【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【動画】「有休をしっかりとって、メリハリある仕事と生活を」岡田幹事長が職員に約束

2010年12月27日 21時01分24秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]民主党2010年仕事納め式の岡田幹事長ら=12月27日、宮崎信行撮影

 民主党の2010年の仕事納め式が12月27日午後5時から、党本部内で、党職員、岡田幹事長、江田最高顧問、滝総務委員長、長浜財務委員長、報道陣が出席して開かれました。

 初めて1年間を与党として過ごした民主党本部。なかなかうまくいかない一年間でしたが、岡田幹事長は「有給休暇(有休)が取りにくい党(職場)だ」という意見があるので、2011年は有休を取りやすくして、休み時は休む、仕事をする時は仕事をするメリハリある生活ができるよう、党職員への約束がありました。



 「参議院議長を終えて、数年ぶりに党本部ホールに入った」という江田五月最高顧問・倫理委員長からは、「空念仏に終わらないように」と岡田幹事長に釘を刺しました。会社の総務・人事部長にあたる民主党総務委員長の滝実・衆議院議員(奈良2区)からは、「私たちは4年(衆院議員)、6年(参院議員)の中で選挙をしている」として、各種選挙の度に仕事が増える党職員に、メリハリのある生活を促しました。

 この後、岡田幹事長の指名であいさつに立った裏方さんトップの、民主党事務局長、秋元雅人さんが「岡田幹事長の“お年玉”は来年(の仕事納め式で)も言っているような気がする」と述べると、岡田幹事長はじめ党職員みんなが大笑い。しかし、秋元事務局長も職員の有休取得について、「しっかりチェックしていきたい」としました。とにもかくにも、選挙はメリハリですから、党本部もメリハリのある生活で、日常業務の“仕分け”をしっかりやって、平常時は鋭気を養い、“いざ鎌倉”の第46回総選挙では万全の力を発揮できるようにしてほしいと考えます。

 日本は資源がない国ですから、労働時間が長くなるのはやむを得ません。でも、だからこそ、労働生産性をアップするためにも、しっかりと仕事を“仕分け”して、有休をとり、良い仕事をしていきましょう。


菅・岡田動く たちあがれ日本(たち日)に連立参加要請へ 都知事選もカギに

2010年12月27日 05時30分00秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意
 おはようございます。

 菅直人・岡田克也コンビが2011年の国政の安定に向けて動きました。

 菅総理が政党「たちあがれ日本」(衆院3人、参院3人)に連立政権へ参加して欲しいと打診していたことが明らかになりました。

 当ブログでは「たちあがれ日本」のことを、「たち日」と表現していこうと思います。

 民主党代表の菅直人首相と、岡田克也幹事長にとっては、2011年の国政安定のために、参議院の過半数である「121」(参院の慣例により西岡武夫議長=民主党会派離脱は投票しない)を確保することは、衆議院での再議決に必要な3分の2(319=欠員があるため)よりも優先する事項です。

【参院での民主党陣営】

 参議院での121には、民主党(105)、国民新党(3)のほか、無所属のうち、新党日本当選の無所属・平山誠さんを入れると、109になります。これにたち日(3)を加えると112。また、岡田幹事長は臨時国会中に雑誌で舛添要一さんと雑誌で対談しており、新党改革(2)を入れると113。そして、衆院社民党とは温度差があるとはいえ、かつて連立を組んでいた参院社民党(4)を足すと117。さらに無所属で社民党に近い糸数慶子さんを入れて、118となります。これでも3議席足りません。なんともアタマがイタイところです。 与党として、幸福実現党の参院議員(あえて匿名)は、国会議員のなかでも理念よりも、利権で動くとされ、何らかの工作(官房報償費)が可能かも知れません。このほか、自民党を離党して無所属でいる茨城選挙区の長谷川大紋さんは、地方政治家からキャリア半世紀という人ですから、政策要望を受け入れることで与党に味方してくれる可能性はあると思います。

【参院での自民党陣営】

 一方の自民党ですが、自民党(83)に公明党(19)、みんなの党(11)、日本共産党(6)に参院副議長(無所属=自民党会派離脱)の尾辻秀久さんを入れても、120と、やはり過半数には届きません。ということは、公明党、みんなの党、日本共産党は、参議院でキャスティングボートを握れないことになります。とくに、この半年間にみせた公明党の存在感は、大きく損なわれ、政策実現能力が下がります。ここでミソは、公明党、みんなの党、参院社民党のいずれもキャスティング・ボートを握れないことになります。

