【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

来週10月1日(金)召集 第176臨時国会

2010年09月22日 20時02分51秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議

[写真]民主党国対委員長の鉢呂吉雄さんと国対委員長代理になった牧野聖修さん

 民主党の鉢呂吉雄・新国対委員長、牧野聖修・新国対委員長代理らは、第176臨時国会(秋の臨時国会)について、野党の要求を受け入れて、召集日を来週に繰り上げることを決めました。鉢呂国対委員長は「10月1日に召集する」という案を、と国民新党の下地幹郎・国対委員長、自民党の逢沢一郎・新国対委員長、公明党の漆原良夫・国対委員長らに提案し、了承を得ました。

 これにより、天皇陛下は憲法第7条により、菅直人内閣の助言と承認により、10月1日(金曜日)に第176臨時国会を東京に召集する運びとなりました。

 菅さんは早期召集にこだわる野党に配慮し、ASEM(アジア欧州会議)の出席をあきれめて、ねじれ国会での話し合いを優先することにしました。

 日程は1日(金)に菅さんの所信表明。土日を挟んで、4(月)~6(水)に衆参で各党からの代表質問。7(木)8(金)に衆院予算委。3連休を挟んで、12日(火)13日(水)に参院予算委に臨む予定。言うまでもなく、参院での審議は重要です。

 この後、その他の衆参常任委員会で大臣所信表明と一般質疑が行われますが、ごく一部の委員会では閉会中審査で大臣のあいさつが終わっているところもあります。

 第1次補正予算案の提出は会期途中になりますが、その際は、本会議での野田佳彦財務大臣の財政演説と質疑、衆参予算委員会で、他の委員会が最低1週間ストップします。

 このことを考えると、当初の会期設定は別として、臨時国会は、2回延長できますが、おそらく年末まで、あるいは越年も含めたロングラン国会になりそうです。

 この間、行政刷新会議の事業仕分けが合計10日間ほど行われます。この辺でもうまく国会との両立が可能となるよう、仕分け人とそれ以外の議員との意識の共有を期待したいです。また政務三役は、財務省などによる来年度当初予算政府原案の査定作業(12月20日ごろ閣議決定か?)や、政府税制調査会での税制改正の話し合いなど与党内での調整と国会での答弁を両立させることになります。

 ねじれ国会は公明党、社民党、みんなの党などと連携すれば法案は成立します。対決法案に関しては、全方位外交ではなく、「自民党はあくまでも敵だ」というキッパリとしたメリハリのある対応を、衆参各委の理事に持って欲しいと私は思います。

臨時国会は10月1日召集、野党要求で前倒し(読売新聞) - goo ニュース

臨時国会は10月1日召集、野党要求で前倒し
2010年9月22日(水)11:09
 政府・与党は22日午前、臨時国会を10月1日に召集することを決めた。

 政府・与党は菅首相や閣僚の外遊日程を考慮し、6日召集で調整していたが、野党が円高対策の審議などを理由に早期召集を求めたため、日程を前倒しした。1日に首相の所信表明演説を、4~6日に衆参両院本会議での代表質問を行う予定だ。

 これに伴い、首相は10月4、5日にブリュッセルで開かれるアジア欧州会議(ASEM)首脳会議への出席を取りやめた。

 民主党と国民新党の国会対策委員長は22日午前、国会内で会談し、通常国会で廃案になった郵政改革法案を臨時国会に再提出する方針を確認した。

 民主党の鉢呂吉雄国対委員長は今年度補正予算案を臨時国会で扱うかどうかについて、「内閣が最終的な決定をしていない。内閣の方向を見定めながら対応する」と述べた。


松本龍・環境大臣兼防災担当大臣に関心高まる

2010年09月22日 17時48分33秒 | 第176臨時国会(2010年10月)熟議

[画像]環境相・防災担当相就任記者会見にのぞむ松本龍さん、2010年9月17日深夜、首相官邸(政府インターネットテレビからキャプチャ)

