【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

民主党が子どもマニフェストを発表「きみたちこそが、未来だから。」

2014年12月01日 23時36分25秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

 民主党は2014年12月1日、第47回衆議院議員総選挙の子ども向けマニフェスト「きみたちこそが、未来だから。」を発表しました。チルドレン・ファーストの浸透をはかります。

 子ども向けマニフェストの発表は主要政党では初めて。

 すべての漢字にルビ(ひらがな)がふってあります。

オールカラー9ページ。

 「私たちが大事にする7つのこと」は次のとおり。

(1)新児童手当などーーお父さんやお母さんが安心してみんなを育てることができるように「新児童手当」などを支給して、少しでもお金の負担が軽くなるようにしていきます。みんなは、この国の未来そのものだから、みんなが大きくなるのを、社会で支え合いながら応援していきたいと思います。


(2)待機児童解消と学童保育の充実ーーみんなは社会の将来を担う宝物です。だから最高の環境で育ってほしい。だから民主党は、しっかりと予算を確保して、保育所、幼稚園、認定子ども園などを充実させ、どこに通っていてもちゃんとした教育・保育が受けられるようにします。



(3)高校無償化制度と奨学金の拡充ーー会社に入れば、ずっとその会社で正社員として働き続けられる、という状況が変わってきています。お父さんもお母さんも、高校にも大学にも行かせたいし、好きな学校にいけるといいな、と願っていると思います。でも、高校も大学も学費というお金がかかるので、行きたくてもあきらめなくてはいけない人もいます。だから、民主党は高校の授業料を無料にする高校無償化制度を確立し、いろいろな方法で奨学金を希望者全員が受けられるようにしていきたいと思っています。


(4)同一労働同一賃金で安心して働ける社会へーーいずれみんな大人になります。今は、同じ仕事をしていていも、正社員かどうかによってお給料が違う会社がいっぱいあります。それって、ちょっとおかしいよね。だから民主党は、正社員でもそうじゃなくても、同じ仕事をしたら、ちゃんと同じお給料がもらえる仕組みをつくって、働く人みんあんが等しく大切にされるような社会にしていきたいと思います。

(5)災害に強い日本へーー(略)


(6)自然エネルギー社会を目指してーー(略)


(7)集団的自衛権の閣議決定の撤回へ(略)

 という内容になっています。

 民主党の「子ども・子育てマニフェスト」はカラーで全9ページ。

 アドレスは

http://www.dpj.or.jp/a/105614


http://www.dpj.or.jp/download/18117.pdf


 [子ども・子育てマニフェストの活用のしかた]

 プリントアウトして、家庭内で読み、討議することができます。ただし、プリントアウトした紙を配ることはできません。

 フェイスブック(FB)でシェアしたり、いいねしたり、内容を書き写したり、話題にしたりできます。

 ツイッター(Twitter)に書いたり、それをリツイートすることができます。内容を書き写したり、話題にしたり、他の人と議論したりできます。


 ライン(Line)で話題にすることができます。

 ブログに記事を書いて話題にすることができます。コメントを受け付けることもできます。

 携帯電話の、ショートメール(SMS)でアドレスを伝えたり、通話で内容を伝えたりすることができます。固定電話でもできます。

 FBでも、Twitterでも、Lineでも、ブログでも、電話でも、12月2日(火)から12月13日(土)までの12日間は、具体的に「比例代表は民主党に投票しよう」など、投票先を家族、仲間内で決めたり、友人、知人に投票依頼することができます。

 有権者から有権者へ、パソコンなどの電子メールで上のアドレスを知らせることができます。ただし、電子メールに限っては投票依頼はできません。

 いかなる媒体であっても民主党を貶めるために、故意に歪めて再利用した場合は、犯罪になることがあります。



法律改正で、当選のお礼のあいさつをインターネットでできます。

安倍首相(自民党総裁)マクロ経済スライドの初発動を明言 来年の年金、実質ではマイナスへ

2014年12月01日 15時00分50秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

 安倍晋三首相(自民党総裁)は2014年12月1日(月)の第47回衆院選公示前日の日本記者クラブ主催の党首討論会で、年金のマクロ経済スライドを発動させる考えを語りました。

  これは党首から党首への質問のコーナー。

 安倍さんは、民主党代表の海江田万里さんを指名。

 「民主党はマニフェストに最低保障年金を盛り込んだ。(自民党と公明党の)平成16年年金改革法(平成16年6月11日法律104号)では、マクロ経済スライドが利いて、給付と負担のバランスが取れる。(民主党マニフェストの)最低保障年金にすると、新たに消費税5%分、(1年間の歳入)12兆円が必要だ」と質問をしました。

 これに対して、海江田さんは「(国民年金か、厚生年金かという)働き方によって、年金の受給額が違ってはいけない」と応じました。

 平成16年年金改革法の第4条は「この法律による年金の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応じるため、速やかに改定の措置が講ぜられなければならない(略)政府は、少なくとも5年ごとに、(略)財政の現況及び見通しを作成しなければならない(略)財政均衡期間は、財政の現況および見通しが作成される年以降、おおむね100年間とする」

 と書かれています。

 これがいわゆる「100年安心プラン」とされるものです。前回の2009年前後には発動は見送られました。

 2015年から発動するとなると、法律案の提出が必要になります。

 すでに、50日前に、厚労省が審議会にその方針を示していました(当ブログ内関連エントリー◎マクロ経済スライド初発動へ国民年金法改正案提出か 100年安心プラン実現に問われる総理の胆力)。

  ただ、現在はインフレですので、物価スライドをかけたうえで、マクロ経済スライドを発動すると、名目の年金支給額はプラス(月1000円ぐらい?)になりますが、実質ではマイナスになるとみられます。この場合は、厚生年金受給者よりも、国民年金受給者の困窮感が強まると予想されます。だからといって、発動しないと、公明党と自民党の100年安心プランが最初の10年間で根底から崩れることになります。

 首相の発言がどこまで本気か分かりません。ただ、第47回衆院選で論戦になる可能性も浮上してきました。

 最低保障年金は民主党マニフェスト2003から概念が入っており、2004から今の名称になっています。民主党マニフェスト2014発表の翌日の菅官房長官記者会見では記者の質問に答える形で発言があったようですが、マニフェスト2014では小さい文字の12ページに「少子高齢化・人口減少、非正規雇用が増加する中で、国民皆年金を堅持し、高齢者の生活保障を確保できるよう、公的年金制度の一元化、最低保障年金の創設に向け年金制度改革の実現をめざします」とあります。今回はカラーページなどでのハイライト(強調)はなく、「継続」しているという雰囲気です。

 安倍首相は、ことし2月17日の衆議院予算委員会や、3月20日の参議院予算委員会でマクロ経済スライドに言及しましたが、発動を明言した発言は、きょうが初めてだろう、と思われます。


これでは第三の矢はできない 安倍晋三さんへの日本医師会からの資金提供が3倍に 自民党への法人献金4割増

2014年11月28日 17時49分32秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

総務省は、2004年11月28日(金)午後5時過ぎ、平成25年(2013年)の政治資金収支報告書(中央届け出分)を発表し、インターネットで公開しました。

 安倍晋三・衆議院議員の資金管理団体「晋和会」に対する、日本医師会からの資金提供が、前年比3倍以上になったことが分かりました。

  晋和会の2012年分(野党議員、9月に野党総裁に就任)では、日本医師会の政治団体「日本医師連盟」は160万円を提供。政治資金パーティーの券を1回30万円ずつ購入していましたが、総裁就任後は1回100万円購入しました。

 晋和会の2013年分(首相)はでは、日本医師連盟は700万円を提供。パーティー券は引き続き1回100万円で、このほか、前年分に記載がない寄付金が500万円ありました。

 安倍首相が党首をつとめる自民党の、政治資金管理団体(受け皿)である、国民政治協会は、2012年に法人から13・7億円の献金を受けていましたが、与党に返り咲いた2013年には19・5億円へと4割増しになりました。一方個人の献金は微減となりました。

  安倍さんは、この間の2012年11・12月の自民党重点政策2012に「国民皆保険を守ることを基本に、処遇改善などを通じて、医師などの人材や高度医療機器などの医療資源を確保するとともに、その適正配置を図り、地域で必要な医療を確保します」と打ち出しています。これが、地域における医療・介護総合推進法(平成26年法律83号)などによる、大病院から、地域内の個人医院へという流れを進めた可能性もあります。

 日本医師会からの献金が増えたことと、第三の矢(規制緩和による成長戦略)の整合性について、安倍晋三衆議院議員事務所、西山猛・政策担当秘書(元毎日新聞記者)は「文書でないとお答えできない」 と話しました。

総理大臣になったら、控えるもんでしょう。総理就任3か月前という、急な総裁就任で、何か資金的な必要性でもあったのかと勘繰りたくなります。そうとう脇が甘いと言わざるを得ません。脇が甘いというよりも、訳が分からないという感じです。この露骨で、能天気ぶりはいったい何なんだ。

 アベノミクス第三の矢は「できない」のではなく、「やらない」のだろうと、私は考えます。


枝野幸男幹事長が秋葉原で「努力をすれば、家庭を持ち、子供をつくれる社会構造になっていない」

2014年11月27日 19時19分47秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

[写真]民主党幹事長の枝野幸男さん、2014年11月27日(木)午後5時前、東京・秋葉原、筆者(宮崎信行)撮影。

 アキバこと秋葉原(JR、つくばエクスプレス)駅前で、枝野幸男幹事長が演説しました。

 演説に先立ち、仮面女子の6人が、枝野さん激励しました。

 
[写真]仮面女子の激励をうける、枝野幸男さん、2014年11月27日、東京・秋葉原、宮崎信行撮影。

 ◇

 その前に、ちょっと行ってきましたこの場所。このブログを始めた2007年の一年おさめのエントリーで紹介した場所です。


[写真]宮崎信行撮影、2007年12月31日の写真です。

 安倍晋三さんが内閣を投げ出して福田康夫内閣になりましたが、アメリカでサブプライムショックが起きて、景気が悪くなっていました。

 上の写真では、日本を代表する旧財閥系の銀行カードローン会社の「簡易審査機」。言い換えれば、「信用の自動販売機」。

 ここに、おそらくヨドバシカメラで、ストーブとか、こたつとか、洗濯機とか、そういった家電を新年までにそろえる目的で、この地を訪れたと思える、母と子2人組。その簡易審査機に入っている姿です。なぜかお子さんは半ズボン。このような場所に、信用の自動販売機がある国を私は世界で知らないと、指摘し、小泉純一郎内閣の規制緩和を受け継いだ、安倍内閣、福田内閣をふまえて、「恥を知れ、自民党」と書きました。

 あくる2008年。福田康夫さんも政権を投げ出し、自民党は「政策論争15日間」と銘打って、5人の総裁候補による「猿の引き回し」とも揶揄された総裁選全国バスツアーを開催。ところが、その間にリーマンショックが起きて、金融危機への対応が遅れました。麻生太郎内閣はリーマンショックを口実に居座り、自民党は惨敗しました。

 そして、民主党の3年3か月の政権がありました。そして、自民党の2年間の政権がありました。そして第2次安倍内閣は国会を投げ出しました。

 きょうの上の場所です。

 

 金融会社の自動販売機は撤去されていました。

  そして、ベンチが置かれていて、老若男女が休んだり、スマホしてました。

 そして、手前に日本最大手の飲料メーカーの自動販売機があり、働く女性が暖をとろうと品定め。安心安全日本のよくある風景。

 その奥に、証明写真のコーナーがありました。そして、高校生の男の子と女の子が来て、男の子が証明写真を撮っていました。ブラックバイトじゃないかな・・・大丈夫かな。でも、若い子が証明写真を撮ったら、これから何か良いことがあるような気がする。

 さて、午後5時。来る2014年12月14日(日)の第47回衆院選で、良いことがあるかどうか、五分五分くらいの民主党。

 枝野幸男幹事長が演説しました。

 「ここ秋葉原には、夢をもち、夢に向かって努力している若い人たちがたくさんいます。安倍さんは、努力をすると報われると勘違いしているかもしれない。努力してもケガをしたり、病気をしたりして、報われない人はいっぱいいます。女性がふつうに就職しようとしても、正規の勤め口がない社会になってしまいました。家庭を持ち、希望すれば子供を産み育てられる。そういう願いをかなえられない社会構造になっているのが今の社会です」

 「今こそ、流れを変える時です。」

 「民主党政権は3年3か月間で、実質GDPを5%成長させました

 「自民党政権は2年間で、実質GDPを1・7%成長させただけです

 「先入観と偏見にとらわれることなく、選んでいただきたい」

 このように演説しました。

 今度の選挙に立候補できなかった人もたくさんいます。

 ただ、2007年12月、家電量販店併設のカードローン簡易審査機がなくなったのは、これは政権交代があったからだと考えます。

 民主党政権3年3か月に携わったすべての人は誇りに思っていい。 


[当ブログ内2007年12月31日付エントリーより全文引用はじめ]

 2007年(平成19年)の大晦日。

 全国的には荒天が目立ちましたが、東京は晴れていました。
 晴れているとはいえ、東京は今冬一番の冷え込み。

 午後5時過ぎには、ジャンパーのボタンを全部締め、マフラーを首にグルグル巻いて、手袋をしてもまだ足りませんでした。

 東京らしい乾いたシンシンとした冷たさでした。

 私は朝から銀座に出掛け、その後、東京駅、秋葉原で細かい買い物をして、家路を急いでいました。

 午後4時半ごろ、東京・秋葉原の大手家電量販店の隣りにこんなボックスを見付けました。



 これは大手銀行系のカードローン会社の簡易審査機です。
 「5分でカードを発行します」というような文言が書いてありました。

 ※このエントリの3枚の写真はすべて社名が特定できないようピンクのペイントで修正しました。



 で、写真でわかる通り、ボックスの中には、右奥にお母さんとおぼしき人、左手前には小学生らしき、たぶん男の子が立っていました。

 お母さんはなぜ、大晦日の夕方にカードローンの審査ボックスに入ったのでしょうか?
 ストーブなど生活にかかせない家電を買うおカネが足りないのか?
 あるいは家電量販店とは関係なく、とにかく年越し資金が必要なのか?
 
