岡田克也外相は日米外相会談のため、米国ハワイを訪れています。JALグループの航空機で現地入りしました。外相会談に先立ち、日本時刻12日午前(現地11日午後)、国立太平洋記念墓地を訪れ、献花・黙祷した、と報じられています。
[写真]11日午後(日本時間12日午前)、米ハワイ・ホノルルの国立太平洋記念墓地で戦没者の霊に黙祷を捧げる岡田克也外相=MSN産経ニュースから
エリソン・S・オニヅカ空軍大佐のお墓も訪れました。
[写真]エリソン・S・オニヅカ空軍大佐(アメリカ航空宇宙局(NASA)ホームページから)
オニヅカ大佐は、1985年1月、宇宙を飛んだ初めての日系人、素晴らしいジャパニーズです。オニヅカさんの2度目のフライト当日の1986年1月28日、岡田さんは通産省からハーバード大学に研究員として派遣されており、奥さんと一緒にアメリカにいました。
(引用はじめ)
全米のみならず、全世界がテレビを通じて見守る中、発射後わずか70秒余りで宇宙船は突如爆発した。国家プロジェクトが一瞬にして挫折し、尊い7名の乗組員の命が失われた。国民すべてが悲しみに沈む中、レーガン大統領は4分間の真摯な演説を行った。犠牲者を心から悼み、しかし、宇宙計画は断固として続行するという力強い物だった。国民はどれほど勇気づけられたことだろう。
私はアメリカの地で、政治や政治家の果たす役割の大きさ、あるいは政治の可能性の大きさに気づいた。と同時に、スキャンダルが頻発し、同じ党内での派閥争いに終始する日本の政治のありように、居たたまれない思いがした。
日本の政治を何とかしなくてはならない、と強く感じた。また、アメリカでできていることが日本でできないはずはない、とも思った。
あまりに強くそれを思ったがために、「自分が政治家になれば」などという、それまでなら決してあり得なかった発想が浮かんだのかもしれない。政治家になる--渡米前には夢にも思わなかった選択肢を胸に収めて、私は帰国した。
(引用おわり) 岡田克也著『政権交代』 62~63ページから
ハワイは日本と米国の真ん中の太平洋上にあります。ハワイで岡田さんは大佐の勇気を感じ取れたでしょうか。まあ、岡田さんもそろそろ、勇気をもらってばかりではなく、国民に希望と勇気を与えられる政治家に脱皮しなきゃいけないですね。岡田さんはすでに「レーガンさん」を上回る智者ですが、「存在としてのレーガン大統領」の威厳と荘厳さにはまだまだ遠く及びません。
[画像]チェレンジャー号爆発事故で毅然と対応した米大統領、ロナルド・レーガン=雑誌「US News & World Report」のレーガン大統領追悼号より
太平洋、パシフィック・オーシャンとは、「平和な海」という意味です。元々は「波が穏やかな海」という意味合いで命名されたようで、真珠湾攻撃があったわけですが、 ここ半世紀ほど、太平洋、ハワイは、平和と豊かさの象徴となっています。レーガン大統領は、米カリフォルニア州の太平洋が見える丘に眠っています。
来週1月19日(火曜日)、日米同盟は50周年を迎えます。
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鳩山由紀夫総理は、12日午後9時頃、「日本時間の明日未明、日米外相会談がハワイで開かれます。日米同盟は日本外交の基軸。岡田外務大臣に期待します。」とツイッターでつぶやきました。
岡田外相が米戦没者に献花 - MSN産経ニュース
【ホノルル=加納宏幸】日米外相会談のため米ハワイに滞在中の岡田克也外相は11日午後(日本時間12日午前)、第2次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争などで戦死した3万人以上の兵士が眠るホノルルの国立太平洋記念墓地(パンチボール)を訪れ、献花=写真=し、黙祷(もくとう)をささげた。岡田氏はこの後、同墓地内で、ハワイ出身のオバマ米大統領の祖父や、1986年のスペースシャトル「チャレンジャー」爆発事故で死亡した日系人宇宙飛行士、エリソン・オニヅカ氏の墓を訪れた。
[写真]前原誠司国土交通大臣、私は前原大臣の判断を支持します。
「倒産」という言葉を使うと驚かれるでしょう。
日本航空がついに、来週19日に倒産する運びになりました。きょう、国土交通大臣と3大メガバンクの頭取が話し合い、決定するようです。
倒産とは、「財産を使い尽くすこと」という意味で、「会社更生法適用」は「倒産」です(広辞苑など)。
新聞は「法的整理」という言葉を使っています。19日にも東京地裁に会社更生法の適用を申請し、認められる運びです。株式を100%減資し、債務を圧縮し、株式上場停止するのですから倒産です。「会社更生法の適用を申請し、事実上倒産しました。事業は継続します」というニュース原稿の耳覚えがあるでしょうが、要するにこれと同じことです。
新聞が倒産という言葉を使わなくなったのは、①響きがキツイ②事業を終了するような感じがする③マスコミとマーケットの反応が速い時代になった④広告主への配慮--などの理由だと、私は思います。
しかし、「日航、倒産」。まさに時代を感じます。
日航という会社は、やはり「123便」のときの情報隠蔽(エンクロージャー)ですべて終わってしまった会社だと思います。これに先立つ「尻もち事故」とその修復作業のミス。これをエンクロージャー(抱え込み、情報隠蔽)してしまったことにより、520人の命の取り返しのつかない大事故となる。ここの関連性についても、情報は隠蔽され資料は廃棄されました。「エアライン安全ランキング」では、アジアワースト3位の航空会社ということで、この先いくら飛んでも、計算上、この汚名は返上できない状態でした。
経営陣肝いりの御用組合(第二組合)が作られ、合計8つの労働組合に分裂しました。これを労働者側の責任と見る向きが多いですが、私は強い立場にある大企業経営者による働く仲間の分断工作だったんだと思います。そこまで内部には詳しくありませんが。
「日航」とは、政財官癒着、エンクロージャーの総本山でした。国内線に乗ると、同じ料金の席でも、国会議員は必ず1列目に座っています。私が22年前に国際線に乗った時、客室乗務員がカクテルを作ってくれるという過剰サービス。日本人客より外国人客がいつも優先という外向きの「ナショナル・フラッグ」。
フライト中に、客室乗務員と外国人客が「成田に着いたら、3連休(スリーホリデーズ)よ」と語らう日航機内の雰囲気に何とも言えない違和感を覚えました。その経験から、私は国際線はアメリカ系の格安航空会社やアジア各国のナショナル・フラッグ・キャリアー、国内線はANAに乗るようにしました。路線の関係などで、JALに乗ることもありましたが、いつも何らかのサービスの一つに首をひねりながら、タラップを降りていました。
参院選に向けて、民主党が「日航処理成功」とアピールしても票は減るだけだと思います。不況に怒っている有権者は「不況は与党の責任だ」と判断するものです。「不況なので与党になびく」という有権者心理は現代には存在しないと思います。
日航倒産は、ディスクロージャーしないと破たんする、--という教訓をもたらしました。
まったく同情の余地がないし、むしろ遅きに失した「倒産」です。
前原誠司国土交通大臣の判断を私は99%支持します。路線の継続については、まだ見えない部分があるので、1%分は保留しますが、競合路線ではANAへの統合を支持します、路線継続のための減便も支持します。