【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

参議院(の一部議員)が小沢一郎さんの衆院招致に反対

2010年12月09日 09時23分29秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意


 8日の報道では、「民主党幹部の一人」が仙谷由人官房長官(第176国会で衆院で信任、参院で問責)の更迭を求めた、と報じられました。輿石東・参議院議員会長のことだと思います。

 また、任意団体「参院一新会」の世話人待遇の、森裕子・参院予算委筆頭理事、広野允士・元副幹事長(小沢体制)のほか、輿石さんと同じ自治労の江崎格さん、谷亮子さんら参院議員およそ10人が、岡田克也幹事長を党本部にたずね、小沢一郎氏の国会招致(衆院政倫審での3分の1以上の委員申し立てによる招致議決)をしないよう申し入れました。

 一方、小沢一郎氏は、党員である衆参議員の3分の1以上の申し立てで開催を求められる「両院議員総会」を開くよう、一新会・北辰会に伝えたと報じられています。しかし、仮に両院議員総会を早めにセットして、300人以上の議員が出席できれば、逆に、自由発言の中で、1期生から「小沢卒業」宣言が出てくるでしょう。

 岡田克也さんは、1年間外相として内閣の方に行っていたのですが、参院選総括の両院議員総会での、近藤和也さんと斉藤進さんの2人の1期生を評価していた、とされています。斉藤さんに関しては、当選前に複数回応援に行っていましたので評価が高まり、近藤さんに関しては厳しい選挙区のため、党本部の重点選挙区ではなく、近藤さんの力で小選挙区勝ち上がりを掴んだため、「あれ、あの石川3区の人、いいな」ということで注目したらしい、と岡田筋は語っています。

 このように、衆院民主党は、北辰会コアメンバーは事実上15人前後、次期衆院選小選挙区立候補のメドが立たない、いちもく会(小選挙区単独当選者)を入れてすら、コアメンバーは15人前後、まあ会員は50人となるのかもしれませんが、なのに、参院民主党のKYぶりは何なんでしょうか。

 私はさきの鈴木宗男・新党大地代表(元衆院議員、元国務大臣、元内閣官房副長官)が収監されることで、収監中の鈴木受刑者をあたかも“神格化”するような動きが出るのではないかと懸念していましたが、そのような気配はないように感じられます。

 しかし、貧しい方、病気の方、地方や過疎地の方、情報弱者の方、最近政治に興味を持った方、ご高齢の方の間で、小沢一郎さんや鈴木宗男さんが絶大な支持を誇っていることが事実です。そうすると、支持層が重なる日本共産党が触手を伸ばしてくる可能性もあるかもしれません。そして、支持層が重ならないと思われる参院民主党(の一部議員)が、うまくそれを利用してくるかも知れません。

 そういう意味では、毎年12月のクソ忙しい月に、職業政治家として政局をしかける小沢一郎さんの行為は、それ自体、クリーンさを欠いた民主政治への敵対行為に感じられます。そして、国会内、民主党内でも、衆院議員の多くが予算編成・税制改正・ごあいさつ等々に忙しい中、支持団体の代弁者としての仕事だけキッチリやれば、後は時間に余裕がある参議院の輿石会長、森議員らが、政局をバックアップするとは、まさに良識の府とはほど遠い姿です。

 ことしは、国会中継の回数も多く、関心も高かったようです。

 来年は、衆議院の中継だけ見て、ヤジが多い参議院視聴はボイコットする!という人が増えそうですね。イザとなったら、私がそういう呼びかけもしたいと思います。それは、民主党のためではなく、日本国政の安定のために、です。

 民敵・小沢一郎一派の影響力を最小限にするために、12月でみなさんお忙しいでしょうから、岡田克也の背中を押してください。これは民主党支持者に限らない。日本の安定のため、民主主義のためですから、自民党、国民新党、社民党、公明党、みんなの党・・・そして失礼でなければ、日本共産党支持者の方もご賛同いただきたい

 日本の安定と民主主義のために、民敵=小沢一郎を倒すために、

 岡田克也の背中を押しましょう!

【追伸】

 きのうエントリーは阿修羅に転載されてしまいましたが、そこからのアクセス数は少なく、小沢信者が多いとされる阿修羅の力が落ちているのかな、それとも年末だからかな、と感じました。

 また、ある民主党の1年生議員がコートを着ていないので「寒くないか?」と聞いたところ、コートを持っていないそうで、どこで買おうかなと思案していました。

民主 国会招致巡り対立激化か NHKニュース

民主党内では、小沢元代表の国会招致を巡って、岡田幹事長が国会の議決による実現も視野に調整を進めようとしているのに対し、小沢氏に近い議員は反発しており、今後、対立が激しくなることも予想されます。小沢氏は、8日夜、鳩山前総理大臣、新党改革の舛添代表らと会談し、与野党双方から、民主党内の対立が続くなか、今後の政局をにらんだ動きではないかという見方が出ています。

民主党の岡田幹事長は、8日、菅総理大臣と会談し、小沢氏がみずからの判断で衆議院政治倫理審査会に出席することが望ましいとしながらも、本人が申し出ない場合は国会での議決による実現も視野に調整を図りたいという考えを伝え、菅総理大臣も了承しました。岡田氏は、この問題が、来年の通常国会での来年度予算案などの審議の障害になりかねないとしており、今後、党の役員会で提案することも含めて検討を進めているほか、党執行部内には、岡田氏は、政治倫理審査会で議決を行う際に、反対する民主党議員を差し替えることまで考えているのではないかという見方も出ています。これに対して、松野前官房副長官は「裁判に影響することは避けるべきだ」として、国会招致は必要ないという考えを示したほか、小沢氏に近い党執行部の1人は、問責決議が可決された仙谷官房長官の辞任を求めました。さらに、小沢氏に近い議員らは、8日夜、会合を開き、「裁判で潔白を証明したいとする本人の意思を尊重すべきだ」としたうえで、岡田氏が国会の議決による招致の実現にこだわれば党の分裂につながりかねないとして、党内の結束を優先させるべきだという認識で一致しました。このように、民主党内では、小沢氏の国会招致を巡って対立が再燃しており、今後、さらに激しくなることも予想されます。そして、8日夜、小沢氏は、鳩山前総理大臣、新党改革の舛添代表、それに無所属の鳩山元総務大臣と会談しました。この中で、小沢氏は「岡田幹事長は、私や鳩山前総理大臣を遠ざけることで政権浮揚を図ろうとしているようだ。政権に協力しようとしているのに、これでは難しく、どう行動すべきだろうか」と述べ、党執行部への不満を示しました。そのうえで、4氏は「このままでは来年の通常国会が動かなくなり、国政の停滞を招きかねない深刻な状況にもかかわらず、政権からは危機感が伝わってこない」として、党派を超えて協力していく必要があるという認識で一致しました。この会談について、与野党双方から民主党内で対立が続くなか、今後の政局をにらんだ動きではないかという見方が出ています。