 それにしても、なんでまた家電量販店の出入り口の真横にこんなものがあるんでしょうか?

 西岸良平(サイガン・リョウヘイ)さんの「三丁目の夕日 夕焼けの詩」というマンガを思い出しました。映画の続編が全国公開中ですので、タイトルはご存じの方が多いと思います。

 このマンガの中で、生まれて初めて、オヤジと二人で外食に出かけた昭和の下町っ子の話が出てきます。
 オヤジさんはよりによって、財布を家に忘れてしまいます。「家に戻って財布を持ってくる」と話す父親を、食い逃げと決めつけた食堂の主人は、胸ぐらをつかみ、罵声を浴びせながら、殴りつけます。

 初めて外食に連れてきた息子の面前でボコボコに殴られ、オヤジさんはどんなにか無念だったことでしょう。
 西岸さんは「このころは無銭飲食が多く、こういうことはよくあったのだ」とマンガの中で説明していました。

 グレーゾーン金利が撤廃されたとはいえ、このお母さんからオカネを巻き上げる政治。労働者派遣法で労働者から(不当に)搾取する政治。
 こんな政治は、断じて間違っています。断定します。

 きょうの日本社会を作り上げてきた方々は「間違っている」との私の意見に反駁するかも知れません。

 でも、私は断定します。

 こんな政治は間違っています。
 2008年は原油高、穀物高など物価が不安定になることが予想されます。時に3月、4月にガソリン、小麦などが狂乱物価になる可能性が指摘されています。庶民の暮らしはもっと苦しくなる方向性が見えています。

 いったい、自民党(LDP)は日本国民をどこへ連れ去ろうとしているのでしょうか?

 恥を知れ!自民党!!

[全文引用おわり] 


民主党、マニフェスト2014を発表 対決色強めながらも積み上げ継続、よくまとまっており、活用次第だ!

2014年11月24日 19時34分06秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

[画像]新調された真っ赤なボードの前で、マニフェスト2014を発表する海江田万里代表(ネクスト首相)、2014年11月24日=解散74時間後、筆者(宮崎信行)撮影、民主党本部。

 きょうは勤労感謝の日の振り替え休日ですが、民主党は2014年11月24日(月)午後3時から、第47回衆院選「マニフェスト2014」を発表しました。公示前は「重点政策」で、公示後は「政権公約」として世に問います。全16ページ。

 政権獲得後にそなえて少し表現を抑えた点も含めて、よくまとまっています。勝てるマニフェストといえるでしょう。候補(予定)者の活用次第です。

●まず変更点、変わらない点 

 変更点としては、マニフェスト2013が「安倍」「自民党」という表現がなかったのに対して2014では民主党の重点政策01に「アベノミクスからの転換。」と強調。背表紙前15ページの海江田万里代表のあいさつにも、「安倍政権の2年間の経済政策による~~」と「安倍」という文字が入り、対決色が明白になりました。

 いわゆる4k。

「農業者戸別所得補償制度」が名称そのまま大きな文字で強調されました。

 「高校無償化」は法律用語ですし授業料と給付型奨学金を含みことから「高校授業料無償化」ではなく「高校無償化」にすでに2013からなっています。

「新児童手当等」(細かい文字の12ページ)について、福山哲郎政調会長は「法律用語だし、(2010年衆参ねじれ後の)3党合意にもとづくものだ」と説明しました。2013では「子どもに対する手当」となっていました。2009では「子ども手当」でした。

 「高速道路無料化」は完全に消えました。

 民主党税制の思想は、

 「所得控除から(給付付き)税額控除・手当へ」。2013同様の表現ですが、2009の「控除から手当へ」と比べると、より、候補者が有権者に説明しやすい言葉といえます。

 「2030年代原発ゼロ」も2012年以降、明示されています。

 2004年から入っている「最低保障年金」という言葉も、今回は小さい扱いですが、引き継がれました。 

●アベノミクス3本の矢に対応する民主党の経済政策の3本柱へ

 アベノミクス3本の矢に対応させて、「3本柱」が示されました。

(1)アベノミクス第1の矢
 「異次元の金融緩和」に対しては、
 「柔軟な金融政策(経済、財政状況、市場環境を踏まえ、国民生活に十分配慮した柔軟な金融政策)」

(2)アベノミクス第2の矢
 「機動的な財政出動(公共事業)」に対しては、
 「人への投資(子育て支援、雇用の安定、老後の安心。生活の不安を希望に変える人への投資」

(3)アベノミクス第3の矢
 「成長戦略(規制緩和、規制強化)」に対しては、
 「成長戦略(グリーン、ライフ、農林水産業、中小企業。未来につながる成長戦略」

 をそれぞれ提示。3本柱にぶら下がる具体的な政策のメニューが 4ページ、5ページ、見開きで盛り込まれました。

 記者会見で福山政調会長は、「私も証券会社に勤めたこともあるが、マーケットがショックを受けて、金融がクラッシュすることがないように市場とのコミュニケーションを図りながら、黒田日銀の方向展開を図っていきたい」として、仮に政権交代しても、黒田総裁をすぐに更迭したり、黒田緩和を突然止めることはない方向性を明白に示しました。

 なお、この見開きで、「消費税引き上げは延期します」と明示。ただし数字はマニフェストにありません。マニフェストには書き込まれていませんが、法律の附則18条「景気弾力条項」をそのまま残すべきだとという考え方で間違えないでしょう。また、「複数税率だけでなく、消費税の還付措置(給付付き税額控除)の導入についても検討を行い、低所得者対策を確実に講じます」とマニフェストに。この「複数税率」ということば「軽減税率」のことで、2012年6月の3党合意では「複数税率」となっています。マニフェスト2013と表現は変わりませんが、とりあえず、3党協議復帰への道筋は、自民党・公明党にちょっとだけ残していると考えられそうです。

●同一労働同一賃金法

 「同一労働同一賃金」という言葉が、民主党マニフェストに初登場。7ページで、「同一労働同一賃金推進法を制定します。正規・非正規を問わず、すべての労働者の均等・均衡処遇、能力開発の機会を確保します」としました。これに先立ち、「労働法制の改悪を阻止し、雇用の安定を確保します」とし「労働者派遣法の改悪、残業代ゼロ制度(ホワイトカラーエグゼンプション)、「解雇の金銭解決制度」の導入など労働条件を後退させる労働規制緩和を認めません。」と宣言しました。

●集団的自衛権の表現

 「集団的自衛権の行使を容認した閣議決定は立憲主義に反するため、撤回を求めます。」(10ページ)と大きく書きました。
 そして、「領域警備法を制定します。グレーゾーン事態を含めた日本防衛のため、海上保安庁などの対処能力向上を図りつつ、自衛隊による切れ目のない危機対処を可能とします。」と書き込みました。

●特定秘密保護法延長

 「国会など第三者機関による監視と関与を強化するまで特定秘密保護法の施行は延期します。」――法案はしっかり提出しましたが、解散で廃案になっており、選挙戦中の12月10日に向けてどうするかという問題が短期的に生じました。

[おまけ]早くまとまった理由は「積み上げがあるから」

 福山政調会長は、マニフェストが解散から74時間後に発表できた理由について、「政権を担当した積み上げがあるから」として、「各部門会議とも軽重をつけた上げてくれたので、時間がなかったけれども、アベノミクスへの対立軸が明示できた」と語りました。 


安倍首相の勝敗ラインは、実は小泉首相とまったく同じ発言だが、そもそも「勝敗ライン」ですらない

2014年11月19日 12時03分54秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

[このエントリーの初投稿日時は2014年11月19日午後12時]

 安倍晋三首相(自民党総裁)が第47回衆院選の勝敗ラインについて

 「自民党、公明党(の)連立与党によって過半数を維持できなければアベノミクスを進めていくことはできない。過半数を得られなければアベノミクスが否定されたことになるわけだから私は退陣する」

 と語り、定数(475)の過半数(238)を取れなければ、退陣(内閣総辞職して特別国会で首班指名を受けないこと)すると語ったことが話題になっています。

 実は、まったく同じ勝敗ラインが9年前の首相(自民党総裁)の解散会見でも言われています。

 2005年8月8日の郵政解散後の小泉純一郎首相(自民党総裁)は記者会見で、

 「自民、公明両党が過半数の議席を獲得できなかったら、私は退陣する。郵政民営化反対勢力と協力することはない」「国民が郵政民営化は必要だと過半数の議席を与えてくれれば、参議院の皆さんも気を変えて協力してくれると確信している」

 と語っています。当時の新聞が翌日付1面で報じました。

 これを受けて、2005年8月9日の民主党代表記者会見で、岡田克也さんは「民主党が政権を取れなければ、代表にとどまるつもりはまったくない」と語りました。

 このように衆議院小選挙区による二大政党化によって、国民が総理大臣を決める政治を設定しました。

 選挙結果としては、自民党は得票率38%で議席占有率61・7%、公明党は得票率13%、議席占有率6・5%となり、連立与党で、3分の2条項の力を得ました。

 首相が、過半数を割れば、退陣するのは当たり前のことです。

 日本国憲法第67条は、「内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案に先立ってこれを行う」とあります。

 特別国会では、実際には院の構成を先に定めますが、その後、首班指名(首相指名)選挙になります。

 仮に自民党と公明党に過半数がなければ、衆議院本会議の決選投票では、安倍晋三さんの得票数が、海江田万里さんの得票数を上回ることはないでしょう。参議院本会議は安倍晋三さんを指名するでしょうが、両院協議会の結果が、衆議院の指名通り、海江田万里さんが国会の議決となり、第97代内閣総理大臣となります。

 たとえば、次世代・維新の小選挙区に強い人が、安倍さんに投票するかもしれません。しかし、それ以前に、自民党内で、総裁の責任を問う声が特別国会召集前に上がるでしょう。

 憲法はまったく違いますが、前回の2010年5月の英国の総選挙では、ブラウン首相(労働党党首)が過半数割れに追い込まれ、第1党が過半数をもたない「ハングパーラメント(宙ぶらりん議会)」に36年ぶりになりました。ハングパーラメントでも、まずは首相に連立を呼びかける権利があるのですが、第3党の自由党のクレッグ党首(現副総理)は応じるつもりはなく、ブラウン首相はバッキンガム宮殿に向かい、エリザベス女王に退陣を申し入れました。直後にエリザベス女王は、保守党のキャメロン党首(現首相)を呼び、組閣を命じました。このもようはヘリコプター空撮映像で報道され、バッキンガム宮殿前には、多少の保守党員がつめかけ、キャメロン党首の車を見つめました。

 広辞苑によると、「当たり前」とは「そうあるべきこと」。

 国民が首相を選ぶ、小選挙区二大政党制の実現をめざす、平成6年政治改革法の理念は浸透しているのかもしれませんが、いまだに国民の肌感覚になっていないことを残念に思います。とても残念です。

 同時に、私の中で、私がすべきことが、公示前に見つかった気がします。

[首相官邸ウェブサイトから全文引用はじめ]

