(初投稿は2009年4月2日午前9時半で、バックデート)
[写真]上、カメラマンと参院事務局を背にした大塚耕平・参院財政金融委員会筆頭理事(民主党政調副会長) 下、13人の官僚を背に答弁する麻生首相=3月26日の参院財政金融委員会。
おはようございます。
大塚耕平さんと、官僚13人を背にたじろぐ麻生首相を映画フィルムみたいにつなげてみました。
3月26日朝の日経朝刊で平田耕一財務副大臣(三重3区)の株式の大量取引が明らかになり、この日の財政金融委員会は騒然。午後の締めくくり質疑で大塚さんが「本当は総理や財務相と財政・金融に関する議論をしたいのだが」としながら、この問題を攻め、平田財務副大臣が辞任。歳入関連法案の採決に応じました。
公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案
所得税法等の一部を改正する法律案
英国では財務大臣だけ、チャンセラーChancellor of EXchequer と呼び、他の大臣のセクレタリーSecretary,ミニスターMinisterとは違う呼び方をします。日本で言えば「大蔵卿」という雰囲気でしょうか。第1次ブレア内閣からブラウン大蔵卿でしたから、ブレア退陣後の労働党党首選でブラウンさんが無投票で後継者になったのは既定路線だったことがうかがい知れます。
第171通常国会の予算審査は、正副財務大臣が辞任するという異例の展開になりましたが、第2次補正予算3案とそれにつづく2009年度本予算3案が年度内に成立しました。さらに民主党はいわゆる日切れ法案を3月31日にすべて処理しました。
昨年4月1日は、暫定税率を失効に追い込み、ガソリン25円程度の値下げに成功。野党第1党としては憲政史上最大の世直しに成功しました。
【夜明け前】民主党の世直し大成功、ガソリン6割が値下げ!
あのときはすぐにでも政権交代になるのかと思いましたが、なかなかすんなりとはいかないものです。派手な年度越えから静かな年度越えへ。政権交代への雌伏の時と判断して良いのでしょうか。
◇
さて、1日朝、日銀短観(3月調査)が発表されました。足元の景況感(DI)は大企業製造業で「マイナス58(%)」となり、「34ポイント悪化」。DIも悪化幅も過去最悪となりました。業種別には自動車がひどい。人員の余剰感も多く、雇用の先行きも暗いです。どうしてこのニュースがもっと話題にならないのか。私のように3ヶ月ごとに必ず短観を読んでいる者にとっては「想像を絶する状態」で具体的に今後どうなるかよく分からないというのが本音です。短観にふれたくない気持ちは分かりますが、あまりにも経済への関心が疎いと私は感じます。
◇
4月4日~8日に北朝鮮がテポドン2号を打つ動きが進んでいます。麻生首相や河村官房長官の話が白々しく感じるのは事実ですが、PAC3とイージスで迎撃体制をとることは安全保障上、当然のことです。訓練ととらえてもいいですが、迎撃体制をとること自体が抑止効果になり、北朝鮮に対する外交カードになります。政府筋こと鴻池祥肇・官房副長官が「当たるわけがない」と言っているのは、結果として麻生首相を助ける発言です。無関心や鴻池発言への過剰反応をみるにつけ、やはり安全保障への意識が低いと思います。テポドン2号が発射されたというニュースに接したら、屋内に待避するという行動を身につけたいものです。
◇
人間の脳の総量には限りがあります。毎日テレビジョンから馬に食わすような情報を頭に入れれば、どんどん忘れます。物忘れが激しい人はテレビの視聴時間を確認した方がいい。明石家さんまの馬鹿笑いという情報を入れることによって、大事な思い出がひとつ、頭から押し出されたかもしれません。
◇
それはさておき。
後半国会に入りました。
政府自民党は4月末にも2009年度第1次補正予算案を国会に提出し、民主党が抵抗した場合は解散する構えをみせています。
民主党は補正予算に対案を示し、対抗するようです。ちなみに2008年度第1次補正予算について、私は政府案におかしな点を見つけたのですが、民主党が賛成に回ったので、このブログに書きませんでした。それはもういいのですが、経済効果の実効性があったかどうかの検証チームをつくることになりました。徹底審議という格好で抵抗してほしいと思います。これは解散総選挙の勝利につながると思います。
