【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

民主党「顧問」に新進党7人衆 革命第一世代は我々新進党勢だったと証明、これからが本番だ!

2013年09月04日 20時30分54秒 | 第185臨時国会(2013年10~12月)秘密保護法

 民主党の海江田万里代表は2013年9月4日(水)、党規約第24条2項にもとづく「党顧問」に第46回衆院選、第23回参院選に出馬せず勇退した議員OBを委嘱しました。

 民主党規約第24条2項は「党に貢献した所属国会議員等で公職を退いた者を党顧問とすることができることとし、顧問は代表が委嘱する」とあります。

 「顧問」は以前から民主党規約にありました。ことしになってから1人就任していましたが、正式に役員表に名前が載ったのは今回が初めて。

 まさに革命第一世代の交代という歴史的な節目となりました。そして、その第1世代こそ、我々新進党員だったことが明らかになったのです。やっと。

 7人は全員が新進党でがんばった議員で、「何一つ良いことがなかった新進党時代」(岡田克也衆議院議員)とも振り返られる新進党勢が、政権交代ある2大政党政治の完成に向けて、民主党ににらみを利かせてくれることで報われた格好となりました。

 民主党顧問になったのは、

 第80代内閣総理大臣で、自民党経世会、新生党党首をつとめた元長野3区の羽田孜さん(桐花大綬章)。

 元衆議院副議長で元通商産業大臣の自民党経世会、新生党副党首をつとめた元福島4区の渡部恒三さん(旭日大綬章)。

 元財務大臣で、自民党経世会、新生党副党首をつとめた神奈川15区の藤井裕久さん(旭日大綬章)。

 元衆議院副議長で元国務大臣の民社党出身で元大阪16区の中野寛成さん(旭日大綬章)。

 前参議院議長で、民社協会出身の岐阜県選挙区、平田健二さん。

 元法相で民社党出身の中井洽さん。

 元農相で、自民党清和会出身の鹿野道彦さん。

 この7名です。

 民主党与党期の3年3か月は、全員が現職議員だったのですが、小沢一郎幹事長(除籍)が積極的に若手を囲い込むのに対して、長老として、若手と会話することはまれでした。これは、再入閣の希望が少なかっただけでなく、若手議員と接触すると、応援演説などを頼まれることを嫌がっていたようです。一方、新聞記者には、「あいつら(1期生)任期が折り返しているのにいまだに政調に出ていて駄目だよな」などと悪口を言っていたのかもしれません。

 長老からOBとなり、政局に関しては、いっぺんに勘が衰えたでしょう。

 しかし、自由に物を言いやすくなったことから、若手が勉強会講師などとして一度でいいから話を聞いてみようという思いを持ってもらいたいと考えます。

 大事なのは、新進党出身とか、オリミン出身とかではありません。

 二大政党をめざした新進党の志をすべての民主党員が受け継ぐ。そのときに初めて政権復帰が可能になります。

 現職では、岡田克也さんと高木義明さんの2人が「民主党改革創生本部長代行」になり、本部長(海江田万里代表)を支えます。原口一博さんが初めて副代表となりました。我々新進党勢の総力を結集して、海江田万里代表らオリミン勢を支えていきましょう。衆院小選挙区比例代表並立制において、何より大事なのは、解党しないということであるという歴史の教訓は、今さら言う必要もありません。

 政権交代ある二大政党政治の完成は、これからが本番だし、今がイチバン楽しいなあ、と感じています。民社協会や、公明党、と違って、「新進協会」はありません。私は、このブログを「新進協会」「新進党保存館」だと考えてやっていきます。

 そういう意味では、けさの公明新聞で「G-serch」の広告を載せていましたが、「1999年からの公明新聞の記事を全部読めます」とのことですが、公明党機関誌紙局さんは、1993年から1997年までの公明新聞も提供していだきたいですねえ。細川・羽田内閣、新進党時代があるから、過去10年間のほとんどを与党でやってこられたように、私には思えます。パシフィコの誓いを忘れたのですか?