平成26年11月18日安倍内閣総理大臣記者会見

【安倍総理冒頭発言】
 本年4月より8%の消費税を国民の皆様に御負担いただいております。5%から8%へ3%の引き上げを決断したあの時から、10%へのさらなる引き上げを来年予定どおり10月に行うべきかどうか、私はずっと考えてまいりました。消費税の引き上げは、我が国の世界に誇るべき社会保障制度を次世代に引き渡し、そして、子育て支援を充実させていくために必要です。だからこそ、民主党政権時代、私たちは野党ではありましたが、税制改革法案に賛成いたしました。しかし、消費税を引き上げることによって景気が腰折れてしまえば、国民生活に大きな負担をかけることになります。そして、その結果、税率を上げても税収が増えないということになっては元も子もありません。経済は生き物です。
 昨日、7月、8月、9月のGDP速報が発表されました。残念ながら成長軌道には戻っていません。消費税を引き上げるべきかどうか、40名を超える有識者の皆さんから御意見を伺いました。そして、私の経済政策のブレーンの皆さんから御意見を伺い、何度も議論を重ねてまいりました。そうしたことを総合的に勘案し、デフレから脱却し、経済を成長させる、アベノミクスの成功を確かなものとするため、本日、私は、消費税10%への引き上げを法定どおり来年10月には行わず、18カ月延期すべきであるとの結論に至りました。
 しかし、ここで皆様に申し上げておきたいことは、3本の矢の経済政策は確実に成果を上げつつあります。経済政策において最も重要な指標、それはいかなる国においても雇用であり、賃金であります。政権発足以来、雇用は100万人以上増えました。今や有効求人倍率は22年ぶりの高水準です。この春、平均2%以上給料がアップしました。過去15年間で最高です。企業の収益が増え、雇用が拡大し、賃金が上昇し、そして消費が拡大していく、そして景気が回復していくという経済の好循環がまさに生まれようとしています。
 ですから、私は何よりも個人消費の動向を注視してまいりました。昨日発表された7月から9月のGDP速報によれば、個人消費は4月から6月に続き、1年前と比べ2%以上減少しました。現時点では、3%分の消費税率引き上げが個人消費を押し下げる大きな重石となっています。本年4月の消費税率3%引き上げに続き、来年10月から2%引き上げることは、個人消費を再び押し下げ、デフレ脱却も危うくなると判断いたしました。
 9月から政労使会議を再開しました。昨年この会議を初めて開催し、政府が成長戦略を力強く実施する中にあって、経済界も賃上げへと踏み込んでくれました。ものづくりを復活させ、中小企業を元気にし、女性が働きやすい環境をつくる、成長戦略をさらに力強く実施することで、来年の春、再来年の春、そして、そのまた翌年の春、所得が着実に上がっていく状況をつくり上げてまいります。国民全体の所得をしっかりと押し上げ、地方経済にも景気回復の効果を十分に波及させていく、そうすれば消費税率引き上げに向けた環境を整えることができると考えます。
 そのためにも、個人消費のてこ入れと、地方経済を底上げする力強い経済対策を実施します。次期通常国会に必要となる補正予算を提出してまいります。
 財政再建についてお話しいたします。社会保障・税一体改革法では、経済状況を見て消費税引き上げの是非を判断するとされています。今回はこの景気判断条項に基づいて、延期の判断をいたしました。
 しかし、財政再建の旗を降ろすことは決してありません。国際社会において、我が国への信頼を確保しなければなりません。そして、社会保障を次世代に引き渡していく責任を果たしてまいります。安倍内閣のこうした立場は一切揺らぐことはありません。
 来年10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる。私はそう決意しています。
 2020年度の財政健全化目標についてもしっかりと堅持してまいります。来年の夏までにその達成に向けた具体的な計画を策定いたします。
 経済再生と財政再建、この2つを同時に実現していく。そのための結論が本日の決断であります。
 ただいま申し上げた内容を実現するために、来年度予算の編成に当たるとともに、関連法案の準備を進め、来年の通常国会に提出いたします。
 このように、国民生活にとって、そして、国民経済にとって重い重い決断をする以上、速やかに国民に信を問うべきである。そう決心いたしました。今週21日に衆議院を解散いたします。消費税の引き上げを18カ月延期すべきであるということ、そして平成29年4月には確実に10%へ消費税を引き上げるということについて、そして、私たちが進めてきた経済政策、成長戦略をさらに前に進めていくべきかどうかについて、国民の皆様の判断を仰ぎたいと思います。
 なぜ今週の解散か説明いたします。国民の皆様の判断を仰いだ上で、来年度予算に遅滞をもたらさないぎりぎりのタイミングであると考えたからであります。
 現在、衆議院において、私たち連立与党、自民党、公明党は、多くの議席をいただいております。本当にありがたいことであります。選挙をしても議席を減らすだけだ、何を考えているのだという声があることも承知をしています。戦いとなれば厳しい選挙となることはもとより覚悟の上であります。
 しかし、税制は国民生活に密接にかかわっています。代表なくして課税なし。アメリカ独立戦争の大義です。国民生活に大きな影響を与える税制において、重大な決断をした以上、また、私たちが進めている経済政策は賛否両論あります。そして、抵抗もある。その成長戦略を国民の皆様とともに進めていくためには、どうしても国民の皆様の声を聞かなければならないと判断いたしました。信なくば立たず、国民の信頼と協力なくして政治は成り立ちません。
 今、アベノミクスに対して失敗した、うまくいっていないという批判があります。しかし、ではどうすればよいのか。具体的なアイデアは残念ながら私は一度も聞いたことがありません。批判のための批判を繰り返し、立ちどまっている余裕は今の日本にはないのです。私たちが進めている経済政策が間違っているのか、正しいのか。本当にほかに選択肢があるのかどうか。この選挙戦の論戦を通じて明らかにしてまいります。そして、国民の皆様の声を伺いたいと思います。
 思い返せば、政権が発足した当初、大胆な金融緩和政策に対しては反対論ばかりでありました。法人税減税を含む成長戦略にも様々な御批判をいただきました。しかし、強い経済を取り戻せ、それこそが2年前の総選挙、私たちに与えられた使命であり国民の声である。そう信じ、政策を前へ前へと進めてまいりました。岩盤規制にも挑戦してまいりました。
 あれから2年、雇用は改善し賃金は上がり始めています。ようやく動き始めた経済の好循環、この流れを止めてはなりません。15年間苦しんできたデフレから脱却する、そのチャンスを皆さんようやくつかんだのです。このチャンスを手放すわけにはいかない。あの暗い混迷した時代に再び戻るわけにいきません。
 デフレから脱却し、経済を成長させ、国民生活を豊かにするためには、たとえ困難な道であろうとも、この道しかありません。景気回復、この道しかないのです。国民の皆様の御理解をいただき、私はしっかりとこの道を前に進んでいく決意であります。
 私から申し上げたいことは以上であります。


【質疑応答】

(内閣広報官)
 それでは、皆様から質問を頂戴します。
 最初は幹事社からいただきますので、所属とお名前を明らかにした上でお願いいたします。どうぞ。

(記者)
 幹事社のNHKの原と申します。
 今日まで行われました消費税の引き上げをめぐる点検会合でも、引き上げるべきだという意見が多く聞かれたわけですけれども、消費税の引き上げを先送りした場合、財政再建に対する日本の取り組みに疑問符が付けられ、マイホームローンなどにも影響が及んで国民生活に影響が及ぶことはないのでしょうか。そうした懸念がないのかまず伺います。
 それと、先ほど総理自身も厳しい戦いになるとおっしゃっていましたけれども、与党の現有議席を考えたときに、議席は減少するのではないかという声が与党内にもあります。勝敗ラインについてどのようにお考えでしょうか。

(安倍総理)
 財政再建の旗を降ろすことは決してありません。そして、平成29年4月に確実に消費税を10%へと引き上げてまいります。そして、2020年度の財政健全化目標も堅持してまいります。そのことによって、国際的な信認の問題は発生しないと確信しています。
 経済の再生なくして財政健全化はできません。デフレ脱却なくして財政健全化は夢に終わってしまいます。だからこそ、断固としてデフレ脱却に向けて進んでいくべきなのです。私は、十分に国際的な理解を得られると考えています。
 前回の総選挙において、自公合わせてたくさんの議席をいただいたこと、本当に感謝いたしております。しかし、税制こそ議会制民主主義といってもいいと思います。その税制において大きな変更を行う以上、国民に信を問うべきであると考えました。
 そして、その上で自民党、公明党連立与党によって過半数を維持できなければ、私たちの三本の矢の経済政策、アベノミクスを進めていくことはできません。過半数を得られなければアベノミクスが否定されたということになるわけでありますから、私は退陣いたします。

(内閣広報官)
 それでは、幹事社のほうから、もう一問いただきます。
 どうぞ。

(記者)
 西日本新聞の宮崎です。
 今回の解散については、野党のみならず、与党や、それから国民からも大義がないという批判があります。今、総理は税制という重大な決断をした以上、国民に信を問うとおっしゃいましたが、7-9のGDPの速報値が市場予想を大きく下回るマイナス1.6ということもあり、法律どおり、景気条項にのっとって増税を先送りして、それを国会で諮れば、野党の方もほとんど先送りには賛成しているわけですから、その方が選挙で政治空白をつくるよりもいいのではないかと、経済対策に選挙で空白をつくるよりも、今は経済対策に専念すべきではないかという声があります。こうした手段をとらずに、あえてこの時期に解散で民意を問う理由を御説明ください。

(安倍総理)
 まず、申し上げておきたいことは、ではなぜ2年前民主党が大敗したのか。それは、マニフェストに書いていない消費税引き上げを国民の信を問うことなく行ったからであります。
 平成24年1月、我が党の総裁であった谷垣総裁の代表質問を覚えておられるでしょうか。税こそ民主主義である。まさに議会制民主主義は、税とともに歩んできたのです。その税において、公約に書いていないことを行うべきではない。我々は解散総選挙を要求しました。私たちは、先の総選挙において、3党合意に従って3%、そして2%、5%から10%へ引き上げるということをお約束してまいりました。18カ月間の延期、さらには29年4月には景気条項を外して確実に上げる、これは重大な変更です。そうした変更については、国民の信を問う、当然のことであり、民主主義の私は王道と言ってもいいと思います。
 そして、まさに3年後消費税を2%引き上げていくというお約束を新たにいたしました。その状況をつくっていくためには、三本の矢を、成長戦略をしっかりと推し進めて、景気をしっかりと回復させ、賃金を上昇させていかなければいけません。
 こうした政策を進めていくためにも、国民の皆様の理解が必要です。国民の皆様の御協力なくしてこうした成長戦略のような困難な政策は前に進みません。だからこそ、私は税制において、そして、この成長戦略を進めていく上において解散総選挙をする必要がある。国民の皆様の声を聞き、国民の皆様とともに進んでいきたい。そのことによって確実に3年後に私たちは、消費税引き上げの状況をつくり出すことができると考えたわけであります。

(内閣広報官)
 それでは、ここから幹事社以外の皆様から質問を頂戴しますので、私が指名をした方、所属とお名前を明らかにした上で質問をお願いいたします。
 それでは、芳村さん。

(記者)
 読売新聞の芳村と申します。
 消費増税に伴う低所得者対策についてお聞きします。公明党は、軽減税率を10%引き上げ時に導入するよう主張しています。それに対して、これまで自民党では、時間的な制約から慎重な声がありました。今回、1年半先送りすることで、2017年4月から軽減税率を導入するお考えはありますでしょうか。その際、対象品目については、どのようにお考えになりますか。

(安倍総理)
 軽減税率導入に向けて、自民党、公明党、両党間でしっかりと検討していきたいと思います。両党には税の専門家がおります。この間において、両党間でしっかりと検討していくことになります。

(内閣広報官)
 それでは、次の質問をいただきますので、挙手をお願いしたいと思います。
 西垣さん。

(記者)
 フジテレビの西垣です。お疲れさまです。
 今、総理が会見の中で18カ月先送りすることにした消費税について、必ず上げるということをおっしゃいましたが、個人消費などについても現状、苦しいという指標もある中、この約束をどのように選挙で問う場合に、国民としては信頼する、政権としては経済政策も含めてこれを信じるに足るということは、政権として何が今後掲げられるのでしょうか。

(安倍総理)
 一昨年の12月に安倍政権が発足をいたしました。発足後、直ちにマイナス成長からプラス成長に転じました。これはまさに私たちが進めている経済政策の成果であると思います。
 そして、今年消費税率を引き上げました。しかし、先ほど申し上げましたように、残念ながら消費税率の引き上げが個人消費を押し下げていくことになってしまった。ですから、私たちはしっかりと三本の矢の政策を進め、来年、再来年、そしてそのまた翌年、賃金が確実に上がっていく。名目所得が上がり、そして実質賃金も上がっていく状況をつくっていくことによって、そういう経済をつくっていきたい、また、経済をつくっていくことができると思っています。
 有効求人倍率は22年ぶりの高水準ですし、そして、本年4月には15年で最高の賃上げ率になっています。また、例えば倒産件数においても24年ぶりの低水準になっています。また、高卒、大卒内定率も上がっています。特に高卒の皆さんにおいては顕著に上がっているのです。間違いなく私たちが進めている政策は成功しています。
 ただ、消費税率引き上げによって押し下げられた個人消費、そこにおいてまだ2年連続で上げていくにはデフレ脱却が危うくなると判断したところでありますが、3年間あれば、そしてこの選挙においてしっかりと信任を得て三本の矢の政策をちゃんと前に進めていけば、必ず約束を果たすことができると確信しています。