 このような参院情勢になると、キャスティングボートを握れなくなった公明党(19)がこれまでの強硬路線を、統一地方選を境に柔軟路線に転じてくる可能性があります。そうでないと、この前の補正予算のように、自治体・地方議会では与党であることが多い公明党地方議員たちの要望を国政に反映させることができなくなり、軌道修正を迫られる可能性があります。

【衆院での民主党陣営の3分の2】

 一方、衆院での3分の2ですが、たち日が連立に参加し、第45回衆院選での3党合意(民主党、社民党、国民新党)を重視する衆院社民党が統一会派などで協力してくれれば、無所属を加えて323程度になります。名古屋市長選に転出する民主党議員の辞職(2月?)も4月24日の補選で補える可能性もあります。また、刑事事件などで民主党を離党する議員が出ても、3分の2には、3議席程度の余裕が出てきます。新党改革、幸福実現党は衆院には議席はありません。

【もう一つのカギは、たち日応援団長の石原都知事の4月の選挙】

 たち日との連立はもう一つ、連立方程式が加わります。たち日の応援団長は石原慎太郎東京都知事で、たち日のホームページでは、国会議員6人と石原知事の7人が同じ大きさで写真に載っています。4月10日の都知事選では、民主党に有力候補がいない状況です。たち日が連立パートナーとなれば、石原さんを民主党が推薦する可能性もでてきます。有権者1000万人の都知事選では、公明党の推薦が必須な状況で、過去に公明党の支持無しで当選したのは、鈴木俊一知事の最後(4期目)の任期と青島幸男さんと1期目の石原さんぐらいです。そうすると慎太郎さんとしては、公明党推薦に加えて、たち日つながりで民主党支持も欲しいところ。とはいえ、自民党の幹事長は長男の石原伸晃さんです。公明党、たち日、民主党(連合東京)、自民党都連の推薦をもらえれば、投票率(45%前後)が低い都知事選では恐いもの無しになってきます。ただ、民主党と自民党が相乗りできるかどうかという問題がでてきて、慎太郎さんは重大な決断を迫られることになります。この仮定で、民主党と公明党が接近し、自民党と距離を置くということも、東京限定ではありえます。

【たち日との連立協議が整えば、内閣改造へ】

 たち日との連立協議が整えば、菅総理は年内から年明けにかけて内閣改造に踏みきるでしょう。予算案は閣議決定しています。内閣改造し、新しい布陣で、1月下旬以降にスタートする予算審議の勉強を新閣僚がする時間は十分にあります。また、野党から与党になった民主党としては、もう1回りぐらい、政務三役と政府外議員を回転させたぐらいで、中堅議員の経験および不満解消で良い塩梅になってきます。 

 菅・岡田コンビは「年の瀬政局男」である小沢一郎さんの離党・新党を封じ込めることに成功しました。おそらく27日の役員会は、消化試合にして、年を越してから国会招致問題に本腰を入れると、私は予測しています。政党助成法の基準日の1月1日を過ぎるからです。

 さて、説明はこのくらいにして、たち日の6人のメンバーを紹介しようと思います。全員が自民党出身者です。このうち、1993年の宮澤解散で自民党を離党したのは園田博之さんで、新党さきがけに参加しました。しかし、彼は新党さきがけの解党(消滅?)から無所属を1年やってから、自民党に復党しています。残りの5人は、2005年郵政解散や、落選に伴いたち日公認で参議院にカムバックした人です。ですから、私が「政権交代ある政治」を日本に根付かせる過程で「1度裏切る人間は2度裏切る」ことで、自民党に復党した人はいません。新進党経験者もゼロです。

【たち日メンバーの紹介】

 以下、きょうは紹介にとどめておきます。ただ、たち日の6人は全員昭和10年代生まれ。閣僚経験がない、園田さん(官房副長官経験はあり)、中山さんの2人は政治家である以上、閣僚でやってみたい、という気持ちはあるでしょう。

 
[写真]平沼赳夫・衆院議員

 平沼赳夫さんは2世議員に思われますが、生涯独身だった首相で法学博士、平沼騏一郎さんの養子です。初出馬は中選挙区の最下位で落選。その後、落選を重ねながらはい上がりました。中選挙区時代の自民党にはこういう人がたくさんいて、それが自民党の強さでした。橋本行革では、通産省から名称が変わった経産省を「経済省と呼んで欲しい」と言っていました。それはかないませんでしたが、初代経産大臣や、運輸大臣も経験しています。


