこの子から聞いたのだが、それはプライベートな話なのでここで書くことはできない。この子が苦しんでいることはよくわかった。どうやって助けてあげられるか。考えなくてはならない。


3連休の最終日だが、

2020-11-23 12:35:42 | 物理学
3連休の最終日だが、仕事場に出て来た。昨日は日曜日なので一週間の唯一の休みであった。

昨日は私のもっている雑誌である、『素粒子論研究』『科学』『日本の科学者』のうちで『科学』『日本の科学者』は特別の号しかもっていないが、それらの積み重ねたのを2階の書斎で見つけて、こたつで居眠りしながら読んだ。

これらは湯川秀樹、朝永振一郎氏の生誕百年の機会に特別に購入した号と南部、小林、益川3氏のノーベル物理学賞受賞の記念号であった。

購入時にあまり詳しく読んだ覚えがないから、いつものことで購入したので安心して読まなかったのであろう。

それぞれを読んでいまさらながら、学ぶところがあったが、特に益川さんが自分の生い立ちや研究生活を振り返っているのがなかなか興味深かった。

素粒子物理学の現象論的研究が盛んな当時にそういうことには流されずに場の量子論を中心にした研究をしていて、それで成功した様子がうかがえた。

多分にあの当時には珍しい研究者だったと思う。特に強い相互作用については場の量子論が使えるとはだれも思わなかった時代である。

その後の、asymptotic freedom(漸近的自由)と言われる現象というが見つかり、場の量子論の摂動論が使えるということがわかった。

このQCDの発見はやはり驚異的な発見であったろう。

結城浩さんの『数学ガールの秘密ノート/複素数の広がり』

2020-11-21 12:53:04 | 本と雑誌
『数学ガールの秘密ノート/複素数の広がり』をまだ読んでいるわけではないが、アマゾンコムの書評を読むとぜひ読んでみたいと思うようになった。これは本の著者である、結城浩さんの努力がもとにはあるのだろうが、やはり書評を書いた人Utahさんの感性ではないかと思う。

白いスノーパウダーの中を歩いて行く感じがするなどと自分の書いた数学書について書評をしてもらったら、最高に幸せだろう。

まだ読んでいるわけではないが、およその結城さんの書かれたところを想像することができる。結城さんは難しいことをやさしく理解可能な形で示してくれるだけではなく、その美しさを示してもくれる稀有な才能の持ち主である。

それぞれの書が比較的安価に入手可能なのもよい。これは多分に結城さんが自分でlatexで原稿を書かれていることにもよるのだろうか。



3連休の初日だが、

2020-11-21 12:19:51 | 健康・病気
3連休の初日だが、例によって日曜以外は休まないので、ブログも書く。

新型コロナウイルスの第3波が来ている。これがgo to トラベルとかgo to イ―トの始まった時期とデータ的に一致しているとテレビで言っていたらしい。

go to トラベルは菅首相が官房長官時代から進めてきた政策であるというので誰もあからさまにその政策を中途で一時的にやめた方がいいのではと言いにくいらしい。専門家の分科会とか東京医師会の会長が医療体制の危機とかテレビで言っていた。

あからさまには政治家は野党を除いて首相に忠言できないらしい。こういうことではcovoid-19の思うつぼであろう。もっともcovoid-19が何も考えているわけではないのだが。



アルファ崩壊とベータ崩壊

2020-11-20 10:15:30 | 物理学
放射性同位元素の原子核はアルファ崩壊とベータ崩壊、ガンマ崩壊する。

言うまでもなく、アルファ崩壊は原子核からアルファ粒子(ヘリウムの原子核)が放出する現象であり、ベータ崩壊は原子核から電子が放出される現象である。

ところが、ではベータ崩壊によって放出される電子は原子核の中に定常的に存在しているのではないかと思うかもしれないが、そうではないことがわかっている(注1)。

原子核の中に定常的に含まれない電子がどうしてでてくるのか。不思議に思うかもしれない。原子核の中に定常的に存在しているのは陽子と中性子であるが、このなかの中性子が崩壊して陽子、電子と反ニュートリノが放出される(注2)。

上に書いたことはよく知られているのだが、昔書いていたが、未発表であったエッセイの付録にこのことを書き加えようかなと思っている。

このエッセイのタイトルは「素数の系列」である。なんで、素数の系列と原子核の崩壊とが関係するのか不思議に思う人もおられようか。それはエッセイを読んでのお楽しみとしよう。