(内閣広報官)
 もう一問程度できると思います。では、関口さん。

(記者)
 ウォールストリートジャーナルの関口と申します。
 今回の選挙は、消費税先送りやアベノミクスの道筋の是非を有権者に問う選挙とされておりますが、安倍政権は経済成長以外にもエネルギーや安全保障など重要施策を抱えています。総理は今回の選挙の結果を成長戦略だけでなく、原発再稼働や憲法解釈によって行われる集団的自衛権の関連法案への信任と捉えられるのでしょうか。

(安倍総理)
 自民党は消費税もそうでありますが、常に選挙において逃げることなくしっかりと国民の皆様にお示しをしています。ですから当然、エネルギー政策、原発政策あるいは安全保障政策等についても党の公約にきっちりと書き込んで、この選挙戦堂々と闘っていきたい。有意義な論戦を行っていきたいと考えております。

(内閣広報官)
 予定をしておりました時間を経過いたしましたので、以上をもちまして記者会見を終了させていただきます。皆様どうも御協力ありがとうございました。

(安倍総理)
 ありがとうございました。

[全文引用おわり] 


民主党マニフェスト2014の論点 [私見]

2014年11月17日 07時03分24秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

[私見]

●特別会計はいっさい認められないのか? 農業者戸別所得補償は特別会計化が必要だ。

 民主党は2008年ガソリン値下げ隊のターゲットになった社会資本整備特別会計など特別会計の原則廃止を法制化しました。ただ、農業者戸別所得補償をいずれ復活させたとして、一般会計では毎年度の歳出額のブレが大きくなります。農林水産省も財務省も望むところではないでしょう。自民党と公明党は2017年度に「収入保険」を創設することを、先の通常国会で法律附則に盛り込みました。しかし、そのような農業者に新たな負担を求めるのではなく、コメは生産数量目標に参加した場合、販売価格と生産価格の差額分は全額国費で補てんすべし。このため、いっさいの特別会計新設を認めないのではなく「農業者戸別所得補償特別会計」が必要です。特別会計法の改正で、毎年、一般会計から特別会計に1兆円を繰り入れ、足りなくなったら増額補正。仮に余ったら、翌年度に繰り越せるようにすべきです。

●租税特別措置はいっさい認められないのか? 研究開発、雇用促進は減税の方が補助金よりもお金の流れが良い。

 租特透明化法は、民主党政権の最初の通常国会で、野党・自民党の賛成も得て、成立・施行しました。総務省行政評価局が詳細な租税特別措置の適用状況の報告書をまとめています。ただ、いっさいの租税特別措置すなわち政策減税が認められないのでしょうか。法人税を納める企業では、例えば製薬会社が新しい特許を取ったら、社長が中期的な事業計画をぶち上げ、研究開発減税を枠組みにして、株の増資と銀行の融資を巻き込めば、補助金以上のマネーを回せます。人も集まります。増収増益基調のときに、雇用促進税制を活用すれば、将来不安をはねのけ新規採用につながります。

●労働者保護の最大の政策は、「労働法制の再整備、シンプル化」だ。

 民主党は製造業への日雇いスポット派遣の禁止や、最低賃金の引き上げを実現しました。そもそも、労働法制とは、4月1日に採用されたのに初任給が4月25日であることに代表されるように、労働者と使用者は対等な立場ではありません。労働法制は本来、労働者を守るためにあらねばなりません。 しかし、例えば、試用期間の定めは法律にないのに、管理職も新規採用社員も法律だと勘違いしています。解雇権の乱用禁止も120年前から改正されたことがない民法1条3項が根拠です。「労働法制の再整備」が必要です。マニフェストのみならず、弁護士、労働組合幹部出身者がいながら、労働法制に詳しい弁護士の国会議員は一人もいないので、人材の発掘、育成も必要になります。


◎第47回衆院選2014年12月14日投票 岡田克也代表代行が候補者調整、民主党・みんなの党合併せず

2014年11月16日 19時38分35秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

 東京新聞はきのうの夕刊で、安倍晋三首相(自民党総裁)が、19日にも衆議院を解散し、

第47回衆議院議員総選挙が、12月2日(火)に公示され、平成26年2014年12月14日(日)に投票される、

 との見通しを報じました。他の新聞も同様に伝えています。

 全国295選挙区の野党候補の候補者調整を担当する、岡田克也・民主党代表代行は2014年11月16日(日)放送のNHKニュース7で、

 「一強多弱を許さず、安倍政権の暴走を止めるために、最低限すべきは候補者の調整です。同じ選挙区で、野党から2党、3党出れば票が割れます。こういうことはなるべく無いようにしたい」


[画像]2014年11月16日放送のNHKニュース7

 と語り、候補者調整に意欲を示しました。

 民主党の福山哲郎政調会長とみんなの党の中西健治政調会長(ともに参院議員)は都内で会談し、

 両党が共通政策をつくって選挙にのぞむことで合意しました。一部で、両党が合併するという報道がありましたが、それはありませんでした。

 
[画像]2014年11月16日放送のNHKニュース7

 みんなの党の中西健治政調会長との会談を終えて語る、福山政調会長。

 ◇

 元厚労相の細川律夫さんはウェブサイトで 埼玉3区(越谷市、草加市)で、第47回衆院選立候補を表明しました。国政復帰すれば労働法制再整備の即戦力として期待できます。細川さんは惜敗率(1位当選者の得票数との割合)66・8%、得票率23%、絶対得票率(全有権者のおける得票率、投票率かける得票率)が13%となっています。



 [細川律夫さんのウェブサイトから引用はじめ]

2014/11/14


再度、国政復帰を決意
皆様には大変ご無沙汰いたしました。私も一時は政界からの引退も考慮いたしましたが、この度の解散・総選挙を前に、岡田克也代表代行ほか、党執行部からの強い要請もあり、もう一度、国家・国民のために働く機会を与えていただきたいと、国政復帰を決意いたしました。安倍政権となって、私は大きな危惧を感じ続けてまいりました。一つは、秘密保護法や集団的自衛権の閣議決定などにみられる、憲法の理念を大きく変更する施策であり、もう一つは、先行きの生活・経済に関する不安の拡大です。私はかつて大臣在任中、格差の是正と社会保障制度に充実に努めてまいりました。民主党政権はご批判もいただきましたが、無駄な公共事業の縮減や子ども子育て施策の充実に真面目に取り組んでまいりました。現在の安倍政権はこれらに逆行した政策を進めています。このままでは日本が間違った方向にいってしまう、そうした危機感を持ち、これからの政治活動を行ってまいります。


[おわり]


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民主党ニュース


自民党総裁・安倍晋三首相は「うそつきそのもの」と民主党幹事長 「近いうち解散」の党首討論から2年

2014年11月14日 00時00分00秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

[写真]近いうち解散を発表した野田佳彦首相・民主党代表(ともに当時)、2012年11月14日放送のNHKニュース7から筆者撮影。

 近いうち解散を発表した2012年11月14日の党首討論から2年。

(関連エントリー◎消費税増税で近いうちに国民の信を問うため野田佳彦首相、あさって衆議院解散へ

 相撲に勝って勝負に負けた民主党は衆議院55議席となってしまいました。

 野田民主党と安倍自民党の約束は、

(1)社会保障と税の一体改革のための税制抜本改革のための改正消費税法の順守、
(2)平成24年特例公債法の成立、
(3)定数是正
(4)定数削減の2013年通常国会での法制化

 を、民主党、自民党、公明党が国会でも内閣でも守り実行すると約束するならば、2日後に「近いうち解散」するーーというものでした。

 2年経ちました。(2)の特例公債発行の中期的な法制化(3)の0増5減緊急定数是正の法制化と区割り反映は実現しました。

 が、(1)消費税増税分の多くが公共事業に流用され、(4)定数削減は法律案自体提出されていません。それでいながら、来週水曜日に安倍首相は解散しようとしています。

 これについて、2014年11月13日(木)の枝野幸男・民主党幹事長の定例記者会見で、筆者(宮崎信行)が質問しました。これに対する枝野さんの答えは、

 「解散という総理大臣が持っているもっとも大きな権限行使を、国民注視の党首討論で、あれだけ大みえをきった安倍さんが、この2年間、まったくといっていいくらい、このことについて努力している姿が見えてこない。その中で、解散してリセットするのは、これは私たちも散々浴びせられましたが、
うそつきそのものだ、と思っています


  同日のNHKニュース7でも報じられました。 


[画像]枝野幸男・民主党幹事長、2014年11月13日放送のNHKニュース7から筆者撮影。 


◎消費税増税で近いうちに国民の信を問うため野田佳彦首相、あさって衆議院解散へ
[写真]NHKニュース7から。 野田佳彦民主党代表(首相)は(1)特例公債法案が成立し(2)自民党が来年の通常国会で定数削減に協力することを確約することを条件に、2012年11月1...
 

 

 あとは、議事録全文を読んでみてください。

[国会会議録データベースから全文引用はじめ、ハイライトは筆者]

第181回国会 国家基本政策委員会合同審査会 第1号

平成二十四年十一月十四日(水曜日)
    午後三時開議
    ―――――――――――――
委員氏名
  衆議院
   委員長 古賀 一成君
   理事 奥村 展三君 理事 津島 恭一君
   理事 馬淵 澄夫君 理事 山井 和則君
   理事 逢沢 一郎君 理事 茂木 敏充君
   理事 鈴木 克昌君 理事 井上 義久君
      安住  淳君    大串 博志君
      北神 圭朗君    手塚 仁雄君
      寺田  学君    鉢呂 吉雄君
      細川 律夫君    細野 豪志君
      三谷 光男君    安倍 晋三君
      甘利  明君    石破  茂君
      高村 正彦君    細田 博之君
      内山  晃君    小沢 一郎君
      川島智太郎君    志位 和夫君
      谷畑  孝君    与謝野 馨君
  参議院
   委員長 鈴木 政二君
   理事 藤田 幸久君 理事 関口 昌一君
   理事 佐藤 公治君 理事 江口 克彦君
      池口 修次君    一川 保夫君
      大島九州男君    輿石  東君
      福山 哲郎君    藤原 正司君
      森田  高君    磯崎 仁彦君
      谷川 秀善君    中村 博彦君
      林  芳正君    吉田 博美君
      木庭健太郎君    山口那津男君
      広野ただし君
    ―――――――――――――
 出席委員
  衆議院
   委員長 古賀 一成君
   理事 奥村 展三君 理事 津島 恭一君
   理事 馬淵 澄夫君 理事 山井 和則君
   理事 逢沢 一郎君 理事 茂木 敏充君
   理事 鈴木 克昌君 理事 井上 義久君
      安住  淳君    大串 博志君
      北神 圭朗君    手塚 仁雄君
      寺田  学君    鉢呂 吉雄君
      細川 律夫君    細野 豪志君
      三谷 光男君    安倍 晋三君
      甘利  明君    石破  茂君
      高村 正彦君    細田 博之君
      内山  晃君    小沢 一郎君
      川島智太郎君    志位 和夫君
      谷畑  孝君
  参議院
   委員長 鈴木 政二君
   理事 藤田 幸久君 理事 関口 昌一君
   理事 佐藤 公治君 理事 江口 克彦君
      池口 修次君    一川 保夫君
      大島九州男君    輿石  東君
      福山 哲郎君    藤原 正司君
      森田  高君    磯崎 仁彦君
      谷川 秀善君    中村 博彦君
      林  芳正君    吉田 博美君
      木庭健太郎君    山口那津男君
      広野ただし君
    …………………………………
   内閣総理大臣       野田 佳彦君
   国務大臣
   (行政刷新担当)     岡田 克也君
   総務大臣
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当)
   (地域主権推進担当)   樽床 伸二君
   法務大臣         滝   実君
   外務大臣         玄葉光一郎君
   財務大臣         城島 光力君
   文部科学大臣       田中眞紀子君
   厚生労働大臣       三井 辨雄君
   農林水産大臣       郡司  彰君
   経済産業大臣
   国務大臣
   (原子力損害賠償支援機構担当)          枝野 幸男君
   国土交通大臣       羽田雄一郎君
   環境大臣
   国務大臣
   (原子力防災担当)    長浜 博行君
   防衛大臣         森本  敏君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     藤村  修君
   国務大臣
   (復興大臣)       平野 達男君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (消費者及び食品安全担当)            小平 忠正君
   国務大臣
   (金融担当)
   (「新しい公共」担当)
   (少子化対策担当)
   (男女共同参画担当)   中塚 一宏君
   国務大臣
   (経済財政政策担当)
   (科学技術政策担当)
   (原子力行政担当)
   (宇宙政策担当)     前原 誠司君
   国務大臣
   (防災担当)       下地 幹郎君
   内閣官房副長官      齋藤  勁君
   内閣官房副長官      芝  博一君
   衆議院国家基本政策委員会専門員          齋藤久爾之君
   参議院常任委員会専門員  諸星 輝道君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国家の基本政策に関する件
     ――――◇―――――
    〔古賀一成君会長席に着く〕
○会長(古賀一成君) これより国家基本政策委員会合同審査会を開会いたします。
 本日は、私が会長を務めさせていただきます。
 この際、一言御挨拶を申し上げます。
 衆議院国家基本政策委員長の古賀一成でございます。
 参議院の鈴木政二委員長を初め、衆参両院の委員の皆様方の御指導、御協力を賜りまして、その職責を全うしてまいりたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
 国家の基本政策に関する件について調査を進めます。
 これより討議を行います。
 討議に当たりましては、申合せに従い、野党党首及び内閣総理大臣は、決められた時間を厳守し、簡潔に発言を行うようお願い申し上げます。
 また、委員及び傍聴議員各位におかれましても、不規則発言等、議事の妨げとなるような言動は厳に慎まれますよう、御協力をお願いいたします。
 発言の申し出がありますので、順次これを許します。自由民主党総裁安倍晋三君。(拍手)

