【衆院予算委員会 今年度第2次補正予算案の基本的質疑初日 2010-1-21】
多くの読者にとってはむかつくことを書かせて頂きます。
実は、政権交代のずっと前から気付いていたのですが、民主党議員の95%は、地方の出身です。東京どころか県庁所在地出身も極めて少ない。自民党は逆に東京出身者が極端に多い。これは2世・3世が多いというのが理由ということになります。
私たち東京出身者は子供の頃から、たくさんの人、陽の当たる坂道の頂点で輝いている人から、坂道を転げ落ちて消えていく人まで、たくさんの人々と袖擦れ合って生きてきました。まして私の場合は、下町の商家の育ちですから、紅白歌合戦に7年連続で出場する歌手の一家から、倒産した直後にがんで亡くなる人、生まれ故郷の孤島に帰り酒を飲んで凍死する運命の人まで、たくさん目の当たりにしてきました。次第に、人間の顔を見ると、だいたいその人がどういう人生を歩んできた人なのかが分かるようになりました。
あるいはTVは大きな情報源ですが、後楽園球場から自転車で30分の距離に住んでいるんですが、日本テレビが毎晩後楽園はお祭りが開かれているように報じているのを見て、小学生の頃から、そこにギャップというよりも、「嘘」を感じていました。
政権交代後の通常国会の衆院予算委員会基本的質疑の初日(21日)には民主党から松原仁さん、海江田万里さん、吉田公一さんと東京っ子が3人連続して登場し、それぞれの持ち味を出しました。
ところが、この後登場した伴野豊さんは、「この委員会が始まってから入った情報があります。質疑通告していませんが聞きます」と質問を切り出しました。私はてっきり、災害発生や、マーケットで何かあったのか、と思ったら、読売新聞20日付夕刊の「政治資金収支報告書の虚偽記入は小沢一郎さんに報告されていた」という記事について、法務省刑事局が「誤報だ」と回答している事実関係がある、と千葉景子法相に問い質しました。千葉法相は「そのような事実はない」として、伴野さんの質問は空振りになりました。
伴野さんは東海市出身。愛知県連代表として、名古屋市長選・衆院選15選挙区でパーフェクト勝利をなし遂げただけに気持ちが大きくなっていたのでしょうが、仮に法務省刑事局が読売新聞の報道を否定したら、それはそれで、捜査情報の漏洩になります。伴野さんはいったい、何を浮ついていたのでしょうか。
そして、伴野さんは当選4回生の長妻昭厚労相に対して、「私たち、同期の出世頭だ。この世界、やっかみも多いだろうから、気をつけて下さい」と余計な一言。ちなみに長妻さんも東京っ子で、情報の出し入れに長けた東京っ子は常にいじめられる宿命を帯びながら、この日本で生きていかなければならないのです。
ガセネタに浮つき、同期の出世頭を妬む。これはまさに田舎者の極みでしかない。これこそが、東京一極集中と地方の衰退を招いた要因でしょう。本当に伴野議員の振るまいには憤りを感じざるを得ません。
伴野質問には「かつての公営企業金融公庫が旧勘定と新勘定を分けたように、国債発行残も政権交代前後で旧勘定と新勘定に分けたらどうだ」というとても良い指摘があっただけに残念です。
さて、午後の自民党の質問はあまり面白くなかったのですが、柴山昌彦さんに対して、仙谷由人・国務大臣が、「大変お若いので一直線に質問している」と答弁しました。
[画像]44歳の自民党・柴山昌彦議員
ところが、自民党のホープと目される柴山昌彦さんは見た目は若いが、44歳です。44歳の弁護士に向かって「大変お若い」とは何事でしょうか。社会全般でも、国会内に限定しても44歳は若くない。
自民党議員が大臣をやっていたころは、野党議員に対して、「先生の選挙区である○○県は・・・」「先生は長年この問題に取り組まれてきましたから、釈迦に説法かと存じますが・・・」などと、たとえその朝、調べたにしても、相手を持ち上げながら、法案の早期成立をお願いしたものです。
仙谷大臣が自民党のエースとされる柴山議員の年齢を事前に調べていなかったのは、まちがいないでしょう。柴山さんは秋の臨時国会でも全閣僚出席の予算委に立っています。
このように民主党議員の情報収集能力の弱さが際立っています。私はこのような民主党の体たらくに、大変失望しています。
asahi.com(朝日新聞社):小沢氏をなぜ批判しない? 仙谷氏「当時は野党だった」 - 政治
21日の衆院予算委員会で野党の若手議員が「反小沢派」と見られている仙谷由人国家戦略兼行政刷新相らに、なぜ小沢一郎氏を批判しないのかと迫った。閣内に亀裂を生じさせようという狙いが見え見えだったため、仙谷氏らは慎重な答弁に終始した。
仙谷氏は昨年春の西松事件の際、当時代表だった小沢氏に辞任を促した。弁護士資格を持つ自民党の柴山昌彦衆院議員がこのことを取り上げると、仙谷氏は「当時は野党の一代議士で、選挙に勝つための政治判断で発言するのは当たり前。今は行政府の一員で、自らの発言を律しなければならない」と答弁。柴山氏がなお食い下がると、「大変お若いので一直線に質問している」とはぐらかした。
柴山氏は続けて、小沢氏の説明責任を求めている前原誠司国交相や社民党出身の福島瑞穂少子化担当相にも答弁を求めたが、2人とも踏み込んだ発言を避けた。最後は鳩山由紀夫首相が「小沢氏は『潔白だと示したい』と言っている。検察からそのような話(事情聴取)があると側聞しているから、そうなるのが望ましい」と引き取った。(山尾有紀恵)