【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

茨城県議選情勢 民主党大苦戦、惨敗なら小沢一郎氏の政倫審招致難しく

2010年12月10日 07時38分42秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意
[写真]小沢一郎元代表と、民主党幹事長の岡田克也さん(各々の公式ホームページ)
 
 あさって(12日)投票の茨城県議会議員選挙で、民主党が大苦戦を強いられており、週明けの13日月曜日の民主党役員会での衆院側役員による「政倫審での小沢一郎氏閉会中審査」決定方針に暗雲が立ち込めています。

 茨城県議会は定数65。

 現有6議席に対して、23人の候補者を大量擁立した民主党は候補者の知名度不足に加えて、男性候補者によると、「(民主)党への風当たりはまるで突風のようだ」と語っています。茨城県に独自の取材網を持つ、東京新聞(中日新聞)が10日付第2社会面で伝えました。先日の沖縄県知事選の出口調査では、「期日前投票者の12%が公明党支持」という結果が出て、同党が期日前投票にていねいに有権者をお連れしていることが分かりました。民主党茨城県連がそういった期日前投票への動員が十分にできていない、との指摘も出ています。

 一方、現有45議席に対して、公認36人・推薦8人を立てた自民党。9日、水戸市で、石原伸晃党本部幹事長が演説し、民主党が県内全36選挙区にくまなく擁立することができなかったことをあげつらえ、「地方の大切な選挙に候補を立てると言って、できなかった」、「民主党政権を打ち破るにも、自民党の候補者を押し上げていただきたい」と元気さをアピールしました。これに対して、民主党の岡田克也幹事長は9日午後の記者会見で、「茨城県は保守王国なんです」と語り、自民党の優位性を認めました。

 なお、公明党は4つの選挙区に立候補。県都・水戸市と、日立市、土浦市、つくば市。このうち日立市は、民主党の大畠章宏経産相の地元。茨城県は公明党の山口那津男代表の出身地で、茨城県本代表を石井啓一・党本部政調会長が兼ねており、茨城の動向は国政公明党に伝わりやすい状況にあります。公明党は統一地方選で「マイ獲得運動」と名付け、現職議員が自分の手足を使って、創価学会以外の支持者を獲得して踏ん張るよう意思統一しています。とくにつくばエクスプレスの開業で人口構成に変化がでているつくば市などの票の出方により、通常国会での国会議員団の行動にも影響を与えそうで注目されます。

 ところで、「いばらき」ですが、以前東京で乗ったタクシーの運転手さんが「私は、いばら“ぎ”の水戸の生まれなんですよ」と言うので、「あれ、いばら“ぎ”ではなく、いばらきじゃないですか?」と問い返すと、「どうなんでしょうかねえ。私なんか子供の頃からいばら“ぎ”って言ってますけどねえ」と言われたことがあります。御三家の水戸藩はかなり北の方にありますから、県内でも少し発音が違うのかもしれませんね。

 ただ、千葉・茨城県境の利根川の橋には「ようこそいばらきへ」とやたら平仮名がデカイ看板が立っています。

 岡田幹事長の9日昼の記者会見では、「いばら“ぎ”」と発音していたように思えました。もしも、発音が違えば、茨城県の有権者の方、県連、連合地協の方は岡田さんにそれを話して、岡田さんを裸の王様にしないようにしていただきたいと、常磐線方面を向いながら、お願いしたい気持ちです。

 茨城県議会選挙は、歴史的経緯からも、クリーンなデモクラシーをめざした戦いです。「閣僚の失言などで、何の罪もない候補者がご批判をいただいている。申し訳ない」と渡辺周・選対委員長が8日夜、東海村の薬局前でマイクを握り、おわびした、と前出の東京新聞は伝えています。同村では、わが国で初めて老朽化した原子炉の解体作業が始まっていると思います。地元のことはよく分かりませんので、情報がおかしければ、コメント覧などでご指摘下さるか、ないしはご容赦ください。原子炉の解体作業は慎重さと世論の理解が必要です。菅直人代表(総理)と、そして、岡田さんのためにも、この選挙への、ご理解をお願いします。

106人立候補へ 県議選3日告示:茨城新聞ニュース

106人立候補へ 県議選3日告示
 
自民、民主の攻防焦点

任期満了に伴う県議選(定数65)が3日告示される。36選挙区の立候補予定者は106人。政権交代後初めての都道府県議選で、地方での勢力伸長を目指し過去最多の候補を擁立した民主党と、県議会「一強」体制を堅持して政権奪還へ攻勢に出たい自民党との攻防が最大の焦点。8選挙区は無投票の公算が大きく、9日間の選挙戦に突入するのは28選挙区となる見通しだ。各党は来春の統一地方選や次期衆院選の行方を占う前哨戦と位置付け全力で臨んでいる。12日に投票、即日開票される。

立候補者数は前回2006年の99人を上回り、02年と同数になる見通し。内訳は▽現職51人(前回比7人減)▽元職2人(1人増)▽新人53人(13人増)で、平成最多の議員13人が退任する世代交代を受け、新人の挑戦が目立つ。

党派別の公認候補者は▽自民36人▽民主23人▽公明4人▽共産5人▽みんなの党3人▽無所属35人(うち3人は議会会派・自民県政クラブ)。改選後の会派入りを前提に自民は無所属8人、民主は同1人を推薦している。

民主は20選挙区で計24人(現職5、新人19)を公認・推薦し、うち日立、水戸、土浦、筑西の4選挙区で候補者2人を擁立した。国政レベルから吹き降ろす逆風が強まる中、11人中6人が当選した前回から議席をいくつ伸ばせるかが焦点。

自民は引退議員の後継を推薦としたため、公認は前回49人から大幅減。公認・推薦計44人(現職35、元職1、新人8)が全員当選しても現有45議席に一つ足りず、選挙後に無所属当選者の会派入りもにらんで現有議席の確保を目指す。

民主、自民の一騎打ちは4選挙区、競合は14選挙区に上る。

県議選初参戦のみんなの党が議席を獲得できるかも注目。守谷市区に自民からくら替えした現職1人、取手、牛久の2選挙区に新人2人を擁立した。

前回20年ぶりに4議席を確保し代表質問権を得た公明党は、前回と同じ日立、水戸、土浦、つくばの4選挙区に擁立した現新4人の全員当選が至上命題。

共産党は水戸、つくばの2選挙区の現有2議席を死守し、取手、筑西の2選挙区で議席獲得を目指す。

今県議選は「平成の大合併」に伴い改正された36の新区割りで実施。無投票が見込まれるのは、結城、下妻、高萩、鹿嶋、潮来、かすみがうら、鉾田、猿島郡の8選挙区で、前回の10選挙区を下回りそう。結城市区は24年ぶり、高萩市区は16年ぶり。

選挙戦突入が濃厚な28選挙区のうち18区は定数1オーバーの少数激戦。前回まで10回連続で無投票の常陸太田市区は区割り変更で旧久慈郡区が加わり、自民現職2人と民主新人が2議席を争う。

一方、定数3人オーバーは水戸、行方、小美玉の3選挙区。