○安倍晋三君 野田総理、お疲れさまでございます。
 ASEMへの出張、そしてそれに続く本会議、予算委員会、きょうの党首討論、また週末には東アジア・サミットへの出張が予定されているというふうに伺っております。
 総理の職はまさに激務であります。国益をかけた外交交渉、そして国民に対しての説明責任を果たすために国会での質疑応答、本当に過酷な仕事であります。私も経験をいたしましたから、できれば、総理にねぎらいの言葉をかけたいと思います。たまには総理のチャーミングな笑顔を見たいというふうに思います。
 しかし、私が総裁に就任してこの一カ月半、総理に厳しい言葉を投げかけてきました、約束を果たすべきだと。なぜ私たちがそう言い続けてきたか。それは、政治の本質、国民の政治への信頼にかかわるからであります。
 さきの国会において、当時の谷垣総裁と私たち自由民主党は、国民の信を問うべきだ、そう要請しました。なぜかといえば、さきの総選挙において、野田総理そして民主党の皆さんは、マニフェストに書いてあることを実行するために消費税を上げる必要はない、そう約束をされた。そして、政権をとったんです。その約束をたがえて、主要な政策を百八十度変えるんですから、国民に対して改めて信を問うのは当然のことであります。
 私たち自由民主党は、三年前の総選挙において、将来伸びていく社会保障費に対応するためには消費税を上げていかざるを得ない、正直にそう説明をしてまいりました。その私たちが、約束をたがえた民主党と三党合意を成立させ、法律を成立させる以上、改めて国民の信を問わなければならない、そしてそれが国民の信頼をつなぎとめる唯一の道である、そう考えたんです。党利党略ではないんです。だからこそ、野田総理に、国民に信を問うてください、そうお願いをした。
 そして、野田総理は確かに約束をされました。法律が成立をした暁には、近いうちに国民に信を問うと。
 私たちは約束を果たし、法律は成立をいたしました。
 あの約束の日は八月八日、夏の暑い日でした。夏は去り、そして秋が来て、秋も去りました。もういよいよクリスマスセールが始まろうとしています。いわば約束の期限は大幅に過ぎている。しかし、一度解散を口にした総理大臣は、内閣は、力を失います。経済を再建させていく力も、外交政策を進めていく力も失います。なぜかといえば、相手国から交渉相手としては認められないんです。
 野田さん、もうこの混乱状態に終止符を打つべきです。一日も早く国民に信を問うて、国民の信を得た強力な新しい政権が、経済を立て直し、そして外交を立て直していくべきであります。
 勇気を持って決断をしていただきたい。改めて、そのことについて総理の決意をお伺いしたいと思います。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) ただいま安倍総裁から私の見解を求められました。
 昨年の秋に、内閣総理大臣に就任をしました。そのときに私が思ったことは、任期満了まで徹底して仕事をしなければいけないと思ったんです。なぜならば、皆さんのつくってきた負の遺産が余り大き過ぎて、三年間では解消し切れないと思っておりました。(発言する者あり)

○会長(古賀一成君) 御静粛に。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) デフレはずっと皆さんの政権の時代から続いています。私どもの政権になってからGDPのギャップも縮んできている、これもやり遂げていきたい。借金の山という負の遺産もいっぱいありました。財政規律を守る国としての立て直しをしなければいけない。原子力の推進をしてきた長い間の政権がありました。でも、大きくエネルギー政策を変えなければいけない。そういうことを最後までやり遂げるためには、一定の時間が必要だと思っておりました。
 しかし、今、安倍総裁からも御指摘があったとおり、八月の八日、当時の谷垣総裁と党首会談を行いました。その党首会談は、私が政治生命をかけると言った社会保障と税の一体改革がデッドロックに陥ったからであります
 政治生命をかけるという意味は、先般の予算委員会で石破幹事長の御質問にお答えさせていただきましたが、もし果たせなかったならば、解散をするのでもない、総辞職をするのでもない、私は、議員バッジを外すという覚悟で、党首会談で谷垣総裁とお会いをさせていただきました。
 したがって、そうした政治生命をかけた会談で……(発言する者あり)

○会長(古賀一成君) 静粛にお願いします。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 谷垣総裁をだまそうなどという気持ちは全くありません。近いうちに国民の皆様の信を問うと言ったことにはうそはありませんでした
 先輩方から、内閣総理大臣は公定歩合と解散はうそをついてもいいということを自民党政権時代には言っていた人もいるというお話もありましたがうそをつくつもりは私はありませんでした
 私は、小学校のときに、家に通知表を持って帰ったときに、とても成績が下がっていたので、おやじに怒られると思いました。でも、おやじは、なぜか頭をなでてくれたんです。五や四や三、そんなの気にしなくて、生活態度と書いた講評のところに、野田君は正直の上にばかがつくと書いてありました。それを見て、おやじは喜んでくれました。
 安倍総裁の教育論は傾聴に値するものがたくさんあります、歴史観、国家観から。私の教育論は、そこから始まるんです。偏差値や百点や五段階じゃなくて、数字にあらわせない大切なものがあるんだということをおやじは教えてくれました。だから、もともとうそをつくつもりはありません。
 近いうちに解散をするということに、先般の十月十九日、党首会談をやったときにもお話をしました、ぜひ信じてくださいと。残念ながら、トラスト・ミーという言葉が軽くなってしまったのか、信じていただいておりません。
 定性的にぎりぎりの表現をいたしました。でも、この近いうちにという言葉の解釈をめぐって、太陽作戦やら、北風作戦やら、今のこの党首討論の冒頭もここからのお尋ねです。この問題を解決しないと、私は、政治は前進しないと思っております。近いうちに、この討論の中で明らかにしたいと思います。
 そのためには、どうしても、とりわけ越えなければいけない環境整備として申し上げた特例公債法案、そして一票の格差と定数是正、このことについて早期に成立をさせる安倍総裁の確約をいただきたいんです。
 特例公債については三党合意ができました。党首会談で私が御提案申し上げたことを踏まえて、三党の御協力をいただいて、特例公債は予算とセットで対応できるようになりました。これは前進だと思います。
 ぜひ、これは、きょうこの後も衆議院の御審議ございますけれども、参議院においても責任を持って、早期に、今週中に成立できるように御尽力をいただければと思います。
 もう一つは、一票の格差と定数是正の問題です。
 一票の格差の問題は、これは違憲状態です。最優先で解決しなければなりません。一方で、定数削減は、二〇一四年に消費税を引き上げる前に、まず、我々が身を切る覚悟で、具体的に定数削減を実現しなければいけないと思っております。
 我々は、四十五削減をする、〇増五減を含めて四十五減の法案をきょう提出いたしました。
 ぜひ、御党におかれても、もともとマニフェストで国会議員の一割削減と訴えていたはずじゃありませんか。衆議院議員は四百八十です。一割削減だったら四十八。細田私案だって三十削減を言ってきた。
 何としても、一票の格差と定数削減、これも今国会中に実現をする、それをぜひお約束していただければ、きょう、近い将来を具体的に提示させていただきたいと思います。
○安倍晋三君 今、総理は随分長々とお答えになりましたが、私の質問には全く答えていません。大変残念ですね。
 私の聞いていないことについて言及されましたから、一言申し上げます。
 自民党政権時代の負の遺産、そうおっしゃった。しかし、例えば、鳩山政権のときの予算規模は九十五兆円でした。自民党政権時代は八十兆円台ですよ。私のときには八十一兆円です。リーマン・ショックの後の特別な対応、いわばそういう状況の予算と比べているのではありません。東日本大震災の後の特別な予算と比べたのではない。いわば平時の予算。
 例えば、私のときと鳩山さんのときを比べましょう。私のときは八十一兆円でした。そして、名目GDPは幾らだったか。五百十三兆円ですよ。そして鳩山政権は、四十兆円しか税収がないのに九十五兆円組んで、名目GDPは四百八十兆円じゃありませんか。三十兆円も圧縮をしているんですよ。
 私が聞いていないことに野田さんがそう答えたから、私がさらに答えているわけであります。
 そして、今、トラスト・ミーという言葉が軽くなったとおっしゃった。確かにそうですね。トラスト・ミー、軽くなったのはトラスト・ミーだけではありません。マニフェストという言葉も軽くなった。近いうちにという言葉も軽くなった。
 私たちは、特例公債について賛成をする、そういう決断をして、既に御党も承知のはずであります。審議を当然今進めております。
 私たちは、そもそも、予算委員会を開いていないのに本会議に応じたではありませんか。そうでしょう。そして、今、財金で審議を進めていきますよ。
 そして、国民会議については、そもそも私たちの提案でありますが、メンバーは直ちに決めても構いませんよ。
 そして、定数是正の問題。そもそもこの党首討論において、野田総理、総理は、憲法違反と言われている定数是正を先行させる、そう約束したじゃないですか。それをまたたがえるんですか。
 確かに、私たちも定数削減を必要としていますよ、必要だと思いますよ。定数の削減と選挙制度の改正というのは、民主主義の土俵ですよ。なるべく多くの政党の皆さんが議論に参加をして、賛成できる環境を例えば議長があっせんをしてつくってくる、ずっとこうやってきたではないですか。
 これが直ちに前に進まないから、まずは〇増五減、定数是正、そして憲法違反の状況を解消する。直ちに皆さんがこれに賛成すれば、もうあしたにもこれは成立をしますよ。決断してください。(発言する者あり)
○会長(古賀一成君) 静粛に。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私は、安倍総裁にお尋ねしたのは、特例公債、これは今週中に決着をつけましょうという話をしました。それが一つ。これは前向きにお答えをいただいたものと受けとめさせていただきます。
 それから、一票の格差と定数是正の問題は、もともと民主党は一票の格差先行で話をしていました。
 確認をしたいと思います。与野党協議を通じて定数削減や選挙制度とセットとしようとしたのは、御党を含めて、ほかの野党の皆さんです。事実関係から申し上げたいと思います。それを踏まえていて、二月の党首討論において谷垣総裁から一票の格差が最優先というお話がありましたので、それは憲法の問題にかかわりますから最優先という認識は一致をいたしました。これは順序を追っての御説明でございます。
 その上で、もう過去の話ではありません。定数削減はやらなければいけないんです。消費税を引き上げる前に、お互いに国民の皆様に約束したことを、この国会で結論を出そうじゃありませんか。ぜひ、これは法案を提出いたしましたから、御党におかれても御決断をいただきますように強く期待をいたします。
 その一方で、どうしても……(発言する者あり)聞いてください。どうしても定数削減で賛同していただけない、あってはならないことだと思いますが、そういうことがあった場合に、最悪のケースですよ、ここで国民の皆さんの前に約束をしてほしいんです。定数削減は来年の通常国会で必ずやり遂げる。それまでの間は議員歳費を削減する。
 国民の皆様に消費税を引き上げるという御負担をお願いしている以上、定数削減をする道筋をつくらなければなりません。我々は、自分たちが出している法案に御賛同をいただきたい。諦めずにそれは粘り強く主張してまいります。
 でも、ここで何も結果が出ないというわけにはいかないと思っているんです。そのためにも、ぜひ協議をしていただき、これについても、これはお尻を決めなかったら決まりません。この御決断をいただくならば、私は今週末の十六日に解散をしてもいいと思っております。ぜひ国民の前に約束してください

○安倍晋三君 民主党というのは、改めて、思いつきのポピュリスト政党だな、本当にそのように思いました。
 そもそも、定数の削減、選挙制度、そしてその前に、憲法違反の状況を変えるための定数の是正、これをしっかりと行っていくべきだ、この協議を進めていくべきだ、我が党の方からちゃんと話をしているんですよ。それなのに、それを全然進めてこなかったのは、解散をひたすら恐れ、それを行ってこなかったのは皆さんの方じゃありませんか。そのことはまずはっきりと申し上げておきたいと思いますよ。
 そして、いよいよ、民主党の党内が大混乱して、解散に追い詰められる中において、今そうおっしゃってきた。
 私たちは、まずは〇増五減、これは当然やるべきだと思いますよ。そして、来年の通常国会において、私たちは既に、私たちの選挙公約において、定数の削減と選挙制度の改正を行っていく、こう約束をしています。今この場で、そのことをしっかりとやっていく、約束しますよ。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 定数削減をするという約束、私はこの国会がベストだと思っています。だから、これからも主張をし、協議をさせていただきます。
 でも、最悪の場合のように今おっしゃったんですけれども、最悪の場合でも、必ず次の国会で定数削減をする。それは〇増五減のレベルじゃありませんよ。五減じゃありません。お互いに数十単位と言ってきているわけですから、そこで成案を得るということを必ずやる、うそはつかない、ともに責任を持つ。そして、それまでの間は、例えば議員歳費の二割削減等々、国民の皆様の前に身を切る覚悟をちゃんと示しながら御負担をお願いする、制度ができるまでそれを担保する、そこをぜひお約束してほしいと申し上げているんです。