早ければ、12月発行の「数学・物理通信」に発表するつもりである。

(注1)アルファ崩壊は普通の量子力学で取り扱えるが、ベータ崩壊は粒子の生成消滅を記述する場の量子論が必要であった。

(注2)化学元素は原子核と電子から構成されている。ベータ崩壊で放出される電子は原子核外の電子とは同じ電子であるが、原子核外の電子ではない。

(2020.11.21付記) 「素数の系列」というタイトルのエッセイはもともと小川洋子さんの小説『博士の愛した数式』(新潮文庫)を読んで2以外の素数は2つの系列となるということを知ったのだが、その理由がわからなかった。

そのことをこのブログで書いたところ N 先生から素数は2以外はすべて奇数だから自明であると指摘されて、ようやくわかったということを述べたものである。

そのいきさつから、このブログがこのエッセイを書くことになったきっかけであった。

数学エッセイ未完成

2020-11-19 10:47:40 | 本と雑誌
シューベルトの未完成交響曲みたいなタイトルで申し訳ない。

数学エッセイ未完成とはいっても前に書いたエッセイの新版である。それをだいぶん旧稿に手を入れて書いたのだが、息切れして終わりの方をあまり詳しく検討する気が起きない。

たぶん、こういうのはやはり疲れだと思う。しばらく時間をおいて、みなおすという作業をしなければならない。

時間をおくということはなんでもないことだが、やはり大事な処方である。これがなかなかできない。

気分一新で物事にあたるとはだれにでもできそうなことだが、実は難しい。

とりかかっている数学エッセイは実は3編であり、それらを11月になって根を詰めて改訂してきた。完成をすれば、いずれ『数学・物理通信』に発表する予定である。12月はこれの発行月であるから、いまから用意をしておかなくてはならない。



敗北宣言をしない敗北者

2020-11-18 16:14:27 | 本と雑誌
敗北宣言をしない敗北者とはトランプ、アメリカ大統領のことである。

慣例では大統領選挙に負けると潔く敗北宣言をするのだが、トランプ大統領はこの敗北宣言をしない。往生際の悪い大統領である。

別に慣例に従う必要はないのかもしれないが、負けたと思っていないらしいところが不思議な思考である。確かに自分の得票は前回のときよりも多かったのかも知れないが、相手のバイデンはもっとたくさん得票を得ているのだから仕方がない。

よき勝利者になることも難しいが、よき敗北者になることはさらに難しい。一度総理大臣をして、再度また総理大臣をすることになった、安倍前首相のような例があるので、2024年の大統領選挙を目指してすでに始動するつもりなのかもしれない。

Was kann ich f"ur Sie tun ?

2020-11-18 11:47:16 | 本と雑誌
Was kann ich f"ur Sie tun ?(ヴァス カン イッヒ フュ ジー トゥン)とかWas darf es sein?とかお店に入ったら聞かれるだろう。いやこれはもちろんドイ語圏のお店に入った場合だ。

パリはオペラ座の近くのお店にコートが展示されてあって、それをパリに来た記念に妻が欲しがったので、そのお店に入ったことがある。

あのコートを見せてほしいとたどただしいフランス語で言ったら、お店の人に、これはコートではない。アンペルメヤーブルだと言われた。聞いたことのある言葉だとは思ったが、すぐには思い出さなかったら、すぐにrain coatと言い直してくれた。フランス人はあまり英語を話さないと聞いていたが、商売がらみだとそうでもないことを知った。

私が出費をきらってそのコートを買うのを嫌がって丈が少し長いと言ったら、店の方で丈を詰めてくれるという。もっともそれはそれですぐにはできないので、つぎの日の夕方に行ったら、丈をつめたコートができていた。

それをパリ土産に妻に買ったのだが、それから半月ほどして日本に帰ってきたら、妻はそのコートをすぐに私の妹にやってしまった。コートに関心があったのではなく、パリ土産がほしかっただけだった。

妹はそのコートの丈がもっとあったほうがよかったと言っていた。一度もそのコートを妹が着ているのを見たことがない。

10月は抜け殻のようであったが、

2020-11-17 10:45:36 | 本と雑誌
10月は抜け殻のようであったが、11月になって少し息を吹き返している。

いやこれは私の知的生活のことだ。体の健康等は以前とあまり変わりはないし、月一度の検診でも特に指摘されることはない。

もっとも知的生活などというほど立派なことではなく、単に数学エッセイを書くタネがあるというに過ぎない。

以前に書いたことのある「直交座標系から極座標系へ」を2部に分けで改訂の原稿を書いていることと、やはり以前に書いた「ラプラス演算子の極座標表示再考2」の原稿の改訂を書いているくらいである。

いずれも旧稿の改訂であるので、まったく新しい着想があるわけではない。

もっともこれらは量子力学の摂動論を学ぶ過程でその文脈ではなかったが、たまたま思い起こされたことである。本筋の摂動論の中の疑問点についての解答を得ているわけではない