 菅改造内閣で、環境大臣・防災担当大臣に福岡1区の7回生の松本龍さんが入閣したのは若干驚きました。しかし、それ以上に驚いたこと。内閣改造当日の9月17日だけで、グーグル・ヤフー検索で、「松本龍」で206PV(ページ・ビュー)、親族が経営する会社である「松本組 松本龍」と組み合わせた検索を含めると、300PV以上、「松本龍」関連のキーワードでこのブログに来てもらいました。昨年6月に書いたエントリー(松本龍さんがトップに 所得ランキングは2年連続で民主党)は1日で合計365PV(ページ・ビュー)読んでもらいました。

 なぜ、松本さんにこれだけネット検索が集まったかということですが、これは、松本さんが「解放の父である松本治一郎の孫」であり、本人も「解放同盟副委員長」を務めている、ということでしょう。つまり「」と「大臣」という組み合わせが、これが日本におけるネット社会と親和性が高いということだと思います。しかし、「それがどうした?それより、大臣としての仕事ぶりはどうなの?」というのが圧倒的な2010年の世論でしょう。こういったネット検索の結果からも、時代が静かに、でも急速に動いていることが分かります。

 官邸での就任会見や報道各社のインタビューで、松本さんは「未来の子どもたちから地球環境を預かっている」との心構えを示し、第174通常国会で、参院委員会で採決直前まで行きながら、閉会で廃案となった「地球温暖化対策基本法案(岡田・福山法案)」について、「速やかに(第176)臨時国会に提出して成立させる」と明言。その中で、「国会審議の中で、よい案が出てくれば取り入れたい」として野党からの修正可決に柔軟な姿勢を示しました。これは第174通常国会で、元環境大臣で公明党政調会長の斉藤鉄夫さんが、当時の環境大臣の小沢鋭仁さんの答弁に納得しない場面が多々見られ、審議が滞ったことが念頭にある、と私は推測しています。また、野党時代の民主党地球温暖化対策本部(本部長・岡田克也副代表、事務局長・福山哲郎参院政審会長)がつくった「2020年に1990年比で25%削減する中期目標」について、「(09マニフェストを掲げた衆院)選挙のころは非常に高いと思ったが、志(こころざし)高くやる!」(日経20日11面)と述べました。

 「民間人です」さんが応援している来月の名古屋での「COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)での遺伝資源の利用ルールを定めた名古屋議定書については「先進国と途上国の意見をとりまとめ、後押しする」として、国連総会で各国の環境大臣との下ごしらえに意欲を示しました。松本さんは衆院環境委員長を2回やっています。

 一部情報では、国際会議が多い環境大臣と防災担当大臣は両立しにくいのではないかとの意見を仙谷由人官房長官に申し入れているという話もあり、地位や評価に執着しない「お坊ちゃん大臣」の良い面が表れており、期待したいと思います。

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 戸籍法第107条1項は「やむを得ない事由によって氏を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない」とあります。この戸籍法は1947年12月22日に、戦前の戸籍法を廃止する格好で、公布されました。家父長制廃止に伴う立法措置で、これは戦後ニッポンわが国民が自ら洋々たる前途を切りひらくために判断した、ということでは残念ながらなく、進駐軍(GHQ)命令である、というのが定説です。

 手前味噌な話で恐縮なのですが、私の祖父は、農業を兼ねながら、長野県篠ノ井市、1966年に長野市に合併していますが、篠ノ井市の市会議員をしていたことがあります。島崎藤村の『破戒』とは同じ長野県でもかなり場所が離れていますが、それでも、集落にはまったく不合理に言われなき差別を受けている方がいらして、その方々がある2つの苗字に集中している傾向があることに気付いたそうです。で、その方々に、この戸籍法第107条を使って、「苗字を変えたらいい」と説得して、書類を代書して、列車に乗って長野家庭裁判所まで一緒に行って手続きをしていたそうです。、ご近所さんからは「幸隆さん、そんなことしても一銭の得にもならないからやめなよ」と言われ、祖母は「畑仕事を全部押しつけられた」と怒っていましたが、選挙は強かったようです。私は入れ替わりで、祖父の顔を知りませんが、合理的な人だったんだろうと思います。