○安倍晋三君 野田総理、年末に解散・総選挙を行って、そして国民の信を得た新しい政権がしっかりと予算を編成して、そして思い切った補正予算を組んで、経済を立て直していく必要があるんですよ。そして、その上に立って、総理がその前提条件をつくるべきだと言ったから、私たちは特例公債について賛成をするという大きな判断をしましたよ。最初から私たちは人質にはしていない。
 そして、国民会議についても、本来であれば、国民の信を得た新しい政権がつくっていくべきだと私は思います。ただ、野田総理からそういう提案があったから、それは行ってもいい、そうお約束をしました。(発言する者あり)

○会長(古賀一成君) 御静粛にお願いします。

○安倍晋三君 そして、定数の是正については、我々が〇増五減という案を出していた。野田総理、定数の削減あるいは選挙制度の改正、今、私と野田さんだけで決めていいんですか。そんなはずはないんですよ。
 私たちは自民党時代にも、たくさんの政党がいる、野田総理、たくさんの政党がいるんですよ。小選挙区だけであれば、今の状況でいけば、我が党の現職の議員は、多くが恐らく勝ち上がるんですよ。しかし、少数政党にとって……(発言する者あり)

○会長(古賀一成君) 御静粛に。

○安倍晋三君 少数政党にとっては極めて不利になる。比例区の議員、これを一方的に減らしていく、これは少数政党にとって問題であるから、もっとちゃんと議論しようと言っているんです。
 この議論をすりかえているのは、私は、残念ながら、まさに野田総理としか言えないと思いますよ。私はこんなことを言いたくありませんが、逃げてはいけない、あるいはうそをつくな、これは野田総理、今、野田総理はそんなことを言う資格は残念ながらないんですよ。
 今、野田総理がやるべきことは、もうこの混乱をやめ、終止符を打って、そして新しい政治を始めていきましょうよ。その決断を私は野田総理に求めているんです。(発言する者あり)

○会長(古賀一成君) 御静粛にお願いします。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 明快なお答えをいただいておりません。
 この政治改革の議論は、もう与野党協議では相当やってまいりました。あとは、我々与党と野党第一党が決断をして、特に、我々の提案は中小政党に配慮した比例の削減であります。民主党にとってプラスの提案ではありません。そのことを踏まえて、各党の御理解を得るべく努力をしながら、早く結論を出す、ぜひこれは協力してやりましょうよ。
 そして、そのことをもって、私は、いずれにしてもその結論を得るため、後ろにもう区切りをつけて結論を出そう。十六日に解散をします。やりましょう、だから


○安倍晋三君 今、総理、十六日に選挙をする、それは約束ですね。約束ですね。よろしいんですね。よろしいんですね
 そして、一言言わせていただければ、先ほど、皆さんが出されている選挙制度、連用制ですね。連用制というのは極めてわかりにくい制度なんですよ、皆さん。では、国民の多くの皆さんは、この場面を見ている多くの皆さんは、理解できますか。憲法との関係においても、実は疑義があるんですよ。それをここで言っている。
 もうまさに、私は、総理、あなたの今の答弁は不誠実だと思いますよ。今まで私たちが求めていた答弁には全く答えずに、そして、急に、まるで民主党と自民党がこの民主主義の土俵を全て決めていい、傲慢な態度ですよ。共産党だって社民党だってこの党首討論には出られない政党がたくさんいるじゃありませんか。

○会長(古賀一成君) 所定の時間が過ぎております。安倍総裁、よろしく。

○安倍晋三君 そのことを全く無視して総理は述べている。
 しかし、十六日に解散をしていただければ、そこで、皆さん、国民の皆さんに委ねようではありませんか。どちらが政権を担うにふさわしいか、どちらがデフレを脱却し、そして経済を力強く成長させていくにふさわしいか、そのことを判断してもらおうではありませんか。そして、この外交敗北に終止符を打って……

○会長(古賀一成君) 所定の時間が過ぎております。安倍総裁、よろしくお願いします。

○安倍晋三君 どちらの政党が、美しい海と日本の国土、領海、国民を守ることができるかどうか、それを決めていただこうではありませんか。
 選挙戦で相まみえることを楽しみにしております。どうもありがとうございました。(拍手)

○会長(古賀一成君) 野田総理、ごく短くお願いします。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 技術論ばかりで覚悟のない自民党に政権は戻さない。それを掲げて、我々も頑張ります。(拍手)

○会長(古賀一成君) これにて安倍君の発言は終了いたしました。
 次に、国民の生活が第一代表小沢一郎君。(拍手)

○小沢一郎君 国民の生活が第一の小沢でございます。
 与えられた時間は十分間でございますので、できるだけ簡潔に申し上げたいと思います。
 野田内閣になりましてから、大事な場面で三党合意というのが出てくるわけでありますが、今の議論を聞いていると、本当によく合意したなと思うくらいでありますけれども、私は、大きな与党と野党が意見交換してコンセンサスを得るということに反対なわけではありません。それは大いに結構なことだと思います。ただ、大きい政党が合意したからといって、この合意を、そのまま、ほかの政党もついてこいというようなやり方というのは、これは、国会運営あるいは法案審議についても、ちょっと、親切な、丁寧なやり方ではない、そう思います。
 そういうような手法は、もちろん全て正しくうまくいっているときはいいんですけれども、往々にして、その当事者政党のエゴや、あるいは目先の利害でもって結論が導き出される場合が多いわけであります。特に、これが終わってから委員会で議論ということでありますが、特例公債法案につきまして、これも三党合意ということでありますけれども、この内容を見ますと、大概、誰が見ても、やはりこの内容につきましては、憲法上あるいは財政法上の大きな問題点をはらんでいるんじゃないかというふうに思うと思います。
 ですから、このようなことを、仮に議会の大多数の大きな政党が合意したんだからと、その事実は事実として認めますけれども、やはり、こういう大事な問題を含んだことにつきましては、もっと丁寧な、全党的な、多少時間がかかっても議論をしていくべきではないだろうかというふうに思います。
 この点につきましては、特に最近の三党合意という言葉の中で、若干、当面の必要性のみで議論されて、基本のことについての問題意識がなおざりにされているんじゃないだろうかということを心配しておりますので、この点は、この機会に総理に申し上げておきたいと思います。
 そこで、総理への質問ですけれども、今もマニフェストの話が出ていましたが、政府・与党でも、次の総選挙へ向けてのマニフェストの作成といいますか、議論が進んでいるやに聞いております。その中で、三年前の政権交代のときのマニフェストについて、その関連でお伺いしたいんです。
 新しいマニフェストをつくるに当たって、謝罪か釈明か何かは知りませんけれども、前のマニフェストについての云々ということが報道されて、風の便りに聞いていますけれども、この二〇〇九年のマニフェストを国民に我々は提示して、その中身の内容についてはいろいろな議論はもちろんあるのかもしれませんけれども、少なくても、総選挙でそれを提示して、それを国民が受け入れて、そして政権を民主党に負託したわけであります。
 ですから、野田さんが今総理の座におられるのも、三年前の総選挙でありますし、ある意味で、そのマニフェストを国民が信頼し、期待を寄せた結果であろうと私は思っております。
 そういう中で、マニフェストの一番の前提として大事な要件は、私は、官僚主導の中央集権から政治主導の、そして地方分権といいますか地域主権という、国の行政、社会の仕組みを根本から変えるということが最大の前提になったのではないかというふうに思っております。
 そこで、野田総理に対しまして、その〇九年の政権交代のときのマニフェスト、内容がいけなかったということで議論されているのか、あるいは内容はよかったけれども実際上できなかったということなのか、あるいはその両方なのか。特に、今の、私が申し上げました、国の仕組みを、統治の機構、行政の機構を根本的に変える、官僚主導から政治主導によってそれを実現するということは、非常に大事な当時のマニフェストの前提、根幹をなすものだと思っておりますが、この点につきましては、野田総理はどのようにお考えですか、お聞かせください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) あの〇九年のマニフェストは、まさに当時の小沢幹事長主導のもとでつくられたマニフェストでございました。そこに書かれていることで、例えば、コンクリートから人へであるとか、今御指摘があった統治機構の抜本的な見直しであるとか、地域主権改革であるとか、考えてきた理念というものについては、私は正しい方向だったというふうに思っております。
 ただし、先般も検証会等をやりながら国民の皆様との意見交換をさせていただきましたけれども、財源確保、この財政の見通しについては甘いところがあったというところは率直に認めなければいけないということであります。
 その上で、財源を確保しながら、例えば、高校授業料の無償化であるとか、あるいは農家の戸別所得補償など、着実に実施をして成果を生んでいるものがありますが、それは、小沢幹事長時代に、二十二年度の予算編成のときに御決断いただいたように、暫定税率は廃止ということは、約束をしていたかったけれどもできなかった部分も出てまいりました。ということを、やはり事実として申し上げながら、今国民の皆様に御説明をさせていただいているところでございます。
 御指摘をいただいた統治機構にかかわる部分で、特に地域主権、地方を大事にしていくという考え方においては、政権交代以降、地方交付税は間違いなくふやし続けてまいりました、義務づけ、枠づけという制度の見直しもやってまいりました、一括交付金も進めてまいりました等々、こつこつ着々でありますけれども、地域主権改革というのは、これは私は、いい方向に向かってきているし、政権交代があったればこそ実現しつつある、そういう課題だと思います。
 国の統治機構の中には、まさに官主導ではなく政治主導という部分があるかと思います。この政治主導の解釈はいろいろあるかもしれませんが、例えば、政治主導を推進するための、もっと政府の中に政治家が入るための法律等々、この辺がまだ未整備の課題等々があることは事実でありますけれども、今の地域主権改革を含めて、着実に一定の前進はしていると思っております。
○小沢一郎君 今、基本的な考え方については総理も賛成だというお話でした。具体的に、では、これを実行するにはどうしたらいいかということなんですね。
 その中で、もう時間がありませんからはしょって言いますけれども、一括交付金の話が総理の口から出ました。
 一括交付金というのはあのときのマニフェストにも出ていた考え方ですが、現実に一括交付金というのは、総理ももう一度調べてもらいたいと思うんですけれども、実際上はいわゆる地方が自由に使えるお金じゃないんですね。一括交付金という名前だけは当用しておりますけれども、実際は、今までと同様、それ以上に非常に面倒くさい、二重のチェックがあったり、あるいは書類の量も非常に多くなっています。ですから、そこは自治体の長に聞けばわかることでありまして、これでは何ら補助金と変わらないし、前の補助金以上に非常に煩雑になって面倒くさくなっているというのが実際の姿です。
 どうか、そういう意味において、形式、名前ばかりではなくして、本当に地域主権に向けた国の統治機構、行政機構を変えるというのが、総理も賛成だということであれば、もし来年度予算を編成する機会が総理にありましたらば、もう一歩前進して、本当の我々の理想に向かって頑張っていただきたいと思います。
 時間ですので、終わります。ありがとうございました。(拍手)
○会長(古賀一成君) これにて小沢君の発言は終了いたしました。
 次に、公明党代表山口那津男君。(拍手)
○山口那津男君 公明党代表の山口那津男でございます。
 総理と党首討論をやるのは、これで四回目であります。総理から初めて申し込みのあった党首討論となりました。ことしはこの党首討論が最後になろうかと思いますので、十分間、ぜひ明快な御答弁をお願いしたいと思います。
 さて、八月八日の党首会談、この当事者で今この場にいるのは、総理と私しかおりません。
 そのときに、二点確認したことがございました。一つは、社会保障と税の一体改革、これを、関連法案を早期に成立させましょう。そしてもう一つは、近いうちに国民に信を問う。この二点でありましたけれども、先ほど総理もみずからお述べになったように、政治生命をかけた一体改革であった。その心は、もし成立しなければ、みずから議員バッジを外す、議員辞職をする、そういう強い思い入れがあった、そしてそれを我々も協力をして成立をしたということでありますから、それに匹敵する重みのある、近いうちに国民に信を問うという約束であったと思います。
 だとすれば、先ほど総理は、この十六日にも解散をしてもいい、そういう決意をあらわされましたけれども、この国民との約束は、総理がみずからの手で解散を実行する。いろいろな声に押されて総理がやめてしまえば、この一体改革の進行も、また総理の政治生命も終わってしまいかねないという重要な場面であります。
 ですから、ひるむことなく、みずからの手で信を問う、解散を実行する、これを、改めて決意をお述べいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ありがとうございます。
 先ほど自民党安倍総裁とお話をしたことはそのとおりでありますし、これは当然、党首会談で一緒に議論させていただいた山口代表にもしっかりとお伝えをしなければなりません。十六日解散、これはぜひやり遂げたいと思いますが、その上で、ただし、先ほども安倍総裁とのやりとりでも申し上げましたけれども、特例公債、これについては、御党も三党協議を通じて御賛同いただいているから安心をさせていただきます。
 問題は、一票の格差と定数削減でございます。これは何としてもやり遂げたいんです。特に定数削減の比例削減の部分は、私どもは修正連用制という考え方をとりながらの削減案を出しております。私は、これは御党にも御理解をいただける、そういう考え方ではないかと思いますので、きょう、法案を提出させていただきましたので、ぜひ御理解をいただいて、御協力をいただきますようにお願いを申し上げますが、いかがでしょうか。
○山口那津男君 選挙制度に絡む議論は、我々は一貫して訴えてまいりました。
 一つは、最高裁の要請である一票の格差を是正すること、そして定数削減も大事な課題。しかし、これは国民の代表をどう選ぶかという選挙制度をどう設計するかと深いかかわりのある問題ですから、これは、より民意の反映できる選挙制度をつくり上げる中で定数削減を実現すべきである、このことをお訴えしてまいりました。
 そして、御党から一部連用制を含む提案がなされたわけでありますが、傾聴すべき点もありますけれども、しかし、幅広い合意ができるに至っておりません。その議論は繰り返されて繰り返されて、合意ができず、ここまで来たわけであります。
 総理が十六日に解散をする、こういう決断であれば、この短い時間の中で、その今までできなかった合意を、自民党もその他の政党も含めて合意をつくり上げるということは簡単なことではないと思います。我々は、〇増五減、この部分については共通の理解があると思いますから、与野党の合意ができるのであれば、こういう選択も選択肢の一つ、ここまで共有をしております。
 しかし、もう一度申し上げたい。
 参議院の選挙制度も、一票の格差、これを最高裁から弾呵されております。参議院では、四増四減、そして抜本的な選挙制度は後日行う、こういう法律を既に可決して衆議院に送っているんです。ですから、参議院と衆議院の選挙制度は、憲法の要請から見て、比べ合わせながら全体としてどう民意を反映していくのか、こういう大きな議論をすることも大事だと思います。
 そして、総理は、予算委員会で、定数削減を選挙を先送りする道具に使うことは考えていない、こういうこともおっしゃいました。だとすれば、参議院の選挙制度を速やかに衆議院で可決して、〇増五減で合意をつくり出して、抜本改革も、総理が先ほど触れられたように、選挙、解散の後に定数削減もやる、そして選挙制度の改革もやる、これをともにやろうじゃありませんか。そういう道をつくる、そして解散を決断する、それこそが総理のとるべき道だと私は考えますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私どもが提案をしている内容は、〇増五減は、これは私どもも受けとめております。賛成をしています。その上で、比例の削減部分については一部連用制を取り入れたという形、御指摘のとおりであって、傾聴に値するというところまで来ているわけでございますので、最後の御判断、御決断を引き続き私はお願いしたいと思います。これはしっかりと協議をして、十六日までに決断ができるように、ぜひ再考していただきたいと思います。
 その上で、どうしても合意ができなかったときにも定数削減は必ずやらなければいけないんです、道筋をつけなければいけない。それは、先ほどの安倍総裁にもお願いをしましたけれども、ぜひ、山口代表、これは定数削減に前向きでいらっしゃると受けとめます。だとすると、かつて山口代表は議員歳費の二割削減も主張されたことがあったと思います。削減できるまではせめてそういう身を切る努力をお互いにするということを、代表、お約束いただけませんでしょうか。
○山口那津男君 私は、みずから、議員の歳費の恒久的な削減ということも検討すべしと提案をしてまいりました。おお、いいでしょう、これは大いに進めて議論をやろうじゃありませんか。そして、定数削減、これも選挙制度の内容とともに議論を進めようじゃありませんか。
 そして、もっと重要なことは、この定数削減を通じて歳出の削減を図っていくこと、あるいは議員の歳費の削減を図っていくこと、また、大きく歳出の削減を求めていくこと、こういう努力も重要でしょう。そして、国全体の予算、これが我々の政権のかつてのときよりも、民主党政権で八兆円ほど水準が膨れてしまいました、増額されてしまいました。この点も含めて、もっと大きな歳出削減の議論もこれからやろうじゃありませんか。
 そして、十六日、解散をするならば、民主党の参議院の皆さんにも、そういう手続を進めることを総理のリーダーシップでぜひ促していただきたいと思います。その上で、総理と自民党と我々とで約束をした三党合意に基づいて、これからの消費税の制度設計、例えば軽減税率を導入すること、あるいは、この現下の景気の情勢に鑑みて、昨年の震災の経験も踏まえて、防災、減災の対策を、国民の理解を得られる形で、命を守るための防災、減災対策、これをやろう、そういう道にともに進もうではありませんか。
 改めて総理の決意を求めまして、私の質問を終わります。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) あの三党合意で一体改革の関連法案が通った、これは大きな前進だと思いますが、まだ道半ばです。やはり国民会議等を通じまして、社会保障のあるべき姿をしっかりとお互いに共同して責任を持ちながら打ち出して、そして前進をさせるということは、これは、選挙の結果がどうあれ、お互いに協力をしていきたいというふうに思います。それは確認をさせていただきたいと考えております。
 それから、防災、減災のお話がございました。やはり経済対策も、これは緊急性が出てきていると思います。
 我々は、今月中に経済対策をまとめ、そして、すぐにでも対応できるものは講じていきたいと思いますけれども、防災、減災、これは、お話はわかるんです、命を守る公共事業は必要だと思います。
 ただ、これも自民党と議論すればよかったんですが、国土強靱化計画のように、十年間で二百兆円とか、あるいは三年間で十五兆円とか、積算根拠もないばらまき公共事業はいけないと思っております。
 国土の均衡ある発展という理念がまた出てまいりました。それは古い政治に戻ることであります。命を守る事業もしっかり精査をしながらやっていきたいと考えております。(拍手)
○山口那津男君 総理から積極的な御答弁、ありがとうございました。(発言する者あり)
○会長(古賀一成君) 御静粛に。
○山口那津男君 ぜひ、十六日に、信を問えるようにして、そして、新たな信を得た政権のもとでそのお話を進めようではありませんか。
 ありがとうございました。終わります。(拍手)
○会長(古賀一成君) これにて山口君の発言は終了いたしました。
 以上をもちまして、本日の合同審査会は終了いたしました。
 これにて散会いたします。
    午後三時四十九分散会