閑古鳥の鳴くようなブログ

2020-11-16 18:24:58 | 本と雑誌
閑古鳥の鳴くようなブログである、私のブログをときどき訪れては「いいね」とかの印を入れてくださる方がおられる。ところがこれは別に同業者でもない方々である。

ある方は中部地方のある町の陸上のコーチの方であったり、ある関西の町の主婦の方であったりする。また関東地方のある町に住んでおられる方であったりする。

これらの方はご自分のブログに一定数のファンを持っておられる方々であって、別に私のブログを訪れる必要性もあまりないほどの方々である。

大抵きれいな山や雲の写真や花の写真とか街角の写真を掲載しておられる方々であり、私もそれらの写真を楽しませてもらっている。

私のブログはきれいな写真もないし、気の利いた警句もない。それでなんか私のブログを訪れて下さる方には申し訳ない思いがいつもしている。

ただ、日曜を除いてほぼ毎日短くても何かを書くように心がけてはいるのだが。



いつものような日曜日だったが、

2020-11-16 10:33:45 | 本と雑誌
いつものような日曜日だったが、夕方に妻と夕食の買い物に出かけたところだけがちょっとちがっていた。

昼は土曜日に入力したエッセイの原稿をチェックした。その結果3つに分けで書こうとしていたのを2つで十分ではないかと考え出した。

第2部の書くべき内容を追加するだけでいいことに気づいた。文献をきちんと入れるとかすべきことはまだある。

大体文章を書くという作業はほぼ仕事が終わったと感じ始めたころから、やるべき仕事が多いような気がする。


一つのエッセイを3つに分けて

2020-11-14 13:26:14 | 本と雑誌
一つのエッセイを3つに分けて書こうとしている。いや実は2つ目にとりかかっているところだが、これを2つに分けて第二、第三のエッセイとしたほうがいいのではないかと考え出した。

別に大したテーマを扱っているわけではないが、ちょっとした広がりがあると思い出したのだ。

いや関連した分野が広いとかいうことでもない。

小柴昌俊さんの死去

2020-11-14 13:07:04 | 本と雑誌
物理学者で、2002年度のノーベル物理学賞の受賞者であった、小柴昌俊さんが死去されたという。

1987年だったかに超新星爆発で発生したニュートリノを観測した業績でノーベル物理学賞を受賞された方である。

そのときの新聞には私が研究している、武谷三男が彼の結婚式で、小柴は東大の物理学科をどん尻で卒業しているから、とても望みがあるという風な変なスピーチをしたとかいう、うわさがあると載っていた。

それはともかく東大での記念講演だかで自分の大学卒業の時の成績表を見せてどん尻の成績であることを実証されたとかもいう。

若いときからちょっと反骨の方であったらしい。以外に知られていないのは朝永の著書『量子力学』I, IIの英訳をされたことだろうか。

先刻その英語の訳書を見てみたが、Koshibaとだけあって、Masatoshi Koshibaとまでフルネームでは本に入っていなかった。

だから本当のところはわからない。
 


原稿をどう書いたらいいのか

2020-11-13 09:50:54 | 本と雑誌
原稿をどう書いたらいいのか、わからなくなっている。

昨日書いていた数学エッセイの書き方がいまわからなくなっている。結果そのものはわかっているのだが、それを導くところをいろいろ考えるところを述べたいと思っている。

ところが、そのことの詳細を述べなくては説明ができないはずである。私はそれをしようと思っていた。

例としていくつかの計算の詳細を書いて、それが工夫の仕方によってすこしだけ軽減されるということを示したい。

それはべつに大したことではない。だが、そういう細かいことが私は好きなのである。困ったものだ。






Wikipedianほどではないが、

2020-11-12 11:49:05 | 本と雑誌
Wikipedianほどではないが、私もそれらとは違った意味で社会への貢献を目指して、『数学・物理通信』(メールで無料配布)を発行している。

この『数学・物理通信』は記事の掲載にも、購読にも費用を請求していない。すべて無料である。

そして、それも2009年12月の創刊から2020年11月現在では、すでに92巻を発行している。これは私だけではなく、共同編集者のSさん、Nさんの協力なしにはなしえなかった。また初期の段階で大きな支持をしてくださった、京都大学名誉教授の中西襄先生のご尽力なしにはここまでは来られなかった。

さらにいうと『数学・物理通信』を名古屋大学の自分のインターネットのサイトに掲載してくださるという寛大な処置をしてくださっている、谷村省吾先生のご尽力は大きい。

『数学・物理通信』に関心をもたれた方はインターネットで『数学・物理通信』で検索してみてください。名古屋大学の谷村先生のサイトですべてのバックナンバーを見ることができる。