【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

小沢幹事長、常任幹事会欠席戦術 与党初の常幹の骨抜き狙う

2009年11月09日 20時16分40秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導
 鳩山由紀夫代表-小沢一郎幹事長体制で初めての常任幹事会が9日、国会内で開かれましたが、代表、幹事長そろって不在という異常なスタートとなりました。

 常幹は、党大会、両院議員総会に次ぐ民主党の意思決定機関とされています。例えば、今春、名古屋市長選に河村たかしさんを党本部として推薦するかしないかに関心が集まり、党本部外の路上で、中京地区のTVカメラが常幹を終えて出てきたメンバー、例えば前原誠司副代表(現・国交大臣)を取り囲むというシーンが見られました。

 党と内閣の一元化により閣法(内閣提出法案)の事前審査権はありませんが、自民党政権時代の総務会に似た重要な会合です。

 前田武志・常幹議長は前日夜に鳩山代表を総理公邸にたずねています。代表に報告と相談をしたものと見られます。

 政権交代後初の常幹に、党を預かる小沢一郎幹事長が出席しなかったのは、政府外議員である各ブロック選出の常任幹事からの小沢批判に晒されることを恐れた可能性がありますが、それよりも自分の考えが自動的に党の正式決定になるように、役員会を側近で固めると同時に常幹を形骸化するという戦術をとっているのでしょう。

 民主党の党運営は異常な光景が続いています。月曜日に開催されることになった役員会は小沢幹事長が一方的に報告し、了承を得て、30分足らずで終わっている、と報じられています。

 10月30日の両院議員総会は、古賀一成総会長(当時)が「他にご質問、ご発言はありませんか?」との常套句を言わずに、突然閉会しました。

 党の正式意思決定機関ではないものの、マスコミの取材が多い代議士会について、山岡賢次国対委員長は新人議員に「代議士会で発言すると嫌われる」との訓辞を垂れています。

 政権交代前には、北澤俊美副代表(現・防衛大臣)が代表選の有権者に当選前の総支部長を加えるよう提案したり、当時1期生だった小川淳也・四国ブロック常任幹事(現・総務政務官)と藤井裕久最高顧問(現・財務大臣)が「財源論争」を繰り広げるなど談論風発とした雰囲気がありました。

 松本龍・両院議員総会長、前田武志・常任幹事会議長、土肥隆一・代議士会長らは党運営の正常化に骨を折ってください。