[全文引用おわり] 


民主党に投票する、ついに10%、2桁回復 FNN・産経 大反転攻勢の幕開けだ

2014年11月02日 09時02分22秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

 2014年11月2日(日)放送のフジテレビ「新報道2001」で、先週末のFNN産経トレンド調査(首都圏500人)が発表され、次期国政選挙の投票先で、民主党が10・2%となり、ついに2桁を回復しました。

 政治不信を反映して、未定が44%と高い水準。おおむねこの数字は40%がフツーです。

 このため、投票先決定層における民主党占拠率は18%となりました。現在の衆議院議席占有率の2倍に近づく水準であり、仮に総選挙があれば、100議席はとれる数字となります。

 岡田克也国政選挙担当民主党代表代行は、きのう、東大法学部同級生で2009年代表選で応援を得た、民主党第47回衆院選山口2区公認内定候補予定者の元法相、平岡秀夫さんに「150選挙区で勝ちたい」と語ったと報じられています。

 2020年オリンピックまでの政権再交代が視野に入ってきました。

 また、総理は完全否定していますが、読売新聞などで報じられた年内解散論にも影響を与えそうです。

 さあいよいよ、大反転攻勢の幕開けです。 


民主党の越年基金87億円 維新数億円、みんな8億円、生活ゼロを圧倒、民主党員が空白区で一本釣りへ

2014年09月26日 19時19分43秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

 民主党の2013年12月31日(火)現在の、政党交付金の年越し基金である「政党基金」が87億円だったことが分かりました。

 総務省自治行政局選挙部政治資金課が、2014年9月26日(金)午後5時、インターネットで公開した政党交付金使途等報告書で分かりました。なお、政治資金収支報告書は領収書の添付が必要なことから11月28日(金)過ぎに発表される見通しで、全体像は、それが発表されてからになります。

 民間企業でいう内部留保は、「政党基金」と党費・寄付金を繰り越した「繰越金」で、後者は11月末まで分かりません。民主党本部は不動産を持っておらず、財産はこの2つになります。自民党本部は建物を持っています。

 各党の政党基金は、

 民主党が87億円

 自民党が7億円

 公明党が0・9億円、

 日本維新の会が4億円

 みんなの党が8億円、

 社民党が800万円、

 新党改革が2500万円、

 新党日本が3000万円、

 新党大地がゼロ、

 太陽の党がゼロ、

  生活の党がゼロとなりました。

 支出先を国に把握することを恐れて政党交付金を受け取っていない日本共産党は、当然ゼロです。

 第46回衆議院議院総選挙の買掛金と第23回参議院議員通常選挙と第187回特定秘密保護国会を反映した2013年12月31日現在の政党交付金使途など報告書です。

 民主党は、テレビ・ラジオCMの第46回衆院選の買掛金を合計20億円程度、電通と博報堂に払っていました。

 これまでどんぶり勘定が目立った大会交通費などは、なるべく実費に近い金額が支出されています。

 海江田万里代表の下、会計責任者(兼)民主党財務委員長は、一貫して、小川敏夫参議院議員がつとめています。

 ただし、民主の風の事件を起こして羽田孜内閣と政権交代ある二大政党政治を裏切った権力欲の強い枝野幸男なる者が幹事長に就任したことで先行き不透明感が出てきました。

 みんなの党の8億円の政党基金ですが、政治資金収支報告書で渡辺喜美さんからの借入金があるはずなので、同党の全体像は11月まで分かりません。

 いずれにせよ、日本維新の党が10億円未満、生活の党がゼロであることは間違いなく、衆議院295選挙区のうち空白の150選挙区では、野党再編ではなく、勝てる候補者、将来のある候補者を民主党が他党から一本釣りすることが確実になりました。

 裏切り者に情けは無用。

 私も国会傍聴ノートを整理して、空白区に限って、民主党推薦が可能な現職がいるかどうか、第187秋の臨時国会でも呻吟して、「宮のリスト」を作成します。他の民主党員も積極的に、選挙区ごとの候補者の選定にかかわって、政権交代ある二大政党政治をつくりましょう。


◎海江田内閣での日米ガイドラインやり直し「マニフェストに入れるのは難しい」集団的自衛権【追記有】

2014年09月02日 19時12分00秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

[写真]海江田万里・ネクスト首相(民主党代表)、2014年9月2日(火)、民主党本部内、筆者(宮崎信行)写す。

 海江田万里ネクスト首相(民主党代表)は2014年9月2日(火)の定例記者会見で、日米防衛協力のための指針いわゆるガイドラインの2014年改定(今月末中間報告、年末調印の見通し)について、次期国政選挙の民主党マニフェストに「日米での再度のガイドライン見直し」を盛り込むことが可能かとの問いに「そこはなかなか難しいと思いますね、ハッキリ言いましてね・・・」と語り、2014年ガイドラインの見直しを公約に、政権交代することは不可能との認識を示しました。

 第1次与党期民主党のスタートが、東アジア共同体でつまづいたことを念頭に置いた発言。

 日米の外相・防衛相らは副大臣クラスで、今月末から10月初めの2014年ガイドライン改定の中間報告をすることで合意。この中で、「周辺事態での後方地域支援活動の補給活動での武器・弾薬の日本からの無償提供」「集団的自衛権の行使容認の閣議決定をふまえた共同の戦闘行為」などが盛り込まれるのではないかとの懸念が強まっています。

 海江田さんは「安倍総理は既成事実の積み重ねをしており、国会の議論もほとんどやっていない。あの15事例も(国会内での議論では)どこにいったのか。決定的に民主主義を理解していないやり方だ」としました。

 安倍首相は、5月15日の第2次安保法制懇からの報告書受け取り、7月1日の集団的自衛権行使の閣議決定、9月末のガイドライン中間報告、そして12月に1978年、1997年につぐ、2014年ガイドラインに署名する見通し。それから、集団的自衛権行使の自衛隊法・周辺事態法改正などの安全保障法制の再整備法案を、第188通常国会(2015年1月召集)に提出するはこび。今月の国連総会とは別に、10月に訪米して、中間報告をまとめるとの見通しもあります。

 海江田さんは「(第187回秋の)臨時国会を早く開くというのは当然のことだ。特別委員会も設けて、十分に集団的自衛権の関係、ガイドラインの問題を十分に時間をかけてやりたい」と話しました。