それ以外の政府提出法案の審査も各委員会で進んでいます。相変わらず民主党衆院議員はマジメに審査に取り組んでいます。僕はもっと国会をさぼって地元を回った方がいいと思います。自民党の佐藤ゆかり議員は、本会議や財務金融委員会では眠っているところしかみませんが、東京5区ではリードしているという情勢分析が多いです。地元活動はしっかりやっているのでしょう。
民主党のきまじめさが今政治に求められていると主権者が判断するならば、僕はほんの少しだけ古い考え方の持ち主なのかもしれません。
きょうの読売新聞4面によると、3月20日の小沢さん、鳩山さん、菅さんの会食で、菅さんが小沢さんに「選挙対策本部長をやったらどうか」と言い、小沢さんが「ありがとう」と答えていたことが分かりました。「党関係者が1日、明らかにした」となっており、鳩山さんもしくは小沢側近議員が読売新聞に話したんだと思います。小沢さんは2007年11月から選挙対策本部長であり、「代表辞任を暗に促したのではないか」との見方が出ているようです。
菅さんは3月26日の記者会見で、「(3月24日役員会前の)私と小沢代表だけの話がなぜ違う形で(朝日新聞という)表に出るのかなと若干不思議に思っております。私がその場で申し上げたことは実はその後の役員会でも申し上げたのですが、もう少し時間をとって判断をされる方がいいのではないかと思うということを申し上げました」(=党役員室作成の記者会見要旨)と述べており、菅さんの説明とは食い違いがあります。私は菅さんに不信感を持っています。そんなことを言う前に東京都連の応援演説をしたらいいのではないでしょうか。
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東京新聞:『5月解散論』じわり戦闘モード 民主、補正で対抗再始動:政治(TOKYO Web)
『5月解散論』じわり戦闘モード 民主、補正で対抗再始動
2009年4月2日 07時05分
民主党「次の内閣」閣議であいさつする鳩山幹事長。右は直嶋政調会長=1日、東京・永田町の民主党本部で
民主党は1日、天下りや消えた年金、失業対策などの検証チームを設置し、国会で追及する方針を決めた。政府案にぶつける対案の提出も進める。小沢一郎代表の公設秘書が絡む西松建設の違法献金事件で沈滞ムードに包まれていたが、与党内の「5月解散論」をにらんで再び戦意を取り戻そうとしている。 (後藤孝好)
山岡賢次国対委員長は一日の党会合で、二〇〇九年度補正予算案の審議に野党が抵抗すれば、衆院解散に踏み切ることもあり得るとした麻生首相に対し、「首相は大見えを切った。ぜひやっていただきたい」と挑発。同予算案の早期採決には応じず、徹底審議で政府与党を追及する可能性を示唆した。
同党は、〇八年度補正予算と〇九年度予算の景気対策としての効果は不十分として、二日には(1)天下り(2)消えた年金(3)失業対策(4)貸し渋り(5)定額給付金-の検証チームを発足させ、実態調査に乗り出す。
一方、党「次の内閣」は一日、政府の地域力再生機構法案の対案として、中小企業再生支援機構法案の提出を決定。障がい者虐待防止法案も、早期に提出して政府与党に対抗するなど、今回の事件後、陥った戦意喪失状態から立て直そうと懸命だ。
というのも首相が早期解散をちらつかせてけん制する中、守勢に回っていては、次期衆院選に向けて、党の力量を国民に不安視されかねないからだ。鳩山由紀夫幹事長は「国民のための政策をつくるということをしっかりと示す時期に差し掛かっている」と訴えた。
また、与党との対決姿勢を前面に打ち出すことで、小沢氏の辞任論がくすぶる党内の関心を国会や政策に向けさせる狙いもあるようだ。
ただ、小沢氏の進退問題を抱えたままでは国民の関心の高い「政治とカネ」の問題で攻めきれず、逆に与党の反撃を受けかねない。党内には「与党は、小沢代表の問題やマルチ商法関連業者からの資金提供問題を追及してくるのではないか」と、泥仕合への懸念も出ている。
(東京新聞)
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