【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

土俵際の小沢一郎氏、東スポ1面で独占インタビュー

2010年09月13日 23時01分49秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ
[画像]東スポ2010年9月13日発売号(14日号)1面

 民主党代表選で土俵際に追い込まれた元代表・小沢一郎氏は、2010年9月13日午後発行(9月14日付)の超一流夕刊スポーツ紙「東スポ(東京スポーツ)」の1面に登場し、四股を踏むなど、剛腕・強面のイメージと違った気さくな姿を披露しました。

 小沢氏は東スポの独占インタビューに「俺が総理になったら絶対に景気をよくしてやる!!」と豪語。東スポ記者が書いた「後記」によると、「一部週刊誌に青木愛衆院議員(45)との『京都不倫密会騒動』が報じられた直後だったが、(略)どんな質問にも終始笑顔で答えてくれる庶民的感覚もあった」と書いてあります。取材日は9月10日(金)前後だと思われます。

 記事をよく読んでも、インタビューとどう関係があるか分からないのですが、小沢氏は雲竜型の土俵入りを見せ、大々的に写真が展開されています。68歳の小沢さん、さすがに膝は曲がっていますが、当ブログが分度器で測定したところ、股が135度開いており、なかなかの柔軟性。インタビューでは妻・小沢和子さんについて、「女房はね、俺もそうなんだけど外に出るのが嫌いだね」と述べ、対抗馬の菅総理夫人の菅伸子さんをけん制しました。

 また、「宇宙人は信じますか?」との問いに、「いると思うよ。だって宇宙はどでかいもん。地球上の動植物と同じかどうかは別として、いるんじゃないかな」と述べ、盟友の鳩山由紀夫さんへの配慮をみせました。

 しかし、同じ東スポ紙面でありながら、同日付10ページには、社外の書き手である堤堯さんの連載「阿呆の遠吠え」第424回が、「小沢の使途不明金は114億円」と辛辣な小沢批判。

 
[画像]東スポ17面「風俗業界は小沢氏にエール」

 ところが、17ページでは、松岡和也記者が、「風俗業界は小沢氏にエール」との見出しで、「地方経済が活性化すれば当然、風俗も恩恵にあずかれる。そりゃ期待もする」との関係者のコメントを紹介し、小沢氏を援護射撃しました。

 いろいろな内容が載っていますが、東スポはすべて署名入りで、社内外の書き手が自由に書けて、不偏不党だなと感じました。東スポの発行地域は、4大都市圏のはずですので、小沢ファンが多い地方にも届けばいいと思いました。

 一方、残念な勇み足もありました。

 小沢一郎事務所のyoutube公式チャンネルに、投票日前日に議員会館をまわる小沢一郎氏の映像が2分2秒にわたって載っています。しかし、この映像には、議員会館の廊下で撮影した部分が多くあります。議員会館の廊下は撮影禁止となっており、私なんかもつねに気をつけております。



http://www.youtube.com/watch?v=FfBPWF5phzo

 スタッフの出入りが激しい小沢一郎事務所では、前々から意図的かどうかは別として、遵法意識に乏しい面が多々見受けられます。大将が政治生命を賭けた戦いをする日の前夜に、このような脇の甘さをみせるようでは、小沢事務所も変わっていないなと、言わざるを得ません。

 2010年9月の民主党定期代表選は、現職で内閣総理大臣の菅直人候補と、元代表・小沢一郎候補の2人が立候補しています。