 安倍首相はあす3日内閣改造。それにあわせて野党も国会対策委員長会談を開いて、政府に対して、臨時国会の早期召集をもとめる署名活動(各院の4分の1以上)を始めることで合意する見通しです。 

【追記 2014年9月4日(木)午後6時20分】

 記者会見での一問一答は次の通りです。 

○日米ガイドラインの改定について

【フリーランス・宮崎記者】
ガイドラインの再改定は12月末をめどにしているが、今月末に中間報告を取りまとめることを日米の防衛副大臣が合意している。この中間報告の中で、現在のガイドラインの別表では周辺事態の後方地域支援活動における補給の中で「武器・弾薬は除く」とあるが、それを取るのではないかという一部報道がある。ここで中間報告が決まってしまえば、この後の最終報告もその方向になるだろうし、来年の集団的自衛権・安全保障の再整備の方向は完全にできると思うが、まず大枠で考えを伺いたい。
【代表】
安倍総理のやり方というのは、既成事実の積み重ねということで、沖縄の辺野古の埋め立ての問題も、沖縄県知事選挙までに既成事実を積み上げようというようなやり方をとっていると、私には見えるわけであります。
 その意味でいうと、閣議決定から始まった今回の集団的自衛権の行使の問題も、まず既成事実の積み上げ。既成事実を決めておいて、そして国会の議論もほとんど、はっきり言って行なわれませんでした。国会がこれから召集される、まだ、日付は決まっていませんが、私どもは、先ずしっかり議論しなければいけない。既成事実の積み重ねをやって、そして「これはもう決まったことだから」という形で議論をしないのは本当に大きな問題であるし、安倍政権の決定的に民主主義を理解しないやり方であります。
 これから臨時国会が始まればそこで、閣議決定との関係において、15事例の問題もどこに行ったのかという議論があります。ですから、そういった15事例の問題をしっかり議論するでありますとか、今おっしゃったガイドラインに向けての議論をしっかり国会でやるということで、その意味でも重ねて国会での特別委員会の設置を求めていきたいと思っています。
【フリーランス・宮崎記者】
9月20日ころに総理は国連総会に行かれると思うが、10月に再度訪米するのではないかという一部情報もある。ガイドラインの中間報告の決定は、臨時国会のうちにやってもらいたいとお考えか。
【代表】
私たちは、臨時国会の早期開会を、これは明日、野党の国会対策委員長の会合がありますから、ここで主張していくわけですが、安倍総理の再度の訪米は、まだ情報として持っていませんが、できるだけ早く臨時国会を召集してそこで議論することは当然のことであります。そして国会が始まれば、十分に集団的自衛権の行使の問題、ガイドラインの問題についても議論していくということです。十分に時間をかけてやっていくということです。
【フリーランス・宮崎記者】
17年前のガイドライン改定の際も、前の年に普天間基地の返還がクリントン大統領から電撃的に発表されて、翌年が改定だった。今回の中間報告で決まってしまったことを、次の総選挙でマニフェストに入れて「変えましょう」と国民に言うことができるのかどうか。鳩山内閣は「東アジア共同体」ということで完全に失速した。「ガイドラインを再び改定します」ということをマニフェストに入れることは可能とお考えか。
【代表】
これはなかなか難しいと思いますね、はっきり言いまして。そこが狙いかもしれませんね。




【追記終わり】 


大事なことをいつも公明党さんが教えてくれる なぜお盆に街頭演説をするのか?

2014年08月11日 13時47分26秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

 なぜお盆に街頭演説会をするのでしょうか。

 その答えは先週2014年8月9日(土)付の公明新聞の「主張」(社説)に書いてあります。

 「きょうからお盆にかけ、夏休みとなる人も多い。人々が日々の多忙さから少しでも解放されるこの時期、街頭演説で公明党を知ってもらう機会にしていきたい。街頭演説では、面識のない人と交流できる場合が少なくない。特に今の時期は帰省中の人も多く、普段は会えない人たちの声を聞けるチャンスである」としています。

 そのうえで、「国民が日常的に触れるテレビや新聞などの報道は、必ずしも公明党の考えや取り組みを正しく伝えているとは言えない。中には誤解を与えかねない報道もある。公明党議員が党の真実の姿を訴える意味は大きい」--これを「公明党」を「民主党」に置き換えればそのままあてはまるでしょう。

 さて、地方経済は、疲弊を通り越して死んでいます。来年の第18回統一地方選を前に、どうすればいいのでしょうか。

 それもまた、公明新聞社説が教えてくれます。

 「過疎化や人口減少が進む地域では、都市部からのUターンを促す対策が喫緊の課題だ。例えば、帰省した人たちに『再び地元で暮すには何が必要か』と聞いてみてはどうだろうか。思いも寄らない意見や解決の手掛かりを発見できるかもしれない」

 新進党結党メンバーの末席を汚させていただいた筆者には、大事なことは公明に教えてもらったという気がします。このエントリーのタイトルは「公明党が教えてくれる」と現在形にしましたが、英語で言えば、過去完了形でも現在形でもなく現在完了形です。

 それが現在形や未来形になることはないでしょう。そのくらい、1997年12月28日の当時の小沢一郎氏(現在の悪魔一郎氏)による新進党解党は暴挙であり、悪魔一郎氏には死を持ってしかそれを償うことはできません。

 民主党の集団的自衛権反対ビラを活用して、公明党さんを見様見真似で、第18回統一地方選挙に向けて、心を一つにしていきましょう!

 カルピスを飲んだ夏

 青い空

 白い雲

 青い稲

 白いカルピス

 ふと気づいた、いつの間にか、追い越していた父の背中

 ・・・公明党さん、我々民主党は第18回統一地方選挙で負けませんよ!
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海江田万里代表、目に見える成果として「安倍内閣の支持率低下」で続投決定 小沢一郎との統一会派で波乱も

2014年07月31日 20時21分55秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

 民主党は2014年7月31日(木)、第23回参議院議員通常選挙(2013年7月21日)敗戦の総括として、海江田万里代表が掲げた「1年後に目に見える成果がなければ辞任する」との続投条件について話し合う両院議員懇談会を開きました。

 ところで、民主党では、両院議員懇談会は非公開、両院議員総会は公開(インターネット中継あり)と分けています。

 両院議員懇には、菅直人、野田佳彦両元首相らも出席。海江田代表は冒頭あいさつ(アタマどり取材対応)で、目に見える成果として「バラバラと言われる中で、一人(山口壮・兵庫12区選出衆議院議員)しか離党しなかった」「安倍内閣の支持率が下がっている」として、「変化の胎動がある。問題はその受け皿に民主党がなれるかどうかであります。そして、民主党は最大のピンチであります。が、このピンチを打開して、チャンスにできるかであります」と語りました。

 3時間20分の非公開議論の間には、民主党本部がある三宅坂ビルの出入り口では、取材陣が構えました。

 
[写真]民主党本部前を囲む取材陣、党本部向かい側の国立国会図書館前から筆者(宮崎信行)撮影。

 これには、「誰かスターでも来ているのか?」という風情で、記念写真を撮る人の姿も見られました。


[写真]民主党本部前の取材陣に驚く人々、隼町交差点で、筆者撮影。

 会合では、代表の地位について、「前倒し代表選をすべきだ」との意見と、「また、民主党はバラバラだ、と言われるからすべきでない」との意見がでました。

 それと、任期途中での代表選でも党員・サポーター投票ができるようにする規約改正について。過去にさまざまな問題が起きていることもあり、慎重に検討することになり、9月末をめどに役員会がまとめることになりました。

 最後は、海江田さんが冒頭と同じ答弁を繰り返しました。

 ここで、岡田克也最高顧問が「私は代表選を前倒すべきだと思うが、党規約上、海江田さんが考えるべきであり、その判断を尊重すべきだ」とまとめ、満場の拍手で終了しました。

 
[写真]両院議員懇談会終了後、党本部から議員会館まで三宅坂を歩いて帰る岡田克也最高顧問、NHKニュース7から撮影。

 この後、臨時役員会を開き、党規約の改正については、9月末までにまとめることを決めました。

 ところで、海江田さんは旧小沢一郎氏(現・悪魔一郎氏)率いる「生活の党」との統一会派を秋の臨時国会が始まった後に結成する可能性に言及しました。ただ、これは民主党規約第22条に統一会派の結成は、両院議員総会の承認が必要となっており、仮に海江田さんが生活の党との統一会派を両院議員総会に諮った場合に承認を得られる見込みはなく、代表辞任に追い込まれる可能性が考えられます。このため、秋の臨時国会での生活の党からの統一会派結成の要求を先送りすれば、来年4月の第18回統一地方選を海江田万里代表でたたかう可能性はほぼ確実となりました。

 これにより、民主党の党内政局は終わり、2か月前後で召集される秋の臨時国会で改造内閣とのたたかいを迎えることになります。

 通常国会が150日間で閉じ、国政選挙無しに秋の臨時国会まで3か月以上閉会したのは、1997年以来となります。このときも、日米同盟の運用指針であるガイドラインを改定しており、アメリカは日本政治をよく観察しているといえそうです。このときは12月に小沢一郎氏率いる新進党が突如解党されてしまいました。海江田さんも、大畠さんも、新進党の悲劇を体験していませんから、このようなことがないようにしてほしいものです。

 この後、事前に決まっていた日程ですが、大畠章宏幹事長の定例記者会見は無く、代わりに、海江田万里代表の臨時記者会見が開かれました。


[写真]民主党両院議員懇談会に臨む海江田万里代表、午後1時過ぎ、筆者撮影。


[写真]臨時記者会見にのぞむ海江田万里代表、午後5時過ぎ、筆者撮影。

 同じ場所で撮っているので同じような写真ですが、懇談会を切り抜けて、海江田さんは元気になったように見えます。

 記者会見で海江田さんは2015年9月の任期満了に伴う定期代表選挙への立候補について聞かれ、「そんな先のことを言われても、まだ分かりません」と答えました。

 なぜ今日は黒いネクタイ(実際には濃紺の地に、白の水玉)をしているのかと問われると、「水玉のドット(水玉)が好きなのは、チャーチルの蝶ネクタイと同じ柄で、子どものころからチャーチルがかっこいいなと思ったからだ」と語りました。

 チャーチルが首相(保守党代表)に就任した時点では、既にナチス・ドイツに衆議院本会議場を焼き落とされた後です。あたかも、東京電力福島第一原子力発電所が爆発した後かのような状態に衆議院本会議場がなった後にチャーチルは首相になったわけです。同じような国難に海江田さんが対応できるでしょうか。チャーチルは二世議員ですが、子供のころから、ヘロドトスの「歴史」の暗誦を父から命令されていて、それを忠実に守ったものの、父とは仲が悪かったとされます。

 平成6年政治改革4法(改正公職選挙法)で実現した衆議院小選挙区制は、悪魔(小沢一郎)とも英雄(チャーチル)とも手を握りながらも、自民党と対峙していかなければならないという、なかなか、おなかが悪くなりそうな世界だと感じました。

 内閣支持率が下がっているのが目に見える成果ならば、なぜ民主党支持率が上がらないかは問題であることは、海江田さん自身分かっていると考えます。しかし、民主党が自民党の反対党であることは、党本部前の報道陣の数からしても明らかでしょう。

 ところで消費税増税を転嫁せずに、量を小さくするサービス産業って多いですよね。ある、おいしいアイスを食べたら少し小さいように思えたので、内容量を見たら、113ミリリットルだったので、「これじゃあ、ギリギリ君だよ」と思ってしまいました。暑いので、朝の涼しいうちに学習を済ませ、午後は昼寝をしましょう。青い空、白い雲、青い稲、白いカルピス。日本の原風景に戻って、実りの秋にしっかりと収穫できるようにせねばなりませぬ。

 安倍自民党が千里の道を千里馬(チョンリマ)で駆け抜けるのに対して、海江田民主党は万里の道も一歩から。

 きょうも一歩、政権交代ある二大政党政治は、前に進みました。

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民主党両院議員懇談会が継続中

2014年07月31日 15時38分27秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散
民主党は2014年7月31日木曜日、両院議員懇談会を午後1時から開催。海江田万里代表ら執行部のほか、首相経験者の菅直人さん、野田佳彦さん、衆議院議長経験者の横路孝弘さんらが出席し、国会閉会中ということもあり、2時間半経っても続いています。
会議は冒頭、滋賀県知事からの手紙をベテラン議員が代読。
海江田代表は、会期末翌日の両院議員総会で、地域の声を聞くべし、との意見があり、この1ヶ月間地域行脚をした、と強調。これは代表選前倒し論が議論されることを牽制した冒頭あいさつとみられます。
追記
民主党両院議員懇談会は、午後4時20分終了。その後、代表、幹事長、党務委員長らは、別室で臨時役員会を開催。役員会は閉会中は火曜日が定例となっています。
この後、海江田代表が自ら記者会見します。これはインターネット中継されます。