 私は東京で生まれ育ったので、同和問題という言葉を知ったのは中学3年の教科書です。中学生のころ、神宮球場に野球見物に出かけたら、試合中のグラウンド整備の合間に、オーロラビジョンから「法務省からのお知らせです!」というコマーシャルが突然流れ、面食らいました。そのコマーシャルを見て、いっしょに行った友人と「これ、あれじゃね、マンデラさんの南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)のことじゃねえの?」などと話しましたが、まさか我が国の現在形の話とは思いもよりませんでした。後で知ったのですが、その友人のお父さんは公明党の区議会議員だったんですが、東京っ子というのは知らないんです。全国から学生が集まる早稲田大学に入学して以降に、この問題を口頭で詳しく教えてくれた学生がいて、彼は現在衆議院議員をしています。

 「解放の父」の孫が入閣して、それが別段違和感がないというところに、前に進んでいるという手応えを感じます。

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 私も毎日ログ解析をみています。もしも、私がアクセス数を増やすことを目的にこのブログを書くなら、ログ解析から導かれる戦術はひとつ。「小沢と検察」をテーマをどんどん書くばアクセス数はうなぎ登りになるでしょう。そしてそれを見て、「小沢とマスコミ」を書いて、「検察とマスコミ」を書いて、と繰り返すと、情報がある方向にスパイラル、拡大再生産していってしまい、ネット世論とリアル世論が大きく齟齬をきたすことになります。さきの代表選では、ネット世論と、テレビ・新聞世論に著しい乖離現象が生じました。

 私がブログを書いている目的は、「日本における二大政党デモクラシーの定着」であり、「小沢と検察」、「小沢とマスコミ」は別です。例えアクセス数が少なくても自分が書きたいことを書く。政権交代から1年経って、主な政治ブログと私のブログの内容が随分変わってきたようですが、私は自分の書きたいことを書き続けます。


発売中の「FLASH」に蓮舫さんについてコメント載っています

2010年09月22日 03時23分43秒 | その他

[写真]蓮舫さん(民主党ホームページ)

 ご連絡が遅れてしまいましたが、21日(火)に発売された光文社の「FLASH(フラッシュ)」の2010年10月5日号にコメントを寄せさせてもらいました。私自身もまだ現物をみていないのですが、行政刷新大臣に加えて公務員制度改革担当も兼ねることになった蓮舫さんについて、政権交代前の野党時代からその素質を感じた、という趣旨のコメントが載っていると思います。

 週刊誌ですので、全国的には、きょう、あす、あさってぐらいにターミナル駅の売店や書店などで探して頂ければ、よいのではないかと思います。



<蓮舫総理>Xデーで動き出した-小沢ぶっ潰しの立て役者が・・・ | エキサイトニュース
誌名: フラッシュ [2010年10月5日号]

ページ: 10

発売日: 2010年9月21日

カテゴリ: 政治

キーワード: 民主党 蓮舫 代表選 小沢一郎前幹事長 菅直人首相

キーワード2: 舛添要一 事業仕分け 政治ジャーナリスト・宮崎信行 野田佳彦 松本剛明 村田信之

 記事の扱い: グラビア(2頁以上)

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 ちなみに、同じ光文社さんからは、光文社新書で「『日銀貴族』が国を滅ぼす」(上念司著)も一読の価値がありますので、オススメします。猛暑が続きますが、おそらく来週ごろからは、読書の秋でしょうか。再来週あたりに秋の臨時国会・ねじれ国会が始まりますが、あっという間に年の瀬になりそうな気配がしますね。