 志と足腰が足りない人はどんどんどんどん「解党的出直し」や「野党再編」をして去っていけばいいのであって、私たちがしっかりしていれば、民主党の名前のまま、また政権はとれます。

 さあ、いよいよ、始まった第二幕(*^_^*) これからが本番です。


第21代民主党国対委員長に松原仁さん 参院は榛葉賀津也さん 野党らしさを競え

2013年09月04日 16時27分07秒 | 第185臨時国会(2013年10~12月)秘密保護法

 秋の第185臨時国会と来年の第186通常国会を前に、海江田万里代表は、国会対策委員長(国対委員長)に松原仁・元国務大臣(東京3区比例)を充てることにして、2013年9月4日(水)の両院議員総会で了承を得ました。

 数えてみると、第21代国対委員長ということになるようです。参議院の榛葉賀津也国対委員長とともに、第2会派かつ野党第1会派として自民党と対峙します。党規約で、国対委員長の任期の定めはなく、代表の任期満了までと考えられますが、来秋までということで、解散・不信任よりも、じっくりと議員立法などをつくっていくことが求められます。

 民主党国対委員長は期数の若いひとが多く、松原さんもわずか5期13年という異例の若さですが、下野後「国対委員長代行」として高木義明国対委員長を支えてきましたし、そもそも代表の判断ですから、じっくりと、記者クラブメディアの番記者とぶら下がり、懇談などしながら、野党らしい野党をめざしてほしいと考えます。

 衆院会派「民主党・無所属クラブ」(56名)が秋の臨時国会→来年の通常国会に向けた、人事異動をするかどうかはまだわかりません。長妻昭・予算委筆頭理事、渡辺周・議院運営委員会筆頭理事の続投が焦点。

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◎民法900条「婚外子相続差別」は違憲だが、民主党・前川清成が通常国会に法案を出していた!

2013年09月04日 15時04分12秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]前川清成ネクスト法相。

 最高裁判所は、民法第900条第4項但書の「非嫡出子の相続は半分とする」との婚外子(たとえばシングルマザーの子、隠し子など)を差別する条項を憲法第14条「法の下の平等」などに違反すると決定しました。民法(明治31年6月21日法律9号)が日本国憲法違反とされたのは初めて。

 海老蔵が隠し子報道ですぐ認知して、「かっこいい」と言われましたが、海老蔵が男を上げても、その子は、相続では「半人前」とされてしまうのです。今の日本では17人に1人は、ひとり親(シングルマザー)の子供であり、世帯年収は200万円以下という壮絶な状態にあります。親の平均年齢も最近では高齢化して40歳以上となっています。チルドレンファーストの民主党としては、生まれながらに子どもが差別されることは許せません

 海江田万里ネクスト首相は記者会見で「差別ですね」と断言。「それはやめるべきだという考え方でありますから」「民主党はそういう考え方を国会が始まったら出していくということは続けていきたい」と語りました。

 実はこの民法900条第4号但書を削除する法案は、先の通常国会に出されていました。第183参法5号で、民主党・みんなの党・社民党の共同提出でした。しかし、自民党から「浮気が増える」と訳の分からないことをいわれ、付託すらされず、吊るされたまま廃案となりました。

 「民法の一部を改正する法律案(第183参法5号)」です。

 筆頭発議者は前川清成ネクスト法相

 法案の発議者は民主党・新緑風会から、小川敏夫さん、高橋千秋さん(前職)、桜井充さん、松野信夫さん(前職)、みんなの党の真山勇一さん、社民党の吉田忠智さんでした。条文は民法900条第4号但書を「削る」というシンプルな内容。施行日は「公布の日から起算して一月を経過した日」としていました。

 前川さんは「非嫡出子かどうかなんて、自分が選んで生まれてきているわけではない。生まれによる差別そのものであり、自分の努力ではいかんともしがたい差別であり、差別と同じだ」と喝破。

 「この種の差別を是認しないことが近代人権思想の当然の結論だ」と語っています。

 たしかに、その通りだと思います。いわば「差別しなさい」という条項が民法900条第4号にきょう時点で残っているということです。このような「生まれながらに差別しなさい」という条項が民法にあると知り、驚愕しております。

  民主党は4日コメントを発表し「民主党は1998年以来、16回にわたって法案を出してきた」としました。ただ、これはほかの内容とセットになっており、婚外子差別を抜き出した法案は第183通常国会が初めてでした。

 これについて、自民党の中川雅治・政策調査副会長(清和会)が「浮気が増える」との呆れた理由で法案を門前払いしたことが分かりました。

 婚外子の相続が「2分の1」から「1」になったら浮気が増える。たとえば、バブル期に養子が29人いたという富豪がいたそうですが、この場合は、相続税の人的控除が2億9000万円になり、今の税率50%ならば1億4500万円の節税になります。しかし、養子ではなく、婚外子では養育費がかかりますがから、相続対策としての隠し子作りなどありえません。

