【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【追記あり】岡田、鬼になる、山口代表も助太刀 (1)閉会中審査で(2)政倫審出席は言質 小沢一郎に文書

2010年12月28日 23時56分29秒 | 岡田克也、旅の途中

 小沢一郎氏が28日午後2時から10分間、記者会見をしました。この報道に関しては、ご承知かと思います。

 これに対して、岡田克也幹事長は小沢一郎氏に文書で回答しました。

 この中で、小沢一郎氏が確約した「政倫審出席」に関して、「出席されることを表明されました。そのご決断に敬意を表します」とし、政倫審出席の言質を国民全員の立ち会いの下、確認しました。

 そのうえで、27日の党役員会で党議決定した「第177通常国会召集(1月21日ごろか?)前の閉会中審査による政倫審への小沢一郎氏招致」に関して、「したがって、小沢元代表には、役員会の決定のとおり、来年通常国会開会までに政倫審にご出席いただき、国民に対してご説明いただきたいと考えます」と進言しました。

 これにより、1月上旬・中旬にも予想される内閣改造での参院&野党による問責決議案を受けた2閣僚に関する人事に関しては、菅直人総理がフリーハンドを握ったまま、衆議院政治倫理審査会(土肥隆一会長)を開催することになります。

 既に民主党は2010年の仕事納めを済ませていることから、政党助成法の基準日である2011年1月1日以降でなければ、小沢一郎氏は離党届を出せません。このため、強制起訴前の小沢一郎氏の政倫審招致が確実となり、いよいよ「小沢切り」に向けて、小沢氏の選択肢はなくなってきました。外堀も内堀も埋めることができたといえるでしょう。

 27日の役員会では「通常国会が始まるまでに議決して、そして政倫審で説明をいただくというのが決定内容であります。もちろん政倫審に出る、出ないの判断は最終的にはご本人ですが、党としては出てきていただくことについて議決する。もちろん、それまでに自ら出てきていただければそういう必要はなくなりますが、通常国会開会までに議決することを確認したところであります」(岡田幹事長の記者会見)としています。民主党では、国会対応は役員会の決定が、党議拘束になります。自民党では総務会の決定が党議拘束になりますが、民主党では役員会が議決したことで、既に党議拘束がかかっています。

 もう一度おさらいします。

 (1)小沢一郎氏は政倫審に出席することを自ら確約した。
 (2)衆・政倫審は民主党役員会での党議拘束にしたがって通常国会前に開催する。

 何事もメリハリをつける岡田さん。民主党のために、国民のために、鬼になりました。岡田はそういう男です。だから党内で悪く言う議員がいるんですね。

 さあいよいよ、歴史の決算の時がやってきます。みなさまも、1月2日以降、菅・岡田コンビの背中を押してください。まあ、年末は紅白歌合戦やさんま、紳助、爆笑問題を見て、ゆっくりしましょうね。

 「小沢卒業」で、政治を私たち国民の手に取り戻しましょう。日本的ムラ社会の伝統に基づき、見て見ぬふりをしますか?それとも闘いますか?
 日本人は、みんなで協力すれば、どんな困難も乗り越えられますよ(^_^)v

【追記 2010-12-29 午後2時】

 この問題に関しては、岡田幹事長と同期当選で新進党で同じ釜の飯を食った、公明党代表の山口那津男さんから助太刀がありました。

 山口さんは上述の岡田文書の前に、国会内で記者団のぶら下がりに応じました。
 

 山口代表は、「小沢さんが自ら進んで出席するなら、政倫審もそれなりの意味が出てくる」とし、「本人が申し出るならば、(衆院政倫審で)議決する必要はないのではないか」として、28日の小沢年の瀬会見は「本人申し立て」だとの認識を示しました。

 その上で、小沢氏が閉会中審査を拒否するなどの条件をつけたことについて、山口さんは「そういう条件を付けることがどういう意図なのか分かりかねます」と山口さんが浪人中に新進党を解党してしまった小沢一郎氏に改めて不信を表明し、「小沢さんが出たいといえば、いつでもできる」として、菅・岡田コンビの閉会中審査に助け船を出しました。さらに、記者からの「仙谷、馬淵両大臣の問責決議との兼ね合いは?」との質問に対して、「まずは小沢さんにどのような説明責任を果たさせるか(が大事)だ」「国会審議と絡めるのがおかしな話だ」として、小沢政倫審が政治スケジュールとして優先すると示唆しました。もちろん、山口さんは「我々は以前から証人喚問を求めている」と述べることも忘れませんでした。

 ところで、民主党国対幹部によると、年明け1月6日(木)に衆・政倫審幹事会(理事会)が開かれる日程が浮上しています。

【追記おわり】

小沢氏への岡田幹事長の文書全文 - MSN産経ニュース

 本日、小沢元代表が政倫審に自ら出席されることを表明されました。そのご決断に敬意を表します。

 ただ、党役員会の決定は、「来年通常国会開会までに、小沢元代表が自らのご判断で政倫審に出席されることが望ましい。それが実現しない場合、党として、政倫審で申立ての議決を行い、小沢元代表にご出席いただく」というものです。

 小沢元代表は本日の記者会見や配布資料の中で、「私が政倫審に出席しなければ国会審議が開始されないという場合」、あるいは「予算案の審議をはじめ、国会の審議が円滑に進められるということであればな」といった条件を付けておられますが、役員会の決定にはそういった条件はありません。

 したがって、小沢元代表には、役員会の決定のとおり、来年通常国会開会までに政倫審にご出席いただき、国民に対してご説明いただきたいと考えます。

 民主党幹事長 岡田克也