[写真]与謝野馨・衆院議員

 与謝野馨さんは、与謝野晶子の孫という知名度で、政治家としては非2世ですが、中選挙区で当選しました。東大卒業後、中曽根康弘さんの秘書から、激戦。東京1区で出馬。文相、橋本内閣官房副長官、通産相を経て、金融担当相、経済財政担当相、そして、財務相、安倍内閣官房長官を務めました。自民党政調会長も務めています。1993年夏に自民党が野党に転落したときに、保守合同前に野党経験が長い中曽根さんに「野党は何をすればいいですか?」と教えをこうたら、「何が何でも与党を政権から引きずり降ろすことだ」と言われたそうです。2009年の政権交代後に、与謝野さんが衆・予算委員会で、鳩山由紀夫首相を「総理は平成の脱税王だ!」と罵倒したとき、僕はああ、あのときの中曽根さんのアドバイスでやっているんだな、と思いました。この人だけ、自民党離党のタイミングに「?」が付きますが、これは名門・麻布学園のクラスメートである平沼さんを助けようということだったようです。



[写真]園田博之・衆院議員

 園田博之さんは園田直(そのだ・すなお)元外相の世襲議員。自民党で政治改革を実現する会に所属し、宮澤解散後に「新党さきがけ」に参加し、解党(消滅)までいました。村山内閣官房副長官として官邸に勤めたことがあります。自民党復党後は、政調会長代理として調整力は評価されているようです。昭和17年(真珠湾攻撃の翌年)生まれといまでも同い年が230万人ぐらい(小沢一郎さん含む)いる子だくさん年代です。閣僚経験はありません。


[写真]片山虎之助・参院議員

 片山虎之助さんは自治省出身で、岡山県知事をねらっていたとされますが、一言居士タイプなので、知事選には出られず、参院議員を長く務めています。自治省が合併した総務省で初代総務大臣に。「三位一体の改革」という言葉をはやらせました。これは宗教用語(キリスト教)なので、報道では「いわゆる三位一体の改革」と「いわゆる」がかならず付きましたが、結果として定着しましたので、ある意味、政治家らしい政治家です。閣僚から参院自民党に帰って幹事長に就任。第21回参院選では、参院議員会長が非改選ということで、参院自民党のトップと言うことでターゲットになり、「姫の虎退治」で落選。しかし、捲土重来をめざして、第22回参院選のたち日公認で比例区で復活。元総務大臣ながら、第176臨時国会では、参・予算委で5分質問して、その後、参・総務委に移動して質問するという大忙し。ただ、短い時間ながら、地方財政用語を駆使して、質問。野党とはいえ、首長さんがいろいろ相談に来ているようにうかがえます。


[写真]藤井孝男・参院議員

藤井孝男さんは二世議員。参院議員→衆院議員→参院議員と2度院替えをした珍しい経歴です。祖父が県議、父は「財界政治部長」のあだ名で新日鐵副社長から参院議員に。政財界に顔が利く、自民党経世会らしい政治家でしたー。ダークホース的存在でしたが、自民党総裁選に1度出馬しています。橋本内閣で運輸大臣をやっていたころ、私が総理番として、「橋本龍太郎首相とどのような話をしましたか?」と聞いた際、「あちら(橋本首相)の方が詳しいから」と言っていましたが、これは橋本さんが元運輸大臣だからで、橋龍らしいエピソードだと思います。議運委員長、予算委員長など、議員・国対の経験が豊富で、与党議員として予算案の強行採決を指揮したこともあります。政策立案力よりも、議運・国対タイプの政治家です。


[写真]中山恭子・参院議員

中山恭子さんは、大蔵省(財務省)女性キャリアのさきがけ的存在。物腰の柔らかさ、ていねいな口調で知られます。そのイメージとは裏腹に、大蔵省時代は麻雀好きの豪傑だったそうで、したたかさも兼ね備えているようです。まあ、当たり前と言えば当たり前でした。内閣官房参与として、拉致家族の人の精神的な支柱となりました。夫は自民党清和会のタカ派で、町村信孝さんと懇意で知られる元文相、元国交相です。

たちあがれ日本に連立打診 首相、内閣改造も視野(朝日新聞) - goo ニュース

 菅直人首相がたちあがれ日本に対し、連立政権への参加を打診したことが明らかになった。来年の通常国会に向け政権基盤を強化するための内閣改造を視野に入れ、平沼赳夫代表を拉致担当相で入閣させることを要請した。ただ、たちあがれ日本内では連立に反対する声が強い。

 首相が内閣改造を視野に入れたことで、参院で問責決議を受けた仙谷由人官房長官の進退が焦点となる。民主党の岡田克也幹事長は24日の記者会見で内閣改造について「通常国会をどう持っていくか、首相といろいろ意見交換している」と語った。