 この発言をした中川議員は麻布中学・高校、東大法学部、大蔵官僚、自民党議員という現在日本の最大のエリートコース。

 そして中川さんの奥さんと町村信孝清和会長は、祖父母が同一人物。奥さんのお父さんは、内務省特別高等警察課員から自民党議員というエリートコースを歩んだ原文兵衛元参議院議長。中川議員は大蔵省から、義父が大臣を務めた環境庁に転じて事務次官になり、義父と同じ選挙区から参議院議員になっています。「浮気はダメよ」の中川さんは、愛妻家とかでなく、浮気をすると、すべてを失う。未入閣なのにすべてを失う。こういった清和会的理由で、「浮気が増える」。

 それに対して「正義」と、「チルドレンファースト」を平然と突きつける民主党

 前川法案は短いものですので、全文引用します。

[民法の一部を改正する法律案(183参法5号)から全文引用はじめ]

 民法(明治二十九年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

 第九百条第四号ただし書中「、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし」を削る。
   附 則
 (施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。
 (経過措置)
2 この法律の施行前に開始した相続に関しては、なお、この法律による改正前の民法の規定を適用する。

[全文引用おわり]

 以上です。

 第185臨時国会では、閣法としてではなく前川法案で、衆参可決成立、公布、施行とまいりましょう。

 ちなみに「非嫡出子」という言い方は「まともではない子」という意味合いにもなるので、「婚外子」という言葉で報道されているようです。

 さて、第三者保証の禁止の法案では前川さんが答弁に立ちましたが、この中で、彼の正義感を感じる印象深いシーンがあったので紹介します。

 2013年6月11日(火)の参法務委

 みんなの党の真山勇一理事の次の発言。

 「民法といいますといわゆる基本法というふうに言われているものなので、それを変えるということの影響が大き過ぎるというような意見もあるわけなんです」「やはり今法制審議会が進行中であるということで、法制審議会の意見、パブリックコメントなど、そういうものを踏まえながら今後ももう少し慎重に審議、議論を進めるということも必要なのではないですか」との質問です。

 前川さんは次のように答弁しました。

 「長く続いたこの戦後の体制の中で、基本法を作るのが法制審だというふうなある種の誤解が私たち国会議員の側にも生まれているのではないかと。 釈迦に説法ですが、憲法41条で、国会こそが国権の最高機関であって唯一の立法機関でありますから、法制審が議論をしているから国会で議論をしてはならないなんということはあり得ないだろうと私は思います。私たちは、選挙民に選ばれて法律を作るために国会にやってきている わけですから法制審が議論をしていようがしていまいが、国民の生活のことを考えて法律の提案をさせていただいて、そしてそれについて様々な意見を忌憚なく述べ合うと、私はむしろ当然だと思っております。」

 参院奈良というと、妻殺し小沢グループで、小沢一郎氏がご遺族にお金をわたして裁判を取りやめてもらった中村哲治元議員のイメージがありますが、それとはうってかわって前川さんのような正義の政治家もいる。

 仕分けされて前川さんが今ネクスト法相になっています。

 民主党もまだまだ捨てたもんではありません。


 ◇

 民主党が発表したコメントは次の通り。

2013(平成25)年9月4日

 

非嫡出子の法定相続分を嫡出子の2分の1と定める条項を違憲とする最高裁判断を受けて(コメント)

 

民主党政策調査会長 櫻井 充

 

 

本日、最高裁は、非嫡出子の法定相続分を嫡出子の2分の1と定める条項を違憲とする判断を行った。

 

民主党は、今回の最高裁判断を歓迎する。

これまで最高裁は、1995(平成7)年の大法廷による合憲判断以降、2009(平成21)年まで合憲の判断を踏襲してきた。しかしながら、1995(平成7)年の判断において、5名もの最高裁判事が反対意見を述べており、また、その後合憲判断がなされたすべての場合において、反対意見や立法府による解決を期待する補足意見等が述べられている。

 

非嫡出子の相続差別は、生まれによる差別そのものであって、非嫡出子自身の努力ではいかんともしがたいものである。この種の差別を是認しないことが近代人権思想の当然の結論である。

民主党は、1998(平成10)年以降16回に渡って婚外子相続差別規定を削除する民法改正案を野党共同で提出してきた。加えて、2013(平成25)年2月27日に大法廷に回付されたことから、緊急な改正が必要であると考え、第183回通常国会においても法案を再提出した。

しかしながら与党は、私たちの議員立法に対して審議にさえ応じず、その結果、違憲判決以前に立法府の良識を示すことができなかった。

 

政府は、今回の最高裁判断を受けて、非嫡出子の法定相続分を嫡出子の2分の1と定める条項を削除する法改正案を秋の臨時国会に提出し、成立を期するべきである。